使用済み核燃料再処理の真の狙いについての東京新聞の二つの記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090602000130.html)。
記事によると、「電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言」していたそうで、これは、「国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきた」ことが嘘であった訳である。もう一つ、2番目の記事にあるように、再処理のその裏の意味合いは、「森本敏防衛相が就任前の今年一月、電力関係の講演会で日本の原発維持を主張し「単にエネルギーの問題だけではない」「周りの国から見て非常に大事な抑止的機能を果たしている」と発言」していたそうで、「原発の維持が周辺国に核兵器開発の潜在的能力を意識させ、それが日本の国防上のメリットにつながる」との考えを示していたそうである。これこそが原発稼働の裏に隠れた真の意味である。つまり、「原子力=核」であることを露骨に云って見せた訳だ、就任前とはいへ防衛相候補者が。
『●破綻した核燃サイクル: なぜ核分裂性プルトニウムをため込むのか?』
『●「原子力」と「核」、言葉は違えど「原発=原爆」である』
『●小出裕章さん、核=原子力は「違憲」という視点』
「消費税増税のドサクサに紛れて、「原子力の憲法」改悪までして、「安全保障」などという言葉を滑り込ませている。「「安全保障(セキュリティー)」の言葉を使えば「平和利用に限る、軍事には使わないという原則を日本は放棄するのではないか」といった疑念や拡大解釈の余地を国際社会に与えてしまうおそれがある。しかも、福島原発事故の後であり、朝鮮半島や西アジアなど核をめぐって世界情勢が緊張する中、あまりに無神経だ」・・・・・・というか、第2自民党・元祖自民党・第3自民党が十分に意識的に謀ったのだと思う」。
使用済み核燃料プールの空きはあとわずか。
『●使用済み核燃料プールが満杯になったらどうするの??』
「これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐこと」になる。1秒1秒、刻一刻と、死の灰は大飯原発で生み出されている。即刻大飯原発を停止し、すべての原子炉は廃炉にするしかない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012090502000123.html】
「ウラン節約」ウソだった 再処理「原発維持のため」
2012年9月5日 朝刊
原子力委員会が原発推進側を集め昨年十一月に開いた秘密勉強会の場で、電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)の幹部が、使用済み核燃料の再処理事業は、原発に使用済み核燃料がたまって稼働できなくなるのを防ぐため、と明言していた。国も電力会社も、再処理はウラン資源を節約し、エネルギー面の安全保障のためだと再三強調してきたが、虚偽の説明だったことになる。
発言者は電事連の原子力部長。内閣府の検証チームが集めた議事資料などによると、昨年十一月二十四日の会合で、原子力委の鈴木達治郎委員長代理が「電力会社としては、コストが高くても再処理する理由があるのか。とりあえずは(使用済み核燃料を)処理できるということがメリットか」と部長に質問した。
これに対し、部長は「その通り」と即答し、「再処理路線でなければ、使用済み核燃料の受け入れ先がなくなり、原発が止まってしまうことになる」と述べた。
本紙の調査で、国内約六割の原発では、稼働させれば数年内に使用済み核燃料プールが満杯になる。核燃料が交換できなくなり、それ以上は稼働できず、行き詰まった状態になると判明している。
鈴木氏の質問は、電力各社にとって再処理を続けるメリットは、プールにたまった使用済み核燃料を減らし、原発を維持することかどうかをただす趣旨。部長の答えは、まさに電力会社の本音を語ったものだ。
ただし、日本の原子力政策の建前は、再処理で出たプルトニウムを使い、混合酸化物燃料(MOX燃料)にしてプルサーマル発電で再利用。それが「資源小国の日本にとってウラン資源の節約につながる」ということだ。その建前で十兆円もの巨費を投じてきたが、再利用の輪は完成しておらず、MOX燃料の利用計画も立てられなくなっている。
政府・与党は近く、将来の原発比率をどうするか結論を出す見通しだが、再処理を含め原発を維持しようとする動きは根強い。政府からは、原発ゼロにした場合、光熱費がアップするなど否定的な側面だけを宣伝する動きも強まっている。
だが、これまでの再処理の建前はうそで、原発を運転し続けるための方便ということがはっきりしたことで、再処理事業の存続意義はますます揺らぐことになりそうだ。
電事連は「(秘密勉強会の)出席者や発言者の確認をしていない」として、検証チームへの資料提出を拒否している。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012090602000130.html】
防衛相「原発は抑止力」 就任前 国防上の利点強調
2012年9月6日 朝刊
森本敏防衛相が就任前の今年一月、電力関係の講演会で日本の原発維持を主張し「単にエネルギーの問題だけではない」「周りの国から見て非常に大事な抑止的機能を果たしている」と発言していたことが五日分かった。原発の維持が周辺国に核兵器開発の潜在的能力を意識させ、それが日本の国防上のメリットにつながるとの考えだ。
森本氏は共同通信の取材に対し「政府の一員となった現在は(非核三原則を堅持する)政権の方針に従う」とする一方、就任前からの外交・安全保障の知見については「できれば現実の政策の中に生かしつつ」全力を尽くすのが職責だとも強調した。
政府は近く、将来の原発比率を含めたエネルギー・環境戦略を決めるが、森本氏は閣僚として閣議決定などで関与することになる。
講演会は、北海道電力などが関係する経済団体「北海道エナジートーク21」が主催し、一月二十五日に札幌市で開かれた。森本氏は講演会後の座談会で発言。主催者がまとめた講演録によると「国の基本として原子力を持つということは、単にエネルギーの問題だけではない」などと述べた。
原子力開発を平和利用に限定する原子力基本法には六月「わが国の安全保障に資する」との文言が追記された。政府は非核三原則堅持の方針に変わりはないとしているが核武装に道を開きかねないと反発が出た。
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