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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

見守る勇気

2007年12月11日 | 中学受験 合格力随想
これは私の体験なのですが、以前、中三の女の子(A子さんとします)の学習のサポートとして、数学の指導を行いました。ところが、その後私はA子さんの指導につくことが時間的にできなくなりました。そこで、私の代わりの先生がA子さんの数学の指導につきました。

何週かたってA子さんに「数学の授業で困ったことはないか?」と聞いてみたところ、「新しく先生は親切すぎる」というのです。A子さんが自分でわかっているところまで遡って、一つ一つ丁寧に板書してくれるのだそうです。A子さんは、自分の授業を受けて、必要最低限の先生の板書や筆記を確認し、それでもわからないことを教えてくれたら十分だというのです。私はポイントを説明する以外は、A子さんが「今の何?」「これはどういうこと?」など、聞いてきたことに対して答えることにしていました。その少し不親切だとも思われるやり方のほうがA子さんはよかったということでした。

私たちは教える側になったとき、どうしても、手とり足とり、先回りをして、相手ができることまでやってしまうことがあります。それでは教えてもらう側が自分で考える楽しみを味わうことができなくなります。このことはその基本的な事実の再確認となりました。

作文の指導でも、低学年の保護者の方から、「表現のまちがいを直した方がいいですか?」や「作文に書くことについて、アドバイスをしてもいいですか?」と聞かれることがあります。子どもが作文を書くときは、ついそばで見ていて口出ししたくなるということがあるかもしれません。でも、そこで、あれこれ口出しをすると、自分で考える力をうばってしまうことになります。なかなかむずかしいことかもしれませんが、子どもの力を信じて、見守ってあげるのが一番だと私は考えています。


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