短冊形の長い空から粉雪が吹き寄せる。空は白く雪も白い。額縁になぞらえた真竹の濃緑が粉雪に霞む。堆積する雪は枝をしならせ先を鋭く研ぎ澄ませた雪氷片を、とうに落ち尽くした葉に替わってひとつ、またひとつと風に散らせる。その竹林の中に一匹の猫がいた。降り積む雪は厚さを重ね氷の滴は連なり合ってひとつの層となり、手足を丸めた猫の体は中身の無いただの毛皮のように通り過ぎる時間の中に埋もれていく。
猫はまるで動 . . . 本文を読む
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