[↑ ※「地震列島の原発安全性に警告」(週刊金曜日 1457号、2024年01月26日号)]
(2024年08月25日[日])
何もかもがいい加減…命を賭して何をやっているのか? 南海トラフ地震のリスクの第一に議論すべきは核発電所の存在であり、再稼働・新規建設など以ての外。
南海トラフ地震によるリスク…浜岡核発電所、伊方核発電所、そして、上関、川内核発電所。核発電所を動かしたいということに、狂気を感じる。ペラペラの壁…、無謀な避難経路…、利権…。老朽核発電所…。《破滅的な事故》のリスクなど、想像する能力もないのか?
《九州電力は東京新聞「こちら特報部」の取材に「南海トラフ地震を考慮した耐震設計になっている。…」との答え》たそうですが、これは本当なのですかね? 基準地震動は幾らで、南海トラフ地震の際の想定地震動は幾らと予想しているのかな。例えば、《東日本大震災2933ガル、08年岩手・宮城内陸地震4022ガル、16年熊本地震1700台…》…多くの核発電所1000ガル以下…》、《大飯原発…856ガルまで大丈夫だとされたが、他の原発も1000以下が多い。一方、三井ホームの耐震性は5115ガル、住友林業の住宅は3406ガル》。配管オバケ、1本でもギロチン破断したらどうなるのでしょう。使用済み核燃料プールの水が枯渇したらどうなるの。
3.11東京電力核発電人災後のその設置以降、その初代委員長からして酷く、何度も本ブログでも言ってきたが……肝心の原子力規制委員会が酷過ぎる。なんの「規制」もしない、核発電「寄生」委員会であり、核発電「推進」委員会。(こちら特報部)《能登半島地震を受けた規制委の対応はひどい。特に住民避難がそうだ。道路寸断のリスクが明白になっても「自然災害への対応はわれわれの範疇(はんちゅう)外」と人ごと感を強く漂わせた。今回、「巨大地震注意」と打ち出した気象庁の方々は規制委にも警鐘を鳴らしてもらいたい》
『●砂上にペラペラの壁を造ってまでも
再稼働したくなる浜岡原発という「金のなる巨大木」』
『●核発電復権? 核発電所停止期間を控除? 「狂ったゴジラ」「老朽原発」
「老朽原発」「寿命核発電所」を再稼働したい? 福島の「原状回復」はいつ?』
『●元福井地裁裁判長・樋口英明さん《地震大国の日本には、
北海道から沖縄まで原発を動かせる場所はどこにもない》』
《二〇一四年五月に福井地裁の裁判長として、関西電力
大飯原発3、4号機(福井県)の運転差し止め判決を出した。
今も自分が正しいと確信を持っている。大飯原発の基準地震動
(耐震設計上の想定の揺れ)は七〇〇ガル(揺れの勢いを示す加速度の
単位)で、重大事故につながる限界点は一・八倍の一二六〇ガルだと
関電は主張していた。私は裁判前は、三〇〇〇ガルのような強い揺れに
原発が耐えられるかどうかが争点になると予想していた。ところがふたを
開けてみれば、一二六〇ガルが来たらおしまいだというのは争いが
なかった。主な争点は「敷地内に一二六〇ガルを超える地震は来ない」
という関電の主張の信用性だった。それが争点なら難しい工学的判断は
不要で、理性と良識があれば簡単に解ける問題となる。地震大国の
日本では、原発で基準地震動を超える地震が頻発しており、大飯も
「ロシアンルーレット」状態だった。日本の国策は「安全な原発を
動かす」であって、「何が何でも動かす」ではない。私の「極めて
危険だから動かしてはいけない」という判断は、国策にも忠実だった
と思っている。仮に私が日本原子力発電(原電)東海第二原発の
差し止め訴訟を指揮するなら、ポイントは三つあると思う。一つは、
基準地震動を超える地震が来ないと言えるかどうか。
これは他の原発と共通の問題だ》
『●反核発電に、高度な工学的知識は不要である…(樋口英明さん)
《原発の耐震性は信頼度も基準値も一般住宅より、はるかに劣る》のだから』
『●2014年5月大飯原発運転差し止め判決…樋口英明さんは《基準地震動を
超える地震が来ないと言えるかどうか…他の原発と共通の問題》』
《規制委の審査が不十分であることが司法によって示されたのだ。
大飯だけでなく、再稼働を目指す東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)
や東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)など、審査に合格
した施設でも規制委の審査が十分だったのか疑問符が付く》
『●老朽原発を含む関電美浜・高浜核発電所の運転差し止め訴訟、基準地震動
は妥当で、《老朽化対策も合理的》と福井地裁・加藤靖裁判長は判断』
宮畑譲・森本智之両記者による、東京新聞の記者【こちら特報部/南海トラフ地震「想定震源域」周辺にも原発が…「まさか」におびえる伊方周辺住民 川内は老朽の不安も】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/346594?rct=tokuhou)。《日向灘で起きたマグニチュード(M)7.1の地震。気象庁は南海トラフ地震臨時情報を初めて発表し、「巨大地震注意」と打ち出した。今後心配なのが原発だ。他と比べて今回の震源地に近く、耳目も集めるのが九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)と四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)。脅威に耐えられるか。住民を守れるか。不安を抱く現地の声に耳を傾けた。(宮畑譲、森本智之)》。
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【https://www.tokyo-np.co.jp/article/346594?rct=tokuhou】
こちら特報部
南海トラフ地震「想定震源域」周辺にも原発が…「まさか」におびえる伊方周辺住民 川内は老朽の不安も
2024年8月10日 12時00分
日向灘で起きたマグニチュード(M)7.1の地震。気象庁は南海トラフ地震臨時情報を初めて発表し、「巨大地震注意」と打ち出した。今後心配なのが原発だ。他と比べて今回の震源地に近く、耳目も集めるのが九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)と四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)。脅威に耐えられるか。住民を守れるか。不安を抱く現地の声に耳を傾けた。(宮畑譲、森本智之)
◆鹿児島県薩摩川内市は震度4で「防災対策推進地域」
「川内原発に関して、まさに市議と意見交換した直後だった。ホールのランプもかなり揺れた」。薩摩川内市内に住む「川内原発建設反対連絡協議会」の鳥原良子会長が8日夕の地震発生時を振り返る。
宮崎県で震度6弱を記録した今回の地震。市内は震度4だったが、「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されている。今後1週間程度は地震や津波への注意が呼びかけられた。
1997年、最大震度6弱を記録した鹿児島県北西部地震があった。当時、最初の地震から約2カ月後に、より大きな揺れが起きた。次なる地震を懸念する鳥原さんは「何が起きるかは分からない。もっと大きな地震が起きたら逃げないといけない。とにかく早く川内原発は止めてほしい」と訴える。
◆「南海トラフ地震を考慮した耐震設計になっている」
(川内原発(2016年撮影))
東京電力福島第1原発事故後の2014年、川内原発の2基は他に先駆け、原子力規制委員会による新規制基準の審査をクリアし、再稼働に至った。現在、1号機は定期検査中で、2号機が稼働している。九州電力は、今回の地震で異常が確認されていないとする。
九州電力は東京新聞「こちら特報部」の取材に「南海トラフ地震を考慮した耐震設計になっている。地震や津波が原子炉施設の保安に重大な影響を与えると判断した場合、停止の措置について協議する」との答え。「大津波警報」が発令された場合、原則として原子炉を停止すると定めているという。
◆まもなく運転開始から40年
とはいえ、川内原発は老朽化の不安がある。
(原子力規制委員会宛ての異議申立書を担当者に
手渡す女性=2015年)
福島第1原発の事故後、原発の運転期間は「原則40年、最長60年」とされ、さらに昨年、停止期間分を追加延長することで60年超運転を可能にする改正電気事業法が成立している。川内原発の2基は今年から来年にかけ、運転開始から40年となるが、運転延長が認められた。
鹿児島市在住で「反原発・かごしまネット」の向原祥隆(むこはらよしたか)代表は「原発の配管は総延長150キロとも言われる。そのうち1カ所でも壊れれば大変な事故につながりかねない。やはり古いほど不安も強まる」と話す。
◆「破滅的な事故」のリスクも
(記者会見する南海トラフ地震の評価検討会の
平田直会長=8日、気象庁で(木戸佑撮影))
九州南部は国内有数の火山地帯だ。可能性は高くないとはいえ、巨大噴火で火砕流などが原発施設に流れ込めば、破滅的な事故につながると指摘されてきた。
懸念されるのは避難計画もだ。県原子力安全対策課の担当者は「南海トラフに特化した避難計画はない。南海トラフを含めた地震と原子力防災の計画をつくっている」と答えるものの、前出の鳥原さんは危ぶむ。
「避難訓練はいつも同じ時期の昼間にやっていて、一部の人だけが参加している。実効性がない。避難のことが書いてあるしおりも多くの人が理解しているとは思えない」
◆「南海トラフ地震は本当に来るんやな、と落ち着かない」
危機感を募らせるのは伊方原発がある愛媛県の住民らも。4月には県内で震度6弱の地震が起きていた。
(伊方原発ゲート前で抗議の座り込みをする住民たち
=2012年、愛媛県伊方町で)
「あの時ほどではなかったけど、ゆっさ、ゆっさと横揺れがして、慌ててテレビをつけたら、震源は『日向灘』と。『まさか南海トラフ?』と冷やっとした。そしたら本当に臨時情報が出て。南海トラフ地震は本当に来るんやな、と今は落ち着かない気持ちですね」
市民団体「伊方から原発をなくす会」の近藤亨子(じゅんこ)さんが地震の発生当時を思い返す。自宅は伊方町に隣接する八幡浜市にある。
伊方原発1、2号機は廃炉作業中で、3号機は定期点検中だった。今回は近隣で津波注意報が出たほか、伊方町で震度3を記録。四国電力によると、原発では揺れを感知しなかったという。
毎月11日に原発前で廃炉を求めて座り込む近藤さんは「南海トラフのことも含めて、即時廃炉を申し入れたい」と口にする。
◆愛媛・伊方町では最高21.3メートルの津波を想定
(日向灘を震源にした地震の発生で開かれた
「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」後、行われた
記者会見=8日、気象庁で(木戸佑撮影))
県の地域防災計画は、南海トラフで最大級の地震が発生した場合にM9を想定する。伊方町の震度は最大の7。原発は高台に建設されているとして、津波が直接、原子炉などに被害を及ぼすことは想定しないが、町内を襲う津波は最高で21.3メートルに達するとみる。
伊方原発の運転差し止め訴訟の薦田(こもだ)伸夫弁護団長(愛媛弁護士会所属)は「伊方原発のある佐田岬半島は幹線道路が国道1本だけ。原発から1キロしか離れておらず、避難時は原発の近くを通らないといけない。海から逃げるとしても津波で港が破壊されれば難しくなる」と語る。1月の能登半島地震と同様、道路が寸断されれば、避難ができなくなる可能性も高いという。
薦田さんは「南海トラフ地震による影響は訴訟でも大きな争点の一つ。四電は原発の建つ岩盤は強固だからと、揺れの想定を過小評価してきた。耐震性はずっと心配してきた」とも述べ「今回の臨時情報でさらに心配になっている市民は多いだろう」と推し量る。
巨大地震などの危惧はかねて指摘されてきた。2020年には「地震や、約130キロ離れた熊本・阿蘇カルデラの火山のリスクに対する評価や調査が不十分」として広島高裁が運転差し止めの仮処分決定をした。伊方の運転差し止めの司法判断は17年に次ぎ2例目。ただともに覆された。
◆「M9の地震の想定震源域の中に原発があること自体、問題」
改めて浮かんだ巨大地震のリスクを巡り、対岸の本州側でも警戒が強まる。
(伊方原発(2017年撮影))
広島市在住で伊方原発広島裁判原告団の哲野イサクさんは「原発から市役所まで約100キロしか離れていない。事故が起きれば広島も影響を受ける蓋然(がいぜん)性は高い」とし「そもそもM9の地震の想定震源域の中に原発があること自体、問題だ。極めて単純な事実だが、この機会によく考えなければならない」と訴える。
本来なら、巨大地震の予兆を感じたタイミングで各地の原発の安全対策や防災対策を改めて検証すべきだが、その役目を担うはずの原子力規制委は最近、残念ぶりが目に付く。原子力行政に詳しいジャーナリストの政野淳子さんは能登半島地震を引き合いに出し「家屋倒壊や道路寸断が至るところで起きた。教訓にすべきなのに、国は全く向き合っていない」と批判する。
規制委は能登の地震後も、住民避難などを扱う原子力災害対策指針の抜本的な見直しまで踏み込まない。「家が壊れたらどうするのか。避難所へ移るとしても道が寸断されていたらどうするのか。記者会見でも繰り返し尋ねたが、納得できる回答はない」
政野氏は「伊方も川内も能登のようなことが起こりかねない場所にある。避難計画は住民を守る最後の砦(とりで)なのに今のままでは絵に描いた餅だ」と安全面の検証が心もとない現状を嘆き、「今の状況で原発は動かすべきではない」と述べた。
◆デスクメモ
能登半島地震を受けた規制委の対応はひどい。特に住民避難がそうだ。道路寸断のリスクが明白になっても「自然災害への対応はわれわれの範疇(はんちゅう)外」と人ごと感を強く漂わせた。今回、「巨大地震注意」と打ち出した気象庁の方々は規制委にも警鐘を鳴らしてもらいたい。(榊)
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