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●ドイツは《脱原発を完了…原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な判断》…ニッポンはGXの名の下に核発電を進めて「フクシマ忘却法案」

2023年05月10日 00時00分33秒 | Weblog

[※ 「3.11から12 脱原発の約束はどこに」(週刊金曜日 1415号、2023年03月10日) ↑]


(20230423[])
東京電力核発電人災を起こしたニッポンこそが最初にやるべきなのに、恥ずかし過ぎる。《原状回復》どころか、《原発回帰》へと暴走し、核に「寄生」する人々が大手をふって、経産省を中心に、この12年間、着々と《原発復権》。一体《脱原発の約束はどこに》行ってしまったのか?

   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン

 東京新聞の記事【<社説>独の脱原発完了 危険性を踏まえた賢慮】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/245378?rct=editorial)によると、《ドイツが稼働中だった最後の原発を停止させ、脱原発を完了した。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給不安という逆風の中でも原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な判断を評価したい》。

 核発電人災から、おおよそ1年と数カ月の2012年6月、(東京新聞社説)《「原子力の憲法」といわれる原子力基本法こっそり変更されていた。国会でほとんど議論されぬまま「安全保障に資する」の文言が加えられた問題は、原子力の平和利用の理念をゆがめるものだ。二十日に成立した原子力規制委員会設置法で、原子力基本法の一部が改正された。基本法は、原子力の研究と開発、利用の基本方針を掲げた「原子力の憲法」である。核を「持たない」「つくらない」「持ち込ませず」の非核三原則の初め二つの基礎だ。しかも今回の改正の対象となったのは公開・民主・自主」をうたった基本法二条という重要条項だった》。
 当時…「大飯原発再稼働ごり押しの陰で、そして、消費税増税のドサクサに紛れて姑息な「原子力の憲法」改正とは。この第2自民党、本家自民党、公明党の三党の姑息さ、全く腹立たしい限りだ。原子力の「平和」利用であり、原爆の開発の意図を隠し持つなどあり得ないと、原発推進派は一笑に付してきたはずだが、今回の「憲法」改悪をどのように見るのだろう。平和憲法をも踏みにじる行為ではないのだろうか。首相官邸前でも大飯原発再稼働反対のデモが続き、関西電力前でも同様。電力消費地からも原発不要、原発電力使用お断りのろしが上がっているのに、なぜこの三党にはそれが伝わらないのか。」

   『●原発再稼働ごり押しの陰で、
      消費税増税のドサクサに紛れて姑息な「憲法」改正
   『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である
   『●嘘吐きと本音

 「GX」=核発電?? カルトとヅボヅボ壺壺な自民党の直接的・間接的支持者の皆さん、教えて下さい。一体、どういうこと? アタマがどうかしていないでしょうか?
 東京新聞の【<社説>脱炭素電源法案 フクシマ忘却宣言だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/245379?rct=editorial)によると、《「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」が国会で審議されている。「脱炭素」を掲げてはいるものの、原発復権を国が後押しするために原子力の憲法といわれる原子力基本法の改正にまで踏み込んだ》。

 (東京新聞)《メルケル政権は福島の事故後、技術者ではなく、哲学者、社会学者、宗教指導者ら幅広い識者で構成する倫理委員会を設置》…何か、大きな民度の違いを見せつけられた思いだ。「今だけ、カネだけ、自分だけ」…のチッポケで、姑息で、哀しい国・ニッポン。《「原発のない社会を築き、脱原発の正当性を示す必要がある》のはニッポンではないのか? 情けない…。被ばく国が「核なき世界」を目指さず、核発電人災で世界中に迷惑をかけた国が「原発のない社会」を目指さない。
 GXの名の下に核発電を進め、「フクシマ忘却法案」…正気なのかね、この国は? 《3・11以前への回帰であり、「フクシマはもう忘れよう」と、政府として宣言するようなものではないか》。核発電人災の教訓はどこに? 《脱原発の約束はどこに》?

   『●核発電人災の反省はどこに? 《熟議より、政府の都合を優先》する
       原子力「推進」委員会、《フクシマを「なかったことにする」のか》?
   ●古賀茂明さん《政府は、料金値上げを認めるのなら、電力会社の送配電の
      完全分離(所有権分離)を実現することを電力会社に飲ませるべき》
   『●《鍵は送配電部門の中立性・公平性にある。…飯田哲也所長は「日本の
     自由化の課題は、発送電分離がきちんとできていないことだ」と指摘する》
   『●《原状回復》することも無く、堂々と《原発回帰》へと暴走し、この
     12年間、着々と《原発復権》…3.11東京電力核発電人災の教訓はどこに?
   『●東電核発電人災から12年: 暦が一巡して、2023年は再びの卯年…
       もう一回り前の卯年は《1999年9月30日。東海村JCO臨界事故…》
   『●国や経産省、東京電力は「原状回復」することなく東京電力核発電人災
     被災地は放置で、一方、東京電力CMはちゃっかり「原状回復」かょ…
   『●東京新聞《<ぎろんの森>原発推進組織に逆戻りか》―――― すごく
      控えめな表現…単に「原子力規制委員会」に看板を掛け代えただけ
   『●《原発を動かせばごみが出る…なすべきことは明白。原発を止め、ごみ増
     を防ぎ…しかし国は稼働ありき。ごみが増えるほど後始末に困るのに》
   『●原発推進を打ち出す政府の方針を原子力規制委員会が追認…「推進」委、
       核に巣食う核「寄生」委、例外中の例外のはずが原則40年を無視
   『●東京電力核発電人災の教訓はどこに? 《一歩間違えば国全体が壊滅
     してもおかしくなかったほどの大事故を経験した日本》、その教訓は?
   『●野党議員だった頃の河野太郎氏「原子炉と使用済み核燃料プールは、
     テロリストに狙われたり、ミサイルで狙われたりと潜在的な弱点である」
   『●どこが「規制」? 原子力規制庁と経産省の職員が《面会する場所として、
      なぜか駅を選び、内部文書を受け取っていた。慎重を期すべき規制…》
   『●柏崎刈羽核発電、新潟《県民の多数は再稼働を拒絶》ではなかった
     のか? なのに、こんな知事を選んでしまうから、こんな結果になる…
   『●東京電力核発電人災から何年経とうとも、坂本龍一さん《「人々の記憶
      は薄れているかもしれないけれど、いつまでたっても原発は危険だ」》
   『●《ドイツの脱原発完了》…《なぜ、ドイツは脱原発なのに、日本では
     それができないのか》?…ではなく、そもそも全くやる気無しなニッポン

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/245378?rct=editorial

<社説>独の脱原発完了 危険性を踏まえた賢慮
2023年4月21日 07時50分

 ドイツが稼働中だった最後の原発を停止させ、脱原発を完了した。ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー供給不安という逆風の中でも原発の危険性を踏まえた政策を貫いた賢明な判断を評価したい。

 二〇一一年の東京電力福島第一原発事故を受け、当時のメルケル政権は十七基の原発稼働を二二年末までに停止する方針を決定

 その後、ウクライナ侵攻に対する欧米の経済制裁に反発したロシアが天然ガス供給を停止し、電力やガスの供給が不安定になったため、現在のショルツ政権が残る三基の原発稼働を今月十五日まで延長していた。

 最近の世論調査では、ドイツ国民の半数以上が原発停止に反対している。エネルギー危機への不安からだろう。それでも脱原発方針が揺るがないのは、原発は危険性が高く、事故が起きれば取り返しがつかないとの認識からだ。

 メルケル政権は福島の事故後、技術者ではなく、哲学者、社会学者、宗教指導者ら幅広い識者で構成する倫理委員会を設置。委員会は「日本のようなハイテク国家でも原子力事故が起き、ドイツで事故は起こり得ないという確信はなくなった事故の損害は限定されているという見解も説得力を失った」として脱原発を提言した。

 政権が交代しても提言に基づく脱原発の方針は維持され、連立政権に参加した環境政党、緑の党も脱原発完了を強く後押しした

 ドイツの発電量に占める原発割合は一〇年の22%から二二年には6%に減少。今回の運転停止で原発依存から完全に脱却する。

 今後は発電量の46%をまかなう再生可能エネルギーを三〇年には80%に増やし、現在三割を占める石炭の割合を減らすという。こうした政策は、脱原発と温暖化対策が両立することを示す。

 ドイツには原発の廃炉作業や、核廃棄物を保管するための最終処分場の確保などの課題が残るが、「原発のない社会を築き、脱原発の正当性を示す必要がある。そのことが、日本をはじめフランスや中東欧諸国など原発推進国へのメッセージにもなるだろう。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/245379?rct=editorial

<社説>脱炭素電源法案 フクシマ忘却宣言だ
2023年4月21日 07時50分

 「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法案」が国会で審議されている。「脱炭素」を掲げてはいるものの、原発復権を国が後押しするために原子力の憲法といわれる原子力基本法の改正にまで踏み込んだ

 岸田文雄首相は昨年夏のGX実行会議で、脱炭素の要請とエネルギーの安定供給を名目に「原発依存度を可能な限り低減するとした福島第一原発事故以来の大方針を「原発を最大限活用する百八十度改めた再稼働の加速などに向けて「国が前面に立つ」との姿勢も打ち出した。

 GX脱炭素電源法案は、首相の方針転換を具体化するために、五つのエネルギー関連法の一括改正を図る「束ね法案」だ。

 このうち原子炉等規制法電気事業法では「原則四十年最長六十年」とする原発の運転期間を定めた規定を、原子力規制委員会管轄の炉規法から削除経済産業省所管の電気事業法に移し、一定の条件下で六十年超の運転を経産相が認可できる仕組みに改める。

 基本法の改正案には「国の責務」という項目が新たに加えられ、「国は、原子力発電を電源の選択肢の一つとして活用することによる電気の安定供給の確保に資することができるよう、必要な措置を講ずる責務を有する」などと明記。国が率先して原発復権に関与する姿勢を明確にした。

 福島の事故のあと、原発規制の管轄は、推進側である経産省の原子力安全・保安院から、独立機関の原子力規制委に移された。

 法案がこのまま通れば、3・11の重要な教訓である「規制と推進の分離」は崩れ、「国策」の旗のもと、経産省主導で老朽原発の延命が進んでいく恐れが強い。

 3・11以前への回帰であり、「フクシマはもう忘れよう」と、政府として宣言するようなものではないか。

 複数の法案をまとめて提出し、一度の採決で賛否を決する束ね法案には、審議の中で対立点が鮮明になりにくく、あいまいなままで国会を通しやすいとの批判も多い。しかし、五つの個別法案のひとつひとつが、国民全体の暮らし、そして命にかかわる重大な案件だ。「自主、民主、公開」という原子力基本法の三原則に見合う熟議が欠かせない。

 「フクシマ忘却法案」を、このまま成立させるべきではない。
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●戦争、環境破壊の最たるもの…ところで、海猿の皆さん、《職員が軍隊として組織され、訓練され…軍隊の機能を営むことを認める》でOK?

2022年12月04日 00時00分35秒 | Weblog

[↑ 命どぅ宝沖縄を再び戦場にするな! (2022年05月15日、朝日新聞)]


(2022年11月18日[金])
番犬様の超デタラメ、文句も言わない主権なきニッポン政府。プーチン氏に嗤われ、蔑まされるはずだね。《植民地》ニッポンの中の沖縄。番犬様はやりたい放題だ。主権なき非《独立国家》の自公政権は、番犬様に沈黙。

   『●巨大新基地建設による辺野古破壊…プーチン氏に《主権を行使できて
                    いない実例》と指摘されてしまう始末
   『●和泉洋人首相補佐官…《日本の民間企業に建設協力を打診し、
     便宜供与を匂わせていた…徹底的に民意をないがしろにする政権の姿》
    「《これは安全保障政策ではない。日本をぼろぼろにすることと
     引き換えにした米国への隷従であり、「売国的」ですらある》…
     ホシュやウヨクの皆さんの大好きな売国奴という言葉。でも、一体誰が
     《売国》奴なのでしょうか? 皆さんのお嫌いなプーチン氏に
     《主権を行使できていない実例》と指摘されてしまう始末ですよ?」

   『●《日米地位協定…あからさまに主権を踏みにじられても、岸田首相は
      「現実的に最善の方法を考えていく」とゴマカし、改定に後ろ向き》
   『●目取真俊さん《中台危機を煽って東アジアに軍事的緊張を生み出し、日本
      や韓国に米国製の軍事兵器を大量に売り込もうという意図》がミエミエ

 琉球新報の記事【世界遺産やんばる「米軍廃棄物に対策を」 国際NGOが報告、日米に働き掛け強化も】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1612333.html)によると、《…沖縄県国頭、大宜味、東の3村の世界自然遺産に接する米軍北部訓練場での廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除去されていないとして、日米両政府に調査と対策を求める報告が掲載された。…報告は(1)米軍機騒音による生物への影響が調査されていない(2)遺産に関わる問題が日米合同委員会環境分科会で議論されていない(3)遺産に関する日米合意文書の全文が公開されていない(4)米軍廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除染されていない―など六つの問題を指摘。日米政府に調査、対策と情報公開を求めている。OEJPの吉川代表は「WHW報告を活用し、やんばるの森を米軍廃棄物がない『真の世界自然遺産』にするために取り組んでいく」と説明。IPPの河村代表は「米国・米軍から具体的な解決策を引き出すことで、基地問題を解決していく枠組みをつくることにつなげていきたい」と述べた》。

   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
        …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至

 やんばるの森での番犬様の超デタラメ、文句も言わない主権なきニッポン政府。
 沖縄タイムスの【社説[戦争と環境破壊]危機の拡散 食い止めよ】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1053547)によると、《50年前の1972年6月、スウェーデンのストックホルムで、第1回国連人間環境会議が開かれた。ホスト国のパルメ首相は、講演で、ベトナム戦争を念頭に「戦争こそが最大の環境破壊である」と指摘し、大きな反響を呼んだ。50年後の今年3月。ロシアによるウクライナ侵攻の直後に、日本環境教育学会は同じ表現を用いて軍事侵攻を批判し、「発への攻撃は地球規模の環境汚染を生む恐れがある」と危惧した》。

   『●戦争、環境破壊の最たるもの
    《二十世紀の初めごろ、デンマークの陸軍大将が、こんな法律があれば、
     戦争をなくせると考えて起草した法案がある。題して
     「戦争絶滅受合(うけあい)法案」▼戦争の開始から十時間以内に、
     敵の砲火が飛ぶ最前線に一兵卒を送り込む。順序はまず国家元首、
     次にその親族の男性、三番目は総理、国務大臣、各省の次官、
     そして国会議員(戦争に反対した議員を除く)、戦争に反対しなかった
     宗教界の指導者…▼妻や娘は従軍看護師として招集し、最前線
     野戦病院で働く。権力を持つ者から犠牲になるなら、自らは
     安全地帯にいてナショナリズムをあおる政治家は姿を消すだろう


 琉球新報の【<社説>国際NGO対策要求 米軍の環境破壊を止めよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1612909.html)によると、《世界遺産の保全に取り組むNGO「ワールド・ヘリテージ・ウオッチ(WHW)」は、国頭、大宜味、東の3村の世界自然遺産に接する米軍北部訓練場で廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除去されていないとして日米両政府に調査と対策を求める内容を2022年次報告に掲載した》。

   『●辺野古「この風景は戦争」:
      誇り高き「海猿」の実像は番犬様の飼い主「アベ様のイヌ」

 ところで…、辺野古「この風景は戦争」な、破壊「損」な辺野古を想うと複雑な心境だね…誇り高き「海猿」どころか「アベ様のイヌ」。現実は脇に置くとして、法的にも《その職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認める》わけだ。法律が、現実に追いつく、ホントにいいの?、「海猿」の皆さん?
 日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/防衛大綱「多次元統合防衛力」とは】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211150000048.html)によると、《安保3文書改定で消え去る運命にあるであろう海上保安庁法第二十五条を書き留めておく。「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」。海保設立の誇りと独立性をついえさせるべきなのだろうか。》

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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1053547

社説[戦争と環境破壊]危機の拡散 食い止めよ
2022年11月8日 05:00

 50年前の1972年6月、スウェーデンのストックホルムで、第1回国連人間環境会議が開かれた。

 ホスト国のパルメ首相は、講演で、ベトナム戦争を念頭に「戦争こそが最大の環境破壊である」と指摘し、大きな反響を呼んだ。

 50年後の今年3月。ロシアによるウクライナ侵攻の直後に、日本環境教育学会は同じ表現を用いて軍事侵攻を批判し、「原発への攻撃は地球規模の環境汚染を生む恐れがある」と危惧した。

 ベトナム戦争時の枯れ葉剤による自然生態系の破壊。湾岸戦争時の原油流出による海洋環境汚染…。

 戦争で使用された枯れ葉剤や劣化ウラン弾クラスター爆弾などの兵器は、その影響が後々まで残り、人々の生活を脅かし続ける。

 ロシアによるウクライナ侵攻も、環境への影響は甚大だ。公共施設や住居が破壊されただけではない。

 砲弾やロケット弾など兵器という兵器が攻撃のために使用されているが、金属破片はどう処理されているのか。

 大気、水質、土壌への影響が懸念される。

 荒廃した街の復興にいったい、どのくらいの時間と経費がかかるものなのか。

 戦場には多くの戦車や戦闘機、兵員輸送車両などが投入され、ガソリンやディーゼルなどの化石燃料を大量に消費する。

 軍事行動によって大量の廃棄物が生じるだけでなく、温暖化の原因となる温室効果ガスを大量に排出しているのである。

■    ■

 ウクライナへの軍事侵攻が長期化する中、エジプトで、地球温暖化対策を話し合う国連の気候変動枠組み会議(COP27)が始まった。

 温室効果ガスを排出し続ければ、地球表面や海洋の温度を上昇させ、各地に異常気象をもたらす。

 実際、気候変動による自然災害は、世界各地で発生しており、対策は急務だ。

 だが、ここにもウクライナでの戦争が暗い影を落としている。

 脱炭素化と電力の安定供給をどう両立させるか、という問題だ。

 各国の対応はまちまちだが、ロシア依存のエネルギー政策から脱却するため一時的に石炭などの化石燃料に回帰する動きも見られる。

 自国優先の結果、COP27が実効性のある温暖化対策をまとめることができなければ、先進国と発展途上国の対立を深める結果を招きかねない。

■    ■

 茶の間には毎日のように戦争報道が流れる。その衝撃があまりにも大きいだけに、地球温暖化に対する危機感や人々の関心が薄らいでいる印象は否めない。

 「気候変動の影響によって戦争のリスクが高まっていく」という指摘にあらためて耳を傾ける必要がある。

 気候変動は洪水、熱波、食糧不足などを通して戦争のリスクを高める

 「戦争は最大の環境破壊である」という言葉は、沖縄の人々が沖縄戦と戦後の米軍統治の経験から学んだリアルな認識でもある
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1612909.html

<社説>国際NGO対策要求 米軍の環境破壊を止めよ
2022年11月9日 05:00

 世界遺産の保全に取り組むNGO「ワールド・ヘリテージ・ウオッチ(WHW)」は、国頭、大宜味、東の3村の世界自然遺産に接する米軍北部訓練場で廃棄物が撤去されず、土壌汚染も除去されていないとして日米両政府に調査と対策を求める内容を2022年次報告に掲載した。

 環境団体「オキナワ・エンバイロメンタル・ジャスティス・プロジェクト(OEJP)」がWHWに問題を指摘していた。日米両政府に解決への具体策を提案しており、国際組織への働き掛けを強化する。

 世界自然遺産である山原の自然が米軍の活動によって破壊されることは許されない。今回の報告は、この問題が国際問題化している証しである。日米両政府は米軍の活動がもたらす山原への影響を網羅的に調査し、悪化原因を取り除く国際的責務がある

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は21年7月、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」の世界自然遺産登録を決めた。世界的に希少な亜熱帯の森に、数多くの固有種が生息する生物多様性を評価した。

 「沖縄・奄美」は16年に世界自然遺産の国内候補として暫定リストに記載された。しかし18年に政府が推薦した区域のうち、沖縄島北部地区は、隣に広がる米軍北部訓練場の返還地約4千ヘクタールを含んでいなかったことから国際自然保護連合(IUCN)が生態系の連続性を維持するよう地域の再考を求めるなどしたため、世界自然遺産登録まで長期間かかった経緯がある。

 返還跡地からは、放射性物質や薬きょうなどの廃棄物が見つかっている。16年の訓練場の過半の返還に伴い、ヘリパッドが残りの訓練場内に併設され、米軍は昼夜を問わず訓練を繰り返し、騒音や振動を引き起こしている

 今回の報告内容は、これらを背景に作成された。報告は、米軍機騒音による生物への影響が調査されていないことや、遺産に関わる問題が日米合同委員会環境分科会で議論されていないこと、米軍廃棄物が撤去されず土壌汚染も除去されていないことなど六つの問題を指摘している。

 OEJPの吉川秀樹代表はWHW報告を活用し、山原の森を米軍廃棄物のない「真の世界自然遺産」にするため取り組むと強調した。日米地位協定で米国は返還地の原状回復義務を負っていないが、日米両政府は世界自然遺産を保護する責任がある

 奄美・琉球諸島の豊かな自然は陸域に限らない。今後、遺産地域は海域にも拡大し、生物多様性などを次世代に伝える取り組みが必要だ。一方で遺産地域と連続する貴重な海域である辺野古沖で米軍の新基地建設が進められている豊かな自然を破壊する行為は、自然遺産を守る取り組みと逆行する最大の環境保全策は登録地域と隣り合わせの米軍施設の全面返還であり、訓練や新基地建設の中止だ
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202211150000048.html

コラム
政界地獄耳
2022年11月15日7時19分
防衛大綱「多次元統合防衛力」とは

★13日、首相・岸田文雄はプノンペンでの日米首脳会談で「同盟の抑止力・対処力を一層強化することで一致」したが、その準備は着々と進められている。首相は昨年12月に「新たな国家安全保障戦略防衛大綱中期防衛力整備計画を、1年をかけて策定する」と、いわゆる安保3文書の大幅見直しを検討中だ。防衛大綱では「多次元統合防衛力」という言葉が出始めた。また「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」が内閣官房に設置され議論が続けられているが「総合的な防衛力」は大綱の考える「多次元-」と同義ととらえるべきだろう。

★13日付「琉球新報」は長崎県五島列島の津多羅島で陸上自衛隊が11日に実施した尖閣諸島での対処を想定した訓練に沖縄県警の警備部に属する「国境離島警備隊」と第11管区海上保安本部の巡視船数隻が参加していたことが分かったと報じた。県警の国境離島警備隊は「20年4月に発足し、自動小銃やサブマシンガン、小型ヘリなどを装備しており、今回は実際に陸自などと対処訓練に加わったとみられる」とあり、同紙によれば「昨年11月にも津多羅島で陸自水陸機動団、沖縄県警、大阪府警、海保など約400人が参加」しているという。

★まさに多次元統合防衛力であり総合的防衛力とはこういった防衛省、海上保安庁、警察と役割が違う組織を一元化するということにほかならず、それに米軍やNATOが加わる大規模編成が想定されているのではないか。既に海自と海保の合同訓練や連携は“役割の違い”を乗り越えて実施されつつある。安保3文書改定で消え去る運命にあるであろう海上保安庁法第二十五条を書き留めておく。「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」。海保設立の誇りと独立性をついえさせるべきなのだろうか。(K)※敬称略
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●《やっぱりここさ帰りたい。親が開拓して受け継いだ土地。次の世代に残してやりたい。汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか》

2022年03月12日 00時00分31秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2022年02月27日[日])
東京新聞の【社説/原発回帰を考える 割に合わない電源だ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/157326?rct=editorial)。

 《温暖化対策を重視するESG(環境・社会・統治)投資が世界的に広がる中で、基準を明確にして、資金を呼び込みやすくする狙いがタクソノミーにはある。その投資リストの中に、発電時には温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーとして、原子力を追加しようというのである》。

 どこが「クリーン」なのか、是非、教えてほしい。東京電力核発電所人災が見えているのか? 《原発回帰》など愚かすぎる。
 第一、日々大量の温排水で地球温暖化を促進している。単なる発電機能付き「海暖め装置」に過ぎない。

   『●西日本新聞【フクオカ☆シネマペディア/『遺言 原発さえなければ』
          野田雅也、福島を追い10年「飯舘の酪農 復活までは」】

 お願いはたった一つだ。さっさと「原状回復」してみせて下さい。議論はそれからでしょ? まずは、「原状回復」。11年も経ってしまいましたよ。《だからこそ、和男さんは憤る。「やっぱりここさ帰りたい親が開拓して受け継いだ土地次の世代に残してやりたい汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」》。「原状回復」を求めているのに、《原発回帰》…ふざけ過ぎでしょ?
 片山夏子記者による、東京新聞の記事【福島第一原発事故から11年 全域除染から後退に住民怒り「汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/161254)によると、《東京電力福島第一原発事故から間もなく11年となる。帰還困難区域内に家を残す多くの人たちは、いまだ将来を見通せぬままだ。政府は昨年、避難指示解除が見通せなかった区域について、帰還を希望する人の自宅周辺に限り除染する新方針を示した。これまでの「全域除染」から後退した姿勢に、住民らは「帰ると決めないと除染をしてくれないのか」と怒りを隠さない。(片山夏子)》。

   『●「復興五輪」!? 原状回復してから言ってくれ…片山夏子記者【「原発
      事故前の故郷に戻して」 浪江町・津島訴訟の原告団長が語った決意】
   『●《原発再稼働や増設を唱える連中の頭の中を掻っ捌いて、中身を
     見てみたい》(鈴木耕さん)――― なぜ今直ぐ「原状回復」しないの?
   『●富岡町の「白地地区」に自宅がある避難民の方「…国も東電も避難者を
      ばかにし、うんと軽く見ている」…さっさと《原状回復》してみせよ
   『●経済産業省資源エネルギー庁「復興のあと押しはまず知ることから」?

        「復興のあと押しはまず〝原状回復してみせる〟ことから」です
   『●東電核発電人災から11年: 《原発事故は終わっていません。
      政府が復興の名のもとに困難に陥った人たちをさらに追い詰める…》


 みんなの願いは単純だ。国や東電が、大地の汚れを取り除き、元の状態に戻す、原状回復してくれることだけだ。《原発事故で地域の歴史や人の絆、伝統や文化、一切合切が壊された》。《原状回復して住めるようにしてほしい。ふるさとに帰れるのなら、賠償はいらない。津島に帰りたい。このままでは終われない》。


消えゆく故郷の姿を残したい〜浪江町・津島の全記録
 [2020/07/03 OurPlanet-TV]
 (https://www.youtube.com/watch?v=505BsMlrB_g

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/157326?rct=editorial

社説
原発回帰を考える 割に合わない電源だ
2022年1月31日 07時40分

 欧州や日本で原発回帰の動きが目立つ。欧州連合(EU)は「脱炭素」の視点から、新年早々、原子力をクリーンなエネルギーに含めるとの方針を示したが、福島の事故や核のごみの危険性などを、過小評価してはならない。

 EUは、温暖化対策に貢献できると認めた持続可能な経済活動のリスト「EUタクソノミー」を設けている。「タクソノミー」とは「分類」という意味で、「グリーンリスト」とも呼ばれている。

 脱炭素と経済成長の両立を目指す「欧州グリーンディール」を掲げるEU。産業構造の大転換には二〇三〇年までに、およそ一兆ユーロ(百二十兆円)の資金が必要になるという。

 温暖化対策を重視するESG(環境・社会・統治)投資が世界的に広がる中で、基準を明確にして、資金を呼び込みやすくする狙いがタクソノミーにはある。その投資リストの中に、発電時には温室効果ガスを排出しないクリーンなエネルギーとして原子力を追加しようというのである

 あくまでEUの行政機関である欧州委員会の判断であり、加盟国や欧州議会に承認されるかどうかは不透明だ。

 福島第一原発の事故を受け、今年末までに原発全廃を決めたドイツのほか、スペインやオーストリアは反発を強めている。一方、電力の七割を原発に依存し、昨年十一月に「脱炭素のため原発の建設を再開する」とマクロン大統領が宣言したフランスを先頭に、新規導入を目指すポーランドやチェコからの要望が強かった。 


◆「隠れみの」という批判

 仮に議会などの承認を得てグリーンリストに載ったとしても、思惑通りに投資が集まるかどうかは定かでない。原発は発電時にこそ温室効果ガスを出さないが、それさえ出なければいいのかと言えば、そうではない。運転を続ければ、危険な放射性廃棄物を増やし続けることになる脱炭素を原発復権の隠れみのに使う、いわゆるグリーンウォッシュ」だという批判も強い。福島の事故のあと、安全対策費がかさみ、建設費が高騰したのもネックになるだろう。

 フランス北西部のフラマンビルで〇七年に建設が始まった最新鋭の「欧州加圧水型炉(EPR)」は、工事のトラブルが相次いで、一二年の稼働予定がいまだに完成していない。建設費は当初の四倍以上に膨らんだ。

 国際再生可能エネルギー機関によると、一昨年の世界の再エネ導入量は、前年比五割近く伸びている。風力や太陽光に比べ、原子力は有望な投資先とは言い難い。

 日本は、どうか。昨年十月に閣議決定された第六次エネルギー基本計画は、パリ協定が求める「五〇年温室効果ガス排出実質ゼロ」を見据え、三〇年度時点の電源構成に占める再エネの割合を、四割近くに引き上げるとするものの、原子力も約二割、維持していくという方向だ。建設中を含む現有三十六基の原発を九割方稼働させた上、運転寿命を大幅に延長しなければ不可能な、つまりは新増設ありきの計画なのである。

 岸田文雄首相は十七日の施政方針演説で「五〇年実質ゼロ」を実現するためのメニューの中に「革新原子力」の活用を挙げた。出力三十万キロワット以下の「小型モジュール炉(SMR)」のことである。

 一般の軽水炉と比べて冷却が容易な構造になっており、安全性が高いとされている。しかし一度に大量の電気を送り出すことができるのが原発のメリットだ。小型化すれば発電コストは割高になる。

 経済産業省の試算によると、三〇年時点の原発による発電コストは一キロワット時あたり一一・七円以上と、事業用太陽光の八・二〜一一・八円を上回る見通しだ。原発の電気は既に、安くない。


◆再エネ資源の豊かな国

 「再エネは天候に左右されて不安定」と言われるが、電力融通のための送電網の強化が図られ、蓄電池の性能が格段に向上する中で「弱点」は克服されつつある

 一方、原発が絶対に安定的な電源かと言えば、そうでもない。

 例えば福井県によると、同県内で稼働する原発八基の二〇年度の総発電量は、設備トラブルによる長期停止などのため、前年度比43%の減だった。

 ノルウェーのエネルギー開発大手が、日本海で出力計四百万キロワットの洋上風力発電計画を進める時代。このように再エネの潜在力が豊かな日本で、原発にこだわる理由はない。世界でも日本でも、原発回帰は割に合わない。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/161254

福島第一原発事故から11年 全域除染から後退に住民怒り「汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか」
2022年2月19日 17時47分

 東京電力福島第一原発事故から間もなく11年となる。帰還困難区域内に家を残す多くの人たちは、いまだ将来を見通せぬままだ。政府は昨年、避難指示解除が見通せなかった区域について、帰還を希望する人の自宅周辺に限り除染する新方針を示した。これまでの「全域除染」から後退した姿勢に、住民らは「帰ると決めないと除染をしてくれないのか」と怒りを隠さない。(片山夏子

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帰還困難区域の避難指示解除 政府は2021年8月、福島県7市町村に残る帰還困難区域について、戻って暮らしたい人の求めに応じて29年までに自宅や道路などを除染して部分的に避難指示を解除する方針を決めた。24年度から除染を始める計画だ。帰還を望まない人の家や土地の扱いは未定。区域内で優先的に除染を進めた「特定復興再生拠点区域」は、帰還困難区域の約8%にとどまる。
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【関連記事】福島・大熊町「復興拠点」の今 22年春に帰還困難区域の一部解除へ


     (家の周りの草は木に育ち、周辺の田畑も太い幹の柳やカヤが
      埋め尽くす=2021年11月18日、福島県浪江町羽附で)

 「家の周りも畑も手がつけられないほど樹木がはびこっている…」。福島市で避難生活を続ける窪田和男さん(70)と、たい子さん(66)夫婦は、福島県浪江町の帰還困難区域内にある自宅に帰るたびため息をつく。

 原発から北西へ約30キロ、浪江町津島の羽附(はつけ)地区に家はある。田畑は高さ3メートルにもなる木が茂る。「カヤも鎌じゃもう刈れない」と和男さん。葉タバコのビニールハウスは骨組みだけになり、太い枝が下から突き上げる。家もイノシシなど動物に荒らされ、片付けるのを諦めた。

     (葉たばこの作業場はツタがびっしりと生え、
      足の踏み場もなかった)

 それでも、たい子さんは羽附に帰るとほっとする。「自然に囲まれ、四季を感じる。家の脇の小川にはワサビが生え、サンショウウオがすんでいた。一日も早くここさ帰りたい

 周辺の除染と家の解体をしてもらい、更地にして家を建て直し、和男さんの母ツヤさん(95)と一緒に3人で戻りたいと考えている。

 「羽附で暮らせたら家族はずっと仲が良かったのに」と、たい子さんはこぼす。原発事故前はどこに行くのも一緒だった家族は、避難後にばらばらになった

     (台所は物が散乱し、動物のふんが残る)

 朝早くから畑仕事や好きな花の手入れをしていたツヤさんは家にこもることが多くなり、認知症になった。家族はギスギスしてけんかが増えた。地域のつながりを失い、たい子さんは介護を相談できる人もなく、円形脱毛症になり、通院を続けた。

 同じ町の津島には、先行して除染が進む「特定復興再生拠点区域復興拠点)」があり、面積は津島全体の1・6%。一方、復興拠点の西側にある羽附は空間放射線量が比較的低いものの幹線道路沿い以外は除染されていない。

 たい子さんは浪江町内で何度も除染された所を見ると、はらわたが煮えくり返る思いがする。

 「一度でも除染されたら頑張ろうと思えるのに…。なぜ他の区域は全域除染をしてから帰すのに、一番線量が高い帰還困難区域は、帰ると決めないと除染をしてくれないのか

      (片付けても動物に荒らされ、「手のつけようが
       なくなった」と話す窪田たい子さん㊨。和男さんの
       左側で縁側に座っているのはツヤさん)

 長男は「子育てが終わったら羽附で畑をやりたい」と話しているという。だが、帰還希望者の生活圏に限る除染は「まだら」になり、汚染された場所が多く残る懸念が強い。

 だからこそ、和男さんは憤る。「やっぱりここさ帰りたい親が開拓して受け継いだ土地次の世代に残してやりたい汚したら、きれいにして返すのが当然じゃないか

 11年の月日は長い。「帰りたい。羽附になんじょしても帰って死ぬ」と言っていたツヤさんが、「もう諦めた。駄目だ駄目」と話すようになった。

 たい子さんは祈るように言った。「私たちもいつまで体が動くか。一日も早く除染してほしい」
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●脱メディアコントロールを! 《そもそも、野党に対して<批判ばかり>などと報道しているメディアは一体、何のために存在している》?

2021年11月09日 00時00分10秒 | Weblog

[※ 2017年2月17日はアベ様のタンカ記念日というトリガー(『報道特集』、2021年06月26日、ブログ主が改変)↑]


――――――― (狙撃兵)《歴然としているのは、選挙に行かないこの5割の有権者こそが今日の政治状況を変えうる最大勢力であるという点だ。そのうち2~3割が動いて投票率が70~80%の選挙が展開されるだけでも局面はガラリと変わることになる》。#投票倍増委員会 会員として、いつも通り、当然に、#わたしも投票します

――――――― (神保哲生さん)《ほとんど政治に変革が期待できない日本でも、選挙の投票率が先進国の平均レベルに達した瞬間に、大きな変革が起きているのです。つまり、どうせ政治に変革なんて期待できないから投票に行っても意味がない、のではなく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです。そして、この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではないことを…》

――――――― 故・石川真澄さん《『死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない』などと、小選挙区制導入に反対の論陣を張った》新聞記者

――――――― 中島岳志さん「今回の選挙の総括をまちがえてはいけない野党共闘が否定されたのではない野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ



(2021116[])
日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/公正なルールを欠いた岸田自民は日本経済の衰退を加速させる】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296583)。

 《医療崩壊が起きた大阪では100万人当たりの死者が344人に達した病院削減が原因にもかかわらず、張本人の維新が「身を切る改革」をシレッと訴え続けているのは、本質的な追及を受けていないからだ。…安倍、菅、そして岸田へと続く9年間の自民党政治が日本社会をぶっ壊したメディアの検証能力が著しく減退したことで、根本的な問題が忘れられている》。

 《公正なルール》…《公正》 《公平》と最も程遠い自公お維。
 やはり今回も、脱メディアコントロールを進めなきゃ…。酷い状況だ。神保哲生さん「政治が活気を保つためには、選挙と並んでもう一つ重要な条件があります。それは、多くの人を惹きつけることのできる魅力的な政治報道が存在するかどうかです」「伝え手の腕や能力次第ではとても面白くもなり得る素材を、日本のメディアはきちんと料理できているでしょうか」「日本ではメディア、とりわけ政治メディアが正常に機能していないと考えざるを得ない」「この低い投票率が、決してメディア報道とは無関係ではない」。

   『●(ヨナオシフォーラム2020)《アベにスガるキシダメ内閣》よりも、
         #政権交代で命を守る新しい政権を! #わたしも投票します!
   『●経産省内閣復権でいいの? …デモクラシータイムス【総選挙の争点③
      どうするエネルギー EVと原発(古賀茂明×飯田哲也×山田厚史)】
   『●#VoiceProject #わたしも投票します #投票はあなたの声
      #投票倍増委員会 #YourVoteIsYourVoice #ImVotingToo
   『●「2/4」の選挙に行かない眠り猫の皆様が間接的に自公お維を
     支持する、それではいけない… #投票はあなたの声 #投票倍増委員会
   『●古舘寛治さん「『投票に行こう』というのが『異例』というなんて、
     どれだけ恐ろしい国なんだ。主権者は僕らなのに、みんなが黙っている…」
   『●神保哲生さん《…期待できないから投票に行っても意味がない、のでは
     なく、投票に行かないから政治が変わらないだけのことだったのです》
   『●あとの祭り…アベノカビマスク《当初は配布の目的を「品薄対策」と
     しながら、…「再流行への備え」を強調。批判の回避に懸命》だったが…
   『●あとの祭り…自公お維政治屋は《民を飢えさせない、安全な食べ物の
      供給、そして絶対に戦争をしないことが政治家の役目》を担い得ない

 自公お維ではなく、#政権交代で命を守る新しい政権を!…からほど遠い結末でした。地獄一歩手前の最悪な結果。いつもながらの、後悔先に立たず。

 選挙の時期、いつも思い出す ――― 森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間でこの国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」(2014.12)。

   『●森達也さん、「僕はもうあきらめた」「これから4年間で
         この国がどう変わるのか、とてもとても楽しみだ」

 2019年参院選以来、脱メディアコントロールはほとんど進まず。
 【巻頭特集 野党共闘競り負け こんな自民党政権が続く痛恨と絶望<中>】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296850)によると、《いろいろ大メディアは書き立てるだろうが、野党共闘の成果はあった 全289小選挙区の7割強にあたる217選挙区で野党候補が一本化した結果は、野党の62勝だった。立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の野党4党が政策協定を結んだことに対し、自民党は「立憲・共産主義」などとイチャモン批判を展開それに乗っかった大メディアは立憲の敗北に…》。
 最悪の結果。しかし、共闘なければ「地獄」だった。それにしても、メディアは酷い。

   『●次の国政選挙に向けて、先ずは脱メディアコントロール…
     …2019年7月参院選「あとの祭り」を繰り返さぬために

 あとの祭り…(ヨナオシフォーラム2020)《アベにスガるキシダメ内閣》がニッポンを破壊。
 日刊ゲンダイの記事【巻頭特集 野党共闘競り負け こんな自民党政権が続く痛恨と絶望<下>】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296851)によると、《この先、自公政権の経済政策はどうなるのか。もし、自民党が大敗し、単独過半数を下回っていたら、経済政策もドラスチックに変わる可能性があった。しかし、自公の“安定多数”という結果になったことで、従来の政策が継続されるのは間違いない。この総選挙は、貧富の格差を拡大させたアベノミクス…》。

 (石川真澄さん)《死票を大量に生む小選挙区制では民意を国会に反映できない》。
 東京新聞の記事【投票率の低迷は自民有利の傾向 獲得票数は大敗した2009年と同程度】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/140331)によると、《衆院選の小選挙区(定数289)では、自民党が追加公認の無所属を含め計189議席を獲得した。2017年の前回衆院選から26議席減らしてもなお全体の65%を占める。小選挙区全体での獲得票数は2762万票で、同党が下野した09年衆院選とほぼ同じ。一方で投票率は、政権復帰を果たした12年衆院選以降、低迷している。近年の同党の強さは、獲得票数よりも投票率と連動する傾向がある》。

 中島岳志さんのつぶやき:

――――――――――――――――――――――――――
https://twitter.com/nakajima1975/status/1455403373469986823

中島岳志@nakajima1975

今回の選挙の総括をまちがえてはいけない野党共闘が否定されたのではない野党共闘が徹底できなかったことが問題なのだ」という趣旨の論考を、5日発売の『週刊金曜日』に書きました。

午後2:16 2021年11月2日
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 日刊ゲンダイの記事【立憲と共産は野党共闘やらなきゃもっと負けていた…「“失敗論”は自公の思うツボ」と識者】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296898)によると、《1区の星取表を前回と比較すると、2017年は野党が12勝35敗と大敗したが、今回は17勝30敗だった。17勝のうち、岩手、長崎、大分を除く14選挙区は野党一本化が実現していた。前回、一本化できず自民に敗れ、今回一本化により野党が勝った選挙区は7つ(茨城、千葉、神奈川、兵庫、奈良、徳島、宮崎)もある。…金子勝氏(憲法)が言う。「野党共闘を失敗と評価するのは間違っています。野党がまとまっていなければ、獲得できなかった議席もあるし、接戦にすら持ち込めなかった選挙区もあるでしょう。今回は競り負けた選挙区も少なくなく、力不足は否めない。選考方法など課題も多い。ブラッシュアップは必要ですが、野党が共闘に後ろ向きになれば、自公の思うツボです」》。

 日刊ゲンダイの記事【野党論客の落選に「批判ばかり」と報じるメディアのトンチンカン 元NHK政治部記者も使命放棄と指摘】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296934)によると、《「ようやくモリ・カケ・桜もおしまいだな」 政府・与党内でこんな声が漏れている。31日に投開票された衆院選で、モリ・カケ・桜疑惑を徹底追及してきた野党の「論客」たちが軒並み落選したからだ。…一部メディアでは、落選した野党候補に対し、<批判ばかりしてるから落選した><有権者は見透かしている>などと報じているが、「合同ヒアリング」などがなければ、モリカケ・桜疑惑は曖昧なままで終わっていたことは確かだ》。

 マガジン9のコラム【言葉の海へ 第185回:異形の夜(鈴木耕)】(https://maga9.jp/211103-5/)によると、《最後に指摘しておかなければならないのは「選挙制度」である。ヘンじゃないか、復活当選制度って? 甘利自民党幹事長の選挙区落選は、この異形の夜の、ほぼたったひとつの溜飲の下がる出来事だった。しかし、その甘利氏「比例復活当選」という形で議席を確保した。落選議員がゾンビ復活、国会議事堂に棲息する。こんなおかしな制度も珍しい。ぼくは「小選挙区制」には、これが議論された時から反対してきた「死に票」が異常に多い制度は問題だからだ。1人しか当選しない小選挙区制では、51対49で、当選が決まる。つまり49%の人の票が死んでしまう。それを救うための妙な手段としてつくられたのが「比例復活」という制度だ。この制度を強引に推し進めたのが、小沢一郎氏だった。当の言いだしっぺが、岩手3区で落選した。自分が作った制度で敗れたのだ。これも歴史の皮肉というしかない。このコラムでも何度か指摘したけれど、歪なものは直さなくてはならない。選挙は終わった。すぐにでも「選挙制度改革委員会」を発足させて、もっと民意がストレートに反映される制度に改革すべきだと、強く主張しておく。ぼくは、31日の日が改まる前にテレビを消した。チャラチャラと後出しじゃんけんで騒ぎまくる「選挙特番」には反吐が出た。ぼくの「異形の夜」はこうして終わった。ベッドに入って本を読み始めたのだが、うまく眠れなかった。本音を言おう、口惜しいいいいいいいなあ……。》

   『●内省の〝無い〟国 ~不適切かつ無責任で、道徳的に誤った国~

 …さらなる恥さらし。恥の上塗り。あぁ自公お維、あとの祭り…内省の〝無い〟国 ~不適切かつ無責任で、道徳的に誤った国~。
 東京新聞の記事【官房長官、化石賞に反論 「日本へ高い評価」と強調】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/140870?rct=politics)によると、《環境団体が地球温暖化対策に後ろ向きな国に贈る化石賞に日本を選んだことに反論した。岸田文雄首相が国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で表明した発展途上国の温暖化対策支援に「多くの参加国から高い評価と歓迎の意が示された」と強調した。同時に、2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」への取り組みを推進し「脱炭素社会の実現に向けて国際社会を主導していく」と述べた》。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/296583

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。

金子勝の「天下の逆襲」
公正なルールを欠いた岸田自民は日本経済の衰退を加速させる
公開日:2021/10/27 06:00 更新日:2021/10/27 06:00
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     (岸田首相の「新しい資本主義」とかいうスローガンは、
      “アベスガ政治”との決別を印象付ける単なる小道具
      (C)日刊ゲンダイ)

 総選挙をめぐる報道を見ていると、大手メディアは与党に忖度していると思えてならない。本当に問わなければいけないのは、安倍・菅・岸田政権のありようだ。ところが、取り上げるのは表面的な政策ばかり。給付金支給の有無とか、スローガンに過ぎないところを争点化することで、有権者の選択は歪められかねない。

 この4年間、この国で何が起きたかをハッキリさせないといけない。問題は大きく3点ある。まず、コロナ失策によって死者は1万8000人を超えた。東日本大震災と同等の被害だ。英国では国会議員が超党派でまとまり、科学者もリーダーシップを発揮してコロナ対策を検証し、ジョンソン首相が謝罪する局面があった。しかし、日本ではそうした動きは全くない。政策を間違えても責任を問われず、間違え続けるのであれば、政策論争の意味はない。

 医療崩壊が起きた大阪では100万人当たりの死者が344人に達した病院削減が原因にもかかわらず、張本人の維新が「身を切る改革」をシレッと訴え続けているのは、本質的な追及を受けていないからだ

 次に、アベノミクスの失敗についても検証されていない。20年以上も実質賃金が下落しているのは日本だけで、韓国にも抜き去られた。成長戦略に掲げた原発輸出、カジノ、リニア中央新幹線、東京五輪によるインバウンド拡大。すべて失敗した。大臣の暴言やNTTによる高額接待を見る限り、デジタル戦略もうまくいっているとは思えない。「成長と分配の好循環」がどうすれば生まれるのか、岸田首相の口からはキチンとした説明がない。

「新しい資本主義」とかいうスローガンは、安倍・菅政治との決別を印象付けるための小道具だ。だから中身はなく、古くさい縁故主義がはびこっている。口利きワイロ疑惑を抱える甘利幹事長の復権は象徴的だ。アベ、アソウ、アマリ、キシダとみな世襲でまるで江戸時代に逆戻りだ。政権交代によって、モリカケ桜問題をはじめとするあらゆる疑惑に関連する公文書をオープンにし、国家私物化を白日の下にさらさないといけない公正なルールを欠いた資本主義は経済を衰退させるからだ

 安倍、菅、そして岸田へと続く9年間の自民党政治が日本社会をぶっ壊したメディアの検証能力が著しく減退したことで、根本的な問題が忘れられている
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/296934

野党論客の落選に「批判ばかり」と報じるメディアのトンチンカン NHK政治部記者も使命放棄と指摘
公開日:2021/11/04 06:00 更新日:2021/11/04 14:24

     (野党の尽力があったからこそ(C)日刊ゲンダイ)

「ようやくモリ・カケ・桜もおしまいだな」

 政府・与党内でこんな声が漏れている。31日に投開票された衆院選で、モリ・カケ・桜疑惑を徹底追及してきた野党の「論客」たちが軒並み落選したからだ。

 立憲民主や共産などの野党はこれまで、不祥事が発覚する都度、「合同ヒアリング」を立ち上げて疑惑を追及してきた。憲法62条には、<両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる>との国政調査権に関連した規定があり、野党は森友問題では改竄された財務省の決裁文書の提出を求めたり、桜疑惑では安倍元首相の事務所とホテルでやり取りされた資料の提出を求めたりしてきた。

 安倍・菅政権で起きた数多くの不祥事をめぐり、予算委などで参考人招致などが実現し、国民の知る権利につながったのも、こうした野党の尽力があったからだ

 ところが、今回の選挙では、野党「合同ヒアリング」の常連だった、立憲民主の辻元清美氏(大阪10区)、黒岩宇洋氏(新潟3区)、今井雅人氏(岐阜4区)、川内博史氏(鹿児島1区)などが落選してしまった。

 こうした状況に対し、ネットでは<黒岩さんや今井さん、川内さんがいなくなって、合同ヒアリングはどうなるの?><モリカケ・桜は?><まさかこのまま終わりじゃないよね>といった書き込みがチラホラ。

 一部メディアでは、落選した野党候補に対し、<批判ばかりしてるから落選した><有権者は見透かしている>などと報じているが、「合同ヒアリング」などがなければ、モリカケ・桜疑惑は曖昧なままで終わっていたことは確かだ

 そもそも、野党に対して<批判ばかり>などと報道しているメディアは一体、何のために存在しているのか本来であれば、政府、与党の姿勢を批判するのはメディアの役目であり、その使命をメディアが放棄しているため、代わって野党議員が前面に立たざるを得なくなったのではないか

 元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏はこう言う。

野党が政府・与党の姿勢をただすために批判する当たり前じゃないですか政治の原点ですよ野党が与党と一緒に『いいね、その通り』と言っていればいいのであれば野党である必要がないし、国会もいらないメディアが政府・与党応援団と化しているから、野党議員の批判が目立っているのです」

 落選した野党前職は捲土重来を期待したい
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●自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、《どんな状態が“福島第一の廃炉完了”》の定義なの? 《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》?

2021年06月19日 00時00分40秒 | Weblog

[※ ↑「原発さえなければと思います」(週刊金曜日、2021年03月12日、1320号)]


(2021年06月12日[土])
マガジン9の記事【こちら編集部/福島第一原発にも「廃炉法」を――廃炉制度研究会 第1回オンライン研究報告会(田上了子)】(https://maga9.jp/210602-5/)。

 《作家の尾松亮さんは、東日本大震災と福島第一原発事故以降、チェルノブイリ原発事故後の現地政府の対応などを研究してきました。近年は、世界の原発の廃炉事例の調査・研究にも力を注いでいます。2018年にジャーナリストや研究者らと共同で「廃炉制度研究会」を立ち上げ、21年4月26日、第1回「オンライン研究報告会」が開催されました。「福島第一原発にも『廃炉法』を─TMI、チェルノブイリに学ぶ『事故炉廃炉』の法的定義─」と題された報告会での、尾松さんのお話の内容を紹介します。…しかし、どんな状態が“福島第一の廃炉完了”にあたるのかは決まっていませんにも拘わらず、遅くとも2051年までに作業を終了させるという期限だけが決められています》。

   『●《廃炉の時代》、そして、核燃料サイクルという閉じない「環」
              …未来無き核発電に邁進するアベ様独裁政権
   『●東京電力核発電人災、膨大な《デブリの総量も
      3基で計約880トン》…1個のデブリを僅かに持ち上げた?
   『●東電核発電人災から10年: あの人災から何の教訓を得ることもなく、
      何も変わらないニッポン…核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないまま
   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》

 《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》《ゴールわからず走り続ける「廃炉」》――― 自公お維や寄生委、東京電力の皆さん、その定義を教えて下さい? 《そもそも「福島第一原発の廃炉完了」とはどういう状態かが定められていない》。定義も無く、どうして、完了の期間を決めれるの? 《51年になった時点で、原発がどんな状態であれ、東電や政府が作業を放棄する可能性があることです。完了要件が定められていない以上、東電や政府には、作業継続の法的義務がありません》。廃炉作業のスペース確保という名の、〝汚染水〟の海洋放出という愚行。なにが〝風評被害〟だ。実害が出ます。
 そもそも、(地球上の誰にもできる訳がないのですが)「原状回復」することも出来ないくせに、核発電所再稼働なんてやっている場合なのか? それでも、ニッポンでは核発電「麻薬」中毒者は核発電所を再稼働したいそうだ、正気じゃぁないね。

 そんなに再稼働したけりゃぁ、まず、東電や国は、早く「原状回復」して見せてくれ。
 以下二つの記事を再度引用。
 AERAの記事【ゴールわからず走り続ける「廃炉」 法的義務なく…現状のまま“終了宣言”も】(https://dot.asahi.com/aera/2021030900015.html)によると、《未曽有の原発事故から10年。今も続く廃炉の現場は、課題山積。しかも東電は、「廃炉終了の定義を明確にしないまま廃炉を進める。残された年月は20~30年。》
 日刊ゲンダイの記事【注目の人 直撃インタビュー/福島原発「30~40年で廃炉完了」に根拠なし 1F廃炉の先研究会代表が喝破】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/286323)によると、《■松岡俊二(早大大学院アジア太平洋研究科・1F廃炉の先研究会代表)… ――最近になって2、3号機の原子炉格納容器の上ぶたに、2京(兆の1万倍)~4京ベクレルもの放射性セシウムが付着していることも判明しました》《現状では、ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそうです》。

 (リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」だというのに、のほほんと《とにかく嘘とインチキだらけのひどいシロモノ》を吐き続けている醜悪な図。

   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」

 利権漁りカースーオジサンも、「脱炭素」「地球温暖化対策」を言い訳に、核発電に回帰。

   『●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の
         稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

 《日本という国の変わらぬ悪しき体質》。
 【西谷文和「路上のラジオ」 Vol.29 コロナ禍と原発 ~この国の悪しき体質から抜け出し、持続可能な社会を目指すには?~】(https://www.radiostreet.net/radio/499/)によると、《2020/07/10 ゲスト:小出裕章さん(元京都大学原子炉実験所) 全世界で新型コロナウイルスが蔓延し、誰もが暮らしの先行きが全く見えない中、これまでの価値観は、短い間に次々と崩れていきます。今こそ私たちが考えておくべきことは一体何なのか?その答えを求めて、今回の「路上のラジオ」は長野県松本市に、小出裕章さんを訪ねました。もうすぐ東日本大震災による東京電力福島第一原発事故から10年。コロナ禍においても、原発事故と全く同じ構造の中で、私たちの命は危険にさらされ続けていますこの緊急事態にあっても、欲にまみれた為政者とそれを取り巻く大企業とメディアが、私たち生活者の苦難を横目に利権獲得に暇がないようにも見えます。そこで今回は、3.11以前からずっと日本の原子力政策に警鐘を鳴らし続けて来た小出裕章さんに、諸外国を含む原子力開発の歴史を紐解く中で、日本という国の変わらぬ悪しき体質を検証していただきました。そして番組最後には、退官後は松本に移住してできるだけ自然エネルギーを使いながら暮らし農業を通して土に親しむ小出さんに、過酷な未来をも乗り切ることができでそうな快適な暮らし方の提案をにいただきました。気づきと希望の60分、どうぞごゆっくりお楽しみください》



西谷文和「路上のラジオ」 Vol.29 コロナ禍と原発 ~この国の悪しき体質から抜け出し、持続可能な社会を目指すには?~】
 (https://www.radiostreet.net/radio/499/

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https://maga9.jp/210602-5/

こちら編集部
福島第一原発にも「廃炉法」を――廃炉制度研究会 第1回オンライン研究報告会(田上了子)
By マガジン9編集部 2021年6月2日

     (福島第一原発3号機原子炉建屋前
      (出典:東京電力ホールディングス))

 作家の尾松亮さんは、東日本大震災と福島第一原発事故以降、チェルノブイリ原発事故後の現地政府の対応などを研究してきました。近年は、世界の原発の廃炉事例の調査・研究にも力を注いでいます。2018年にジャーナリストや研究者らと共同で「廃炉制度研究会」を立ち上げ、21年4月26日、第1回「オンライン研究報告会」が開催されました。「福島第一原発にも『廃炉法』を─TMI、チェルノブイリに学ぶ『事故炉廃炉』の法的定義─」と題された報告会での、尾松さんのお話の内容を紹介します。(田上了子)

***


“廃炉”を法で縛ることの大切さ

 最初に、福島第一原発の現状についてお話ししましょう。現在、東京電力が定めた「廃炉に向けたロードマップ」に沿って、使用済核燃料取り出しなどの「廃止措置にむけた作業」が行われています。このロードマップの目標は、野田首相(当時)が事故の収束宣言を出した2011年12月から30~40年後(2041~2051年)までに工程を終了させることです。

 しかし、どんな状態が“福島第一の廃炉完了”にあたるのかは決まっていませんにも拘わらず、遅くとも2051年までに作業を終了させるという期限だけが決められています。51年までに作業を終了させるため、来年にはデブリ(原子格納容器の底に溶け落ちて固まった核燃料)の取り出し開始が予定されています。そして、デブリ取り出しに必要な施設を敷地内につくるために、タンクに貯蔵している処理水を海洋放出して、スペースを確保しようとしているのです。

 なぜこんなことが起きるのでしょうか。事故後、福島第一原発は原子炉等規制法に基づき、災害時の応急措置を講じた後も特別な管理が必要な「特定原子力施設」と位置付けられました。ところが現在の日本には、「特定原子力施設」の廃炉の完了要件を定めた法律がありません。現在、福島第一原発で行われている作業は、原子炉等規制法を根拠とする保安・防護措置であり、法的には「原子炉の廃止措置」ではないのです。

 今年4月、菅首相は「廃炉を前に進めるために」汚染水の海洋放出を決定したと発表しました。しかし、そもそも「福島第一原発の廃炉完了」とはどういう状態かが定められていないのですから、首相の発言は筋が通りません。日本の法律家は、こうした矛盾を指摘すべきです。

 廃炉の完了要件や、そのプロセスを定めた法制度がないことの問題点は、大きく2つあります。1つは、51年になった時点で、原発がどんな状態であれ、東電や政府が作業を放棄する可能性があることです。完了要件が定められていない以上、東電や政府には、作業継続の法的義務がありません。現状の制度では、国民が作業放棄の法的責任を問うことも難しいでしょう。2つめの問題点は、廃炉プロセスが法で縛られていないために、作業員にたいへんな被ばくを強いる工程が採用されるかもしれないことです。環境汚染への影響も、十分考慮されない可能性があります。


極端な二者択一論から脱するために

 では、深刻な事故を起こした原発の廃炉に関して、他国ではどのような法的規定が適用されているのでしょうか。

 チェルノブイリでは、原発事故から12年後の1998年、ウクライナ議会で「チェルノブイリ廃炉法(通称)」が成立しました。この法律によって、廃炉の完了要件は「デブリを取り出して敷地を環境上安全な状態にする」ことと定められました。作業の実施は国営事業者に、予算措置は国に義務付けられています。2008年には、廃炉の工程や年数などを詳細に定めた「チェルノブイリ廃炉プログラム法(通称)」が成立。この法律の前文には、工程全体には約100年を要すると明記され、デブリの取り出し開始は、「プログラム法」の成立時点から30~50年後を見込むという目安が示されています。国や事業者が作業を急ごうとしても、法律を改正しない限り認められません。

 よく、「チェルノブイリは石棺で原発を封じ込めてしまい、デブリ取り出しは断念した」といわれますが、それは誤解です。2016年に石棺の上から設置された新シェルターは、「廃炉法」で「崩壊した4号炉から核燃料を含む物質(訳注:デブリ)を取り出すための設備」と定義されています。事故から35年が経った現在も、シェルター内部ではクレーンの試験運転などが続けられ、デブリ取り出しの準備が進められているのです。

 アメリカ・スリーマイル島原発事故の場合はどうでしょうか。スリーマイル島では、事故から11年後の1990年には、デブリの取り出しが完了しました。しかし、すぐには原子炉解体に着手せず、取り出したデブリを敷地外に搬出した後で、1993年に、NRC(アメリカ合衆国原子力規制員会)が原子炉を無期限に監視貯蔵するためのライセンス変更を行いました。事故から42年経った現在に至るまで監視貯蔵は続けられ、原子炉解体は未着手のまま作業員の被ばく量を低減させるため、解体を先延ばしにしているのです。

 現在、廃炉工程に入るための計画が審議されていますが、実は、スリーマイル島原発の廃炉作業について定めた特別な法律はありません。ただし、NRC規則によって、スリーマイル島原発の廃炉の完了要件は、アメリカの通常原発と同様の基準が適用されます。そのため、スリーマイル島原発の運営事業者は、原子炉施設の解体や敷地の更地化を達成した上で、空間線量0.25ミリシーベルト/年といった基準をクリアする法的責任を負っています。

 廃炉に関する他国の法規制や立法プロセスは、日本ではこれまで、あまり紹介されてきませんでした。日本で展開される廃炉についての議論は、技術的な困難さに焦点をあてたものが多く、その結果、国民は、極端な二者択一論に陥っているように感じます。一方の人は、「デブリ取り出しは技術的なハードルが高すぎるから、石棺方式を採用した方がよい」と主張し、もう一方の人は「石棺方式なんてとんでもない。とにかく早期にデブリ取り出しに着手しなければ」と主張する。本当はこの両極端の間に、いくつもの選択肢があるはずです。

 チェルノブイリは、新シェルターで原子炉を覆って周辺住民や環境の安全を確保しながら、時間をかけてデブリ取り出しの準備をしています。スリーマイルは、原子炉の線量が十分に下がるのを待ってから廃炉に着手することにしています。いずれも、議会での審議や市民を交えた議論を経て成立した法的規定に則って、廃炉に向けた作業や手続きを進めているのです。

 日本にも、廃炉の完了要件や、国や事業者への達成義務、さらには廃炉プロセスにおけるルールを定めた法的規制が必要なはずです。廃炉法制がないことによる課題を多くの人と共有し、廃炉法制成立に向けた議論を活発化させていきたいと思います。


尾松亮(おまつ りょう) 1978年生まれ。東京大学大学院人文社会研究科修士課程修了。文部科学省派遣留学生として、モスクワ大学文学部大学院に留学。その後、民間シンクタンクでロシア・北東アジアのエネルギー問題を中心に調査。2018年以降、民間の専門家・ジャーナリストによる「廃炉制度研究会」を主宰。『科学』(岩波書店)、『政経東北』、『聖教新聞』で「廃炉と社会制度」をテーマに連載中。編著に『原発「廃炉」地域ハンドブック』(東洋書店新社 2021年)。
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コメント
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●「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…40年超核発電所の稼働という「麻薬」に手を出す核発電「麻薬」中毒者らの暴走

2021年05月17日 00時00分20秒 | Weblog

[※ 『ふくしま原発作業員日誌-イチエフの真実、9年間の記録』(片山夏子、朝日新聞出版、2020年2月刊、1700円)↑]


(2021年05月01日[土])
東京新聞の3つの記事、【福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986)と、
小川慎一記者による記事【脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000)と、
小川慎一・山本洋児・今井智文の3記者による記事【「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090)。

 《運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった ◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」》。
 《原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。…◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」
 《運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った》。

   『●汚染水の海洋放出…《避難したままの人たちは、いまだ4万人を
      超える。どれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?

 《アンダーコントロール》も出来ず、二進も三進もいかない核発電所。汚染水を海洋放出するという。《避難したままの人たちは、いまだ4万人を超えるどれだけ多くの人たちがさらに傷つけられればいいのか》?
 「濁流」さえ疑われる、関西電力による「還流」問題は一体どうなったのか? 九州電力も似たようなものです。

   『●自公議員投票の大罪: 「九電元幹部は「政治家側から
                 支援を頼んでくるのが昔からの伝統」」
   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
        「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
    「《還流》だけでなく、自民党やお維のセンセ方への「濁流」も、
     各党で調べた方がよくはないのかな? 他の電力会社も、特に
     九州電力は「クリーン」なのでしょうかね? ウルトラ差別主義者
     副首相と浅からぬ関係ですけど。

   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金…
        証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
          関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》
   『●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や
     竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?

 《地元に「アメ」》《国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている》…それは麻薬です。核発電「麻薬」中毒者らに、麻薬を渡すようなもの。日本中が「地元」であり、「地元」の市民はたまったものではない。例外中の例外が、もはや通例に。狂っています。「狂ったゴジラ」「老朽原発」「寿命核発電所」…九州電力も〝通例〟を求めているようだ。《杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた》…核発電は、《安全》と対極にある概念だ。 

   『●九電玄海原発も廃炉に
    《玄海原発、想定以上の劣化か 専門家指摘「廃炉に」
     原子炉は運転年数を経るにつれ、中性子を浴びて次第にもろくなる。
     その程度を調べるため、電力各社は圧力容器内に容器本体と同じ材質の
     試験片を置き、もろさの指標である「脆性遷移(ぜいせいせんい)温度
     を測っている。温度が上がるほど、もろさが増しているとされる。
      1975年に操業を始めた玄海原発1号機は九電管内で最も古い原発で、
     想定している運転年数は2035年までの60年間。脆性遷移温度は
     76年、80年、93年に測定し、それぞれ35度、37度、56度
     
だった。ところが、09年には98度と大幅に上昇した。
      九電はこの測定値から、容器本体の脆性遷移温度を80度と推計。
     「60年間運転しても91度になる計算で、93度未満という
     新設原子炉の業界基準も下回る数値だ」と説明している》

   『●東京電力原発人災以降も続く無責任の連鎖
    「経済産業省原子力安全・保安院は玄海原発1号機の老朽化問題について、
     検討を終え、報告書をまとめるそうだ。「脆性遷移温度が急激に
     高まっているにもかかわらず、「十分に健全だ」と主張している。
     「1993年に取り出した金属片は56度だったのが、2009年は
     98度にまで上昇」し、「予測値を14度超えていた」にも係らず
     である。つまり、高い温度でも原子炉の材料がガラスのように
     脆くなり、破壊されてしまう恐れが高まっていることを意味している。
     保安院は「事故時に原子炉を急激に冷やすと壊れないか検証」し、
     原子炉内に設置していた金属片について「取り出した金属片を分析し、
     圧力容器の溶接部を調べたが、異常は見つからなかった」ので、
     「急激に冷やしても圧力容器が耐えられることも確認した」そうである。
     どこが原子炉が破壊されない「確認」になっているのか。むしろ、
     リスクが上がっていることが確認されたのではないのか。
     電力会社や原子力ムラの住人のいい加減さ、それを見過ごした専門家や
     我々一般市民・利用者にも責任があったはずだ。東京電力原発人災で
     少なくとも我々は気づいたはずで、このままズルズルと原発再稼働・
     原発輸出・原発建設再開という「無責任」を続けてはならない」
 
 「脆性遷移温度」が急激に高まっているのではないか。データは公開され、十分に検証されているのか。

   『●60年間稼働させたい高浜原発:
     「電気代が高い低いの問題とを並べて論じること自体、許されない」
   『●「老いた馬」ではなく「狂ったゴジラ」:
      「麻薬」患者の関電がプルサーマルに続いて「寿命核発電所」…
   『●「仏様のおかげ」はもう期待しない方がいい: 
     高浜原発、「このゴジラが最後の一匹だとは思えない」
   『●なぜ命を軽々しく賭して、「たかが電気」のために 
     核発電する必要があるのか? 次も神様・仏様は居るか?
   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                 …どんどん壊れ行くニッポン
    《原子力規制委員会は3日、定例会合を開き、運転開始から40年の
     法定寿命が近づいている老朽原発の関西電力美浜3号機(福井県)
     について、新規制基準を満たしているとする「審査書案」を了承》

   『●高浜「寿命核発電所」延命、「安全より
      経済優先の時代へと逆戻り」…「規制緩和」委員会(©東新)
    《これでは“規制緩和委員会”。そんな声も聞こえてきそう。安全より
     経済優先の時代へと逆戻りしたかのような、関西電力高浜原発
     延命適合。熊本地震に不安を抱く、人々の目にはどう映る》

   『●寿命核発電所再稼働:「世界は既に廃炉時代
        時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い」
    「東京新聞の記事【「40年廃炉」なし崩し 老朽原発に初の延長認可
     高浜1・2号機に最長20年】…と、
     社説【高浜原発 延命よりも新産業だ】…。
     《四十年廃炉が原則だが、条件を満たせば一回に限り二十年の延長が
     認められる。延長は例外中の例外とされてきたが、初の適用例が
     決まった。ただ、再稼働するには、大規模な改修工事が必要で、
     三年ほど先になる見通し》。
     《原子力規制委員会が、運転四十年を超える関西電力 高浜原発(福井県)
     の延長を初めて認可した。世界は既に廃炉時代。無理な延命を図るより、
     時代の先端を行く方が、地域の実りははるかに多い》」

   『●東京電力核発電人災から10年経って、この有様…アンダーコントロール
         どころか人災は継続中、しかも、まだ核発電を続けたいという…
    「東京新聞の【<社説>老朽原発 新しい未来図描く時】…
     東京電力核発電人災から、10年が過ぎ、未だにこの有様だ。
     《例外》が通例に…核発電「麻薬」中毒者が暴走し、「老朽原発」さえも
     再稼働させたいらしい。狂っている。関西電力だけでなく、九州電力、
     さらには、東京電力、マトモではない」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/100986

福井県知事、40年超原発の再稼働に同意 全国初 国から計50億円の交付金提示
2021年4月28日 12時48分

 運転開始から40年を超えた福井県の関西電力美浜原発3号機(美浜町)、高浜原発1、2号機(高浜町)の再稼働について、「地元同意」の最終判断を担う杉本達治知事が28日、県庁で会見し、「地元の町、県議会などの意見を総合的に勘案した」と述べ、再稼働に同意する考えを示した。同日中に梶山弘志経済産業相に伝達する。東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間を原則40年と定めた法律下で、全国で初めての最大20年の延長運転に入ることになった。

     (事故対策工事が進む関西電力高浜原発=2021年2月、
      福井県高浜町で、本社ヘリ「まなづる」から)

◆知事、関電に「安全神話に陥ることなく進めて」

 老朽化した3基の原発の安全性を巡っては、県原子力安全専門委員会が今月22日、「必要な対策が講じられている」との報告書を杉本知事に提出。杉本知事は報告を踏まえ「再稼働後も安全神話に陥ることなく安全最優先で進めてほしい」と関電に求めた。

 国からは美浜、高浜原発合わせて計50億円の交付金が提示されている。国の将来的な原子力政策については27日、杉本知事とオンライン会談した梶山経産相が、持続的に原発を活用する方針を打ち出した。

 政府は2050年の温室効果ガス排出実質ゼロを定め、菅義偉首相も今月、温室効果ガス排出量の30年度削減目標を13年度比で46%減に上方修正したことから、既存原発の活用を積極的に進めたい考え。一方で老朽化した原発の安全性や、周辺自治体にも及ぶ事故時の避難計画の実効性の懸念は根強く残る。


◆使用済み核燃料、搬出先未定なら「停止」

 また、県が県外への搬出を求めている原発の使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設について、関電は青森県むつ市を候補地として提示したが、同市は受け入れないことを明確にしている。関電は23年末までに施設の計画地を確定できない場合、3基の原発を停止すると明言している。

 再稼働を巡っては地元の美浜、高浜町が同意し、県議会も容認していた。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101000

脱炭素で原則40年なし崩し 着々と進む原発再稼働、福井の老朽原発「同意」で新局面
2021年4月28日 12時45分

 原発が集中立地する福井県で、運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基について、杉本達治知事が再稼働に同意した。世界最悪レベルとなった東京電力福島第一原発事故後に、原発の運転は原則40年と定められ、運転延長は「例外的」とされていた。しかし、今後は政府と電力会社が「脱炭素」「地球温暖化対策」を前面に押し出し、ルールがなし崩しになるのは避けられない。


◆段階的に進む再稼働

 福島第一原発事故後、原発の再稼働は基数は少ないものの、着々と進んでいった。これまでを振り返ると、原発再稼働の道は3つのステップがあった。

 第一に、福島第一原発(沸騰水型)とは異なる発電方式である加圧水型の原発が、相次いで再稼働した。西日本に立地する関電、四国電力、九州電力の5原発9基は、司法判断で停止を余儀なくされた原発もあるが、地元同意を得て運転を継続している。

 第二に、東日本大震災で被災した原発が、再稼働へ向かっている。昨年11月、東北電力女川原発2号機(宮城県)の再稼働に宮城県知事が同意した。宮城県は、多くの住民が避難生活を続けている福島に隣接し、原発事故の影響をなお受けている自治体だそのトップが、原発の稼働にゴーサインを出した。東日本に立地する原発を保有する電力会社にとっては、これ以上の「追い風」はない


◆2030年には老朽原発15基に

 第三に、今回の老朽原発の再稼働だ。関電の美浜原発3号機高浜1、2号機は最長20年の運転延長が認められている。関電が巨額を投じた事故対策と、それを認めた原子力規制委員会の判断を、住民の安全に責任を有す自治体トップが「是」とした。運転延長を目指す他の電力会社にとって、良い先例とされる。

 東日本では、日本原子力発電の東海第二原発(茨城県)が運転延長を認められている。他に、規制委が認可した原発はないが、2030年には、全国で新たに11基が運転開始から40年を迎え、40年超えは計15基になる。老朽原発の稼働の是非は、原発立地自治体にとって他人ごとではない。


◆運転延長に頼る政府、地元に「アメ」

 菅義偉首相は昨年10月、2050年までに二酸化炭素(CO2)を主とする温室効果ガスの排出実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指すと宣言した。発電時にCO2を排出しない原発は「脱炭素電源」としての存在感が高まっている。

 ただ、政府は原発の新増設には消極的だ。あくまでも既存原発のフル活用を目指す立場で、その要が運転延長だ。再稼働している関電高浜原発3、4号機や九電川内原発1、2号機(鹿児島県)は4、5年で運転40年を迎え、延長手続きのリミットが迫る。

 菅首相は4月22日、30年度の温室効果ガス削減目標を「13年度比46%」と、これまでより20%引き上げた。目標達成へ、政府は原発に頼ろうとしている。そのため政府は今回、老朽原発の再稼働に計50億円の交付金を地元に「アメ」として示し、知事同意につなげた。

 古ければ古いほど原発はリスクが高まるが、運転延長で原子炉が交換されるわけではない老朽原発再稼働という道を拓いた福井県知事の判断は、事故リスクから目を背けられない「いばらの道」への一歩でもある。(小川慎一
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/101090

「脱炭素」の声に押され…老朽原発が再稼働へ 使用済み核燃料の行方も決まらず見切り発車
2021年4月29日 06時00分

 運転期間40年を超えた関西電力の老朽原発3基の再稼働に、福井県知事が28日同意した。ただ、知事が条件とした使用済み核燃料の県外搬出は、実現の見通しすらない。政府による「脱炭素」の声に押された見切り発車で、例外的とされた運転延長の道へ先陣を切った。(小川慎一、山本洋児、今井智文)


◆「いたずらに延ばすわけには…」

 「(県原子力安全専門委員会に)5年前から安全性を確認してもらい、避難計画も1月に出された。いたずらに延ばすわけにはいかない」。杉本達治知事は県庁での定例記者会見で、同意表明を急いだのではという質問にこう答えた。

 老朽原発の再稼働という全国初の手続きは、4月に入って急加速した。知事は県議会に、再稼働すれば国から県に計50億円の交付金が入ることなどを提示。県議会はすぐに応じ、2週間余りで容認した。

 「関電の現場から再稼働を急ぎたいとの声が上がっていた」と、ある中堅県議は取材に明かした。高浜原発1、2号機はテロ対策施設の工事が間に合わず、設置期限の6月9日以降は完成まで運転できない。それでも同県議は「再稼働すれば、短期間でも10年間動かしていない原発の不具合を確かめられる」と指摘した。


◆県外搬出が再稼働の条件だったが…

 同意表明を巡っては、知事の態度軟化もあった。福井県は、関電が3つの原発で出る使用済み核燃料を県外に搬出するよう求め、候補地の提示が再稼働の議論の条件と突き付けてきた

 関電は実現を約束したものの、昨年末に県外候補地の自力提示を断念。その代わりに電力業界と国が、東京電力と日本原子力発電の使用済み核燃料の保管先である青森県むつ市の中間貯蔵施設の共同利用案を提示し、関電は2023年末までに候補地を示すとした。できなければ、「老朽原発を運転しない」と約束した

 杉本知事は関電の背水の陣の覚悟に対して「一定の回答があった」と評価し、途端に前のめりに。ところが、むつ市の宮下宗一郎市長は共同利用案に否定的で、本紙の取材に「受け入れの可能性はゼロと断言。実現の見通しはない。

 杉本知事は27日、関電の森本孝社長と梶山弘志経済産業相とのオンラインの面会で約束を守るよう念押ししたが、いずれも「むつ市」に言及しなかった。


◆自治体と関電の思惑が一致

 「梶山経産相から、将来的にも原子力を活用すると言い切りの形での表明がされた」。杉本知事は会見で、同意表明の理由の一つに政府の原子力政策の方向性が示されたことを挙げた。

 菅義偉首相が50年までに二酸化炭素(CO₂)を主とする温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると宣言して以降、発電時にCO₂を排出しない原発は脱炭素電源として存在感が高まっている。老朽原発の運転延長は、原発に地域経済を依存する自治体と、化石燃料コストを削減できる関電の思惑が一致した面も強い。

 ただ、政府は太陽光や風力による再生可能エネルギーに注力する方針で、原発の新増設や建て替えに消極的だ。運転延長という既存原発のフル活用で、30年度の電源構成で原発を20%台にすることを目指すが、それには30基程度の稼働が必要となる。日本には建設中の3基も含め計36基しかなく、「不可能だ」という声が経産省や電力会社からさえ出ている。
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●関西電力美浜原発3号機再稼働に同意した戸嶋秀樹美浜町長や竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか?

2021年03月08日 00時00分02秒 | Weblog

(20210221[])
西日本新聞の記事【福井・美浜町長、再稼働に同意】(https://www.nishinippon.co.jp/item/o/693065/)。

 《運転開始から40年を超えた関西電力 美浜原発3号機福井県美浜町)を巡り、同町の戸嶋秀樹町長は15日、竹仲良広町議会議長と面談し、再稼働に同意すると表明した》。

 四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…またしても、あの関西電力美浜原発3号機の再稼働をしたいらしい…。正気じゃないね。《日本の国策は「安全な原発を動かす」》…《安全》な《原発》というのは、形容矛盾だと思います。

   『●小出裕章さんの謝罪
    「自民党の政治屋の皆さんをはじめとして原発を推進して甘い汁を
     吸ってこられた方に、この講演会の最後…に流された姫野洋三
     「若狭の海」…を聞いてみて欲しい」

   『●第八回竜一忌、涙が出ました:
      松下竜一さん「暗闇の思想」を語る小出裕章さん
    《姫野洋三さんの「若狭の海
     原発のうたは良かったです。
      「夜をあんなにあかるくしといて
       夏をあんなにさむくしといて
       まだまだ 足りないなんて~♪」》

   『●四十年廃炉ルール無視、特例中の特例のはずが…
      日本原電は東海第二原発の再稼働をしたいらしい…
    《日本原電は、来年四十年の運転期限を迎える東海第二原発
     二十年延命を、原子力規制委員会に申請した。3・11後の
     安全強化で、原発はもはや割に合わなくなった。老朽化が進めば、
     なおさらだ…3・11後、安全対策のハードルは高くなり、
     四十年廃炉のルールもできた。延長は、本来例外的に認められるが、
     さらに特別な対策が必要とされている》。

   『●核発電は「金のなる巨大木」…《自民党の最近のルールは
     「返せば問題ない」と、なかったことにできるというもの》
   『●《稲田朋美…世耕弘成…安倍側近が…関電受注企業から献金
     証人喚問を含め、国会の場で徹底的に調査するほかない》
   『●「桜を見る会」税金接待というアベ様模倣犯・世耕弘成経産相
         …関西電力〝濁流〟問題でも《関電受注企業から献金》

 政府や与党自公・癒党お維はどうしても発電機能付き「海暖め装置」を動かしたくて仕方ないらしい。「たかが電気のために」。地球温暖化対策の切り札とでも嘯きながら。よほど美味しいおカネの「濁流」があるようだ。

   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
      北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
    《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
     大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
     今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
     (耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
     単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
     関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
     原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
     開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
     なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
     という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
     不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
     日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
     「ロシアンルーレット状態だった。日本の国策は「安全な原発
     動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
     危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
     と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
     差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
     基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか
     これは他の原発と共通の問題だ》

   『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
         超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》

 関西電力 美浜原発3号機福井県美浜町)再稼働に同意した戸嶋秀樹町長や、竹仲良広町議会議長らは、《大阪地裁訴訟の原告》達の声を聞いたのか? 「美浜のギロチン事故、ギロチン破断」が再び起こった時、「若狭の海」どころか、日本中が御終いでしょうに。どう責任をとってくれるのですか?
 なんとしても、核発電「麻薬」中毒者の暴走を止めねければ…。

 以前も引用させていただいたが、東京新聞の記事【原発40年超再稼働不同意を要望 大飯判決原告、美浜議会に】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/73074?rct=national)によると、《関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の設置許可の取り消し判決を出した大阪地裁訴訟の原告の一部が8日、福井県美浜町議会に、運転開始から40年を超えた関電美浜原発3号機の再稼働に同意しないよう求める要望書を提出した。関電は美浜3号機を早ければ来年1月にも再稼働させる工程を示しており、町議会は近く同意の是非を示す見込み。町議会では、再稼働を求める請願を審査する特別委員会が今月9日に予定されている。4日の大阪地裁判決は、大飯3、4号機の耐震性が新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断は誤りだとして、設置許可を取り消した》。

   『●大飯原発再稼働の恐〝負〟の連鎖:
      40年間も動かした美浜原発2号炉をさらに10年稼働延長
   『●東京電力人災が続く中、なに寝ぼけてんだか!?
    《11人が死傷した関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の
     蒸気噴出事故から丸8年となった9日、同原発で追悼式典が開かれ、
     八木誠社長が慰霊碑の前で「事故の反省と教訓を風化させることなく、
     安全の実績を積み重ねるべく全力を尽くす」と再発防止を誓った》

   『●関西電力大飯原発再稼働差し止め、画期的勝訴:
               もし敗訴していたら大変なことに……
    《「判決を聞いて5人の仲間のことを思った」 
     原告の一人で元原発作業員の山本雅彦さん(57)=福井県敦賀市=は
     判決後の記者会見でそう話し、04年にあった美浜原発3号機の
     蒸気噴出事故で亡くなった5人の作業員を悼んだ》

   『●「原子力は血液」……ではなく、「原子力=核」は「麻薬」
   『●「けん制」? いや、「恫喝」でしょ?  
      関西電力八木誠社長が大津地裁と「地元」市民を脅す!
    《美浜原発3号機(福井県)の廃炉を検討していると一部で報じられた
     ことに対しては「検討している事実はない。活用していきたい」と述べた》

   『●「あとの祭り」: 核発電「麻薬」中毒患者、増殖中
                    …どんどん壊れ行くニッポン

 まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。

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https://www.nishinippon.co.jp/item/o/693065/

福井・美浜町長、再稼働に同意
2021/2/15 9:56 (2021/2/15 9:57 更新)

     (関西電力美浜原発3号機=福井県美浜町)
     (再稼働の同意を伝えた町議会議長との面談後、取材に応じる
      戸嶋秀樹福井県美浜町長=15日午前、美浜町役場)

 運転開始から40年を超えた関西電力 美浜原発3号機福井県美浜町)を巡り、同町の戸嶋秀樹町長は15日、竹仲良広町議会議長と面談し、再稼働に同意すると表明した。地元町長が40年超再稼働に同意するのは、関電高浜原発1、2号機(同県高浜町)に続き2例目となる。

 町長の同意後は県議会や知事の判断となる。杉本達治知事は、今月16日に開会する県議会で議論を促す方針を示しているが、自身の判断時期のめどは「全くない」としている。関電は当初、美浜3号機を1月に再稼働させる計画だった。

 美浜町では昨年12月、町議会が同意し、戸嶋氏は「重く受け止める」としていた。
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●《映画批評や社会活動をしてきた》「映画アクティビスト」木下昌明さん…《資本主義は人の命を食い物にしなければ生き延びられない》

2021年03月03日 00時00分15秒 | Weblog

(2020年12月28日[月])
志真秀弘さんによる、レイバーネットの追悼記事【〔週刊 本の発見〕70の坂を駆け登っていった〜木下昌明の本から】(http://www.labornetjp.org/news/2020/hon184)。

 《木下昌明さんが12月6日に亡くなった。享年82歳。 追悼の想いを込めてあらためて彼の著書を紹介したい》。

 先月、「映画アクティビスト」木下昌明さんがお亡くなりになりました。いつも、レイバーネットの映画評『木下昌明の映画の部屋』をとても楽しみにしていました。もう読めないのかと思うと、とても残念です。
 なぜ、『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』を購入したのかを思い出せません。「素晴らしい評論集。あまりタイトルについて深く考えずに読み始めた後、日本人論であることに気付く。深い。特に、労働者の視点が著者の特徴か。…非常に鋭い侵略戦争批判が随所に。」…とメモにあるが、どこで購入したのかも思い出せない。何かのキッカケで、レイバーネットの映画評を読み始めたためか。『週刊金曜日』でお名前を覚えたのかも。

   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(1/3)
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(2/3)
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(3/3)
   『●木下昌明さんの新刊『映画は自転車にのって』
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている
        牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
      映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●終わらない原発人災の影響:
     「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
   『●木下昌明さん、壊憲された「「憲法」に呪縛されて
       原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日」
   『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
      「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」
   『●「赤紙」の来る時代…
     綿井健陽さんの「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」
   『●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の
       「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心
   『●「死刑という刑罰」: 飯塚事件では「冤罪被害者」を死刑…
            「冤罪被害者」の命を、最早、償いようもない
   『●ガジュマル:瀬長亀次郎さん「不屈」の精神…
     「忖度政治を危ぶむ全国の多くの人々の心に響くに違いない」
   『●「自由新聞(フライエ プレッセ)!」と「下足番」新聞:
                  主犯の「A」(A夫妻)が抜けている
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」

   『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
              …昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露
    「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵
     大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」

   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…
     実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》
   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●ウチの首相は《対策の不備…科学的根拠の欠如…的外れ》など批判の山
        …文化・民度・首相のレベルに彼我の差を感じずには要られない
   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
      しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている
   『●《映画批評や社会活動をしてきた》木下昌明さん…《あるところで
      「映画アクティビスト」と紹介…本人はとても気に入っていました》

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http://www.labornetjp.org/news/2020/hon184

〔週刊 本の発見〕木下昌明の本『ペンとカメラ』『〈いのち〉を食う』

週刊 本の発見 毎木曜掲載・第184回(2020/12/17)

70の坂を駆け登っていった―木下昌明の本から
『ペンとカメラ-時代と生きる』(2017年)『〈いのち〉を食う-3・11後の映画と現実』(2014年)〔いずれも1800円、績文堂出版刊〕評者:志真秀弘

 木下昌明さんが12月6日に亡くなった。享年82歳。追悼の想いを込めてあらためて彼の著書を紹介したい。著書を順にあげると『映画批評の冒険』(1984年、創樹社)、『スクリーンの日本人―日本映画の社会学』(1997年、影書房)、『映画と記憶―その虚偽と真実』(2002年、影書房)、『映画がたたかうとき-壊れゆく〈現代〉を見すえて』(2004年、影書房)、『映画は自転車にのって』(2010年、績文堂)となり、続いて表題にあげた2冊が加わる。

 どれから読むかを問われるなら、タイトルにあげた2冊から、つまりおしまいから出発へと遡るように読んでほしいと応えたい。

 『〈いのち〉を食う』のまえがきにこう書かれている。「3・11後、世界は大きく様変わりした」、人間も地球の生態系のひとつとして捉えなければこの危機に対処できない、そこで状況に介入し、文学・映画・テレビ・思想などジャンルを問わず追求する、と。枠を取っ払って縦横に批評する考えだ。その通りに、本文では『100000年後の安全』『イエロー・ケーキ』『ザ・テイク』などと並んでテレビドキュメンタリー『ETV特集・放射能汚染地図』も取り上げられている。3・11後世界は変わり、資本主義は人の命を食い物にしなければ生き延びられないことを、この本で木下は繰り返し主張する。このときすでに新自由主義の本性を、彼は捉えていた変化を敏感にとらえる彼の柔軟な思考は、この本からも読み取ることができる。加えてこのときから行動力に拍車がかかった

 3・11以降、毎週金曜日、彼は国会前集会に出かけ、カメラを回し、記事と動画を〈レイバーネット〉に投稿した。「報道陣に邪魔者扱いされても飄々と家庭用カメラを構える姿を、私は何度か見た」と土屋トカチが書いている(『週刊金曜日』)。

 カメラを握ったのは、しかしこのときが最初ではない。長時間労働で疲れ果てた娘に危機感を覚え、労働時間を記録するため「深夜から明け方まで寝ぼけ眼で」写した『娘の時間』(2003年)が初めての作品で、それは年に1度のレイバーフェスタ〈3分ビデオ〉に応募され、柱時計のシーンに切迫感と愛情が滲んで好評だった。それから『続・娘の時間』(04年)『息子の場合』(05年)と毎年応募したが、これらの作は国会前集会の映像記録と共に『〈いのち〉を食う』の付録DVD「木下昌明3分ビデオ選集」に収録されている。

 『ペンとカメラ』冒頭の「インターネットの活動に参加して」にはこうした闊達な行動に、彼の考えるネットの可能性が重ねて語られ興味深い。その上で彼は映画の人であり、映画を通して考えていた。ここにあげた2冊の本もそれを示す。とりわけ今世紀に入ると、誰がみても木下の映画批評は抜きん出ていた

     (*国会前の木下さん(2012年))

 2012年晩秋、彼にがんが見つかる。医師との面談をビデオに収め、関連書を読み、彼はがん医療のあり方と自分の行く末を模索し、批評も医療のあり方にまで及んだ。「余命1年」を幾度も宣告された。が、生き延びて映画『がんを育てた男』(松原明佐々木有美、2016年)の主人公に彼はなる。そんな木下を鎌田慧は「転んでもただでは起きない、ドキュメンタリー精神だ」(『東京新聞』)と評した。『ペンとカメラ』で『標的の島風かたか』(三上智恵)の批評が印象的だ。高江のたたかいで山城博治・平和運動センター議長(彼もガン患者)は機動隊員が襲いかかって女性の首にロープが絡まった瞬間、「敗北宣言」をして号泣する。木下はそこに「敗れても敗れてもたたかう非暴力精神のなんたるかをみた」。そして木下の非暴力思想も、花田清輝、柾木恭介をはじめとする芸術運動由来で、筋金入りだった。

 3・11以後ペンに加え、カメラも手にして、敵に厳しく、仲間である虐げられたものにはどこまでも愛情溢れる批評世界を作っていく。がんを抱えたことで世界と社会にとどまらず、人間の生き死ににまで木下の視線は届くことになる。そして彼の立脚点は、どこまでも今どうするかにあった。

 木下は、労働者文学賞の選考委員として、毎年多数の応募作品を読み、懇切な批評をし、選考をしていた。シアターΧ(カイ/東京・両国)の花田清輝に因むイベント企画にも上田美佐子、小沢信男、西田敬一氏等と協働して当たっていた。それにとどまらず、議論白熱の共同作業が木下は大好きだった。彼の後期3冊の編集時の目を三角にしてのやりとりが、今脳裏に蘇る。

 振り返ると、著書7冊のうち3冊は彼70代の作。60年安保闘争の頃ビン工場の検査工だった若者が日本文学学校の門を叩いた。そして幾星霜、かれ木下昌明の創造力は年を経てなお高まり、70の急坂をものともせず、がんを道連れに駆け登り、味わいある映像と文章とを遺して、消えていった。この生涯、あまりにもかっこ良すぎるではないか。

↓本の入手は 績文堂出版 12.26レイバーフェスタ会場でも販売します。


*「週刊 本の発見」は毎週木曜日に掲載します。筆者は、大西赤人・志真秀弘・菊池恵介・佐々木有美・根岸恵子・志水博子、ほかです。
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●《映画批評や社会活動をしてきた》木下昌明さん…《あるところで「映画アクティビスト」と紹介…本人はとても気に入っていました》

2020年12月18日 00時00分04秒 | Weblog

(2020年12月15日[火])
レイバーネットの二つの記事【「映画アクティビスト」木下昌明さん、旅立つ〜家族・友人に見守られて】(http://www.labornetjp.org/news/2020/1212kinosita)と、
【木下昌明さんを追悼する〜とても柔軟な優しい感性】(http://www.labornetjp.org/news/2020/1214kinosita)。

 《娘の説子さんは「病状の経緯」を 詳しく語りました。それはたんなる病状報告ではなく、そのとき木下さんが何を 考え語っていたか、どんな思いだったか。(松原明)》。
 《木下昌明さんを追悼する(山口正紀土屋トカチ・高橋省二・内藤洋子・林田英明・しまひでひろ)…木下さんが12月6日に亡くなってから、レイバーネットのメーリングリストをはじめ、たくさんの追悼の言葉が寄せられています。その一部を紹介します。(編集部)》。

 木下昌明さんが12月6日にお亡くなりになったそうです。レイバーネットの映画評『木下昌明の映画の部屋』をとても楽しみにしていました。ご冥福をお祈りします。

   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(1/3)
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(2/3)
   『●『スクリーンの日本人 ~日本映画の社会学~』読了(3/3)
   『●木下昌明さんの新刊『映画は自転車にのって』
   『●木下昌明さん、『死刑弁護人』映画評
   『●「浪江町で300頭の牛を一人で飼っている
        牧場主の吉沢正巳さん」国会前スピーチ
   『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
     「こんな巨大な事件が、…日本人としての資質が問われる」
   『●子供にもSLAPPする国: 三上智恵監督・
      映画『標的の村 ~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』
   『●終わらない原発人災の影響:
     「震災さえ」ではなく 「原発さえなければ…」
   『●木下昌明さん、壊憲された「「憲法」に呪縛されて
       原発国家を推進する安倍自民党の奴隷となる日」
   『●東電原発人災から『X年後』でも同じことが…
      「死は個人の不摂生のせい」に、そして、「上から口封じ」
   『●「赤紙」の来る時代…
     綿井健陽さんの「“平和”のありがたさをしみじみとかみしめたくなる映画」
   『●「それは風評でなくて現実だ」: 東電核発電人災の
       「大地を受け継い」だ人々の葛藤、引き裂かれた心
   『●「死刑という刑罰」: 飯塚事件では「冤罪被害者」を死刑…
            「冤罪被害者」の命を、最早、償いようもない
   『●ガジュマル:瀬長亀次郎さん「不屈」の精神…
     「忖度政治を危ぶむ全国の多くの人々の心に響くに違いない」
   『●「自由新聞(フライエ プレッセ)!」と「下足番」新聞:
                  主犯の「A」(A夫妻)が抜けている
   『●武藤類子さん《沖縄で闘っている人の言葉…「国を相手に
        ケンカしたって勝てない。でも、おれはやるんだ」》
    「レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 250回/
     原発事故に翻弄された14人~土井敏邦監督『福島は語る』】
     …。《映画は、生活を根こそぎ奪われ、人生を翻弄された
     14人の被災者に焦点を当てている。…暮しの中から被災後の困難を
     浮かび上がらせているのが特徴だ》」

   『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
              …昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露
    「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵
     大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」

   『●「事実無根のデマ」…「もしこれが立件されれば、
       長谷川氏逮捕や花角新知事辞任の事態もありうるだろう」
   『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…
     実は何も知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》
   『●『i -新聞記者ドキュメント-』…《「i」…一人ががんばれば
     みんなもがんばる――映画はそのことを教えてくれる》(木下昌明さん)
   『●ウチの首相は《対策の不備…科学的根拠の欠如…的外れ》など批判の山
        …文化・民度・首相のレベルに彼我の差を感じずには要られない
   『●木下昌明さん《ケン・ローチの『家族を想うとき』はすごい。
      しかし、働くものにとってはやりきれなさが残るかもしれない》
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている

 レイバーネットの【太田昌国のコラム : 免田さんの死を受けて、「死刑」の状況について】(http://www.labornetjp.org/news/2020/1210ota)によると、《このレイバーネットのウェブ上に「木下昌明の映画の部屋」というコラム欄で映画評を書き綴ってこられた木下昌明さん(写真右)が亡くなられた。私は、単行本にまとめられた幾冊もの木下さんの映画評をずっと読んできていた。2017年の第7回死刑映画週間にはゲストとして来ていただいた。ヴァンサン・ペレーズ監督『ヒトラーへの285枚の葉書』(2016年)上映後、30分間ほどのお話しをしてもらった。ナチス支配下、息子の戦死を契機に父親がひとりで始めた反ナチスの活動から――妻は当初それに反対していたが、やがてふたりは協働するようになる――「一人でも行動する」ことの意味を取り出すお話だった。折から政府・自民党が企図していた共謀罪制定の動きを背景に置くと、遠い国の、過去の話に終わるものではないことが実感された。またお招きしようという思いは叶わなくなった》。

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http://www.labornetjp.org/news/2020/1212kinosita

「映画アクティビスト」木下昌明さん、旅立つ

「映画アクティビスト」木下昌明さん、旅立つ

 木下昌明さんの葬儀は「若松地域センター」(東京・新宿区)で滞りなく終了 し、木下さんは家族8人(息子・娘夫婦と孫4人)と友人たちに見守られて、旅立ちました。

 12月10日は午後6時から7時までの間に「面会式」(通夜)が行われました。木下さんの顔はとてもつやつやできれいで、生きているようでした。一番好きだった「とん久」のトンカツが脇に置かれていました。また木下さんを描いた「がんを育てた男」や木下さん制作の「娘の時間」など「3分ビデオ集」が脇の大スクリーンに音無しで流されました。この日は、昔の仲間や今のレイバーネットの仲間など、約20人が 参列しました。会場には木下さんの著作や38歳で亡くなった妻・教子さんの若々しい写真が飾られていました。

 6時半すぎから、喪主の挨拶がありました。娘の説子さんは「病状の経緯」を 詳しく語りました。それはたんなる病状報告ではなく、そのとき木下さんが何を 考え語っていたか、どんな思いだったか。一緒に映画を観たときの話。「父はすべての体のエネルギーを使いつくし、父らしく亡くなりました」と語りました。父親の生き方・死に方が具体的に迫ってくる感動的な18分の報告でした。そのあと最後に3分ビデオ「三分間の履歴書」を音をきちんと出して上映しました。レイバーフェスタ2006に上映した作品で、木下さんが自らの半生を描いたものです。参列者を映像を食い入るようにみながら、追悼しました。

 翌11日10時からは「告別式」が行われました。家族葬でしたが、友人がやはり20人ほど参列しました。式は「浄土真宗本願寺派」の仏式で、僧侶がお経を読みました。戒名はありませんでした。焼香、棺への花入れと進みいよいよ出棺です。

 最後に喪主の木下和民さんが原稿を手に挨拶に立ちました。まず家族一人ひとりに、これまで支えてくれたことへのお礼を「こんなことがあったね」と具体的に述べました。原稿を読み進めるうちに、和民さんは感極まって嗚咽してしまいました。そして最後に父に語りかけました。「父へ。母をなくし一人で育ててくれた2人の子どもは、こんなに優しい家族と共に幸せな人生を歩んでいます。どうか安心して母のもとへ旅立ってください。今まで本当にありがとうございました」。

 子どもたちは、仕事をしながら一人で二人の子育てをし、映画批評や社会活動をしてきた父親・木下昌明さんの生き方をしっかり受けとめていました。参列者はシニアばかりでしたが、木下ファミリー8人は若く未来を感じました。とてもさわやかな「見送り」になりました。参列者から声が聞かれました。「木下さんの生き方・死に方は素晴らしい。私もああなりたい」と。(松原明


〔追記〕木下さんは「映画批評家」と呼ばれることが多いですが、自らビデオカメラで映像も撮っていました。あるところで「映画アクティビスト」と紹介されたことがあって、本人はとても気に入っていました。そこでこの記事では「映画アクティビスト」と表記しました。

     (2012年10月29日南会津町で、当時74歳。撮影=shinya)

〔参考リンク〕
12.6訃報記事
木下昌明さん追悼(6人紹介)
9.5「あるくラジオ」で語る
「木下昌明の映画の部屋」最終回
映画『がんを育てた男』HP
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http://www.labornetjp.org/news/2020/1214kinosita

木下昌明さんを追悼する(山口正紀・土屋トカチ・高橋省二・内藤洋子・林田英明・しまひでひろ)

<木下昌明さんを追悼する>

 木下さんが12月6日に亡くなってから、レイバーネットのメーリングリストをはじめ、たくさんの追悼の言葉が寄せられています。その一部を紹介します。(編集部)


●とても柔軟な優しい感性
山口正紀

 木下昌明さんの訃報を受け取ってから、ショックのあまり頭がボーっとしていました。松原明さんから「木下さんが体調を崩して入院された」とはうかがっていましたが、これほど急に逝かれるとは、そんなに悪かったとは。昨夜はお通夜のようなつもりで、ちょうど3カ月前に放送された「あるくラジオ」で木下さんの声を繰り返し聞いていました。パソコンから流れる声もお話しぶりも、ほんとうに元気そのもので、とてもわずか3カ月後に急逝される方のお話とは思えません。

 木下さんと初めてじっくり話させていただいたのは10年前の2010年7月、レイバーネットTVの第1回放送の時でした。木下さんが映画評「今月の1本」を、私が「ピリ辛コラム」を担当しました。終わった後、四谷の小さな中華料理屋さんで打ち上げになったのですが、メンバーの中では「高齢」に属する木下さんと私が隣合わせに座り、映画のことから運動のことまで、あれこれと話したことを覚えています。木下さんのことは、以前から『思想運動』紙上やHOWSの集まりなどで、映画について書かれたものを読んだり、お話をうかがったりしていたのですが、身近にお話させていただいたのはその時が初めてでした。

 それ以後、レイバーネットTVの放送のたびにお会いし、何度もいろんな話を聞かせてもらいました。それまでの予備知識では、木下さんはかつて『新日本文学』の編集部にいて、大西巨人、武井昭夫、花田清輝さんら錚々たる戦後文学の巨人たち(いずれも私が敬愛する方々です)と一緒に仕事をされていた「すごい人」であり、私にとってはある意味で1960年代の「オールド左翼」でした。ところが、実際に会って話してみると、実に気さくな方で、聞き知っていた経歴のような「すごい人」ぶりをまったく感じさせない「少し歳の離れたアニキ」(11歳上です)のような印象を受けたものです。「天皇制批判」の話題などでは、年下の私の話でもていねいに耳を傾けてくださり、「そうか、そういうことか」と相槌を打ってくださいました。敬愛する大西巨人さんが亡くなられた時、追悼文を『思想運動』に書かせてもらったのですが、それを読まれた木下さんが「山口さんの記事、良かったよ。大西さんの作品(神聖喜劇)を自分の体験と重ねて書いていて、共感が持てた」とほめて下さったことを今もうれしく覚えています。

 最初に抱いた「オールド左翼」はまったく私の予断で、「教条主義」のかけらもない、むしろ「私の方が左翼主義かもしれない」と反省させられるような方でした。特に惹かれたのは、とても柔軟な優しい感性です。それは何よりも映画の見方によく表れていて、一貫して、弱い立場に置かれた人、労働者や女性、過酷な運命に抗う人に寄り添うようにして映画を語っておられました。私も若いころから映画好きな方で、新聞の映画評もよく読みますが、木下さんのような視点で書かれた映画評は初めでした。木下さんは7冊の映画評論集を出されています。そのどれも夢中で読み進み、読み終えたシリからその映画を観たくなるような楽しい批評でした。その一方で、労働者の階級的な見方が自然と体に染みついた人です。

     (*自宅で「あるくラジオ」収録中)

 木下さんは「あるくラジオ」で、「コロナ対策」をめぐる「生命か経済か」という議論について、「命を食うのが経済」とし、「生命か経済か」という議論は成り立たないと断言されました。定時制高校に通いながら少年工として働き闘った経験が、そんな透徹した見方を形作ったのだと思います。木下さんはやはり「あるくラジオ」の中で、ドキュメンタリー映画について、「一緒に闘わなければ映画は出来ない」とおっしゃっていました。その視点は、たとえばケン・ローチの劇映画に対する高い評価にも共通していた、と思います。

 「がん」についても、木下さんは、私にとって得難い「先輩」でした。ビデオプレスの『がんを育てた男』は、多くのがん患者に勇気を与えた(と信じる)傑作です。「がん」に正面から向き合い、まるで「おでき」か何かのように自分の体の中で「育つがん」を見守り、それについてひょうひょうと語る木下さん様子は、がんの深刻さを、「がんも人が生きるということの一つなんだよね」と相対化する視点を示してくださったと思います。2年3か月前、私も「肺がん患者」になり、しかも「手術も放射線治療もできないステージⅣ」と宣告された時、パニックにもならず、「そうか、そういうこともあるんだろうな」と受け止めることができたのは、どこかで映画の中の木下さんの影響を受けていたのだと思います。

 木下さんと最後にお会いし、お話したのはちょうど1年前のレイバーフェスタでした。『がんを育てた男・その後』が上映され、その映画に私も登場していたことから、木下さんと私がステージに上がり、2人で「がん談義」をするはめになりました。たくさんの人の前で自分のがんの話をするとは思ってもいないことでしたが、木下さんの「がんとの付き合い方」を学んで、私もがんを相対化する視点を少しずつ身につけることができたのだと思っています。ただその後、木下さんとお会いすることは出来ないままになってしまったのが、ほんとうに心残りです。

 今年1月末、私は重度のインフルエンザと肺腺がんに起因する多発性脳梗塞を起こして救急車で運ばれ、リハビリも含めて2か月近い入院生活を余儀なくされました。幸運なことに後遺症はほとんどなく、抗がん剤の副作用以外、日常生活に支障はありませんが、退院後はコロナ禍に自由を奪われてしまいました。医師から「末期肺がんと高齢(!)の超ハイリスク」として外出を厳しく制限されています。会食はもちろん、会合、集会、講演会なども出かけたい気持ちを抑えるのに苦労する毎日です。そんなこともあり、「木下さんが来られるようだ」と聞いたレイバーネットTVの観覧に出かけることもできず、この1年を過ごしてきました。

 実際、私以上に深刻な病状を抱えておられた木下さんが、コロナの脅威の中、可能な限り外出を心がけておられたのは、ほんとうに驚異的なことです。1年前のレイバーフェスタの時、木下さんから「山口さん、記事を書いてるかい? つらい時もあると思うけど、体調のいい時には、とにかく書きたい記事を書いた方が良いよ」とアドバイスされました。「歳の離れたアニキ」の言葉が胸にしみました。ご自身、最後まで「書きたいことを書く」人生を送られた木下さんです。ほんとうに、ありがとうございました。


●「映画の見方・作り方、そして生き方」を学ぶ
土屋トカチ

 木下昌明さん、本当にお世話になりました。先日12/1放送の「あるくラジオ」でも話しましたがあなたにお会いし、最初の作品「窓越しに出会った」を激賞していただいたことが私を映画制作の世界へ導いてくれました。聴いてくれてたかしら。映画の見方・作り方、そして生き方を学ばせていただきました。

 映像を始めた頃から、父を早く亡くした私には親父のように慕っていた方が二人います。国労の佐久間忠夫さん。そして、木下昌明さんです。お二人ともあの世に行ってしまった。でも、心の中ではこれからも共に…。たぶん、あの世でも自転車をこいで映画を観にいくのかなー。ありがとうございました。


●生きざまを曝け出した創造と批評
高橋省二

 木下昌明さんの訃報に接し、家族ともども驚き悲しんでいます。家族葬ということゆえ、自宅にて冥福を祈りながら連れ合いとともに木下さんの波瀾万丈の82年の生涯を偲んでいます。(連れ合いも肺がんを患い手術した経験があるだけに)話題は、もっぱらガンになられて以降の彼の活躍と生き方について、彼から多くのことを教えられたことでした。

 1つは、「3分間ビデオ制作」を、(だれもが自らの視点で身の回りの生活や労働、活動を記録する)「労働者通信」運動だと高く評価し、自らも毎年、家族や自分の姿を描いた秀作を発表され、その延長線にあの名作『がんを育てる男』が生まれたことでした。

 2つめは、運動の現場にビデオを片手に足を運び、どこにでも自転車で走って映画を観て歩く【永遠の映画少年】であるとともに、独学の研究心と知性、根っからの労働者魂とインターナリズムの精神を兼ね備えた稀有な【映画評論家】だったといえます。

 3つめは、運動的視点からの助言、提言は、上から目線ではなく常に友情に溢れたものでした。私が『思想運動』紙にルポ「人を喰った魚~築地市場移転騒動の巻~」を連載した際に、真っ先に電話を頂き、「読ませてもらったよ。暮れのレイバーフェスタに講談にして語ってみたら面白いんじゃない」と勧めて頂き、2ヵ月後に講談にして発表することになりました。このことが、この秋に制作したDⅤD「講談で核を語る」にも収録したのビキニ被曝、福島原発事故の創作講談2作につながることになりました。

 4つめは、どうせ1度きりの人生なんだから、財もなければ名誉もないプロレタリアートは、自分の生きざますべて曝け出して創造と批評をしなければ、敵に一矢も報いることが出来ないことを、身をもって実践し、われわれ後輩に教えてくれたことです。ペンと口とカメラさえあれば、なんでも言える、なんでも表現できることを身をもって教えてくれたと、いえます。全身ガンに侵されながらも、最後までペンを放さず、全てのエネルギーを使い果たして永遠の眠りに逝かれた木下さんのご冥福を祈るとともに、長年の友情に感謝の気持ちでいっぱいです。


●生きることは誰かと関心を分かち合うこと
内藤洋子

 『月刊東京』(2020年12月号)に掲載された木下さんの最後の「連載・映画から見えてくる世界」が、レイバーネットの「木下昌明の映画の部屋(270回・最終回)」に転載されています。読ませていただきました。絶筆になることを木下さんは意識しておられたのか、いつも以上に、文章に込められた熱いものを感じ、胸打たれました。私は木下さんの死に、誤解を恐れずに言えば、清々しさを感じています。彼のように生を全うするのは並大抵にできることではありませんが、にもかかわらず、がんとの厄介な闘いを抱えつつも、権力と闘うことを何ら特別なこととせず、ごく自然にふるまっていた様子に、私は内心驚嘆していました。

 3.11以後、程なく始まった毎週金曜の反原発集会には欠かさず、カメラを持って参加していたと聞いています。雨風の激しい日も出かけて行ったようですが、ぼくが行かないと心配されるから、と笑顔で話していましたね。その後、金曜の夜の集会は、シールズたち若者が活躍した安保法制反対の運動とも合わさって、安倍政治への抗議行動が大きな世論ともなりました。木下さんは、「政治的にはひどい状況が続いたが、わたしは青春に目覚めたような楽しい日々をすごした」と書いています。その言葉どおり、あの頃は本当に浮き浮きして楽しそうでした。おそらく68年頃の大学闘争以来、久しくなかった、若者たちが表舞台に立った反体制運動が頼もしく、その手法の新しさにも大きな期待を寄せ、惜しみなく応援をされていたと思います。

 遺稿の最後に、アニメ映画の中での、「生きるってことはどういうこと?」との問いに、「生きていることは誰かと関心を分かち合うことなの」との答えを引用し、木下さんは、「わたしは共感しつつ納得した」と結んでいます。これは彼の得た静かな確信でもあったでしょう。木下さんは、映像と執筆を通して自分の思いを理解し共有できる仲間を一人でも多く見つけ、運動を広げていくことを志し、命の続く限りそれをやり遂げて旅立っていかれたのだと思います。そこに清々しさを感じます。

 さらに一つ付言すれば、そのために好奇心を最後まで絶やさず、映像文化の新しい可能性を考えていたことが、ユーチューブでの様々な動画についての言及からうかがえます。政治批評や社会批評が、単に正論で論陣を張るこれまでのジャーナリズムの手法だけでは、もう十分に人々の心に届かず、関心も高まらず広がらない現実がある。トランプ政治が見せつけたように、自分に不都合な真実はフェイクだといって憚らない、あるいは日本のように、嘘、ごまかし、はぐらかしが常態化している政治権力のふるまいに、有効に対抗するにはどうすればいいかを考え、映像や動画による発信の新たな手法を探ることも必要だと考えていたのでは、と想像します。

 残された宿題は、いま生きている者に託されたのだと思います。木下さんの映画批評の底流にいつもあった人間への深い愛情と信頼とに、少しでも応える未来となるよう願わずにはいられません。


●自転車が似合うプロレタリアート
林田英明

 木下昌明さんの訃報を受けて、ぼうぜんとしたまま日が過ぎていました。親交のあった皆さんの声を読むにしたがい、木下さんの残されたものの大きさを改めて感じています。貴著7冊は全て書棚にあり、ひと味違う内容に引きつけられながら読みました。ここ1年、送られてくる『月刊東京』に付された添え書きが極めて短かったり、なかったりするので、あまり体調が優れないのではと心配していました。最後となった2020年11月号には「最近は体も弱ってきて」とあり、新作を見に行かれる状態ではなかったのでしょう。『サンデー毎日』に不定期に連載されていた映画評の最後は、ウルグアイ元大統領の人生を描いた『ムヒカ』(20年4月12日号)。同作に限らず、人はどう生きたらいいのかを体現される木下さんならではの選択にいつも感服していました。

 東京に行く機会に何度かお会いし、ご自宅から近い新宿で天ぷらを食べたこともありましたが、確かに自転車が似合うプロレタリアートでした。割り勘だった記憶があります。毎日新聞の夕刊と北九州版のコラムに計3回、新刊の紹介などで木下さんを「闘う映画時評」として取り上げたことも思い出されます。貴著などだけでなくさまざまな点で受け取るもののほうが多く、なかなかお返しできなかったのが申し訳ない限りです。けれど、レイバーネットに寄せた記事を今年3月に読んでくださり、「『アリ地獄天国』の記事と写真とてもよかったです」とほめていただいたのが励みになりました。

 ロングラン上映している『スパイの妻』を「映画の部屋269回」で推されていたので私も見ました。その感想等を伝えたかったのに残念でなりません。文中「總子(ふさこ)」とあるのは「聡子」の間違いのようです(読みも「さとこ」だったか)が、働いて飯を食う生活者の視点から柔らかな文章でこの国の根本の間違いを問いただす木下さんの映画評がもう読めないのが悔しくてなりません。安らかにお眠りください。


●芸術運動一筋の人だった
しまひでひろ

 〈あるくラジオ〉のしまひでひろです。木下昌明さんは、9月5日「時代に挑み時代と生きるー映画批評家・木下昌明さんに聞く」に出演し、現在をどう生きるかを映画状況と重ねて語ってくれました。訃報に接し、この番組を作ることができてよかったと、しみじみ思います。

 木下昌明さんとは、1970年でしたか、22の歳に出会いました。かれは30になるかならないかでした。当時東中野にあった新日本文学の近くの喫茶店に、長身、5分がりのスキッとしたかれが、椅子を跨いで現れました。まるで当時流行りのヤクザ映画の俳優のようでした。思えばそれから50年を超える付き合いになります。

 績文堂でかれの後期3冊(『映画は自転車にのって』『いのちを食う-3・11後の映画と現実』『ペンとカメラー時代と生きる』)に関わり、口論を繰り返しながら編集したのもなつかしい思い出です。筆者と編集者、というよりも仲間だったということでしょう。兄貴分だったのに偉そうな口を聞いたことは一度もありません。

 早くに夫人をなくし、かれは一人で、のこされた二人の幼子を育てました。同時に生きることは書くことと思い定めた。芸術運動一筋の人だったと改めて思います。スジの悪いわたしも諸事努力する以外にありません。かれは口癖のように「これからどうやって生きたらいいのかねぇ」とわたしに語りかけていました。その言葉を、これからは、わたしが呟いていくのか、寂しいです。

〔参考ページ〕
遺稿「木下昌明の映画の部屋」(最終回)
「あるくラジオ」(木下昌明さんの回)
ドキュメンタリー映画『がんを育てた男』
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コメント
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●女川核発電所2号機を再稼働したい…《辛うじて難を逃れたにすぎません》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ…

2020年12月08日 00時00分15秒 | Weblog


東京新聞の【社説/女川再稼働判断 県民の不安置き去りか】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/65811?rct=editorial)。

 《東日本大震災でダメージを受けた東北電力 女川原発の再稼働へのプロセスが最終段階。地元宮城県知事の判断を待つだけだ。被災からやがて十年。まだ癒えぬ県民の心のいたみは、置き去りなのか》。

 政策スカスカオジサンをはじめ、核発電「麻薬」中毒の皆さんは、正気じゃぁないね。しかも、東京電力核発電人災から10年を目前にして、その足元で核発電を再稼働? 世界の笑いものだし、鼻つまみ者に堕している。恥ずかしい。
 日刊ゲンダイの記事【菅政権の脱炭素には裏がある バイデン便乗で原発再稼働】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281275)によると、《福島原発事故の被災者が当たり前の日常を奪われてから9年8カ月。宮城県の村井嘉浩知事が、11日、東北電力・女川原発2号機の再稼働に同意した。東日本大震災の被災地では初めて。未曽有の事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉としても全国初となる》。
 琉球新報【<社説>女川原発再稼働同意 住民の安全確保が先決だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1224490.html)によると、《宮城県の村井嘉浩知事は11日、東北電力女川原発2号機の再稼働に同意することを表明した。重大事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型軽水炉で初の地元同意となる》。

 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑…<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》! これは、震災被害、津波被害に対することだけへの《願い》なのですか? 核発電原発人災にこそ、向けられているのではないのですか。《辛うじて難を逃れたにすぎません》《辛うじて事なきを得たにすぎない》、そのような幸運に次回も恵まれると思っているオメデタさ。そんなに、故郷を奪われたい、古里を失いたいものかね? 《女川原発2号機の再稼働に「反対という回答が61・5%に上っている。女川町石巻市を合わせた立地自治体でも、60・8%と過半数を占めている》そうだ。〝地元〟が望みもしないのに、一体誰のために核発電を再稼働するのですか? 《原発マネー》に代表される〝意地汚さ〟の中に県知事も居るのか?

   『●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑…
     <故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!
    《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に
     襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、
     辛うじて難を逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、
     「復興原発にしたいのか。原発は安全です、ちゃんと制御
     アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に
     世界へアピールしたいのか

 どこまで時代に逆行しているのだろう。環境倫理においても、経済性においても、決着はついている。

   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている
   『●過去も現在もデタラメ。未来も? 無《責任政党》政権を止める以外に
       道無し…《10億円予算…どちらの精査が真の行革の名に値する》?

 何度もすいませんが…何度でも、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。「復興五輪」どころか、「復興原発」などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまき続けている…。



【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s



【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]


 さらに、デモクラシータイムスでの対談の第二弾。


【【金子×飯田の言いたい放題】目指せ!分散革命ニューディール~電力の転換が生む新しい未来 20201024】
https://www.youtube.com/watch?v=wME6ynlCXWQ


 また、《事故に備えて国が策定を求めた避難計画の実効性について裁判長は「現状では相当な課題が残されていることは認めざるを得ない」との指摘を添えた》一方で、《仙台高裁は十月二十三日、石巻市の市民グループが県と石巻市が再稼働に同意しないよう求めた仮処分申請を棄却した》そうだ。多くの司法までもが、相変わらずの「政治判断」を繰り返している。人災により主権者の命や生活が危機にさらされたとき、「司法判断」しなかった裁判官はどう責任をとるのだろう。

   『●「上告断念は、最高裁への抗議と不信任「最高裁には
      もはや何も期待できない」」…アベ様支配の最「低」裁
   『●裁判所も歪む…《国が開発の政策的な枠組みを決め、
     その下で電力会社に》核発電所を…《そして裁判所も一体となり…》
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/65811?rct=editorial

社説
女川再稼働判断 県民の不安置き去りか
2020年11月2日 07時35分

 東日本大震災でダメージを受けた東北電力 女川原発の再稼働へのプロセスが最終段階。地元宮城県知事の判断を待つだけだ。被災からやがて十年。まだ癒えぬ県民の心のいたみは、置き去りなのか。

 仙台市に本社を置く河北新報がことし三月、宮城県内の有権者を対象に実施した世論調査では、女川原発2号機の再稼働に「反対という回答が61・5%に上っている。女川町石巻市を合わせた立地自治体でも、60・8%と過半数を占めている

 原発の安全性に関しては「不安とした県民が74・0%石巻市では84・8%だった。

 福島第一同様、女川原発も東日本大震災の被災原発だ。十三メートルの大津波に襲われた

 海面から約十五メートルの高台にあるとはいうものの、2号機の原子炉建屋に浸水があり、1号機では火災が起きた。一系統だけ生き残った外部電源で何とか原子炉を冷やし続けることができ辛うじて事なきを得たにすぎない。建屋には無数のひび割れができていた。

 東北電は、堤防のかさ上げや耐震補強といった対策を施して、原子力規制委員会の審査をクリアした。しかし、規制基準に「適合」したというだけで、安全を保証するものではない

 仙台高裁は十月二十三日、石巻市の市民グループが県と石巻市が再稼働に同意しないよう求めた仮処分申請を棄却した。

 ところが、事故に備えて国が策定を求めた避難計画の実効性について裁判長は「現状では相当な課題が残されていることは認めざるを得ない」との指摘を添えた。

 このような状況下で、再稼働の手続きは最終段階を迎えている。安心しろという方が、そもそも無理な話ではないか

 一般に原発の再稼働に関しては、規制委の審査を経て、県を含む立地自治体の同意を得ることが条件とされている。周辺自治体の“同意権”を認めているのは、首都圏の一角に位置する茨城県の日本原電東海第二原発だけだ。

 福島に隣接する宮城県民の多くが、やり場のない不安を抱えていることは、河北新報の世論調査結果からも読み取れる。

 原発マネーに依存する立地自治体の中にも、目の前にある原発への不信を押し殺して暮らす住民は少なくないようだ。

 いくつもの疑問や課題、そして不安や不信を置き去りにしたままで、なぜ再稼働を急ぐのか

 強行は許されない。
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●リテラ《「脱炭素化社会の実現」という看板に隠れ、危険な政策を推し進める──。…菅首相は目新しい政策を並べ立てることで…》

2020年11月17日 00時00分49秒 | Weblog


リテラの記事【菅首相が所信表明演説で安倍前首相並みの嘘とゴマカシ!「温室効果ガスゼロ」の影で原発推進を宣言、再稼働だけでなく新増設も】(https://lite-ra.com/2020/10/post-5683.html)。

 《ようやく臨時国会が召集され、菅義偉首相による所信表明演説がおこなわれた。そもそも、首相就任から所信表明が1カ月以上もおこなわれないということ自体が異常事態だったが、その所信表明で菅首相はすっかり聞き飽きた「私は雪深い秋田の農家に生まれ〜」という立身出世話をまたも披露する始末。さらに、肝心の中身も…》。

 まず、沖縄イジメの張本人による所信表明の虚しさ…。辺野古は、単なる破壊「損」です。生態系や生物多様性の破壊は原状回復不可能であり、不可逆。新基地は完成しないし、百万歩譲って完成したとしても使い物にならず、かつ、普天間は決して返還されない。辺野古は破壊「損」である…以外に表しようがない。
 琉球新報【<社説>菅首相初の所信表明 言行不一致から改めよ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1214518.html)によると、《沖縄県民の願いや国民の疑念に応えず美辞麗句を並べるのは不誠実である。菅義偉首相は就任後初めて国会で所信を表明した。沖縄に関し「基地負担軽減に取り組む」とし「普天間飛行場の危険性を一日も早く除去するため、辺野古移設の工事を着実に進める」と述べた。その上で「引き続き、沖縄の皆さんの心に寄り添う」と語った。沖縄では辺野古埋め立てに投票者の約7割が反対した県民投票や知事選などの主な選挙で辺野古移設に反対する強固な民意が示されてきた。演説は言行不一致が甚だしい。言葉に責任を持つなら発言通り沖縄に寄り添うべきだ。辺野古海域では軟弱地盤が見つかり、国試算で9300億円の予算をかけ、12年以上の工期が見込まれる。この事実を軽視し「一日も早く」という言葉は空々しい。現行計画を即刻撤回し、県内移設の条件を付けずに普天間飛行場を早期に返還すべきである》。

 さて、アホの一つ覚えの「ベースロード電源」的核発電「麻薬中毒」者たちの妄言。《安全最優先で原子力政策を進める》…核発電と《安全》は対極にあるもの。《原発をクリーンエネルギーだ》!? 正気とは思えない。《「脱炭素化社会の実現」という看板に隠れ、危険な政策を推し進める──。これは「デジタル化」の陰にマイナンバーによる個人情報の一元化で国民監視を強化するという危険性がはらんでいることとも共通するものだ。そして、菅首相は目新しい政策を並べ立てることで、その問題の根本的な本質を見えなくさせようとしている》。

 核発電「麻薬中毒」者の戯言…吉岡斉さん《生涯にわたり国家のすねをかじる自立能力のない技術》。いい加減に、自公お維支持者の皆さんも目覚めてくださいよ、全く。大半の皆さんにとって、何一ついいことなどありません。

 東京新聞【原発新増設狙いか…温暖化ガス「ゼロ」宣言 菅首相の所信表明】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/64429)によると、《菅義偉首相が宣言した温室効果ガス実質ゼロの実現を理由に、前面に出そうなのが原発の推進だ。石炭火力発電の削減という優先課題に対処せず、東京電力福島第一原発事故後、政府が表立って議論してこなかった原発の新増設へ動きだしかねない》。

   『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績
   『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?
   『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
        有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?
   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
        を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
          地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは
     放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●《継承》《前例踏襲ばかり》の大惨事アベ様政権・スガ様…
     《故吉岡斉さん…「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」》
   『●過去も現在もデタラメ。未来も? 無《責任政党》政権を止める以外に
      道無し…《10億円予算…どちらの精査が真の行革の名に値する》?

 昨日に続き、何度もすいませんが、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。「復興五輪」どころか、「復興原発」などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまき続けている…。



【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s



【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]

   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている



【【金子×飯田の言いたい放題】目指せ!分散革命ニューディール~電力の転換が生む新しい未来 20201024】
https://www.youtube.com/watch?v=wME6ynlCXWQ

 デモクラシータイムスでの対談の第二弾。《デモクラシータイムス…菅首相の所信表明で飛び出したいささかアヤシイ「2050年に温室ガス実質ゼロ」。飯田哲也さんも金子勝さんもずっと前から、自然エネルギーに転換することで社会も水平な分散型になり、新しい産業も勃興し別の未来が開けるといっていました。世界はすでに石炭石油・原発から太陽光・風力などの再生可能エネルギーに転換しています、その理由は、温室ガス削減だけではなく、この10年でコストが急激に下がり、原発はもとより石炭火力よりも安価になったこと。日本ではなかなか知られないその現状を解説し、さらにエネルギーを転換することで社会や産業構造を変えることができるという希望を掲げる入門の一篇です。じっくりお聞きください。来週は続編の日本での「希望のタネ」をご紹介します。お楽しみに。書籍は、「メガ・リスク時代の『日本再生』戦略 ――『分散革命ニューディール』という希望 」 (筑摩選書) 収録は2020年10月24日》

 ニッポンはあらゆる産業分野で、一体いつまで周回遅れを続けるつもりか。過去も現在もデタラメ。まともに未来のヴィジョンも描けない。無《責任政党》政権を止める以外に道無しだというのに、「1/4」の自公お維の直接支持者や選挙に行きもしない「2/4」の間接支持者ときたら…絶望的だ。

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https://lite-ra.com/2020/10/post-5683.html

菅首相が所信表明演説で安倍前首相並みの嘘とゴマカシ!「温室効果ガスゼロ」の影で原発推進を宣言、再稼働だけでなく新増設も
2020.10.26 09:58

     (所信表明する菅首相(首相官邸HPより))

 本日、ようやく臨時国会が召集され、菅義偉首相による所信表明演説がおこなわれた。そもそも、首相就任から所信表明が1カ月以上もおこなわれないということ自体が異常事態だったが、その所信表明で菅首相はすっかり聞き飽きた「私は雪深い秋田の農家に生まれ〜」という立身出世話をまたも披露する始末。

 さらに、肝心の中身も、「すべての小中学生に対して1人1台のIT端末の導入を進める」だの「デジタル化やロボット技術による自動化、無人化を進める」だの「海外の金融人材を受け入れ、アジア、さらには世界の国際金融センターを目指します」だの、何ら具体性もないままに“一周遅れの意識高い系”のような政策をぶち上げるだけ。

「すべての女性が輝ける社会の構築に向けて新たな男女共同参画基本計画を年末までに策定します」ともぶちあげたが、当の菅内閣の女性閣僚はたったの2人なうえ、「女性はいくらでも嘘をつける」などと暴言を吐いた杉田水脈議員に菅首相は自民党総裁として何の処分も下していない。暴言を放置しておいて、何が「すべての女性が輝ける」だ。

 しかも、この菅首相の所信表明演説では、安倍晋三・前首相と同様、嘘とごまかしが散りばめられていた。

 たとえば、新型コロナ対策について語るなかで飛び出した以下のセリフも怪しい臭いがぶんぷんするものだ。

「依然厳しい経済状況のなかで、まずは雇用を守り、事業が継続できるように、最大で200万円の持続化給付金や4000万円の無利子・無担保融資などの対策を続けてまいります」

 だが、じつは本日おこなわれた財務相の諮問機関である財政制度等審議会の歳出改革部会では、菅首相が「続けてまいります」と明言した持続化給付金などの支援策を延長せず、予定通り終了させるよう提言をおこなっているのだ。

 新型コロナの影響による経営悪化は今後、冬の感染拡大が懸念されるなかで深刻になっていくのは必至だというのに、「持続化給付金は延長なしで終了」とは一体どういうことなのか。

 しかも、麻生太郎財務相は昨日、1人10万円の特別定額給付金について「(個人の)現金がなくなって大変だということで実施した。当然、貯金は減ると思ったらとんでもない。その分だけ貯金は増えた」「お金に困っている方の数は少ない。ゼロではないですよ。困っておられる方もいらっしゃる。だが、現実問題として、預金、貯金は増えた」と発言。解雇や雇い止めによる生活困窮者が増加している現実などまるで無視していることを自ら宣言した。今回の「持続化給付金は延長なしで終了」という提言も財務省の方針を反映させたものであると見られ、弱者救済にまったく関心のない麻生財務相も同様の考えだろう。それを菅首相が覆すなどということがあり得るのか。


■コロナ前から景気後退していたのに「最高状態の経済がコロナで」と真っ赤な嘘発言

 さらに決定的な嘘は、この発言の前に口にしていたこのセリフだ。

「バブル崩壊後、最高の経済状態を実現したところで、新型コロナウイルスが発生しました」

 最高の景気だったのにコロナで悪化した……!? 無論、これは真っ赤な嘘だ。実際、内閣府はコロナ感染再拡大の真っ只中だった7月、どさくさに紛れて〈2012年12月から始まった景気の拡大局面が2018年10月をピークに終了し、後退に転じたと認定〉している(時事通信7月30日付)。さらに、今年3月に発表された2019年10〜12月期の国内総生産(GDP)の改定値でも、東日本大震災の影響を受けた2011年1〜3月期のマイナス6.9%を上回るマイナス7.1%を記録。これは新型コロナの影響をまったく受けていない数字だ。

 ようするに、安倍政権は景気が後退するなかで消費増税に踏み切り、それによってさらに景気が悪化している最中に新型コロナが直撃したわけだが、そうした事実をなかったことにし、菅首相は“コロナまでは最高の景気だったのにコロナのせいで悪化した”と言い張ったのである。

 菅首相は官房長官時代から嘘でも何でも言い張ることで乗り切ってきたが、総理大臣としての所信表明でも、事実を捏造したあからさまな嘘を押し通すとは……。

 だが、さらに菅首相は所信表明のなかで、こんなゴマカシまで展開させていた。今回の所信表明において大々的に打ち出した「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」という「脱炭素化社会の実現」について語るなかで、それは出てきた。

「省エネルギーを徹底し、再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、安全最優先で原子力政策を進めることで、安定的なエネルギー供給を確立します。長年続けてきた石炭火力発電に対する政策を抜本的に転換します」

 世界の喫緊の課題である気候変動の状況を考えれば、温室効果ガスの削減や石炭火力発電政策の転換は当然のことだし、再生可能エネルギーの最大限の導入も歓迎すべき政策だ。しかし、菅首相はそれらと引き換えに、さらっと「原子力政策を進める」と原発推進への強い姿勢を示したのである。

 安倍政権では、安倍首相の最側近で経産省出身の今井尚哉首相補佐官(現・内閣官房参与)が舵取り役となり、原発の再稼働や原発輸出が強行的に進められ、菅官房長官も再稼働を「粛々と進めていきたい」などと発言していた。だが、その今井氏の失脚により原発政策も影を潜めるかと思いきや、むしろ菅首相はCO2削減を謳う一方で、原発をクリーンエネルギーだとして、より一層、原発政策を推し進める気であるらしいのだ。


■第5次エネルギー基本計画の見直し議論で「原発の新増設」の方針が復活する可能性

 実際、経産省の力が弱まったとも言われる菅政権だが、原発にかんしては、その経産省内でも「むしろ安倍政権よりさらに前向きになるのではないか」という予測が広がっているという。

 10月13日からは経産省でエネルギー政策の中長期的な指針となる第5次エネルギー基本計画の見直し議論がはじまったが、菅政権下でついに基本計画に原発の新増設が書き込まれるのではないかという見方まで浮上してきている。

「2018年に閣議決定されたエネルギー基本計画では当初、原発の新設や増設の必要性を書き込むよう経産省が働きかけたものの、官邸が支持率の低下を恐れて断念したという経緯があった。菅政権になって原発推進の旗振り役だった今井(尚哉)さんが首相補佐官を外されたため、さらに(原発推進は)厳しくなると思われたが、蓋をあけると逆。官邸は再稼働だけでなく、新設・増設も含めて議論していいという空気になっている。これは菅首相の意向が大きく働いているということだろう」(経産省担当記者)

「脱炭素化社会の実現」という看板に隠れ、危険な政策を推し進める──。これは「デジタル化」の陰にマイナンバーによる個人情報の一元化で国民監視を強化するという危険性がはらんでいることとも共通するものだ。そして、菅首相は目新しい政策を並べ立てることで、その問題の根本的な本質を見えなくさせようとしている。国民に嘘をつくことも厭わない菅首相の“騙し”が、ついに本格的にはじまったのである。

(編集部)
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●過去も現在もデタラメ。未来も? 無《責任政党》政権を止める以外に道無し…《10億円予算…どちらの精査が真の行革の名に値する》?

2020年11月15日 00時00分15秒 | Weblog


日刊ゲンダイのコラム【室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」/核ゴミの最終処分方法 明日は明日の風が吹くでこの国は…】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280664)。

 《「日本学術会議の10億円予算と経産省の核ゴミの処分場選定事業の予算。どちらの精査が真の行革の名に値するものなのか? その答えはもはや言うまでもないだろう」(古賀茂明)》。

 古賀茂明さんの質問の答えは自明。

   『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績
   『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?
   『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
        有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?
   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
        を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
          地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》
   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》
   『●空虚な《地域振興》…《核のごみ問題で過疎の町に「最大20億円」
     財源の魅力 識者「札束で頬を叩くのはやめるべき」》(野村昌二氏)
   『●東電核発電人災汚染水放流に反対…(筆洗)《取り除くべきは
     放射性物質に加えて、地元の心配であり、悩みである。簡単には水に流せぬ》
   『●《継承》《前例踏襲ばかり》の大惨事アベ様政権・スガ様…
     《故吉岡斉さん…「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」》

 空虚な《地域振興》にドブガネ。核発電を続ける理由など何も無いのだ。世界では、既に答えは出ている。環境面、経済面、あらゆる意味で唯一選んではいけないエネルギー源。

 何度もすいませんが、再度、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。「復興五輪」どころか、「復興原発」などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまき続けている…。



【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s



【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]

   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている



【【金子×飯田の言いたい放題】目指せ!分散革命ニューディール~電力の転換が生む新しい未来 20201024】
https://www.youtube.com/watch?v=wME6ynlCXWQ

 これは、デモクラシータイムスでの対談の第二弾。
 《デモクラシータイムス…菅首相の所信表明で飛び出したいささかアヤシイ「2050年に温室ガス実質ゼロ」。飯田哲也さんも金子勝さんもずっと前から、自然エネルギーに転換することで社会も水平な分散型になり、新しい産業も勃興し別の未来が開けるといっていました。世界はすでに石炭石油・原発から太陽光・風力などの再生可能エネルギーに転換しています、その理由は、温室ガス削減だけではなく、この10年でコストが急激に下がり、原発はもとより石炭火力よりも安価になったこと。日本ではなかなか知られないその現状を解説し、さらにエネルギーを転換することで社会や産業構造を変えることができるという希望を掲げる入門の一篇です。じっくりお聞きください。来週は続編の日本での「希望のタネ」をご紹介します。お楽しみに。書籍は、「メガ・リスク時代の『日本再生』戦略 ――『分散革命ニューディール』という希望 」 (筑摩選書) 収録は2020年10月24日》

 ニッポンはあらゆる産業分野で、一体いつまで周回遅れを続けるつもりか。過去も現在もデタラメ。まともに未来のヴィジョンも描けない。無《責任政党》政権を止める以外に道無しだというのに、「1/4」の自公お維の直接支持者や選挙に行きもしない「2/4」の間接支持者ときたら…絶望的だ。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/280664

室井佑月 作家
1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。

室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
核ゴミの最終処分方法 明日は明日の風が吹くでこの国は…
公開日:2020/10/30 06:00 更新日:2020/10/30 06:00

     (古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ)

日本学術会議の10億円予算と経産省の核ゴミの処分場選定事業の予算。どちらの精査が真の行革の名に値するものなのか? その答えはもはや言うまでもないだろう」(古賀茂明

 これは10月27日に配信された「週プレ News」で連載している古賀さんのコラムの中での言葉。

 なぜ、政府は学術会議の6名を任命拒否したのか。いきなりそんなことをしたら世間から叩かれるのはわかっていたのに。

 古賀さんはいう。

「原発から生じる核のゴミを最終処分する方法として、政府は地下300m以上の深い岩盤に半永久的に隔離保管する地層処分を進めている。」

 しかし、こういった政府に、学術会議が2012年、15年に、提言を出していた。

「(核ゴミは)保管期間が数万年単位になることを指摘し、『それだけの長期にわたる地層の安定を確認するには、今の科学技術では限界がある』とした上で、暫定保管としてまずは50年間、地上での隔離保管を勧めているのだ。」「50年間の暫定保管の間にも核ゴミは増え続ける。そこで会議は核ゴミの総量の上限規制をすべきとまで提言した。」「経産省はその知見を無視する形で地層処分計画を進め、多額の予算を投入して適地マップまで作成している。」

 政府は学術会議への予算年間10億円ぽっちに目くじらを立てているが、この国の頭脳が不可能だといっていることには大金(税金)をかけたいみたいだ。

 この国のこの先のことなどまったく考えていない。ただたんに、まだどうしても原発利権を断ち切れない人がいるという話ではないか。核ゴミでひと儲け(それも税金から)を企んでいるんだね。

 知見を無視する愚かな為政者が、この国の方向性を決めていく。目先の金欲しさに、ぶっつけ本番、明日は明日の風が吹くの考えで。

 このままでいたらこの国の未来はどうなる? その答えはもはやいうまでもない
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●《継承》《前例踏襲ばかり》の大惨事アベ様政権・スガ様…《故吉岡斉さん…「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」》

2020年10月21日 00時00分38秒 | Weblog

[※【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】(東京新聞2020年3月10日)↑]



西日本新聞のコラム【春秋/福島第1原発事故の7年前…】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/651988/)。

 《福島第1原発事故の7年前。九州大大学院教授だった故吉岡斉(ひとし)さんに原発新設の合理性を尋ねた。「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」。脱原発の第一人者の答えは明快だった》。

   『●「原子力ムラの言いなり」原子力「寄生」委員会の
       救い様の無さと、アベ様の「危険な丸投げ・無責任体制」
   『●新高速炉「アベシンゾウ」…愚かな核発電「麻薬」中毒患者・
             核燃サイクル教信者の罪を後世に残すために
   『●金沢地裁・井戸謙一元裁判長
     「「原子炉を運転してはならない」。自ら発した声に法廷はどよめいていた」
   『●絶対に安全なので安心せよ!、公表義務な~し!!:
       「原発攻撃被害報告書 「福島」に生かされず…」
   『●「原発事故調書 原因不明、責任不在」:  
       川内原発再稼働なんてやってる場合か!
   『●(悪)夢よもう一度?: こっそり「高温ガス炉」
      と呼んでいるが、それは原発であり「高温ガス原子炉」

 《▼福島事故の調査・検証委員も務めた吉岡さん。原子力発電を「生涯にわたり国家のすねをかじる自立能力のない技術」と酷評》してもいたそうだ。
 核発電「麻薬中毒」患者達の暴走…すでに、トドメは刺されている、というのに。大惨事アベ様政権は核発電「麻薬依存」も、《ベースロード電源》も《継承》らしい。

   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような事故を
         絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている
   『●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めを
      かける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》

 何度もすいませんが、再度、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。「復興五輪」どころか、「復興原発」などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまく続けている…。


【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s



【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]

   『●経団連は、「プルトニウムをつくる装置」再稼働を後押し。 
              そして、国家戦略としての「武器輸出」を推進!
   『●「死の商人」経団連会長人事…
     《安倍首相は「儲からない」原発輸出に国民の血税を投入してバックアップ》
   『●《余ると分かっている電力を、なぜ原発で作り続けるのか?》
                 核発電「麻薬」中毒なアベ様に忖度する九電
   『●《地球温暖化対策を名目に、経済産業省が新たな小型原発の開発》 
                 …「海暖め装置」でホントに温暖化防止?
   『●「これまで東電に、8兆4000億円を超える税金が投入…
             でもって今、東電は巨大な利益を上げている…」
   『●《経団連を引き連れての俯瞰する外交の破綻》…
       日立製作所も断念、アベ様による原発輸出が《全て暗礁》…
   『●核発電「麻薬」中毒患者の覚めぬ悪夢…
       《安全神話、経済神話、クリーン神話-三つの神話》を脱却できず
    「《「お客さまが利益を上げられない商売でベンダー(提供企業)が利益を
     上げるのは難しい。どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだと思う。
     全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくる
     ということは民主国家ではない」 経団連・中西宏明会長の年頭会見が
     波紋を呼んでいる》。…アベ様らや経産省、関電や九電など、
     原子力「推進」委員会の面々は、それでも核発電「麻薬」中毒のママで
     核発電推進。どうやら、ニッポンは《民主国家ではない》ようだ」

   『●それでも経済産業省は核発電の《維持推進を掲げる》…
           東京電力核発電人災から8年なのに、この体たらく
   『●中西宏明経団連会長《再稼働が進まない要因を、
      原発と原爆を同一視する地域住民の理解不足と決めつけ》?
    《原発を推進する経団連の中西宏明会長が原発について一般公開の
     討論を提唱していることを受け、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
     (原自連)は十四日、経団連に公開討論会の開催を要請した…
     中西氏は年初に際した報道各社とのインタビューで、原発について
     「国民が反対するものはつくれない」と述べ、「真剣に一般公開の討論を
     するべきだ」と発言。この発言について、原自連会長の吉原毅
     城南信用金庫顧問は…「非常にまっとうなご判断。
     公開討論で議論を深めたい」と話した》

   『●《ニコニコ》の山下俊一《先生も小児の甲状腺被ばくは
          深刻なレベルに達する可能性があるとの見解です》
   『●《県がこのまま原発を進めれば地域破壊がさらに進み、
          住民を苦しめ続ける。権力がそこまでしていいのか》
   『●《失われた古里》、失われた《本来は恵みをもたらす田畑の土》
              …原状回復して見せたのか? 誰か責任は?
   『●核発電「麻薬」中毒患者・中西宏明経団連会長自ら、
      ニッポンは《民主国家ではない》ことを立証して見せた

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/651988/

春秋
福島第1原発事故の7年前…
2020/10/7 10:40

 福島第1原発事故の7年前。九州大大学院教授だった故吉岡斉(ひとし)さんに原発新設の合理性を尋ねた。「原発はリスクを伴う。過大な投資のつけは国民に回る」。脱原発の第一人者の答えは明快だった

▼先日の本紙に世界の原発の発電量が昨年初めて再生可能エネルギーに抜かれた、との報告が載った。最大の理由はコスト。太陽光や風力が1キロワット時当たり約4円に対し原発は約16円。使用済み核燃料の膨大な処理費用を加えれば両者の差はさらに広がる

日立製作所が英国の原発新設計画から撤退を表明したのもやむなしか。これで政府が成長戦略の柱と位置付けてきた原発輸出の案件ゼロに。戦略見直しが急務だ

▼が、就任3週間になる菅義偉首相から明確なエネルギー政策は聞かれない。内閣基本方針に「復興の文字が消えたと批判され、福島を視察。「復興と廃炉に全力で取り組む」と表明はしたが

▼福島事故の調査・検証委員も務めた吉岡さん。原子力発電を「生涯にわたり国家のすねをかじる自立能力のない技術」と酷評したが、提唱した脱原発の道筋は現実的だった。必要に応じ再稼働も認め、20~30年で無理なく原発の運転を終わらせる。「北風と太陽」の太陽を思わせた

▼人口減や省エネ技術の進展で電力需要は頭打ちだ。気さくさで人気の菅さんにはエネルギー政策でも「太陽」のごとく振る舞ってほしい。前例踏襲ばかりではいただけない。
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●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》

2020年10月13日 00時00分48秒 | Weblog


リテラの記事【菅首相がきょう訪問する福島の「原子力災害伝承館」で、被災者の“語り部”が国や東京電力の批判をしないよう口封じ】(https://lite-ra.com/2020/09/post-5650.html)。

 《菅義偉首相が初の地方視察として福島県を訪問する。16日におこなわれた初閣議で決定された内閣の基本方針では東日本大震災や原発事故について一切触れなかったことから「もう終わったことにするのか」と批判を浴びていたが、こうした声をかき消すために慌てて視察先に福島を選んだのはミエミエだ。実際、安倍政権では「被災地切り捨て政策がつづけられてきたが、それを菅政権も継承する》。

   『●【金子勝の「天下の逆襲」/野党は「消費減税で戦う」ではなく
      ニューディール議論を】…最悪な税制なんかを導入したが故に…
   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

   『●《自助》大好きオジサン・元最低の官房長官と学商は〝ベーシック
       インカム7万円〟を「トリクルダウン」だとでも思っているのでは?
   『●《「その後、体調は」と問われた安倍前首相は、こう答えているのだ。
      「新しい薬が効いている。もう大丈夫だ。」》(リテラ)…仮病?
   『●アベ様御夫妻、元・最低の官房長官スガ様、晋官房長官殿…
     ジャパンライフ、48HDも含め「桜を見る会」問題の幕引きは許されない

 《「被災地切り捨て」政策…も「継承」》とはねぇ…。
 リテラのエンジョウトオルさんによる記事【3.11に改めて問う安倍首相の罪! 第一次政権で福島第一原発の津波、冷却機能喪失対策を拒否した張本人だった】(http://lite-ra.com/2018/03/post-3862.html)によると、《そんなマスコミが一切触れようとしない、重大な事実がある。それは、あの未曾有の福島第一原発事故を招いた“最大の戦犯が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三であるということだ》。この一点をとっても、アベ様政権や大惨事アベ様政権の冷酷さが分かろうというもの。東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達の多くも無《責任政党》議員だ。
 《いや、政府の姿勢は「被災地軽視」にとどまらない。というのも…「東日本大震災・原子力災害伝承館」…をめぐっては、被災者である「語り部」の話す内容に対し、国や東京電力の批判をおこなわないよう求めている》《「語り部」の話す内容を職員が“検閲”“修正”している》。開いた口が塞がらないよ、全く。

   『●東京電力核発電人災下の福島でも荒稼ぎしたゲス・ヒトデナシな
               詐欺師・ジャパンライフの片棒を担ぐ議員達
   『●(リテラ)「あの未曾有の福島第一原発事故を招いた
      “最大の戦犯”が、他ならぬ現内閣総理大臣・安倍晋三」
   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪
     《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》

 未だに3.11東京電力核発電人災を引き起こした国が何をやっているのか…。
 東京新聞の【社説/原発輸出戦略 「看板」を書き換えねば】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/58232?rct=editorial)によると、《日立製作所が、英国での原発新設計画から完全撤退することを決めた。原発輸出は政府の成長戦略の柱の一つ。だがもはや、原発に資金は集まらない。世はまさに再生可能エネルギーの時代である》。
 第一、《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている。

   『●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑
     …<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!
    《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に
     襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を
     逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発
     にしたいのか
。原発は安全です、ちゃんと制御
     アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へ
     アピールしたいのか》。

   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●姫野洋三さんの「若狭の海」: 核発電銀座…
     《地元の人間にしてみれば原発があっても怖いし、なくても怖い》…
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている

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https://lite-ra.com/2020/09/post-5650.html

菅首相がきょう訪問する福島の「原子力災害伝承館」で、被災者の“語り部”が国や東京電力の批判をしないよう口封じ
2020.09.26 10:11

     (首相官邸HPより)

 本日26日、菅義偉首相が初の地方視察として福島県を訪問する。16日におこなわれた初閣議で決定された内閣の基本方針では東日本大震災や原発事故について一切触れなかったことから「もう終わったことにするのか」と批判を浴びていたが、こうした声をかき消すために慌てて視察先に福島を選んだのはミエミエだ。

 実際、安倍政権では「被災地切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」する。たとえば、昨日25日に判明した復興庁の2021年度予算の概算要求は、昨年度当初予算である1兆4024億円から55%減となる6331億円。なかでも「住宅再建・復興まちづくり」の予算は5472億円から546億円と10分の1にまで減らされるという。

 東京五輪の招致の際は「復興五輪」と連呼しながら、いつのまにかその掛け声は人類が新型ウイルスに打ち勝った証し」「コロナ克服五輪へとすり替わったように、菅首相も「現場主義に徹して復興をさらに前に進める必要がある」と口にしながら、予算大幅削減の方針からも被災地軽視の態度は明らかだ

 いや、政府の姿勢は「被災地軽視」にとどまらない。というのも、本日、菅首相が訪問する予定の「東日本大震災・原子力災害伝承館」(以下、「伝承館」)をめぐっては、被災者である「語り部」の話す内容に対し、国や東京電力の批判をおこなわないよう求めていることが発覚したからだ。

 「伝承館」は震災と原発事故の記録と教訓を風化させず伝えていくためのアーカイブ拠点施設として今月20日に双葉町に開館したばかりで、「災害の記録と記憶を後世に伝える」「国内外に向け教訓を発信する」ことを目的として設置。24万点を超える資料の展示のほか、「語り部」による被災体験の講話を聞くことができる、という触れ込みだった。

 しかし、開館から3日後の今月23日、「語り部」の話す内容を職員が“検閲”“修正”しているという事実を朝日新聞朝刊が報じたのだ。


■水俣病伝承館ではチッソ批判を禁止してないのに原発災害の伝承館では国や東電批判を禁止

 記事によると、「語り部」の研修会で配られたマニュアルでは〈口演内容は「大震災及びそれに伴い発生した原発事故に関する」ものとする一方、「特定の団体、個人または他施設への批判・誹謗中傷等」を「口演内容に含めないようお願いします」と記載〉していたといい、〈口演内容は事前に原稿にまとめ、伝承館が確認、添削特定の団体を批判した場合などは口演を中止して、語り部の登録から外すこともあるという趣旨の説明もあった〉という。実際、〈東電や国の責任を指摘する語り部のひとりは、〈添削で原稿の一部の変更を求められた〉というのである。

 また、朝日新聞の「『特定の団体』に国や東電が含まれるかどうか」という取材に対し、伝承館を所管する福島県の生涯学習課長は「そうですね」と回答県から出向する伝承館の企画事業部長も「国や東電、県など第三者の批判を公的な施設で行うことはふさわしくないと考えている」と答えている

 言うまでもなく、原発事故は「安全神話」を振りまいてきた東電と国の責任抜きには語れないものだ。しかも、この施設は「東日本大震災・原子力災害伝承館」というその名のとおり、原発事故の教訓を伝え継ぐ役割を担っている。にもかかわらず、被災した「語り部」の思い、考えを封じようとは何事か。

 無論、「伝承」を謳う施設でこのような言論封殺は許されるものではない。たとえば、熊本県にある水俣市立水俣病資料館では、語り部に原因企業であるチッソの批判を禁止するようなことはなく、〈一部の語り部はチッソを名指し、「水俣病の原因と知りながら有機水銀を流した。水俣病問題でなく事件だ」と批判することもある〉(朝日新聞23日付)という。

 しかも、福島第一原発事故は、国会の事故調査委員会も「事故は自然災害ではなく明らかに人災」と結論づけているものだ。国も東電も地震や津波に対する十分な安全対策を怠り、さらには事故後の対応でも東電はメルトダウンの事実を隠蔽するなど杜撰極まりないものだったこうした実態を語ることさえ許さず、何を「教訓」にしようというのだろう


■誰が国と東電の批判を封じたのか 背景に安倍政権から続く原発推進路線

 そして、問題なのは誰が批判封じをしようとしているか、ということだろう。「語り部」のひとりは「(事業費を全額負担する)国への忖度があるんだろう」と朝日新聞の取材に語っているが、実際、「伝承館」の建設費や収集費など計53億円はすべて国が負担。管理・運営をおこなう「公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構」には国の職員も出向している。

 昨年、福島原発事故で対応拠点となるはずだったが役に立たなかった福島県大熊町の「原子力災害センター」(オフサイトセンター)が解体され、事故当時の備品の展示が2020年に開館予定だった「伝承館」に引き継がれることになった際も、「展示を決める主体によって中身が左右されやすい」「原発事故が起きた原因や責任の所在を伝えなければならないが、その点をきちんと伝えられるか」といった懸念が指摘されていた。(東京新聞2019年9月22日)

 安倍政権では「影の総理」とも呼ばれた今井尚哉首相補佐官(現・内閣官房参与)の下、原発推進路線がとられ、原発再稼働が押し進められ、菅首相も総裁選では原発を重要なベースロード電源と位置づけてきた安倍政権を継承する姿勢を見せていた。そうした背景を考えれば、政府が睨みをきかせるなかで国や東電の批判は封じ込められたのだろう。

 「語り部」が教訓を伝える場なのに、政権にとって不都合な事実を語ることが封じ込められた、その施設に出向く菅首相は、いったい何を語るのか。できれば囲み取材で記者からこの件にかんする質問がおこなわれることを期待したいが、今後、菅政権がどのような原発政策を打ち出すのか、その点にも注視しなければならないだろう。

(編集部)
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●《脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めをかける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件》

2020年10月04日 00時00分54秒 | Weblog

[※ 『放射線を浴びたX年後』(http://x311.info/part1.html)↑]



東京新聞の【社説 核のごみ処分 根本から見直すべきだ】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/50741?rct=editorial)。
琉球新報の【<社説>核のごみ最終処分場 脱原発が解決の起点だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1180304.html)。

 《高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道寿都町。町内に不安が広がり道や隣接自治体との亀裂も深まっている巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか。》
 《原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか。》

   『●原子力発電環境整備機構(NUMO)の担う役割と実績
   『●なぜ反核の元長崎市長が長崎に核燃料廃棄物の最終処分場誘致…?
   『●1000000年間「死の灰」を管理、「国が科学的に
        有望な候補地を絞り込」むと云う「科学的」とは?
   『●核発電所からの「死の灰」最終処分場をどうするのか?、
        を今ごろ考えている「麻薬」中毒患者たちの無責任
   『●ニッポン科学の勝利!! 10,0000年間管理可能な
          地域が「科学的特性マップ」上に30~65%も
   『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、北海道から
               沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》

 《このままでいいのだろうか。》 いいわきゃぁないでしょ。地震大国なニッポンに10,0000年~100,0000年間の長期に渡って、安全に保管できるのか? まずは、1㎎でも使用済み核燃料を生み出さない、新たに死の灰を生み出さないこと。話はそこから。マンションがトイレの汚水を垂れ流しながら、処理場の方式や放流先を考えることなど許されない。まずは、全ての核発電所の廃炉作業に着手を。核発電などしなくても、電力は十分に足りています。

   『●森一岳裁判長《原発の危険性検証には『福島原発事故のような
     事故を絶対に起こさないという理念にのっとった解釈が必要…』》
   『●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても
     電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている

 《町財政への危機感から、調査応募に傾く姿》…なぜ、《町財政》の立て直しのためには《核ゴミ調査》応募によるおカネの交付という1択しかないの? あまりに安易ではないか? 理解に苦しむ。
 東京新聞の記事【核ごみ調査、町職員の半数が容認 北海道寿都町「処分場直結せず」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/51196)によると、《原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で文献調査の応募を検討する北海道寿都町が「処分場建設に直結しない」との前提で職員に応募是非をアンケートし、回答した87人中53人が容認だったことが26日までに関係者への取材で分かった。全職員118人の半数近くに相当。町財政への危機感から、調査応募に傾く姿が浮き彫りになった。「調査受け入れが処分場の建設に直結しないことを踏まえ、交付金を活用した財政運営についてどう思うか」という問いに、53人が「調査を受け入れるべき」、26人が「事務事業の見直しや工夫で乗り切るべき」、8人が「それ以外」だった》。

 このマトモではない政府が〝適地〟と判断した文献調査後に、寿都町は引き返せるだろうか? たとえ〝不適〟でも、〝適地〟とウソを吐きます。《最高約20億円の交付金》が足枷。常識の通じないこの独裁政権が、〝返金〟を口にしない保証などありません。手を挙げた調査のその後には、混乱と分断だけが残ります。
 文献調査後の混乱と分断を容易に想像できる、いまも〝標的の島〟を押し付けられる沖縄。《とはいえ町の判断は地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか。米軍基地を巡る「アメとムチ」の構図と同じだ交付金をもって自治体財政の弱みに付け入るような国側の手法は見下した対応にしか見えない。まして住民や近隣地域が負う代償は大きく看過できない》。

 東京新聞の記事【核ごみ応募反対署名提出、寿都町 人口の2割超】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/51676?rct=national)/《原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定で、文献調査への応募を検討している北海道寿都町の片岡春雄町長に対し、町内の有志による団体が28日までに、応募の撤回を求める署名を提出した。同団体によると署名は7836人分集まり、うち町内は695人分で人口約2900人の2割超に上った。 町の水産加工業者の若手職員が中心となって呼び掛けた。町外から「文献調査を受けたら商品を買わない」などとする電話やハガキが相次ぎ、危機感を覚えたことから署名活動を始めた。近隣自治体のほか、東京や兵庫からも署名が寄せられたという》。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/50741?rct=editorial

社説
核のごみ処分 根本から見直すべきだ
2020年8月24日 08時06分

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に手を挙げそうな北海道寿都町。町内に不安が広がり、道や隣接自治体との亀裂も深まっている巨額の交付金で誘致を促す手法。このままでいいのだろうか。

 高レベル放射性廃棄物とは、原発で使用済みの核燃料を再処理し、燃料として利用可能なウランとプルトニウムを取りだした後に残される極めて危険な廃液だ。

 ガラス状に固めて封印し、地中深く埋設するという処分の方法は、法律で定められている。しかし、処分場を受け入れる自治体が決まらない。

 原子力発電環境整備機構NUMO)が処分地の選定に取り掛かって二十年、一貫して自治体に立候補してもらう方式を採っている。既存の資料により過去に起こった地震の有無などを調べる「文献調査」、ボーリングなどで実際に地下の様子を探る「概要調査」、その上で「精密調査」へと進む

 文献調査に応じるだけで最大二十億概要調査に至れば計約九十億円が、立地の成否に関係なく交付されることになっている。二〇〇七年に当時の高知県東洋町長が、交付金を求めて文献調査に名乗りを上げた。ところが、町民や県民、隣接県などからも猛反発を受けて頓挫した。それ以降、応募を表明する自治体は出なかった。

 寿都町も過疎の町。年間予算を上回る交付金を得たい気持ちはよくわかる。しかし原発関連施設の誘致を巡っては、住民は常に「経済」か「安心安全」かの選択を迫られ、引き裂かれ、事の成否にかかわらず地域に深い傷を残すことになる。交付金依存がいつまでも続くわけではない。このようなやり方は、もう改めるべきだ。

 高レベル廃棄物の最終処分計画は、青森県六ケ所村で建設中の再処理工場の稼働を見込んで立てられている。本格始動後は五百キログラムのガラス固化体が年間千本程度発生するという。しかし、巨額の国費を費やしながら、トラブルやミスが続いており、再処理を前提とする国の核燃料サイクル計画自体が頓挫した状態だ。再処理をやめれば、高レベル廃棄物は発生しない。ただし、既に出してしまった使用済み核燃料は残る

 核燃料サイクル計画の断念を大前提に、核のごみの処分、あるいは管理方法を根本から見直すべきではないか。そのために、電力の大量消費地である大都市も、あらためて核のごみに向き合い、議論に加わる必要があるだろう。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1180304.html

<社説>核のごみ最終処分場 脱原発が解決の起点だ
2020年8月27日 06:01

 北海道の寿都町が原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査への応募を検討している。

 文献調査は候補地選定の3段階のうちの第1段階だ。過去の地震の履歴などを資料に基づき調べる。調査を受け入れると2年間で最高約20億円の交付金が支給される。町は「人口減少や財政的課題を踏まえ、解決手段として調査応募を検討している」と言う。

 原発から出る核のごみを最終的にどこで処分するのか。国民に突き付けられた課題であることは間違いない。とはいえ町の判断は地域の行く末を委ねる手段としては余りに安易ではないか。

 米軍基地を巡る「アメとムチ」の構図と同じだ交付金をもって自治体財政の弱みに付け入るような国側の手法は見下した対応にしか見えない。まして住民や近隣地域が負う代償は大きく看過できない。

 明らかなことは現行の原発政策に終止符を打たない限り、核のごみはたまり続ける現実だ。脱原発へ政策のかじを切り、際限のない健康被害の脅威に歯止めをかける。それが最終処分場問題の解決に向けた国民議論の最低条件だ

 核のごみは、原発の使い済み核燃料を再処理し、ウランやプルトニウムを取り出した後に残る廃液をいう。極めて強い放射線を出す。この廃液を高温のガラスと融かし合わせ、ステンレス製容器に流し込んで固め、ガラス固化体という形にして処分する。

 原子力発電が始まって半世紀以上がたつ。これまでにたまった使用済み燃料は既に1万8千トンにおよび、ガラス固化体にすると2万5千本に相当するという。

 深刻なのは処分方法が明確になっておらず、再処理工場などに保管されたままであることだ。国は地下300メートルよりも深くに数万年埋めておく計画を立てている。廃棄物の行き着く先がどこにもないために原発は「トイレなきマンション」とも表現される。

 こうした核のごみの持ち込みを規制したり、最終処分場となるのを拒否したりする条例が、北海道をはじめ少なくとも全国24自治体で制定されている。国は17年に処分の適地を示した「科学的特性マップ」を公表したが、それ以降も10市町村が条例を制定している。住民本位の自治を考えれば当然だろう。

 このマップでは沖縄も大半が適地に挙がっているが、北海道の適地の一つが寿都町だった。3月末の人口は2893人、65歳以上の高齢者の割合は40・4%。町は40年には2千人を下回り、25年からは財政の悪化を試算している。

 人口減少や財政悪化といった難問は、少なからぬ自治体が頭を抱えている。しかし自治の運営が、「経済」か、「安心安全」かの選択を迫るようであってはいけない住民の分断を促すような交付金というアメで誘導するような施策を国側も改めるべきだ。
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