時々新聞社

慌ただしい日々の合い間を縫って、感じたことを時々報告したいと思います

バイオ燃料のゆくえ

2007年03月08日 | 環境・食料問題
バイオ燃料とは植物などからできるエタノールやメタノールなどをいうそうだ。
植物というのは、太陽エネルギーを受けて成長し、その過程で空気中の二酸化炭素を吸収する。これを利用して作ったエタノールなどを燃やせば、植物が吸収した分の二酸化炭素は排出されるが、その分は、また翌年に栽培、成長する植物が吸収するという仕組みなので、環境への負荷が少ないと期待されているわけだ。
なるほど、建築の廃材、街路樹や森林の間伐材、利用価値の低い雑草など、今までは燃やして廃棄していたことに比べれば、これらを利用する限りにおいては、環境や人類にもやさしい燃料と言えるかもしれない。しかし、サトウキビや小麦、とうもろこしなど、本来は人や家畜の食料とすべきものを自動車などの燃料として加工するのはいかがなものだろうか。
世界中には、飢餓に苦しむ人が8億人いると言われている。こういう人たちの存在を尻目に、食料にすべき穀物などを自動車などの燃料にして暮らす必要があるのだろうか?
そこまでして、人間は便利な生活にしがみつきたいのだろうか。
バイオ燃料は、現在の化石燃料の消費と比べれば、環境にとっては多少はマシな対策かもしれないが、大本から生活スタイルを変えない限り、現在人類が直面している大規模な環境破壊には太刀打ちできないのではないかと思われる。
それよりも、バスなどの身近な公共交通機関を大胆に整備し、ラッシュ時には山手線並みの運行間隔で移動を可能にし、乗客が少ない時には燃料の消費が少ないマイクロバスやワゴン車を運行するなど、少し工夫すれば車社会からの脱却は可能なのではないだろうか。
また、深夜まで煌々とネオンを点ける必要はないと思われる。オイルショック時のように、最小限度の照明にすればよいのではなかろうか。
企業でも、煌々と明かりの点いた広いフロアにたった数人が残業しているというような状況を解決すれば、経費削減効果も大きいだろう。
姑息な手段ではなく、大胆な生活スタイルの変更が求められていると感ずるのは、編集長だけではあるまい。