時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

夕張市:退職幹部の破綻に対する当事者意識

2007年03月12日 | 国家破綻
財政破綻に陥った夕張市では、人件費の削減のため、平均30%の給与カットや早期退職勧奨を打ち出した結果、今月末で職員の約半数にあたる152人が退職する。
今月末で退職する幹部(部長職、次長職、課長職)に対して、毎日新聞社が聞き取り調査を行ったそうだ。全員が50歳以上で、部長職10人、次長職9人、課長職13人の計32人が面談式の聞き取りに応じたそうだ。
このうちのほとんどは今後の進路が決まっておらず、「市内に残る」と答えたのは半数以下で、過半数が職を求めて市外に出るという。
財政破たんに対し、「自身の責任を感じている」とした幹部は4分の1にとどまり、当事者意識の低さが浮き彫りとなったと報じられている。
大量退職による市の業務停滞も懸念し、「ボランティアで手伝いたい」(次長職)など、7人が協力の意向を見せる。しかし、「自分の仕事探しで忙しく、手伝えないのが残念」(課長職)という厳しい状況の人も多い。
また、財政破たんに対する市幹部としての責任については「チェックできなかった」「財政状況を知る立場になく、不安だったが言えなかった」(ともに部長職)、「職務に忠実だっただけ」(課長職)などの声が目立ち、責任を認めたのは9人にとどまった。
実際に課長レベルでは、直接に予算作成などに関わっていなければ、内実はよくわからなかったのかもしれない。また、仮に財政状況がわかっていたとしても、課長レベルでどれほどの発言力があったのかも甚だ疑問ではある。
これに対して部長級にもなれば、やはり責任は重大であろう。
管理職の退職理由はほとんどが「人件費削減への協力」だというが、今後、退職時期が遅くなればなるほど退職金は減る仕組みになっているので、どうせ定年に近いし、退職金が減る前に、もらうものをもらってさっさと辞めてしまおうというのが、管理職の本音ではなかろうか。
この記事を書いている最中に、市長が次回の選挙に立候補しないとのニュースに接したが、当然であろう。
定年までにまだ期間があり、とても退職できない中堅世代は、今後は給料のみならず退職金も削減され、さらに子供の教育などを考えると引っ越しもできず、夕張市内はもとより北海道内も失業率が高いため、再就職もままならないと、踏んだり蹴ったりではないだろうか。
こういう世代には、特別の配慮がなされることを期待するものである。