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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

二つの貧しい国

2007年06月03日 | 中学受験 行雲流水録
「私にできることは、なんだろう。」(地球市民村編 ascom)春休みに私が感銘を受けた一冊です。この本は、環境・平和・国際協力など、日頃頭の片隅で気になってはいるけれど、忘れがちなことについて、世界の現状を教えてくれます。また、今後の問題についても。今の自分にできることは何かを考えるきっかけにもなります。平凡だと思う毎日がなんて恵まれたものなのだろうと感謝の気持ちでいっぱいになるはずです。

その中からいくつかをみなさんにご紹介しましょう。

30分に1人、誰かが地雷を踏んでいます。被害者の4人に1人は小さな子どもたちです。地雷は1個300円。1個を撤去するためには10万円がかかります。世界中に埋められている地雷をすべて除去するには1千年かかると言われています。

空腹のまま、1分間に17人が亡くなっています。12人は子どもです。一方で好きなときに好きなだけ食べることができる人は、世界に5分の1います。日本に住む私たちもその1人です。

5人に1人は小学校に行っていません。貧困が理由の場合も、また校舎や先生の不足、教材の不備といった体制が理由の場合もあります。5人で1冊、ひどいところでは100人で1冊の教科書を使う学校もあります。

日本人を食べさせるため、海外に日本の耕地の4倍の土地が必要です。たとえばバナナは安く手に入る果物ですが、そのためにフィリピンでは時給46円で働いている人々が存在します。そうして手に入れた輸入食品は年間に5800万トンにも上りますが、3分の1は食べずに捨てられています。

どうでしょうか。想像もできない現実が世界には広がっている、その事実を突きつけられ、胸が潰れる思いでした。「世界には二つ貧しい国がある。一つは物質的に貧しいインド。もう一つは、世界でこれだけ困っている人がいるのにそのことに無関心でいられる日本である。」

マザーテレサの言葉です。豊かになったと言われるようになって久しい日本ですが、心が貧しいということは、経済的に貧しいことよりも数段悲しいことだと思います。経済的な豊かさと反比例するように心は貧しくなってきているような気がしてなりません。自分さえよければという風潮がいたるところに見受けられます。経済的に恵まれた国に生まれたことは幸運なのか、それとも不幸なことなのか、正直私にはわからなくなることもあります。

「私にできることは、なんだろう。」考えてみてください。そしてあなたにできることを探してみてください。私はこの本を読んでからというもの、募金箱をみかけると、必ず小銭を入れるようにしています。ちなみに、500円硬貨1枚で、エチオピアの76人がパンを食べられるそうです。大それたことでなく、どんな些細なことでもいいではないですか。まずは第一歩を踏み出してみましょう。そんな思いを真摯に子どもたちへ伝え続けていきたいと思います。


*参考文献-「私にできることは、なんだろう」(一部文中を抜粋してます。)


澪標
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