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異星人との友情に感動、『宇宙人ポール』

2012年10月06日 00時37分14秒 | Weblog

 中々コミカルなストーリー展開である。また、異星人とオタクな二人の友情が感動する、映画『宇宙人ポール』(2010年アメリカ制作)を見た。異星人は、侵略者であったりと、通常はコミカルな友人としては描きにくい。「E.T.」以来の友情を描いた映画と言えるのかもしれない。
 
『ギャラクシー・クエスト』『ファン・ボーイズ』など、SFコミックや映画のファンを題材にした作品に、またひとつ傑作が生まれた。SFオタクの主人公2人を演じるサイモン・ペッグとニック・フロストは、ゾンビ映画のパロディ『ショーン・オブ・ザ・デッド』、アメリカン・ポリスアクションのパロディ『ホット・ファズ-俺たちスーパーポリスメン!-』に主演してきたコンビ。今まではアメリカンテイスト全開のジャンル映画の舞台をイギリスに持ち込んでいたが、本作では主に70~80年代のSF映画のパロディをふんだんに取り入れつつ、アメリカへの憧れとイギリス人らしい皮肉を全開。軸となるのはスピルバーグ映画『未知との遭遇』と『E.T.』へのオマージュ。監督は、本作が初の日本公開となるのグレッグ・モットーラ。
 
1947年、アメリカ、ワイオミング州のムーアクロフト。そこで暮らす幼い少女は、ある夜、怪しい光を放つ飛行物体が愛犬に向かって墜落してくるのを目撃した……。この不可解な出来事から60年。イギリス人のSF作家クライヴ(ニック・フロスト)とイラストレーターのグレアム(サイモン・ペッグ)は、世界中のマニアが集うイベント“コミコン”に参加した翌日、レンタカーでアメリカ西部のUFOスポット巡りに出発。その途中、ネバダ州のエリア51付近で1台の暴走車の事故現場に遭遇する。恐る恐る車内の様子を窺うと、姿を現したのは、“ポール”と名乗る宇宙人(声:セス・ローゲン)。地球を訪れた60年前、政府の秘密施設に拘束された彼は、解剖されそうになったところを逃げ出してきたのだ。故郷に帰るのを手伝ってほしいと頼み込むポール。宇宙人にもかかわらず、長年の地球暮らしですっかりアメリカナイズされた毒舌とフランクな性格のポールに驚きつつも、不思議な能力を持ち、人知れず世界中の大衆文化に影響を与えてきた意外な一面を垣間見たことで、2人は徐々に打ち解けてゆく。そんな彼らの前に現れたのは、ポールを捕えるために派遣された捜査官ゾイル(ジェイソン・ベイトマン)。凄腕のゾイルは間もなく、クライヴとグレアムがポールの逃亡を手助けしていることを突き止める。一方、ポール一行はひょんなことから、宿泊先のモーテルで働く敬虔なクリスチャンのルース(クリステン・ウィグ)を誘拐する羽目に。しかも、グレアムが彼女といい雰囲気になってしまう。ルースの父、モーゼス(ジョン・キャロル・リンチ)は怒り心頭。過激なキリスト教原理主義者の彼はライフルを手にその後を追う。ゾイルやモーゼスの激しい追撃を危機一髪のところでかわす4人。次第に固い絆で結ばれてゆく一行は、いよいよ目的地に到着。そこには、想像を絶する驚きの光景が広がっていた……。
 主人公たちが協力し、政府機関の裏をかいてエイリアンを故郷の星に帰すという、S・スピルバーグの「E.T.」とほぼ同じ展開なのだが、秀逸なのが、宇宙人のポールのキャラクターである。
60年も地球にいたおかげで、流暢に英語を喋るのはいいが、スラングは混じる、下品なジョークは連発する、タバコもマリワナも吸うなど、子供と心を通わせたE.T.とは大違いの、俗物的なアメリカ文化に毒されてしまってるわけで、それはまた、クライブたちイギリス人の目から見た、辛らつなアメリカ批判にもなっている