尾瀬に水芭蕉の咲く季節となりました。皆さんは「座禅草」という山野草をご存じですか?花はその水芭蕉に似ていて、白い花の部分が紫茶褐色をしています。その中に、黄色く丸い花序がのぞいているのですが、その形が僧侶の座禅する姿に似ているところから「座禅草」と名付けられたそうです。背丈が低くかわいらしい花です。水芭蕉は尾瀬などの湿原に自生し歌にも唱われた夏の風物詩ですが、「座禅草」は春の訪れを告げる山野草です。
ほかにも山野草の仲間には「雪割り草」という花があります。冬に降り積もった雪を割り、春の訪れをやさしく告げる花です。また、「福寿草」や「節分草」など、野に咲く春を告げる花はたくさんあります。冬が厳しい年ほどこれらの草花は美しく芽吹くといいます。山野草が咲いたというニュースを見ると、もう春が来るとうきうきしてくると同時に、冬の寒さによく耐えて根をはっていたなといつも感心します。
庭に咲く花なら、寒さ対策をしますが、山や野ではそういうわけにいきません。しかし、人が手などかけなくても、冷たい土の中で何か月もだまって春を待ち続け、雨や雪や霜にも決して負けない力強さを持っています。そして、いざ花を咲かせるとき、可憐な花を静かに静かに咲かせます。そんな控えめな態度も心ひかれるところです。
有名な宮沢賢次の「雨ニモマケズ」の詩に、
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
欲ハナク
決シテイカラズ
イツモシヅカニワラッテイル……と、あります。
春先に「座禅草」が咲いたというニュースに触れると、この詩のことを思い出します。なにごとが自分の身に起きようと動じることなく、逆境に耐えじっと我慢することは難しいことです。しかし、辛いこと苦しいことがあったとしても、そのひとつひとつを乗り越えていくことにより、強い精神力が育まれていくことも事実です。さらに、この強い心は他の人々へ暖かい思いを伝える優しさを育みます。
私はいつも、野に咲く花のようにありたい、と思うのです。
ほかにも山野草の仲間には「雪割り草」という花があります。冬に降り積もった雪を割り、春の訪れをやさしく告げる花です。また、「福寿草」や「節分草」など、野に咲く春を告げる花はたくさんあります。冬が厳しい年ほどこれらの草花は美しく芽吹くといいます。山野草が咲いたというニュースを見ると、もう春が来るとうきうきしてくると同時に、冬の寒さによく耐えて根をはっていたなといつも感心します。
庭に咲く花なら、寒さ対策をしますが、山や野ではそういうわけにいきません。しかし、人が手などかけなくても、冷たい土の中で何か月もだまって春を待ち続け、雨や雪や霜にも決して負けない力強さを持っています。そして、いざ花を咲かせるとき、可憐な花を静かに静かに咲かせます。そんな控えめな態度も心ひかれるところです。
有名な宮沢賢次の「雨ニモマケズ」の詩に、
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
欲ハナク
決シテイカラズ
イツモシヅカニワラッテイル……と、あります。
春先に「座禅草」が咲いたというニュースに触れると、この詩のことを思い出します。なにごとが自分の身に起きようと動じることなく、逆境に耐えじっと我慢することは難しいことです。しかし、辛いこと苦しいことがあったとしても、そのひとつひとつを乗り越えていくことにより、強い精神力が育まれていくことも事実です。さらに、この強い心は他の人々へ暖かい思いを伝える優しさを育みます。
私はいつも、野に咲く花のようにありたい、と思うのです。