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面白い時代劇『憑神(つきかみ)』

2008年01月14日 00時17分24秒 | Weblog

 妻夫木聡の面白く、そして、爽やかな演技が光る映画『憑神(つきがみ)は、大変面白い時代劇作品ですね。時代は、徳川300年の平安な時代末期である幕末から明治に掛けての、時代が大きく変貌を遂げる時期なのです。この時代に、本当に堅物である旧家の武士が、同僚が拝んだ事でとんとん拍子に出世する稲荷神社に願掛けをすることで、大変な騒動が起こるという設定です。場所も両国ではなく、すぐ近くの「三巡稲荷」だったことで、恐ろしい3神に取憑かれてしまう事になる。貧乏神疫病神、そして、究極の死神・・・、こんな強力な3神に順番に取り憑かれたら、ひとたまりもありません。でも、別所彦四郎を演じる妻夫木聡の純粋な気持ちに、貧乏神(西田敏行演じる)が100年に一回しかできないという「宿換え」という究極の防御に同意してしまうし、次の疫病神(赤木英和演じる)も爽やかな彦四郎に負け憑依を移転、ついには、最強の死神(森迫永依演じる)も、神である自分より大きな人間・彦四郎に折れ、影武者の主人・徳川慶喜将軍に憑く決意をしてしまうのだった。1999年に公開され大ヒットした『鉄道員』の原作・浅田次郎と監督・降旗康男のコンビが8年ぶりにタッグを組み、時代が移りゆく世相の中で、武士としての本分を取り戻していく若きサムライの生き様を活写した時代劇ドラマ。
 かわいい死神・おつやを演じる森迫永依との会話に、はっとするシーンがある。妻夫木演じる別所彦四郎とのやりとりはこうだ。

彦四郎:「神にはできなくとも、人にはできることがある」
おつや:「人間は、一番出来の悪い神が創ったんだよ。神は何でも出来る。人    間は、虫けらと変わらないものなのよ。」
彦四郎:「そうかも知れん。だがな、只一つだけ人間には出来て、神には出来ぬことがある。」
おつや:「それは、何?」
彦四郎:「志(こころざし)のために死ぬ事だ」

 格好いいですよね。神は永遠の命があるから、死ぬ事はない。しかし、死ぬ事ができることは、人間でしか出来ない。志(こころざし)という信念で、人は自分の大事な命をも絶つことができるということだ。この会話の後、数日後、死神・おつやは「なんか神を止めたくなっちゃったな。おじさんの方が立派で、神である私の方が、みじめに思えてしまうもの」

米米クラブの歌う主題歌「御利益」も、非常にノリの良い歌ですね!!

【ストーリー】
 幕末。別所彦四郎は、婿養子に行った先から離縁され、兄夫婦の家に居候という、肩身の狭い思いをしていた。あるとき彦四郎は、旧友、榎本武揚と再会する。そば屋の親父が言うには、榎本が出世したのは、向島にある「三囲り(みめぐり)稲荷」にお参りしたからだという。その帰り道、酔った彦四郎は「三巡り(みめぐり)稲荷」を発見。ここぞとばかりに神頼みする彦四郎だったが、それは「みめぐり」違いで、災いを呼び寄せるお稲荷様だった…。
 しがない下級武士が、祈る相手を間違えて、貧乏神、疫病神、死神に取り憑かれ、奮闘する物語。『鉄道員』の浅田次郎原作、降旗康男監督コンビによる娯楽時代劇。ニートさながらの無為な日々を送っていたものの、やがて武士として、人間として誇りを持った生き方に目覚めていく主人公を、妻夫木聡が好演。陽気な貧乏神に西田敏行、たくましい疫病神に赤井英和、そして死神とは思えないかわいらしい死神に、子役の森迫永依と、みんな神様に見えないところがユニーク。ほか、そば屋に香川照之、母親役に夏木マリ、勝海舟に江口洋介と、芸達者揃い。人間味のある神様たちや、江戸っ子たちのやりとりも丁々発止。コミカルな人情劇に仕上がっている。

「憑神(つきがみ)」HP>>http://tsukigami.jp/index.html


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