この世に、音楽が無くなったとしたら、どんなに辛いことになることでしょう。音楽は、人間の感情にダイレクトに訴えかけてくるものがありますよね。辛い時、悲しい時に、元気になる明るい音楽を聴くと、心の重さが取れ、非常な爽やかさをを覚えます。人間の生活の中での音楽は、無くてはならない存在なのです。人間の「生」こそが、まさに音楽なのかもしれません。生きていくことと、音楽に触れることは、同源なのかもしれませんね。
映画でも、音楽は非常に重要です。チャップリンの無声映画時代には、音楽が感情や状況を表す代名詞でした。喜怒哀楽は、音楽がすべて代弁してくれていたのです。この時代には、役者の台詞はありません。単に、字幕に言葉が映し出されるだけで、人間の声は一切無いのです。この時でも、その情景や感情が非常に伝わってきました。こう見ていくと、人間が生きる上では、言葉よりも、音楽の方が重要なのかもしれないのです。『キッド』、『黄金狂時代』、『殺人狂時代』、『独裁者』、『モダン・タイムス』等素晴らしい作品の中には、音声としての会話はありません。
ミュージカル映画の世界でも、音楽は重要です。主演者の歌声は、その作品の良し悪しを決定付ける大きな要因なのです。『サウンド・オブ・ミュージック』では、ジュリー・アンドリュースが、素晴らしい歌声を披露します。『雨に唄えば』では、雨の中のダンスをするジーン・ケリーは、やはり唄を歌っています。『オペラ座の怪人』では、ジェラルド・バトラー、エミー・ロッサムの二人の歌声は、荘厳なオペラ座に響きます。壮大なオペラ座をバックに、この作品は壮大な愛を訴えかけます。
作曲家を描いた映画もあります。『アマデウス』は、モーツアルトの半生を描いた作品ですし、『敬愛なるベートーヴェン』は、楽聖といわれたベートーヴェンを描いたもので、隠れた真実を描き出している。
こう見ていくと、やはり、映画の中でも音楽は重要なものですね。『007』シリーズでは、タイトルサウンドが決まっていますし、この出だしがないと、ジェームズ・ボンドの登場はありえないのです。『ピンク・パンサー』も同様に、クルーゾー警部の軽快さは、タイトルサウンドがないと有り得ない。『JAWS』では、不気味な鮫の近づいてくる音楽は、身も凍るような感覚を感じる。
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