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ALGOの塾長日記~愚公移山~

-学習塾方丈記-

学習指導の由なしごとを
    徒然に綴ります。

文系だから数学は苦手

2010年05月17日 | 中学受験 合格力随想
「ボクは文系だから数学は苦手」という子がよくいます。確かに、理数系が他の子より理解が落ちるのかもしれません。しかし、この主張をするときの心理をリフレーミングすると、次の言葉か聞こえてきます。「ボクは文系科目は得意」と…。

いつぐらいからでしょう、商社や銀行さえ挙って理系礼賛に頭を振ったのは。世はおしなべて理系有利の風潮が蔓延しているため、文系が得意なことをハンデに考えがちです。しかし、案外「ボクは文系だから数学は苦手」と思っている時点で、「でも国語は得意なんだ」という暗示を自分にかけているのです。

人間は、何かを思い込もう、自己暗示をかけようとしても、ナカナカ思い込めないしかからないと言われています。そんな人間において、「ボクは文系だ」と思い込めていることは素晴らしいことなのです。

ただ一つ問題なことは、周りの方が「ボクは文系だ」といっている子に「文系だけじゃダメだ。数学も物理もしっかりやれ」といった反応を示すことです。これではせっかく自信を持っている文系を否定することになります。そして、そのことがひいては自分の長所を殺すことに繋がっていきます。最初からオールマイティな学力の子なんてほとんどいません。

得意な教科を伸ばすことで学習のやり方や面白さがわかり、他の教科への意識や取り組みが高められ伸長してくるというのが、だいたいのパターンです。まずはこれなら負けないというものを一つ見つける。なければ、つくることです。

自分の欠点とか、できない教科ばかりに意識を振り向けていくクセがつくと、自分はできないという暗示にかかり、本当にできないヒトになってしまいます。では、実際に得意教科がない場合どうすればよいのでしょう。それは、『部分』から攻めることです。例えば、「Tで始まる英単語は完璧」とか「三国志の時代は大得意」とか…。

通常一般的には「全体は部分を包括し、部分は全体を構成する」といわれます。しかし、学習の世界では「部分は全体を包括し、全体は部分を構成する」のです。どんな狭い範囲でも、一点に集中してびっしり学習すれば、そこに学習というものの全体像が入っています。したがって、いきなり全教科をやる必要はありません。

Tの英単語だけで十分です。そこを完璧に仕上げることで、AやRやKの英単語が身につき、他の教科の学習進度も深まります。いったんこうなってしまえば、他の学習をやるときにもなんとなくカンが働くようになっていくのです。

文系の人は「ボクは数学はできない」ではなく「ボクは国語ができる」というメンタリティーが重要になります。理系が苦手だから文系を選んだわけではない。文系が得意だから文系を選んだ。そう思うべきです。



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