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●《省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても電力不足は生じず、温暖化対策も両立できる》…トドメは刺されている

2020年08月17日 00時00分15秒 | Weblog

[※【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】(東京新聞2020年3月10日)↑]



レイバーネットのコラム【●木下昌明の映画の部屋 第265回/ヴェルナー・ブーテ監督『グリーン・ライ~エコの嘘~』/自然を食いものにする大企業の犯罪】(http://www.labornetjp.org/news/2020/kinosita265)。
中崎裕記者による、東京新聞の記事【<東日本大震災9年>原発なしでもCO2減 火力で増加の懸念覆す】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031002000117.html)。
吉田央記者による、沖縄タイムスのコラム【[大弦小弦]3・11から9年 「喉元過ぎれば」ではいけない】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/545457)。

 《グレタ・トゥンベリが、経済の発展やお金のことばかり語り合って自然破壊や急激な気候変動を生みだしている世界の企業家や政治家たちに「恥ずかしくないんですか」と叱咤したことにわたしは感動した。ここに彼女の危機意識を裏づける一本の映画がある。…世界のあちこちを旅しながら「環境にやさしい」をうたい文句に、うわべだけ取りつくろった商品やその生産現場の惨状を暴いている。目隠しされた自然破壊の実態をわたしたちにみえるように記録している。これに衝撃を受けないものはいないだろう》。
 《二〇一一年の東京電力福島第一原発事故後、電気の発電量が事故前より一割近く減少し、原発停止に伴う火力発電の増加で懸念された二酸化炭素(CO2)の排出量も一三年度をピークに一割以上減ったことが分かった。省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても電力不足は生じず、温暖化対策も両立できることを裏付けた形だ。(中崎裕)》。
 《▼コールセンターで働きながら脱原発を学ぶも、政府は再稼働に突き進む。感じたのは住民が直接、民意を示す重要性。スイスの専門家を招いた講演会を開くなど、奔走した▼昨年の県民投票は投票者の7割以上が新基地建設に反対したが工事は止まらない。「法定数の署名を集めても議会が認めないと成立せず、結果に法的拘束力もない」。住民の意思を尊重する制度設計が必要と考える▼国会も喉元過ぎれば事故忘れる、だろうか。野党が提出した原発ゼロ基本法案は2年間たなざらし再稼働を重視する政権の姿勢と対立するからか審議さえしない》。

 何度もすいませんが、再度、貼ります。《世界は電力タダの時代に》…核発電を続けたい、という「麻薬」中毒者達の気が知れない。復興五輪」どころか、「復興原発などというふざけた言葉も耳に入ってくる。最近は、「経済性を度外視して、核発電をやらなけらばならない」といった支離滅裂な言説も出てきているようだ。ニッポンは世界中に迷惑を振りまく続けている…。


【【金子勝の言いたい放題】NO5 世界は電力タダの時代に エネ転が拓く経済転換(飯田哲也さんと) 20191230】
https://www.youtube.com/watch?v=eMDjFFFo3qY&t=186s

 COVID19の対策は遅々として進まず、一方、金(カネ)色の五つの輪の新たな日程はさっさと決まる。もう中止にすべきでしょうに。こんな猛暑の中、競技者やボランティアスタッフを死の危険にさらすつもりか。政府の無為無策ぶり、腐敗は止まるところを知らない。「復興五輪」? 《オリンピック聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》。「復興原発」? 東京電力核発電人災の被災者をバカにしているのか?

   『●東電核発電人災から9年: 金(カネ)色の五つの輪《オリンピック
            聖火リレーを前に「福島はオリンピックどごでねぇ」》
   『●核発電所を再稼働したい? 《女川いのちの石碑…十三番目の石碑
     …<故郷を 奪わないでと 手を伸ばす> この痛切な願い》を聞けよ!
    《女川原発は、震源に最も近い原発です。福島同様、激しい揺れと津波に
     襲われました。到達点よりわずかに高い所にあったため、辛うじて難を
     逃れたにすぎません。…東北の被災原発を再稼働に導いて、「復興原発
     にしたいのか
。原発は安全です、ちゃんと制御
     アンダー・コントロールできていますと、五輪を前に世界へ
     アピールしたいのか》。

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http://www.labornetjp.org/news/2020/kinosita265

木下昌明の映画の部屋/ヴェルナー・ブーテ監督『グリーン・ライ~エコの嘘~』

●木下昌明の映画の部屋 第265回/ヴェルナー・ブーテ監督『グリーン・ライ~エコの嘘~』
自然を食いものにする大企業の犯罪

 16歳の環境活動家として一躍有名になったグレタ・トゥンベリが、経済の発展やお金のことばかり語り合って自然破壊や急激な気候変動を生みだしている世界の企業家や政治家たちに「恥ずかしくないんですか」と叱咤したことにわたしは感動した。

 ここに彼女の危機意識を裏づける一本の映画がある。それは『グリーン・ライ~エコの嘘~』といういっけん地味なタイトルのドキュメンタリーだ。監督はオーストリアのヴェルナー・ブーテで、環境活動家、カトリーン・ハートマンと2人で世界のあちこちを旅しながら「環境にやさしい」をうたい文句に、うわべだけ取りつくろった商品やその生産現場の惨状を暴いている。目隠しされた自然破壊の実態をわたしたちにみえるように記録している。これに衝撃を受けないものはいないだろう。

 2人はまずスーパーに出かけて食品表示に「持続可能」とうたう「パーム油」について問答する。パーム油は、安価で多くの食品に含まれているという。日本では、パーム油ではなく、「植物油脂」とあいまいな表示にしている。それで通用させているのだ。

 では、この油の原産地はどうなっているのか? 2人はインドネシアのスマトラ島へ飛ぶ。島は一面緑緑したパームやしのプランテーションが広がっている。現地にはパームやし反対の運動をつづけている青年の事務所があって、2人はそこを訪れる。監督はやおらポケットからチョコボールを取り出して青年に差し出す。これを目にして青年は「気分が悪くなる」と首をふる。「これはインドネシア人の血なんだ」と。「パーム油の生産はある種の新植民地主義で、強制労働や低賃金労働をこの国にもたらしている」と語る。企業は、熱帯雨林を焼き払って住民の共同体をこわし、強制移住をしいている、とも。

 2人は、青年の話を確かめるためにバリ島で開催している世界のパーム油会議に報道人として参加する。そこでは企業の幹部や農園主でもある政治家が集まって、会場は華やかな催しや展示物がいっぱい。何かの大臣が壇上から「インドネシアはパーム油産業のお陰で繁栄している」と高らかにアピールする。2人はパーム油生産のマーキンググループのCEOに「あなたの会社は焼畑していませんか?」と尋ねると「絶対にしていない。現場へいってみてくるといい」と断言する。

 そこで2人は先の反対運動の青年とともにマーキングの農園の島に飛ぶ。ところが現場は、不法にも原生林を焼き払ったばかりで黒くこげた大地が広がっている。オランウータンの親子が煙に逃げまどうシーンもあった。インドネシアでは2015年に大規模な森林火災があり、そのとき多くの死者と煙害を出した。それは日本でもニュースとして流れたが、実は企業が自然災害のようにみせかけて人工的に焼いたものだった。――おいしいチョコレートのこれが裏の現実だ。

 つぎに2人が向かったのはメキシコ湾内にある小島。そこは2010年4月20日、ブリテッシュ・ペトローリアム(BP社)が海底油田を掘削中に爆発が起こり、石油が大量に噴出した事件があった現場だ。いったい、石油まみれの海はいまどうなっているのか? いまも、それらしい櫓(やぐら)が砂浜から遠望できる。砂浜にはあちこち黒いタールボールがちらばっている。その原油の塊は有害物質と化して、素手でさわると危険だという。当時、原油は1日あたり1500万リットル、87日間にわたって噴出しつづけて海を破壊してきた。ところがBP社は「この事件は下請けと子会社が起こしたものだ」と。そして「責任をもって当社が回収します」と宣言。では回収したのか?

 この島で“えび王”と呼ばれているエビの卸業を営んでいる男がいて、2人はかれの事務所を訪ねる。えび王はBP社のやり方に憤まんやる方ない、と怒る。海に浮かんだ原油は回収すれば、また自然が戻ってくる。でも回収すれば費用がかかるので、有害な化学物質を使って海底に沈めた、というのだ。それも深夜に飛行機で散布したと。かれは水揚げしたばかりのエビを水槽から取り出し、その黒い腹部をみせていう、「原油を吸い込んでいる」と。にもかかわらず、BP社のCEOはテレビで「3年前に原油はすべて除去した」とのたまっている。しかし、えび王は「石油会社のせいで海はすっかり汚れちまったよ」と嘆く。2人は顔を見合わせるしかない。

 映画の後半――2人はドイツでテスラ社の電気自動車にのって高速道路を突っ走っる。が、そこにもごまかしがあって、「環境にやさしい」はずのリチウムの燃料のため自然(塩湖採掘)を破壊しているとか――。2人が車で向かうドイツ最大の石炭採掘場は、巨大な露天掘りで、粉じんが隣国にまで舞っているとか――。さらに2人はアマゾンに飛ぶ。食品企業はジャングルを焼き払い、先住民を村から追いだしたり殺したりして、牧場をつくり、大豆やとうもろこしをつくっている――。

 環境破壊は地球規模にまで広がっている。資本主義の担い手である国際的巨大企業は、つぎつぎと自然を食いものにし、大地を虫食いだらけにして、人間と動植物の〈いのち〉をないがしろにすることで生きのびようとしている。それでいいのか。グレタの恥を知れ!の怒りを映画ははからずも裏付けている。自然を破壊しなければ生きられない企業はもういらない――と宣言しよう。

 映画は、2人の調査の旅のなかで「いまや体制全体の変革が必要だ」と訴えるノーム・チョムスキーとの対話も挿入している。新型コロナ騒動のなかでも、大企業の地球資源の略奪とそのための破壊は進行している。

※3月28日シアター・イメージフォーラム他全国順次公開
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/CK2020031002000117.html

<東日本大震災9年>原発なしでもCO2減 火力で増加の懸念覆す
2020年3月10日 朝刊



【国内の発電電力量と二酸化炭素(CO2)の推移】
[https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/202003/images/PK2020031002100041_size0.jpg]

 二〇一一年の東京電力福島第一原発事故後、電気の発電量が事故前より一割近く減少し、原発停止に伴う火力発電の増加で懸念された二酸化炭素(CO2)の排出量も一三年度をピークに一割以上減ったことが分かった。省エネの進展と再生可能エネルギーの増加で原発が稼働しなくても電力不足は生じず、温暖化対策も両立できることを裏付けた形だ。(中崎裕)

 環境省によると、国内のCO2排出量は一三年度の十三億一千七百万トンをピークに減り続け、一八年度は一九九〇年度以降で最も少ない十一億三千九百万トンに。うち発電所などの排出量は全体の四割を占める四億五千六百万トンで、一三年度比で13・1%減った。

 同省が排出減の要因に挙げるのが、電力の「低炭素化」と省エネだ。一四~一八年度の国内の年間総発電量は、一〇年度と比べて一割近く少ない水準で推移。資源エネルギー庁によると、CO2を多く出す石油と石炭を合わせた発電量は事故後二、三年は大きく増えたが、その後減少し一八年度は一〇年度を下回った。代わりに太陽光は一〇年度の二十倍近くに増加。再生可能エネルギー全体では水力を含め16・9%を占めた。

 太陽光の出力合計は、一九年九月末時点で五千万キロワットを超え、事故前の全原発五十四基分を上回る。全国の需給状況を監視する電力広域的運営推進機関によると、一九年夏に全国の需要が最も大きくなった際には全体の供給力の15%を占め、原発なしでも十分まかなえる計算となる

 産業技術総合研究所の歌川学主任研究員は「福島の事故を契機に省エネが進展、再エネも増加した。原発に頼らず温暖化対策ができ、需給バランスも取れる。原発は放射性廃棄物の問題など課題があり、使うかどうかは国民的議論で決めればいい」と指摘している。
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/545457

[大弦小弦]3・11から9年 「喉元過ぎれば」ではいけない
2020年3月11日 07:50

 「震災も原発の危険性も『喉元過ぎればで、忘れられていないでしょうか」。東日本大震災後、千葉県から沖縄に移住した女性(53)がこう話す。震災後、1カ月ほどで原因不明の頭痛と圧迫感に悩まされ、膝から下には内出血が広がった▼広島市の出身。幼いころから学校で原爆被害者の証言を聞いた。重度なやけどの話が多かったが、ある体験者の「放射能は遺伝子を破壊する」という言葉が自身の体調不良に重なり、移住を決意した▼コールセンターで働きながら脱原発を学ぶも、政府は再稼働に突き進む感じたのは住民が直接、民意を示す重要性。スイスの専門家を招いた講演会を開くなど、奔走した▼昨年の県民投票は投票者の7割以上が新基地建設に反対したが、工事は止まらない。「法定数の署名を集めても議会が認めないと成立せず、結果に法的拘束力もない」。住民の意思を尊重する制度設計が必要と考える▼国会も喉元過ぎれば事故忘れる、だろうか。野党が提出した原発ゼロ基本法案は2年間たなざらし再稼働を重視する政権の姿勢と対立するからか審議さえしない原発や基地には、そこから利益を得る既得権益層がいる。女性は言う。「変えるためには、つながること」。住民投票や再生可能エネルギーの先進国との連帯が、岩盤を突き崩す一歩になると信じている。(吉田央
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