時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

タミフル服用後の異常行動

2007年03月01日 | 医療・社会保障
2月27日の深夜に、仙台の11階マンションに住む中学2年の男子生徒(14)が「トイレに行く」と言って、玄関を出て廊下の手すりを越えて飛び降りて死亡した。この生徒はインフルエンザ治療薬「タミフル」を服用していたという。
タミフルを服用後、異常な行動を起こして未成年者が死亡するケースが相次いでいる。
16日にも愛知県でタミフルを服用したとみられる中学2年の女子生徒(14)が転落死している。
遺族らでつくる「薬害タミフル脳症被害者の会」の代表は、17歳だった長男が2004年にタミフル服用直後に自宅から国道に飛び出して交通事故で死亡した。2005年に愛知県でマンションから転落死した14歳の少年と2006年に沖縄県のマンションから転落死した12歳の少年も含め「副作用による異常行動だ」と主張している。
これに対して、厚生労働省はタミフルとの因果関係に否定的だ。
厚労省の研究班は、昨年11月に約2800人を対象にした調査で「タミフル服用の有無によって異常行動などのあらわれ方に差はない」との結果を公表した。
しかしながら、年間何万例にも処方される薬剤について、わずか2800人を調査して異常行動とタミフルの服用の有無に差がないと結論づけることができるのだろうか?数万人に1人の割合で起きる副作用を、数千人の調査で明らかにできるとは思われない。
インフルエンザを罹っているが、タミフルを服用していない中高生が、マンションなどから飛び降りたという記事は、まったく見た記憶がない。インフルエンザに罹っている患者で、マンションから飛び降りたり、突然に外に飛び出したりする患者というのは、年間に何名くらいいるのだろうか?ほとんどいないのではなかろうか。
いずれにせよ、インフルエンザの流行時期を迎え、「因果関係が証明されていなくても、医師は投与の際に注意喚起をしてほしい。親は服用した子供から目を離さないで。」と被害者の会の人たちは訴えている。もっともな主張であると思われる。
中高生などの若年者に対しては、服用後は、家族などが目を離さないようにするなどの注意を行うことは、当面打つべき対策として重要ではないかと思われる。