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●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》

2021年07月04日 00時00分16秒 | Weblog

 (2021年06月27日[日])
野村創記者による、西日本新聞の記事【「沖縄の犠牲は後世に伝える必要ある」平和資料館に集まる支援】(https://www.nishinippon.co.jp/item/n/758191/)。
沖縄タイムスの【社説[コロナ下の慰霊の日]記憶継承へ支援の輪を】(https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/774549)。
琉球新報の【<社説>「慰霊の日」に誓う 沖縄戦の教訓を後世に】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1342597.html)。

 《新型コロナウイルスの影響で厳しい経営が続く、沖縄県の平和資料館に全国から寄付が寄せられている。太平洋戦争末期の地上戦で多くの住民が犠牲になった沖縄。その体験を後世に継承する資料館の存続を願う人々の思いは、職員の心の支えにもなっている》。
 《休館中の県平和祈念資料館は23日も開けないという。慰霊の日のさまざまな行事は、沖縄戦体験を継承していく上で重要な役割を果たしてきた。コロナの影響でそれができなくなったのである。ひめゆり平和祈念資料館など沖縄の代表的な資料館はコロナの影響で来館者が激減し、軒並み、苦しい運営を強いられている》。
 《県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦の組織的戦闘が終結してから76年。昨年同様、コロナ禍の中で「慰霊の日」を迎えた。防衛隊鉄血勤皇隊女子学徒として戦場に動員された90歳以上の世代は県人口の1.4%。小学生だった80歳以上を含めても7%にすぎない(2020年「住民基本台帳年齢別人口」)。体験者から証言を聞くことがますます難しくなった》。

   『●対馬丸事件の教訓…《この悲劇は、いったん戦争に巻き
     込まれればいかなる対象も、攻撃される対象となる危険性》
    「沖縄タイムスの記事【「いつまでも忘れないこと」 吉永小百合さん
     対馬丸記念館へメッセージ 戦争で撃沈、犠牲の児童らに想い】…
     《メッセージの中で対馬丸で犠牲になった子どもたちについて触れ、
     「私達はしっかりと胸に刻んで、いまを生きる。いつまでも忘れない
     ことが大切です二度と戦争をしないという強い思いのなかで
     吉永小百合」と色紙にしたためた》」

   『●《「忘れない、風化させない、なかったことにしないために」
      …反戦平和、反核、反原発を明確に打ち出す発言》を躊躇わず
   『●戦争の記憶の継承…《大谷昭宏さんから伺った話。「戦争の記憶が
     風化する中、語り継ぐ一つの手段が見えるのでは」と水を向けられ…》
   『●沖縄イジメ、辺野古は破壊「損」の張本人が元最低の官房長官。
     そして今、さらなるデタラメ・ヒトデナシをやろうとしているオジサン
   『●《自民党右派の議員秘書にトランプの評価を問うと「戦争をしなかった
       大統領」と胸を張った。米国は分断という内戦を戦っていたのだ》
   『●「自衛隊派遣によって治安はかえって悪化する」、政府の政策に
     逆らえば…衆院テロ対策特別委員会委員は国会参考人の発言を打ち切り…
   『●《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに…
    「平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、
     《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、
     戦争の記憶をどのように継承していくのか。
     《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を
     押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さんがお亡くなりに
     なったそうです」

   『●大矢英代さん《沖縄の状況がいかに理不尽かということも、今回の
     アメリカ大統領選から日本人は学ぶべきなのではないでしょうか》!

 平和な社会への《語り部》の皆さんの重要な貢献。特に、《沖縄戦の語り部》の皆さんは高齢化している。そんな中、戦争の記憶をどのように継承していくのか。《「真実を後世に伝えることが生き残った自分の義務」と心の傷を押して語り部を続け大きな足跡を残した》安里要江さん。どう戦争の記憶を残し、戦争を回避するのか。戦争の記憶の継承、《語り継ぐ》。でも、今のような自公政権やお維が幅を利かす世の中では…。まず、そこから変えていかないと。
 《「忘れない、風化させない、なかったことにしないために」》。(沖縄タイムス社説)《戦争の記憶を継承していくためには、継承する理由がはっきりしなければならない。なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り返さないためである。アジア・太平洋戦争は日本を破滅に導いた過誤に満ちた戦争だった。…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ。慰霊の日は、戦没者を追悼するとともに、そのことを再確認する日でもある》。(琉球新報社説)《「慰霊の日」は鎮魂と同時に沖縄戦の書き換えを許さないことを確認したい。そして世界の人々と共に、軍事力に頼らず人権侵害、難民、飢餓、貧困、抑圧のない積極的平和の実現を誓いたい》。

   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●《「慰霊の日」を迎えた。…鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊の悲劇が
     伝わる一方、護郷隊の過酷な運命は長年ほとんど知られていなかった》
   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に
    《沖縄タイムスの【社説[慰霊の日に]知ることから始めよう】…
     《こういう時期だからこそ、沖縄戦の実相をより深く学び、
     戦争の記憶を引き継ぐ意味を心に刻みたい。きょう沖縄は
     「慰霊の日」を迎える。県民の4人に1人が犠牲になった
     沖縄戦から75年の節目となるが、今年の「6・23」は新型コロナ
     ウイルスの影響で慰霊祭の中止や規模縮小を余儀なくされている》》

   『●《8月ジャーナリズム》と《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない。
     沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)

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https://www.nishinippon.co.jp/item/n/758191/

「沖縄の犠牲は後世に伝える必要ある」平和資料館に集まる支援
2021/6/21 6:00 (2021/6/21 11:44 更新)
野村創

     (武田正勝さんの手紙を持つ対馬丸記念館
      外間邦子常務理事=那覇市)

 新型コロナウイルスの影響で厳しい経営が続く、沖縄県の平和資料館に全国から寄付が寄せられている。太平洋戦争末期の地上戦で多くの住民が犠牲になった沖縄。その体験を後世に継承する資料館の存続を願う人々の思いは、職員の心の支えにもなっている。

 ひめゆり平和祈念資料館(糸満市)には6~20日に7429件、3200万円超の寄付が集まった。職員がツイッターで「危機に直面している」と協力を呼び掛けると瞬く間に拡散。「戦争を知らない世代が増える中、皆様の取り組みに敬服いたします」などのメッセージも添えられた。

 ひめゆり学徒隊の惨劇を紹介する資料館は昨年度、入館者が前年度から9割近く減った。公的補助は受けておらず、職員の賞与を減額して運営を続ける。普天間朝佳(ちょうけい)館長(61)は「平和の尊さを学ぶ大事な場所だと受け止めてもらったと感謝している。コロナ禍を耐え、難局を乗り切る努力を続けたい」と話した。

 対馬丸記念館(那覇市)にも寄付が相次いでいる。

 「大切な記念館存続のためにお使いください」。5月上旬、福岡市の医師武田正勝さん(85)からこう記した手紙が届いた。

 記念館は、1944年に沖縄を出港した対馬丸が米潜水艦に撃沈され、疎開学童ら1500人近くが犠牲になった歴史を伝える。自らも戦争を体験した武田さんは本紙で記念館の窮状を知り、寄付を思い立ったという。「沖縄の犠牲は後世に伝える必要がある。生きている限り支援を続ける」と語った。

 記念館によると、2019年度の寄付金は744万円、20年度は933万円だった。特に年会費2千円の協力会員が増えているという。23日には沖縄戦の戦没者を悼む「慰霊の日」を迎える。外間(ほかま)邦子常務理事(82)は「平和のため、未来の子どもたちのため、自分ができることはないかと、多くの人が考えてくれたことがうれしい」と感謝する。

(那覇駐在・野村創)
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https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/774549

社説[コロナ下の慰霊の日]記憶継承へ支援の輪を
2021年6月23日 06:27

 対馬丸記念館の裏手、那覇市若狭の旭ヶ丘公園に「海鳴りの像」がある。

 米軍の攻撃で撃沈された戦時遭難船舶の犠牲者を祭る慰霊碑である。刻銘されている犠牲者の数は1900人を超える。

 アジア・太平洋戦争で艦船が撃沈されて亡くなった海没死者の総数は、35万8千人に達するという。

 「海鳴りの像」は戦争死のもう一つの側面を伝えるモニュメントでもある。

 遺族会はコロナ禍で昨年に続き今年も、慰霊祭を中止せざるを得なくなった。

 新型コロナウイルスが猛威を振るう中、沖縄はきょう23日、緊急事態宣言下の慰霊の日を迎える。

 糸満市摩文仁平和祈念公園で行われる県主催の沖縄全戦没者追悼式は、参加人数を26人まで絞る。

 通常、5千人規模で開かれることを考えれば、縮小ぶりが際立つ。

 休館中の県平和祈念資料館は23日も開けないという。

 慰霊の日のさまざまな行事は、沖縄戦体験を継承していく上で重要な役割を果たしてきた。コロナの影響でそれができなくなったのである。

 ひめゆり平和祈念資料館など沖縄の代表的な資料館はコロナの影響で来館者が激減し、軒並み、苦しい運営を強いられている。

 とりわけ、ひめゆり資料館は展示内容をリニューアルし、再スタートしたばかり。見てくれる客がいないのは、スタッフにとって精神的にもきつい。

 かつてない事態だ。

■    ■

 支援の動きはさまざまな形で表れ始めている。

 MONGOL800のキヨサクさんの呼び掛けに民謡歌手の古謝美佐子さん、Kiroroの玉城千春さんが応え、ひめゆりの塔前でミニライブが開かれた。

 慰霊の日にネットで有料配信し、寄付を募るという。

 「平和と呼ぶには遠く、歴史にするには早い」。キヨサクさんの歌のメッセージは、若者に届く言葉の大切さに気付かせてくれる。

 白梅学徒隊の体験を継承するために結成された「若梅会」(いのうえちず代表)の活動もユニークだ。

 学徒の足跡をたどれる地図作りやリモート講話など、インターネットを駆使した継承に取り組む。糸満市真栄里にある白梅之塔が老朽化しているため、修繕に必要な費用の支援も呼び掛けている。

 次世代継承の「新しい形」が、さまざまな場で生まれつつある。

■    ■

 戦争の記憶を継承していくためには、継承する理由がはっきりしなければならない。なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り返さないためである。

 アジア・太平洋戦争は日本を破滅に導いた過誤に満ちた戦争だった

 首里を撤退した後、6月に入って非戦闘員の死者が激増したのはなぜか。

 過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ。慰霊の日は、戦没者を追悼するとともに、そのことを再確認する日でもある。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1342597.html

<社説>「慰霊の日」に誓う 沖縄戦の教訓を後世に
2021年6月23日 05:00

 県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦の組織的戦闘が終結してから76年。昨年同様、コロナ禍の中で「慰霊の日」を迎えた。

 防衛隊鉄血勤皇隊女子学徒として戦場に動員された90歳以上の世代は県人口の1.4%。小学生だった80歳以上を含めても7%にすぎない(2020年「住民基本台帳年齢別人口」)。体験者から証言を聞くことがますます難しくなった

 一人でも多くの貴重な体験を記録し、「命どぅ宝」「軍隊は住民を守らない」という沖縄戦の教訓を後世に伝える決意を新たにしたい。

 76年経過した今、沖縄戦の実相が国家のお墨付きを得てゆがめられている。容認できない事態だ。2022年度から使う教科書検定に合格した自由社の中学歴史教科書は、沖縄戦をこう記述している。

 「日本軍はよく戦い、沖縄住民もよく協力しました

 県民が「よく協力しました」という表現は実態と異なる。沖縄戦直前、日本軍は大規模な防衛召集を実施し約2万人の県民を動員した。師範学校や旧制中学校など14歳以上の男子学徒も防衛召集された。しかし法的な根拠ははっきりしない。女子学徒についても軍の看護婦として召集するような法的根拠はない。

 「沖縄県史」は「県、特にその責任者である知事が、当時の法に則って軍の要求に抵抗していれば、学徒たちの悲劇は避けられたか、少なくとも大きく軽減できた可能性は高い」と指摘している。

 さらに防衛召集の対象ではない多くの民間人まで義勇隊、救護班、炊事班として根こそぎ動員した。

 本紙連載「国策の果て・根こそぎ動員の実態」(15日付)に登場する大城富美さん(92)は、救護班として負傷兵の看護に当たるよう命じられた。大城さんは当時16歳。皇民化教育に染まった住民にとっては断ることのできない、いわば「強制」だった。「言われた通りにしなければ、生きていけなかった」と大城さん。「ありったけの地獄を一つにまとめた」と米軍が表現するほどの戦場で負傷兵の看護に当たった。

 こうして多くの住民が根こそぎ動員によって戦闘に巻き込まれた。日本軍は「軍官民共生共死」の方針によって、住民にも軍人同様に死ぬことを求めた。

 「日本軍はよく戦い」という表記も適切ではない。日本軍は兵士に生還を許さない陸、海、空の特攻を命じた。大本営が作成した沖縄戦の戦訓は「爆薬肉攻は威力大なり」と記述している。つまり「よく戦い」の実例として、爆薬を抱えた自殺攻撃を挙げている。これが実態である。

 「慰霊の日」は鎮魂と同時に沖縄戦の書き換えを許さないことを確認したい。そして世界の人々と共に、軍事力に頼らず人権侵害、難民、飢餓、貧困、抑圧のない積極的平和の実現を誓いたい。
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●沖縄戦《証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げ》…「戦争屋」が政権を持っている社会では愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める

2020年07月19日 00時00分56秒 | Weblog


琉球新報のコラム【<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html)と、
【<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html)。

 《その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった ▼語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)だ》
 《沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる。証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動きは戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない》。

   『●沖縄差別:目取真俊さん「多くの日本人がその嘘っぱちを
        を信じている、というよりも、信じたいんでしょう」

 辺野古破壊高江破壊による「住民分断」「沖縄差別」を恥じぬアベ様や、スガ殿・百田尚樹氏などのその酷い取巻き連中。何のためらいも無く、未だに「番犬様」に貢ぐ非道。
 その延長線上の今回の《圧力》、《証言封殺》。あまりに卑劣で、言葉がない…。
 琉球新報の記事【「震える少女」沖縄戦証言に圧力 見知らぬ男性、女性宅押しかけ非難】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1144981.html)によると、《沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として本紙に名乗り出た浦崎末子さん(82)の自宅を男性が訪ね、証言をとがめるような言葉を投げ掛けていたことが25日、関係者への取材でわかった。浦崎さんはこの一件以来、外部との接触を控えるようになったという。座間味村での「集団自決」(強制集団死)の証言者らにも同様の接触があったことも判明。沖縄戦の継承が課題になる中、証言を封殺する動きに識者は「証言者の萎縮、戦争の教訓継承の妨げになりかねない」と警鐘を鳴らしている》。

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」と。
 「戦争屋のアベ様」が政権を持っている社会では、愚者がヘイトをまき散らし、暴力で歴史を歪める。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
   『●「教育再生」という名の教育破壊…「子どもから変えていこう
                  という動きは実に悪賢い」(小澤俊夫さん)
    「教科書検定や「ト」な歴史教科書の採択強要 ハタやウタの強制
     道徳の教科化(文科省道徳教育教材『わたしたちの道徳』)、
     教育勅語の復活、古くは忠魂碑訴訟現代の教育破壊は着実に
     進む…。大変に憂慮すべき現状なニッポンの教育環境」
    「《戦争屋》のアベ様らには、侵略戦争への反省も無く、壊憲して再び
     「戦争のできる国」へ…、《自分たちの加害をはっきり残し
     『もう絶対にやらない世界に約束している》ドイツと彼我の差。
     そして今、「教育再生」という名の教育破壊が進む。札束で頬を
     打つように、最高学府の研究・教育にまで侵食」

   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                     「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1146207.html

<金口木舌>沖縄戦体験者への冒涜
2020年6月29日 06:00
震える少女 はだしのゲン 金口木舌

 小学生のころ、原子爆弾の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」(中沢啓治作)を読み、戦争の脅威を具体的に想像するようになった。絵の力は大きい。戦争に反対する主人公一家を非国民と迫害した軍国主義の恐ろしさも伝える

▼本紙も4月から、新報小中学生新聞りゅうPON!で「まんがで伝える沖縄戦」(絵・なかもとあやこ)を掲載している。このうち沖縄戦の映像で知られる「震える少女」も今月題材とした

▼「震える少女は私」と浦崎末子さん(82)が初めて報道されたのは昨年6月23日付の本紙。その後、男が浦崎さん宅を訪ね、証言への圧力ともいえる振る舞いを見せたことが分かった

語り始めた体験者はつらい記憶と癒えぬ痛みに向き合い、戦争の実相を後世に伝える。今回の出来事はその口をふさごうとする愚行であり、体験者や平和の礎に刻まれた人々への冒瀆(ぼうとく)

▼「はだしのゲン」を巡っては2013年、「史実の誤り」との陳情をきっかけに島根県松江市内の学校図書館から排除しようとする動きがあった。のちに反発を受けて撤回された。次世代の目や耳も標的となっている

▼ことしの慰霊の日の本紙には、家族10人を失い、孤児となった金城節子さん(83)の初証言が掲載された。「自分が死んだら、もう残せない。誰がなんと言っても平和が大事」。75年の時を要した体験者の思いである。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-1145409.html

<社説>沖縄戦証言に圧力 沈黙強いる行為許さず
2020年6月28日 06:01

 沖縄戦の体験を証言した人の自宅を訪ね、とがめるような言葉で詰め寄るなど圧力をかける事態が相次いでいる

 証言者を萎縮させ、結果として証言を封殺する動き戦争の教訓継承を妨げ、表現の自由を侵すものだ不当な圧力で沈黙を強いる社会は戦時体制に向かうかつての日本を想起させる。表現の自由を侵す行為は許されない

 沖縄戦の記録映像で映し出される「震える少女」として名乗り出た女性に対して、知らない男性が自宅を訪れ「どういうつもりか」と詰め寄った。座間味村での「集団自決」(強制集団死)について母親の手記をまとめた研究者は職場への嫌がらせの電話や自宅への訪問があった。「集団自決」の生存者は黒ずくめの男性2人が自宅を訪れ、「追い返したが、恐怖心が残った」と話す。

 体験者だけではなく、過去には「集団自決」を題材にした小学校での創作劇に対し、抗議や中止を求めるメールや電話が十数件寄せられた事例があった。

 言うまでもなく、憲法21条の保障する「表現の自由は民主主義の根幹を成す権利である。戦前の日本にこの権利はなかったといってよい。

 大日本帝国憲法は、表現の自由はあくまで「法律の範囲内において」と記され、さまざまな法で制限された。特に1925年に制定された治安維持法は法改正を繰り返し、対象を一般市民にまで広げ、思想・言論の弾圧に利用された。さらに国民全体が相互に監視し合い、ものが言えない社会をつくり出した。政府や軍部には、強まる戦時体制のなか、戦争遂行の妨げになるわずかな動きでも封じたいという思惑があった。

 民主政治は誰もが自由に政治的意見を述べることができて初めて成り立つ。日本国憲法で認められた表現の自由は、米国統治下の沖縄では長く許されなかった。表現の自由は沖縄の先人たちが体を張って獲得した重要な権利だ。

 資料が乏しい沖縄戦の実相を把握するために、体験者の証言は重要である。複数の証言を付き合わせることでより多角的になり、資料価値は高まる。

 体験者の証言は、大江・岩波訴訟の最高裁判決でも示された通り、オーラル・ヒストリー(口述証言)の資料価値は法廷で認められた。連綿と紡いできた沖縄戦の証言の蓄積がきちんと評価されている。

 他人の自宅を訪問してまで圧力をかけた人たちの目的は定かではない。戦争体験の記憶の継承を、敗戦の記憶を呼び覚まし国家をおとしめると考えているとすれば、主権者である国民を冒とくする行為である。戦争に突入した「いつか来た道」に通じる。

 だからこそ沖縄戦の記憶を風化させてはならない不当な圧力には毅然(きぜん)とした対応を取り、証言者の声に耳を傾け、歴史の教訓に学ばねばならない
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●「空疎で虚飾に満ち」た弔辞を代読する最低の官房長官に怒声…「翁長氏の遺志に応える唯一の道」とは?

2018年10月12日 00時00分21秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html)。
沖縄タイムスの赤嶺由紀子さんのコラム【[大弦小弦]隣に座った年配の男性は…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637)。
リテラの記事【翁長前知事県民葬に出席の菅官房長官に「嘘つき」の怒号殺到! 「2人でよく話した」と嘯く沖縄いじめ仕掛人の厚顔】(https://lite-ra.com/2018/10/post-4303.html)。

 《菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ空疎で虚飾に満ちていたからだ》。
 《身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった ▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った ▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー…」》。
 《「嘘つき!」「帰れ!」「いつまで沖縄に基地負担を押しつけるんだ!」「私たちの願いを聞いてください!」 参列者席から次々にあがる怒号──。》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>翁長さんを送って】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-816261.html)によると、《▼翁長雄志さんを送る日にふさわしい天気と言えばよいだろうか。県民葬はさわやかな晴天に恵まれた。「はいさい」という明るい声とあの笑顔が浮かんでくる。それぞれの場で県民は前知事を悼み、沖縄の将来像を思い描いたであろう ▼知事選後、沖縄いじめの雨あられがネット上で広がった。辺野古新基地に絡んだ突風が吹くかもしれぬ。それをしのぐ知恵を島人の歩みに求めたい。きっとあるはずだ》。
 《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》。

 日刊ゲンダイの記事【菅氏に「帰れ」のヤジ 翁長前知事の沖縄県民葬で会場騒然】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239194)によると、《「うそつき」「さっさと帰れ」「聞いていますか」――。ヤジは30秒間にわたって続いた…「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興発展に全力を尽くす」と安倍首相のメッセージを代読した菅官房長官に対し、列席者から罵声が浴びせられ、会場が一時、騒然となる場面があった。県民が怒るのも無理はない…情けないのは県民葬を欠席した安倍首相だ。本気で「県民の気持ちに寄り添う」のであれば、出席して自分の言葉で話すべきだろう。県民の怒りに触れるのを恐れて“逃亡”するとは情けない限りだ…菅氏に怒声が飛んだことについて「魂の叫びではないか。知事がなぜ命を縮めたのか、沖縄の県民はよく分かっている。安倍総理は来るべきだった」》。
 最低の官房長官やアベ様はこれまで沖縄で何をしてきたか!

 最低の官房長官に浴びせられる怒声、当然だ。
 《空疎で虚飾に満ち》たアベ様の追悼の辞を代読する最低の官房長官に怒声…《翁長氏の遺志に応える唯一の道》とは何か? 《本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ》。

   『●「政治の堕落」: 上から目線で「力のある者が、
      自分の意を通すだけの政治なら、民主制など空虚な看板」
    「上から目線で、「粛々」と、「力のある者が、自分の意を通すだけの
     政治なら、民主制など空虚な看板だ」。アベ様らは「空虚な看板」を
     たくさんお持ちだ」

   『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に
                 沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《安倍晋三首相が遺影に向かって追悼の辞を読み上げ、
     席に戻ろうとした時、会場から訴えるような女性の声が響いた
     「基地を造ったら沖縄が戦場になる」 大田さんが生前、
     いつも気にしていたことだった》

   『●「竹やりで…」「特攻艇・震洋」「人間機雷・伏龍」…
         「最も戦争に接近した八月」に「愚かな戦争に学ぶ」
    「青木理さんの言葉(【サンデーモーニング】、2017年9月3日)に全く同感
     …「日本がどう向き合うか。先の大戦で、ドイツは敗戦して分断された。
     ところが、アジアでは解放された朝鮮が分断された。プラス、日本は戦後、
     朝鮮戦争を梃子にして経済発展の土台を築いた。
     基地は沖縄に押し付けたんですよ。つまり、今のこの米朝の対立も分断も、
     日本は歴史的な責任からは逃れられない。歴史を考えた時に、
     北朝鮮と単に対峙しているだけではなくて、どう向き合うかというのは、
     自ずから明らかになってくる。むしろ、朝鮮半島が平和になるために日本は
     努力をしなくてはいけない、ということは忘れてはいけない」」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html

<社説>首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている
2018年10月10日 06:01

 菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ空疎で虚飾に満ちていたからだ

 菅官房長官は4年前、知事に就任した翁長氏との面談を4カ月も拒み続けた。沖縄の民意を一顧だにせず、米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設を名護市辺野古で強行する中心人物だ。

 新基地建設に反対する翁長氏は2015年4月、知事として初めて菅氏と会談した際「官房長官は『粛々』という言葉を何回も使う。埋め立て工事に関し問答無用という姿勢が感じられる。沖縄の自治は神話だ』と言った最高権力者キャラウェイ高等弁務官の姿と重なる」と苦言を呈している。

 1961年、琉球政府立法院議員だった平良幸市氏(後の知事)は米国施政下の理不尽な状況を踏まえ、沖縄を訪問した国会議員団に対し「何のかんばせ(顔)あって沖縄県民に相まみえんや、というお気持ちから(議員団は)おいでになるまいという声もあった」と不満を示した。

 住民の意思に反して基地を押し付けられている沖縄の立場は今も大して変わらない。高等弁務官が首相や官房長官に代わっただけだ

 菅氏の参列に「何のかんばせあって」という印象を持った県民も少なくないだろう。今や官房長官は沖縄への圧政を象徴する存在と言っていい。政権の高圧的な姿勢が翁長氏の健康を害する一因になった可能性も否定できない。

 追悼の辞で首相は、沖縄の過重な基地負担について「現状は到底是認できない」とした上で、「政府としてもできることは全て行う。目に見える形で実現するという方針の下、基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」と宣言した。

 「政府としてできることを全て行う」と言うのなら、なぜ、県知事選で明確になった新基地建設反対の民意を尊重しないのか

 追悼の辞では「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興、発展のために全力を尽くす」とも述べている。

 県は、仲井真弘多元知事による新基地建設予定地の埋め立て承認を8月31日に撤回した。これを受け安倍政権は法的対抗措置を取る構えを見せてきた。

 県民の大多数が反対する新基地を造ることが県民に寄り添うことなのか。読み上げた官房長官自身、矛盾を感じなかったのだろうか。

 首相は「翁長前知事の沖縄にかける思いをしっかり受け止めて沖縄の振興をさらに前に進めることを誓う」と言明している。

 本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ。それが翁長氏の遺志に応える唯一の道である。
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637

[大弦小弦]隣に座った年配の男性は…
2018年10月10日 07:52

 隣に座った年配の男性は頬をつたう涙をぬぐいもせず、祭壇を見つめていた。9日に行われた翁長雄志前知事の県民葬。身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった

▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った

▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)」。2015年、辺野古新基地建設阻止を訴える県民大会での言葉は、多くの人の心に刻まれているのではないか

▼政府が繰り返す負担軽減の言葉とは裏腹に、米軍絡みの事件・事故は絶えない。過重な負担を背負い、新しい基地まで押し付けられる不条理や本土の無理解を端的に表している。言葉だけの負担軽減はもはや「うそ」でしかないのだ

▼翁長氏は、基地問題を沖縄の歴史からひもとき、県民の苦悩、怒りを国内外に訴えてきた。複雑な県民感情を「魂の飢餓感」とも表現し、国と対峙(たいじ)した

▼翁長氏が残した言葉をたどる「『言葉』展」がタイムスギャラリーで始まった。座右の銘は「人生は重荷を負うて 遠き道をゆくが如し」。直筆の色紙や数々の言葉に触れるとき、沖縄の未来を考えずにはいられない。(赤嶺由紀子
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https://lite-ra.com/2018/10/post-4303.html

翁長前知事県民葬に出席の菅官房長官に「嘘つき」の怒号殺到! 「2人でよく話した」と嘯く沖縄いじめ仕掛人の厚顔
2018.10.09

     (生前の翁長氏(沖縄県オフィシャルサイトより))

 「嘘つき!」「帰れ!」「いつまで沖縄に基地負担を押しつけるんだ!」「私たちの願いを聞いてください!」

 参列者席から次々にあがる怒号──。本日、沖縄県那覇市でおこなわれた翁長雄志・前沖縄県知事の県民葬が執り行われたが、午前中に終了した日本・メコン地域諸国首脳会議の出席を理由に欠席した安倍首相の代理として菅義偉官房長官が追悼の辞を代読し終わると、一斉に批判の声が起こったのだ

 あまりにも当然の話だろう。辺野古新基地建設に反対する県民の意志を代表する翁長前知事に対し、安倍政権は「対話」の道を閉ざし、一方で強権的な姿勢で基地反対運動に参加する市民たちを暴力で排除したり、繰り返される在沖米軍による事故や事件にも政府として何一つ向き合わず沖縄をいじめぬいてきた。そんな安倍政権に、翁長前知事はまさに命を削って抵抗してきたのだから。

 しかも、菅官房長官といえば、先日おこなわれた沖縄県知事選において佐喜真淳候補の陣営を主導し、潤沢な選挙資金と組織力にものを言わせたすさまじい物量作戦を展開しただけでなく、街頭演説で「携帯電話料金の4割削減」などというデタラメな公約を打ち出し、騙りの選挙戦を繰り広げたばかりだ。

 まったく県民を馬鹿にするにもほどがある。携帯電話利用料の引き下げについて、総務省は県知事にも国にも権限はないと明言しており、選挙公約になど掲げられるものではけっしてない。実際、玉城デニー氏が当選を果たすや否や、菅官房長官は沖縄県に限らず全国的な課題と平然と述べた。ようするに、官房長官という立場を利用し、あたかも実現可能であるかのように語って、県民を騙そうとしたのである。

 そればかりか、玉城氏を誹謗中傷する大量のデマを喧伝した佐喜真陣営の戦略にも、菅官房長官が間接的にかかわっていた可能性さえある。

 というのも、県知事選では、佐喜真氏の選対に“沖縄ヘイト”を垂れ流してきたジャーナリスト・T氏が加わっているのではないかという疑惑が浮上。過去記事に詳しいが(https://lite-ra.com/2018/09/post-4241.html)、T氏は「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)などで翁長バッシングや反基地運動への偏見を植え付けるような記事を手がけてきたとされる人物なのだが、昨年3月、T氏が本名で出した沖縄をテーマにした本の帯には、菅官房長官のコメント(本文より)が写真入りで掲載されているのである。

 選挙を通じて県民を騙し、分断を図ろうとしてきた菅官房長官。そして、なによりも、沖縄にだけ負担を押し付ける政府を批判、抵抗してきた翁長前知事の声を無視しつづけたのも、菅官房長官だ

 2014年12月に知事に就任し、就任挨拶のため上京し永田町を回るも政権幹部は翁長知事と会おうとせず、菅官房長官は会見で「年内は会うつもりはない」と拒絶。翁長知事が再三求めてきた面談がおこなわれたのは、就任から約4カ月も経った2015年4月のことだった。

 にもかかわらず、菅官房長官は翁長知事の訃報に際して2人になると沖縄の発展について話し合いをよくしたなどと発言したのである。

 まったくどの口が言うか、と言わずにはいられないが、そもそも菅官房長官に沖縄を理解しようという姿勢はまったくない

 象徴的だったのが、2015年9月に沖縄県と政府の集中協議が決裂した際の、菅官房長官の発言だ。翁長前知事は、講演でこのように語っている。

   〈菅義偉官房長官は4月に最初に話してから沖縄の歴史を含め
    私が一番思いを話した方だが、集中協議の最後に私の話は
    通じませんかと聞いたら、「私は戦後生まれなので沖縄の歴史は
    なかなか分からないが、19年前の日米合同会議の
    辺野古が唯一というのが私の全てです」という話だった〉


■菅官房長官が翁長知事と沖縄県民に言い放った冷酷な言葉の数々

 沖縄の問題をぶつけても、「戦後生まれだから沖縄の歴史はわからない」で議論をシャットアウトする。これが政治家、しかも官房長官の態度なのかと憤りを覚えるが、この集中審議後の会見で菅官房長官は、翁長知事の「戦後の強制接収が普天間問題の原点」という主張に対し、こんなことを言い放っている。

   「賛同できない。戦後は日本全国、悲惨ななかでみなさんが
    大変ご苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げてきた」

 みんな苦労したのだから、沖縄だけ文句を言うな──。少しでも沖縄の歴史を知っていれば、とてもじゃないが口にできるはずがない言葉だ。しかし、菅官房長官は「戦後生まれだから」という理由で沖縄を知ろうしない。こんな人物が、どうして「辺野古は唯一の解決策」と言えるのだろうか。

 翁長知事は「戦後生まれだから沖縄の歴史はわからない」と菅官房長官に言われたあと、「お互い70年間も別々に生きてきたような感じがしますね」と話したという。翁長知事は、自分を無視しつづける菅官房長官に対し、こう話したこともあった。

   「沖縄は27年間、日本の独立とひきかえに米国の軍政下に差し出されて、
    その間、日本は高度経済成長を謳歌しました。官房長官と私は同じ
    法政大学ですが、私は22歳まで、パスポートを持って、ドルで送金を
    受けていました」
    (2015年4月5日におこなわれた菅官房長官との会談時の冒頭発言要旨)

 菅官房長官は法政大法学部を1973年に、翁長知事は同学部を1975年に卒業している。前日4日に両氏が出席した西普天間住宅地区の返還式で「お互い法政ですね」とひと言交わされていたというが、きっと菅官房長官は、同じ環境で学んでいた同窓生のそうした境遇に思いを馳せたことはないのだろう。無論、「これ以上、基地はいらない」と声を上げる県民の思いにも。


■菅官房長官が「辺野古実現すれば海兵隊がグアム移転」とまたデマ吹聴

 実際、菅官房長官は翁長氏が亡くなり、玉城新知事が就任してからも、テレビ番組で堂々と嘘をついて「辺野古ありき」を主張した。

 それは7日の『日曜討論』(NHK)でのこと。菅官房長官は辺野古「移設」が実現すれば「(沖縄の米海兵隊員)9000人がグアムをはじめ海外に出ていくことになっている」と発言したのである。

 だが、これはまったくの嘘だ。たしかに2006年の在日米軍再編計画では辺野古への「移設」と在沖海兵隊のグアム移転がリンクしていたが、2012年4月の日米合意では、辺野古「移設」とグアム移転は切り離して進めることになった辺野古に新基地が建設されることと9000人の削減はまったく関係ないのである。この嘘は何度も指摘されてきたが、菅官房長官は平気な顔をして、相も変わらずデマを吹聴しつづけているのである。

 翁長前知事は、前述した2015年4月におこなわれた会談において、「粛々」という言葉を繰り返し使う菅官房長官について対し、こう語った。

   「米軍の軍政下でキャラウェイ高等弁務官が『沖縄の自治は神話だ』
    と言いました。官房長官から『粛々』という言葉が何度も出てくると、
    キャラウェイ高等弁務官の姿と重なるような感じがします」

 菅官房長官の態度は沖縄の自治は神話だと言わんばかりの圧政ではないか。──この翁長前知事の言葉は、県民の思いとも重なるだろう。だが、「嘘つき!」「帰れ!」という罵声とともに響いた「私たちの願いを聞いてください!」という声も、菅官房長官は馬耳東風と聞き流したに違いない

(編集部)
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●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」

2018年07月23日 00時00分19秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



マガジン9の記事【こちら編集部/沖縄戦から戦争のリアルを知る~映画『沖縄スパイ戦史』イベントレポート~(中村)】(http://maga9.jp/180627-2/)。

 《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。

   『●城山三郎さん「戦争で得たものは憲法だけ」
        「平和の有難さは失ってみないとわからない」

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」
    「沖縄タイムスの西江昭吾記者によるコラム【[大弦小弦]都内であった
     試写会で、沖縄戦を描いた米映画「ハクソー・リッジ」を…】…。
      《▼映画には住民の姿は出てこない。だが実際には、国家の暴走で
     有無を言わさず戦争に巻き込まれ、命を落とした多数の無辜(むく)の民
     いる ▼旧日本軍は当時、全県民が兵隊になることを求めた
     まともな訓練さえ受けずに防衛召集で次々と戦場に駆り出された。
     犠牲者の総数は軍人を上回る。沖縄は本土決戦を遅らせるための
     「捨て石」だった》。」

   『●「平和に関してどうにも鈍いアンテナしか
      持ち合わせない大半の日本人に、沖縄の苦しみが響かない…」
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「戦争のためにカメラを回しません。
      戦争のためにペンを持ちません。戦争のために輪転機を回しません」
   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
         「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」
   『●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、
       城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」


 中山きくさんは《「戦争への罪悪感もなく、命の尊厳も理解できないまま、軍国主義教育の申し子らしく、なんのためらいもなく学徒動員に応じた」と記している…「戦争は体験してからでは遅い」》と。
 城山三郎さんも、「戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない」と。
 大田昌秀さんは、「軍隊は人を守らない」、そして、島袋文子さんは「基地を置くから戦争が起こる」と。

 三上智恵さんは、「沖縄戦みたいなことはもう起きないと考えている人はいると思う。でも、私たちはあれがもう一回起きると確信している。軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる。この映画を先島諸島の軍事要塞化を止められるタイミングでこの映画を出さなくてはという焦りがありました」と。
 「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」を、再び、現出させてしまっていいのか?

 後半のビデオでは、澤地久枝さんの力強いスピーチ。後半の部の司会は鈴木耕さん。全体の司会は大木晴子さん。

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http://maga9.jp/180627-2/

こちら編集部
沖縄戦から戦争のリアルを知る~映画『沖縄スパイ戦史』イベントレポート~(中村)
By マガジン9編集部  2018年6月27日

 マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開。公開に先立ち、6月3日に渋谷Loft9で公開記念トークイベントが開催されました。その様子をレポートで紹介します。

                   *

軍隊は住民を守らない

トークイベントは日曜日のお昼12時から。会場に到着すると、すでに客席はほぼ満員でした。若い人の姿もちらほらと見えます。最初に主催者の大木晴子さんが挨拶されると、第一部のトークとして、元陸自レンジャー隊員の井筒高雄さんのお話が始まりました。

ステージにあがったときに井筒さんが手にしていたのは、大きな日の丸の旗。実はこれ、レンジャー教育の試験に合格したときに、中隊長以下全員で寄せ書きをしたもの。もしレンジャー訓練中に死亡すれば、この旗が棺にかけられるのだそうです。ぎょっとするような生々しいエピソードから始めたのは、『沖縄スパイ戦史』で描かれている軍隊の考え方や戦争のシステムを伝えたかったから、と井筒さん。

PKOの役割や自衛隊任務の歴史的変化を示しながら、この25年の間で、私たちが気づかないうちに自衛隊は変貌し、どんどんと「戦争するための自衛隊」に向かっていると井筒さんは警告します。そして、トークのなかで何度も強調していたのが「もし戦争などが起きたときには、自衛隊は国民を守るものではない」ということ。「戦力にならない国民を守る余裕はない。それよりも基地や在日米軍を守る国体を守るのです」と井筒さん。

また、自衛隊法103条では、「自衛隊の任務遂行上必要があると認められる場合には」、土地や家屋の使用、物資の収容、業務従事命令を行うことができることになっており、徴兵制がなくても一般の市民が徴用される可能性があることも指摘していました。

こうしたことを踏まえて、いまの沖縄・南西諸島での陸上自衛隊配備の状況を見てみるとどうでしょうか。三上さんが連載コラムで伝え続けてきていることですが、こうした場所は戦争が起こったときには攻撃対象にされる場所になるはずです。そのとき、島の住民はどこに逃げることができるのでしょうか――この「住民を守らない」という言葉は、映画『沖縄スパイ戦史』を観ると一層重く響いてくると思います。

イベントでは、大矢英代監督による三線と沖縄民謡の披露もありました。現在31歳になる大矢監督は、大学院生時代に波照間島に一年間暮らしてドキュメンタリー映像を制作したそうです。その後、三上さんと同じ琉球朝日放送に就職。フリーランスになったタイミングで、今作の制作にかかわりました。なぜ大矢さんが沖縄に関心を持つようになったかについては、近日中にマガジン9でのインタビューを公開予定ですので、詳細はそちらでお伝えしたいと思います。


「戦争や軍隊の本質を伝えたい」

さて、トークの第二部は、コラム「言葉の海へ」を連載中の鈴木耕さんを進行役に、三上さん、大矢さん、井筒さんによるクロストーク。なんと作家の澤地久枝さんも、国会正門前での「アベ政治を許さない」を掲げるアクションから駆けつけてくださいました。

「なぜ今作では沖縄内部の葛藤に踏み込んだのか」という鈴木さんからの問いかけに「軍国主義に飲みこまれたときに、一人ひとりがどう行動できるのか、できないのか、どうして住民が加害者になったり、大事な人を守れなかったりするのか。そこがわからないと次の戦争を止められない」と三上さん。

戦争中に多くの住民が罹患した「戦争マラリア」について大矢さんは、「陸軍中野学校出身者の命令によって、波照間島の住民が当時マラリアが蔓延していた西表島に移住を強いられた。米軍ではなく、日本軍の命令によってあれだけの被害がでた。そこに軍隊の本質が見えるんじゃないかと思って取材をしました。苦しみを抱えて語りたがらない体験者に、頭を下げて話を聞きました」と話します。

そして、井筒さんからは「監督は沖縄戦から今を学ぶという意図で映画を作ったのだと思いますが、思いきりダイレクトに『いま』のことだという感想をもちました。戦争の構造、理屈、住民が精神的にもどう徴用されていくのかが集約されている。これは基地を抱える地域の人に観てほしい。それから国会議員にも観てほしい。戦争の仕組みや本質と向き合ってほしいと感じた」というコメントもありました。

「沖縄戦みたいなことはもう起きないと考えている人はいると思う。でも、私たちはあれがもう一回起きると確信している。軍隊は同じことをするし、住民も協力するし、軍隊は住民をまた殺すことになる。この映画を先島諸島の軍事要塞化を止められるタイミングでこの映画を出さなくてはという焦りがありました」(三上さん)

                  *

『沖縄スパイ戦史』は、7月21日より沖縄・桜坂劇場、7月28日より東京・ポレポレ東中野ほか、全国で順次公開予定です。試写でひと足早く本作を観ましたが、戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿を、観終わったあとも何度も自分に重ねながら思い出しました。つらい記憶を話してくれた人たちの、その言葉を聞いた責任を未来に向けてどう果たすことができるのでしょうか。

(中村)

『沖縄スパイ戦史』劇場予告編

https://youtu.be/Tsk9ggz-BoY


●こちらもあわせてご覧ください。
・イベント動画
(前半)

https://youtu.be/mpRHwJ-eJZs


(後半)

https://youtu.be/rH8h0PtbWBM


・連載コラム「言葉の海へ」
第32回:『沖縄スパイ戦史』、すごい映画を観た!(鈴木耕)
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●中山きくさん「戦争は体験してからでは遅い」、城山三郎さん「平和の有難さは失ってみないとわからない」

2018年07月21日 00時00分56秒 | Weblog

[※ 『沖縄スパイ戦史』(三上智恵大矢英代共同監督) (LOFT)↑]



琉球新報のコラム【金口木舌>浦添市内外の小中高生で構成する…】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-744608.html)。

 《▼きょう23日は慰霊の日。戦没者を追悼するとともに、平和への誓いを新たにしたい。「戦争は体験してからでは遅い」。中山さんの言葉が重く突き刺さる》。

   『『城山三郎の昭和』読了(1/3)
   『●『城山三郎の昭和』読了(2/3)
   『●『城山三郎の昭和』読了(3/3)
   『●城山三郎さん「戦争で得たものは憲法だけ」
        「平和の有難さは失ってみないとわからない」

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」
    「沖縄タイムスの西江昭吾記者によるコラム【[大弦小弦]都内であった
     試写会で、沖縄戦を描いた米映画「ハクソー・リッジ」を…】…。
      《▼映画には住民の姿は出てこない。だが実際には、国家の暴走で
     有無を言わさず戦争に巻き込まれ、命を落とした多数の無辜(むく)の民
     いる ▼旧日本軍は当時、全県民が兵隊になることを求めた
     まともな訓練さえ受けずに防衛召集で次々と戦場に駆り出された。
     犠牲者の総数は軍人を上回る。沖縄は本土決戦を遅らせるための
     「捨て石」だった》。」

   『●「平和に関してどうにも鈍いアンテナしか
      持ち合わせない大半の日本人に、沖縄の苦しみが響かない…」
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督):
         「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」

 《不戦を誇る国であれ》と願う。《「安倍一強政権」がやりたい放題》で、次は、壊憲したいという。沖縄では、相変わらず、高江を破壊し、さらには、辺野古破壊や嘉手納基地での問題など、「負担軽減」の「フ」の字も、「ケ」の字も無い。昨年の「慰霊の日」の沖縄訪問での、沖縄県民の皆さんのアベ様へのあの冷たい視線。

 本コラムで、中山きくさんは《「戦争への罪悪感もなく、命の尊厳も理解できないまま、軍国主義教育の申し子らしく、なんのためらいもなく学徒動員に応じた」と記している…「戦争は体験してからでは遅い」》と。
 城山三郎さんも「戦争待望論を唱える若い文士がいると聞いて、鳥肌の立つ思いがする。平和の有難さは失ってみないとわからない」と。

 沖縄タイムスの【社説[全戦没者追悼式]この訴え 届け全国に】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/272060)によると、《平和祈念公園に建つ「平和の礎」にも、家族連れが次々と訪れた。沖縄戦で亡くなった24万余の人々の名が刻まれる刻銘碑》。

 また、琉球新報の【<社説>「沖縄のこころ」 基地なき島の実現誓おう】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-745141.html)によると、《戦後73年の沖縄全戦没者追悼式の平和宣言で、翁長雄志知事は昨年に続いて「沖縄のこころ」という言葉を口にした。それは悲惨な戦争の体験から戦争の愚かさ、命の大切さという教訓を学び、平和を希求する県民の思いのことだ》

 大田昌秀さんは、「軍隊は人を守らない」と。そして、島袋文子さんも「基地を置くから戦争が起こる」と。

   『●『銃を持つ権利は子どもが生きる権利より重い』?
       普天間で起きている、辺野古で起きようとしていること

 「森」を殺し、「美ら海」を殺し、基地から出撃する番犬様は「人」を…。アベ様らは、番犬様らと日米共犯で、一体何をやっているのか?
 東京新聞の社説【沖縄と米朝会談 負担軽減につなげたい】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018062602000166.html)によると、《東アジアの情勢変化にもかかわらず、なぜ二十年以上前の新基地建設計画に固執するのか。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への「県内移設」は強行せず、計画を見直すべきだ。太平洋戦争末期、住民を巻き込んだ凄惨(せいさん)な地上戦の舞台となり、当時、県民の四人に一人が犠牲になった沖縄県。旧日本軍の組織的な戦闘が終結したとされる「慰霊の日」の二十三日、沖縄全戦没者追悼式が沖縄県糸満市で開かれた。翁長雄志県知事は平和宣言で、普天間飛行場の辺野古移設について「まったく容認できない。『辺野古に新基地を造らせない』という私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはない」と強調した。翁長氏の平和宣言での辺野古移設反対表明は二〇一四年十二月の就任以来四年連続だが、今年、特筆すべきは今月十二日の米朝首脳会談に言及したことだろう…政府は八月中旬に辺野古海域への土砂投入を始めるという。原状回復が難しい段階まで工事を進め既成事実化する狙いなのだろう。しかし、県民の民意を無視して工事を強行すべきではない。政府は辺野古移設を唯一の解決策とする頑(かたく)なな態度を改め、代替案を模索すべきだ。それが県民の信頼を回復する「唯一の道」である》。

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-744608.html

<金口木舌>浦添市内外の小中高生で構成する…
2018年6月23日 06:00
浦添ゆいゆいキッズシアター ひめゆりの塔 中山きく 沖縄戦 金口木舌

 浦添市内外の小中高生で構成する浦添ゆいゆいキッズシアター。今年は初めて慰霊の日にミュージカル「Peaceful~君とつなげる虹 色~」を浦添市てだこホールで上演する

▼平和学習に集まった子どもたちが沖縄戦を追体験していく物語。出演者は本番に向け、ひめゆりの塔を訪れるなどして沖縄戦と向き合った。「その場にもし自分がいたら、どう感じてどう行動したのか」。主役の一人、喜久川玲央さんは自問自答を繰り返した

▼学徒たちの証言をまとめた「沖縄戦の全女子学徒隊」。元白梅学徒隊の中山きくさんは「戦争への罪悪感もなく命の尊厳も理解できないまま軍国主義教育の申し子らしく、なんのためらいもなく学徒動員に応じた」と記している

教育によって戦争をいとわない愛国心を植え付けられた少女たちを待っていたのは、敵軍の砲弾や火炎放射器などだけではなかった。動けなくなった日本兵を味方が青酸カリなどで殺害する地獄だった

▼歴史的な米朝首脳会談が実現した。拉致問題や完全な非核化など解決しなければならない課題は多い。だが、戦争という最悪のシナリオを避けようという認識で一致したのは大きい

▼きょう23日は慰霊の日。戦没者を追悼するとともに、平和への誓いを新たにしたい。「戦争は体験してからでは遅い」。中山さんの言葉が重く突き刺さる。
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●「これから気を付けます」「私が決めることではないので、お待ちしております」…証人喚問への招待状を!

2018年06月30日 00時00分36秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



リテラの記事【加計学園が報ステ記者を会見から締め出し! 安倍政権とそっくりのやり口・火事場泥棒会見はすべて加計理事長の意向】(http://lite-ra.com/2018/06/post-4080.html)。

 《しかも、加計学園はさらに卑怯な手に出ていたことも判明。なんと、地元の記者クラブ加盟社しか会見場に入れず、集まったそのほかの記者たちを“門前払い”していたのだ》。

   『●偶然は通用しない、アベ様のオトモダチ獣医学部開設…
      前川喜平さん「規制緩和ではない。特権の付与です」
   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理は
      カルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》
   『●タンカ記念日と15年「「獣医学部いいね」と
       安倍さんが言ったから、2月25日は加計記念日」で滅公奉僕

   『●《愛僕者》アベ様のオトモダチの取巻きが滅私奉「僕」の《詐欺》を公言
                   …県・今治市は返金を要望すべきだ

    「(かなりの確度で)この虚偽情報がウソで、実際には面会していたら…
     どうなんの? どう責任をとるの?」

   『●「九十八日間もの臨時会の先延ばしこそ
      「加計隠し」だった」?(桐山桂一)…壮大な《もはやカルト》状態

   『●やっぱりネ、加計サイドの《面会はウソ》はウソだった…
            加計理事長や官邸の嘘つき達はどう落とし前を?
   『●加計孝太郎氏「記憶にも記録にもない」と言われてもねぇ
             …2015年2月25日《面会はウソ》はウソです


 アノいい加減な会見モドキを開くことで、“ぼくたちの友情は潔白”は証明されたのでしょうか? …ズブズブでダークなオトモダチとの友情を糊塗できたでしょうか?

   『●「“ぼくたちの友情は潔白”などとよくもまあ言えたものだ」…
                    ズブズブでダークなオトモダチとの友情

 日刊スポーツの記事【加計理事長、国会招致問われ「お待ちしております」】(https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201806190000426.html)によると、《加計理事長は、国会への招致の可能性について問われると「私が決めることではないので、お待ちしております」と答えた。愛媛県に今後、謝罪に行く可能性はあるか? と聞かれると「謝罪に行くことが許されたら参りたい」と、中村時広知事との面会、謝罪の可能性については否定しなかった》。
 国会はまだ招待状を送って無いのでしょうか? 各委員会の委員長は一体何をやっているのか? さっさと証人喚問すべき。国会も延長したことですしね。


 琉球新報の【<社説>加計理事長会見 国会に証人喚問すべきだ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-742936.html)によると、《加計理事長は首相との面会を否定したが、証拠はどこにもない。県文書には他にも、首相の名前が登場する。到底、説明責任を果たしているとは言えない。真相を明らかにするために加計理事長を国会に証人喚問すべき…この説明に納得する国民はいないだろう。前文部科学事務次官の前川喜平氏は「うそにうそを塗り固めた上に、さらにうその上塗りをした」と批判した。部下に責任を押し付けるやり方は「森友学園」を巡る決裁文書の改ざんに対する麻生太郎財務相対応に酷似している》。
 前川喜平さんは「うそにうそを塗り固めた上に、さらにうその上塗りをした」と批判…全く同感。それにしても酷い内閣、自公政権。

   『●《愛僕者》らの暴走と無責任さを放置して平気?
      野党の批判の前に、《愛僕者》や与党・癒党の批判を

   『●タンカ記念日と15年「「獣医学部いいね」と安倍さんが言ったから、
                        2月25日は加計記念日」で滅公奉僕

   『●《もはやカルトだ》…《もはやこの国の総理は
       カルト教団の教祖のような絶対的存在となっているらしい》
   『●「今の政治家は、戦後アメリカが利用するために
        地位を残した人間の子孫で、アメリカにへつらうのが家業」
   『●斎藤美奈子さん「最低限の了解事項や整合性を放棄
          …液状化…国ごと底なし沼に沈んでいくような気分。」

   『●《もはやカルト》な教祖様や取り巻き連中が取りまとめる
             「働かせ方壊悪」法案という「残業代ゼロ法案」

   『●実は「パンを食べた」もウソで、ご飯粒が口の周りについている…
                      「れっきとした国民様」は御見通しかな?

   『●「どうして、ご飯食べたなんてウソつくの?」
       「これからしっかり食べます」と切り返す様な醜悪な「討論」

   『●《愛僕者》アベ様のオトモダチの取巻きが滅私奉「僕」の《詐欺》を公言
                           …県・今治市は返金を要望すべきだ

   『●内閣から独立した機関と憲法で定められている 
        会計検査院の報告書に介入…「総額を消してもらおう」!
   『●「超セレブ」財務相「閣僚給与12カ月分の170万円の返納など
                      はした金…飲み代「2回分」でしかない」

   『●「何十年と付き合っていますけど、
      総理は嘘をつくような人じゃない…」(山本一太氏)…《もはやカルト》
   『●高度プロフェッショナル制度導入の 
      社会的事実「立法事実」を支えるのは…たった1人の調査対象者の声!?
   『●行政府の長の滅茶苦茶話法が取巻き連中や官僚に波及
            …《言葉がまともに通用しない政治が、国民に…》

 沖縄タイムスの【社説[加計理事長会見]納得できず 喚問不可欠】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/270685)も、《加計氏の否定は「物証」に基づく反証でなく記憶や記録がないというだけだ。どれだけの人が納得するだろうか。加計学園の学部新設計画を知ったのは17年1月だと答弁している安倍首相に合わせるためではないのか。首相面会を捏造(ねつぞう)していたのなら重大な問題だ》。
 東京新聞の記事【愛媛知事「謝罪より説明責任」 加計氏に求める】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201806/CK2018062102000140.html)によると、《中村時広知事は…加計孝太郎理事長が、獣医学部新設を巡る県文書に記載された安倍晋三首相との面会を否定したことについて「記憶の中での話なので、それを明確にする何かがあった方がいいのではないか」と述べ、事実を裏付ける証拠を求めた》。

 「うそにうそを塗り固めた上に、さらにうその上塗りをした」わけで、結論は出ている話。「腹心の友加計孝太郎氏に「記憶にも記録にもない」と言われても、2015年2月25日《面会はウソ》はウソですものねぇ。《面会はウソ》の証拠を出せ、と言われても困っておしまいでしょう、きっと。

 最後に、日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/安倍晋三、もはや「現代の皇帝」だ】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806210000213.html)によると、《★官邸機能の強化というより、情報と権限の一元化を図り、国民の「強い指導者」を求める声を背景に主要閣僚の固定化、内閣人事局の歪曲運用などを駆使公文書書き換えなど行政の中立性をゆがめ、また責任者が責任を問われないなど、国民が不審に思っても実態を優先させて乗り切ることで、三権分立の恣意的崩壊を助長させている。今日の状況は独裁政治を行使する皇帝といっても構わないのではないか》。
 いつまでこんなことが続くのでしょうねぇ? 与党・自公や癒党・お維に投票している皆さん、選挙に行きもせず、政治に無関心な眠り猫の皆さんが、ニッポンの独裁政治を完成へと着々と。「裸の王様」アベ様の耳、取巻き連中の耳は、馬さんや鹿さん、ロバ耳東風…下々の声など聴く耳無し。やりたい放題だ、

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http://lite-ra.com/2018/06/post-4080.html

加計学園が報ステ記者を会見から締め出し! 安倍政権とそっくりのやり口・火事場泥棒会見はすべて加計理事長の意向
2018.06.20

     (加計学園HPより)

 日本大学を上回る、史上最悪のゲス会見──。昨日、急遽おこなわれた学校法人加計学園・加計孝太郎理事長による問題発覚後初の会見が大炎上している。当然だろう。本サイトが昨日報じたように、加計学園はメディアの追及を最小限にするため、大阪北部地震が起きた翌日とサッカーW杯日本初戦というタイミングを“わざと狙って会見をぶつけるという姑息かつ卑劣な所業をしでかしたのだから。

 しかも、加計学園はさらに卑怯な手に出ていたことも判明。なんと、地元の記者クラブ加盟社しか会見場に入れず、集まったそのほかの記者たちを“門前払い”していたのだ。

 加計学園が昨日11時に会見を開くことを発表したのは、同日午前9時のこと。岡山に本社や支局がある報道機関で構成されている岡山交通・大学記者クラブに案内したものだった。しかし、そんな時間に急に会見が開かれることがわかっても、東京のメディアは11時に会見場である岡山市内の加計学園本部へ辿り着くことはできない。さらに在阪メディアは、一昨日発生した大阪北部を震源とする地震の報道でてんやわんやの状態で、記者を急遽派遣する体制が整っていないのは明らかだった。つまり、加計学園は震災で混乱するメディアの態勢と、テレビがW杯報道一色になることを見越して、取材陣が大して集まらない昨日という日に、急に会見を開いたのである。これこそまさに「火事場泥棒」ではないか。

 しかし、加計学園がそんな汚い手段に出たなか、メディアも必死で食らいついた。実際、11時前に大手メディアの取材陣が加計学園本部前に辿り着いたが、ここで加計学園側は地元記者クラブ加盟社の記者しか入場を認めなかったのだ。

 岡山の地元記者クラブしか会見の取材はさせない──。地元のみとなればメディアはかなり限定される上、記者クラブという制度は例外なく癒着の温床でしかない。現に、今回の会見の幹事社は山陽新聞社だったが、山陽新聞社の越宗孝昌会長は加計学園の理事も務める人物。しかも、2012年3月には山陽新聞社と加計学園は包括連携協定を締結し、2009年には加計理事長が同社の第67回山陽新聞賞(教育功労)を受賞している。会見の幹事社は加計学園とズブズブの関係だったのだ。

 その一方、加計会見の門前払いを喰らったメディアのひとつが、テレビ朝日の『報道ステーション』取材班だった。『報ステ』は加計学園が会見を開くことをキャッチすると、大阪北部地震の取材に当たっていた記者を急遽、岡山市に派遣。11時前に加計学園本部に到着したが、中に通してもらえなかったという。

 昨日の放送ではそうした門の前での押し問答の様子も流したのだが、加計学園側の対応は噴飯ものだった。

 『報ステ』スタッフは門の前で記者の排除に当たっていた加計学園関係者に「どういう選別をされていらっしゃるんですか?」と尋ねるが、加計学園関係者は「先程ね、説明に来たんですよ」と言うばかり。そして、大阪から駆け付けた別の記者に「いま説明に来ましたよね?」と話を振ると、その記者は「来てないじゃないですか」と静かな怒りを含ませた声で反論。加計側はここでも嘘の説明でごまかそうとしていたのだ。そのうち、「報道対応の責任者」という人物が説明のために門の前へやってきた。この人物は加計学園の皆木英也相談役というが、氏は〈岡山東警察署長をはじめ、岡山県警の要職を歴任〉した人物だ(岡山商科大学学報より)。


■ゲスすぎる会見日程も、記者締め出しも、質問打切りも、すべて加計理事長の判断

 この皆木相談役は、「全国にフリーにした場合に、どれだけの記者の方が来るかわからんから」などと記者排除の理由を述べたが、今回の会見は「担当者が獣医学部新設のために、安倍首相の名前をもち出して嘘をついたことを認める」というとんでもない話だ。その上、加計学園は実際に獣医学部新設に漕ぎ着け、血税が注がれた巨額の補助金までせしめている。その説明をするというのなら、大きな会場を準備して全国の記者に門戸を開くのは当然のこと。それだけの責任が加計学園にはあるのに、「どれだけ記者が来るかわからんから」などというのは何の言い訳にもならない。

 だが、こうした無責任さは、すべて加計理事長の方針なのだ。というのも、皆木相談役は、『報ステ』スタッフから「地元のメディアのみを中に入れるというのは理事長の意向なんですか?」と問われると、さも当然であるかのように、滔々とこう話しはじめたからだ。

   「そりゃあもう、トップの判断。私が何か報道担当だからこうしろああしろ
    じゃなしに、方針については全部、理事長の判断をもらって、
    この学園としての意思としてやらせてもらっています」

 さらに、「こういう会見のかたちは理事長が判断されるんですか?」という質問にも、皆木相談役はこのように胸を張って答えた。

   「そりゃそうです。うちは法人ですから、それだけ権限を下に下ろして
    おりません。すべて、こういう大きな重要なことは、すべて理事長判断を
    いただいております」

 法人だからすべての権限は理事長にある──って、何を得意気に語っているのだろう。学校法人は社会からの信頼や公益性を備えていなければならず、そのためには自律的かつ透明性の高いガバナンスが担保されなければならない。なのに「法人だからトップダウンは当たり前」とは、加計学園ではガバナンス機能が働いていないと認めているようなものではないか。加計学園はこんなことを相談役が平然と言ってしまうほど、加計理事長に権力が集中しており、すべては加計理事長の指示のもとで動いている、ということなのだ。

 そして、地震の混乱とサッカーW杯を利用したゲスの極みである会見の実施や、自分への追及を最小限に抑えるためのメディアの排除、たったの25分で会見を打ち切るという暴挙、これらすべてが加計理事長の「判断」だったのだ。

 しかも、その会見で加計理事長が口にしたのは、腹心の友である誰かさんと同じで、部下に詰め腹を切らせて自己保身に走るというものだった。


■“ゲス友”安倍首相とそっくり! 辻褄の合わない嘘を言い張り、部下に責任押し付け

 たとえば、安倍首相が「獣医大学いいね」と言ったという面談の事実について、記者から「渡邉(良人)事務局長が勝手に(嘘をつくことを)やったという認識か」と尋ねられると、加計理事長はこともなげに「はい、そうです」と返答。その根拠を問われると、「根拠は、とにかく記憶にないし記録にない」と自信満々に答えた。記憶にも記録にもないことが根拠になり得るというのである。まったく安倍首相と瓜二つではないか。

 だが、加計理事長や安倍首相とは違い、れっきとした「記録」として残されている愛媛県文書には、ふたりが面談をおこなっていなければ辻褄が合わない記述が複数にわたって存在している。これにふたりがまともに反証できていないことからも、加計理事長と安倍首相が嘘をついていることは誰の目にもあきらかなのだ。

 その上、加計理事長は会見で、「何十年来の友だちなので、仕事のことは話すのはやめようというスタンスでやっている」だと述べたが、そんな馬鹿な話があるはずがない。だいたい、仕事の話をしていないのだとすれば、なぜ安倍首相は千葉科学大学開学10周年や加計学園創立50周年の記念式典にわざわざ駆け付け、祝辞まで述べたというのか。しかも、加計理事長は安倍首相の別荘で開かれたバーベキューに獣医学部新設の事務担当者であった渡邉事務局長を同伴し、柳瀬唯夫首相秘書官(当時)に挨拶までさせているのだ。

 さらに会見では、加計理事長は何を血迷ったのか、「加計学園の職員が官邸に行ったり総理の周りの人に会ったことはまったくない?」という質問に、「ないです」とはっきり答えた。柳瀬元首相秘書官は国会で「加計学園やその関係者の方とお会いした記憶はあると、そこは一貫している」と答弁しているにもかかわらず、である。嘘に嘘を重ねた結果、またもさらなる矛盾を生んでしまったのだ。

 火事場泥棒さながらに会見を開き、部下に責任を押し付けて堂々と嘘をつきつづける──。しかし、この加計理事長の卑劣な判断は、功を奏したと言えるだろう。実際、この会見を大きく報じた番組は『報ステ』とTBSの『NEWS23』くらいで、それも日大アメフト部問題の会見とはくらべものにならない程度のもの。今朝以降のニュース番組もワイドショーも、W杯の話題ばかりだ。

 加計理事長は、記者からの「国会からの招致の要請があればどうするか」という質問に対し、「私が決めることではない」と言いつつ、余裕綽々な様子でお待ちしています」と答えた。安倍首相の権力を笠に着て絶対に招致されないと高を括っているのだろう。だが、加計理事長が事実と認めている「担当者の嘘」によって、獣医学部は新設され巨額の補助金が交付されていることを考えれば、会見で十分な説明がなされたとはまったく言えない。今度はしっかり国民に説明すべく、国会に招致し、あのゲスっぷりを再現していただくほかない

(編集部)
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●「超セレブ」財務相「閣僚給与12カ月分の170万円の返納などはした金…飲み代「2回分」でしかない」

2018年06月17日 00時00分30秒 | Weblog

[※ 東京新聞 「森友学園への国有地売却を巡る文書改ざん問題の経緯」↑]



東京新聞の金杉貴雄記者の記事【麻生氏温存に首相固執 昭恵氏問題、負い目】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201806/CK2018060502000131.html)。
ニッカンスポーツのコラム【政界地獄耳/改ざん行為立件もできず】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806060000154.html)。
日刊ゲンダイの記事【安倍政権の“汚れたカネ”を読み解く/飲み代2回分…麻生財務相が返納する「給与170万円」の価値】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230674)。


 《安倍晋三首相は四日、麻生太郎財務相続投させる考えを表明した。前代未聞の不祥事を起こした財務省トップの責任を不問にするのはなぜか。国民の信頼回復より政権内の事情を優先する体質が透けて見える》。
 《とはいえ、いまだにすべての資料を出したわけではないのは、その契機となった首相が「一点の曇りもない」とひとごとのごとく、知らん顔で居座っているからだ。 ★一方、その捜査を続けていた大阪地検特捜部は…公文書を改ざんするという行為の立件すらできなかった大阪地検特捜部は、なぜそれができなかったのか。巨悪はこれからもおおいびきだ
 《昨年11月の内閣改造時で、家族分を含む総資産約5億2300万円を誇る“超セレブの麻生大臣にとって、閣僚給与12カ月分の170万円の返納などはした金。足しげく通う高級サロンでの飲み代「2回分でしかないのだ》。

 《もはやカルトだ》…《カルト教団の教祖のような絶対的存在》とウルトラ差別主義者醜いタッグ。《首相が麻生氏を更迭しない》情けない三つの理由。
 カルト教団教祖が行政に加えて、立法どころか司法まで支配している三権分立の破壊状況。民主主義なき独裁。

 東京新聞の記事【森友文書 廃棄、首相答弁が契機 佐川氏停職、20人処分】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201806/CK2018060502000138.html)によると、《首相夫人の安倍昭恵氏らの名前を削除するなど改ざんした理由については、国会での追及を免れるためと総括。現場職員の反対を抑え込むなど、暴走ぶりが浮き彫りになった…記者会見した麻生太郎財務相は「深くおわび申し上げる」と謝罪しつつも、「進退は考えていない」と続投を表明。安倍晋三首相も同日「麻生氏には再発防止策の先頭に立ってほしい」と続投を認める考えを示した…処分内容では、麻生氏が閣僚給与一年分(議員報酬への上乗せ分)を自主返納するが減給額は百七十万円にとどまる。既に退職している佐川氏は停職三カ月相当で、退職金四千九百九十九万円のうち、五百十三万円を差し引く》…。
 同じく、【財務省の処分 佐川氏独断の不可解】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018060502000148.html)によると、《森友文書改ざん問題で財務省が公表した調査報告や処分は耳を疑う。国会や国民を欺き、民主主義の根幹を揺るがす行為を一部官僚の主導と矮小化して幕引きを図る。どこまで国民を愚弄するのか》。
 コレを組織的とい言わないのなら、何が「組織的」なのか?

 AERAの記事【政治家の言葉はどうして“劣化”した? きっかけはあの首相】(https://dot.asahi.com/aera/2018060500058.html)によると、《森友学園問題での「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員もやめる」が代表的だが、安倍首相の答弁は間違いなく」「必ず」「一度もなど過度の強調や断定が多い。「逃げ道」がなくなった側近や官僚たちは、結果的にウソの答弁を強いられ、どんどん袋小路に追い込まれていく。元凶は安倍首相の発言だが、本人がそれに気づいている節はない》。
 《もはやカルト》…カルト教団教祖の御宣託に翻弄される取巻きや官僚。

 アクセスジャーナルの記事【「読売」社内から本紙に告発ーー「紙面批評」に見る、「読売」のもはや報道機関とはいえない状況】(http://www.accessjournal.jp/modules/weblog/details.php?blog_id=8576)によると、《■(17年)2月24日 読売が社会面で森友問題を取り上げたのはこの日が初めて。遅すぎるのにタイムリーだったと評価。社会面掲載は朝日の2週間遅れ。読売は全国版ではそれまで政治面で短く扱っただけで、読者センターにはこの時期、「なぜ読売は森友問題を報じないのか!?」との問い合わせが多数寄せられていた。24日の衆院予算委で安倍首相が答弁することになり、やむなく、ギリギリのタイミングで当日に社会面掲載した》。
 アベ様広報紙や広報誌による「報道」にも問題。《もはや報道機関とはいえないアベ様「下足番」紙

   『●「裸の王様」および「最低の官房長官」の
        「下足番」新聞=読売新聞…落ちぶれたものだ
   『●「紙面や番組ではっきりと「嘘つき」…「最悪の返答」
         と批判を浴びせ」る矜持もなく…民主主義の危機

   『●「加計学園獣医学部学生募集のでっかい」広告… 
        下足番新聞、「ただ単に金に目がくらんだ」だけじゃない?


 東京新聞のコラム【筆洗】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018060502000139.html)によると、《ある藩の幹部が冷酷苛烈な政治を行った。領民を苦しめ、藩内の反対勢力には刃(やいば)を向けた。が、その職を降りたとき、男は自分を死罪にせよと求めた。山本周五郎の短編『晩秋』である▼男が専横な政治を行ったのは藩の基礎を急いで確立するためであった。それならば罪にならぬと諫(いさ)める者に対して、男は否定するどんな理由があろうと、「政治の過誤がゆるされる道理はないのだ」。藩のためでも間違ったことは間違っている漫画ファンで新聞さえお読みにならないと聞いたが、麻生太郎財務相にぜひとも、この短編で、身の処し方を考えていただきたいものである》。
 ウルトラ差別主義者や行政府の長らは、聞く耳持たずの馬さんや鹿さんであり、ロバ耳東風。

   『●「新聞をお読みにはならない」財務相: 切り離し不可の「頭」…
                     「責任」なんて言葉はそのオツムには無し

 東京新聞の記事【首相、公文書改ざん防止策指示 森友踏まえ閣僚会議】(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018060501001641.html)によると、《首相は「反省すべきは真摯に反省し、公文書管理の適正を確保するため、必要な見直しを政府を挙げて徹底して実施する」と強調》したそうだ。
 泥縄、泥棒に防犯対策を考えさせる滅茶苦茶…クダラな過ぎる。独立した真の意味での第三者委員会に調査させるべき。

   『●泥棒に縄をなわせる…その縄で財務相やアベ様を縛る訳がない!
                       《与党の関与なき公正な委員会》が必要

 《3年間で計22回、総額1805万5000円も計上》《“愛人のクラブ”に745万6150円もの巨額支出》…《素淮会》…政治資金がダークに支出。《責任の取り方を閣僚給与の自主返納にとどめた麻生財務相に疑問》…「超セレブ」な財務相、《閣僚給与12カ月分の170万円の返納などはした金…飲み代「2回分」でしかない》。

   『●「S」で「D」なアベ様と麻生副首相は「政治資金」で 
       夜な夜な一体何をしているのか? それでも支持??
   『●「襟を正す気など」全く無し…「安倍政権の『金満ぶり』」 
             「もはや『ぼろ儲け内閣』と呼ぶべきでは」?
   『●アベ様や吸「血税」氏の「品性」の無さ:  
       政治資金や税金で夜な夜な何をやっているのか?
   『●石破茂氏「日本への核拡散」発言と 
     山尾氏「私事」による離党の事の軽重…マスコミはわきまえているか?
   『●「今年も…麻生財相は“愛人のクラブ”に 
      745万6150円もの巨額支出」…飯塚の支持者の皆様、正気?
    《安倍首相の資金管理団体「晋和会」の報告書によると、…。
     麻生副総理の資金監理団体「素淮会」の収支報告書によると…》

   『●斎藤貴男さん「家柄だけのボンボン爺さんの
       チョイ悪ぶりっ子ほどみっともないものはない。恥を知ろう…」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201806/CK2018060502000131.html

麻生氏温存に首相固執 昭恵氏問題、負い目
2018年6月5日 朝刊



(「森友学園への国有地売却を巡る文書改ざん問題の経緯」
 [http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201806/images/PK2018060502100050_size0.jpg])

 安倍晋三首相は四日、麻生太郎財務相続投させる考えを表明した。前代未聞の不祥事を起こした財務省トップの責任を不問にするのはなぜか。国民の信頼回復より政権内の事情を優先する体質が透けて見える。 (金杉貴雄

 首相は四日、官邸で記者団に「二度とこうしたことを起こさないように、再発防止策を講じていく。麻生副総理にはその先頭に立って責任を果たしてもらいたい」と強調した。首相は発言後、その場を歩き去ろうとしたが、記者から「政治責任はどこにあるのか」と問われると突然、きびすを返し「政治責任とはこうしたことが二度と起こらないよう対策を講じていくことだ」と同じ発言を繰り返した。

 首相が麻生氏を更迭しない理由の一つは負い目だ。妻昭恵氏と森友学園との関係が、財務省の決裁文書改ざんに影響し、国会でも野党から追及される要因だからだ。政府関係者は「首相は『自分や妻が関係していたら首相も議員も辞める』と国会で言ったことが改ざんの原因と分かっているので、麻生氏や財務省に申し訳ないと思っている」と語った。

 二つ目は、麻生氏が辞任すれば、首相への批判が強まるとの判断がある。首相側近は「むしろ麻生氏がいる方が、『麻生氏だって辞めていない』と首相への批判をかわせる」と指摘する。

 三つ目は、麻生氏が政権継続に不可欠な存在だからだ。麻生氏は菅義偉官房長官とともに第二次内閣発足から政権を支える「骨格」。閣内を去れば「政権が不安定化する」との懸念が強い。九月の党総裁選での三選をにらみ、麻生氏との良好な関係を維持したい、との思惑もある。

 麻生氏本人は周囲に辞任しても構わないと漏らしている。麻生氏に近い自民党議員は決裁文書の改ざんが判明した三月「麻生氏本人は財務相の職にこだわっていないが、官邸が必死に引き留めていると聞いた」と指摘した。麻生氏の歯に衣(きぬ)着せぬ物言いが国会で問題視され、政権に悪影響があっても、麻生氏なら仕方がない、そんな空気が官邸内には漂っている。
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201806060000154.html

政界地獄耳
2018年6月6日8時56分
改ざん行為立件もできず

 ★財務省は4日、森友学園への国有地売却を巡る決裁文書改ざん問題の調査報告書を発表した。首相・安倍晋三が、自身や同学園の名誉校長を引き受けていた妻の安倍昭恵が関与していれば辞任すると明言した昨年2月の国会答弁が文書改ざんの契機になっていることを、財務省は認めた。前国税庁長官で当時の理財局長・佐川宣寿が、文書改ざんや交渉記録廃棄の主導をしたとした。とはいえ、いまだにすべての資料を出したわけではないのは、その契機となった首相が「一点の曇りもない」とひとごとのごとく、知らん顔で居座っているからだ。

 ★一方、その捜査を続けていた大阪地検特捜部は「森友事件に関し、公文書変造をおこなった財務省関係者をすべて不起訴とする」と、公文書を改ざんするという行為の立件すらできなかった。ただ、同特捜部が捜査中の神戸製鋼では「社内で試験結果を改ざんした」との理由で、厳しい捜査を続ける。何よりそのデータで事故を誘発する危険がある場合もあるからだ。

 ★さて15年に沖縄県宮古島市で、環境衛生課の担当職員が沖縄県に報告したごみの残存量と収集実績の帳尻を合わせるため、データを改ざん。業者に実績の水増しを指示した上に、沖縄県に対してごみ「ゼロ宣言」するため、実際には143トンしか処理していないのに、沖縄県に1090トン処理と虚偽報告していたことが発覚した。裁判で検察は「議会を欺こうとした市職員にあるまじき事件。大規模かつ巧妙で態様は悪質で、公文書の改ざんは民主主義を揺るがしかねない」とし、懲役1年6月を求刑している。判決は今月18日だが、極めてまっとうな検察の指摘だ。大阪地検特捜部は、なぜそれができなかったのか巨悪はこれからもおおいびきだ。(K)※敬称略
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/230674

安倍政権の“汚れたカネ”を読み解く
飲み代2回分…麻生財務相が返納する「給与170万円」の価値
2018年6月8日

     (美人ママの会員制サロンでは179万円も(C)日刊ゲンダイ)

 「『それだけか』という声はあるだろう」――。さすがに与党内からもあまりの無反省ぶりに苦言だ。財務省の決裁文書改ざんを巡り、責任の取り方を閣僚給与の自主返納にとどめた麻生財務相に疑問を呈したのは、公明党の石田祝稔政調会長だ。6日、「国民から厳しい目で見られるのではないか」と指摘した。

 昨年11月の内閣改造時で、家族分を含む総資産約5億2300万円を誇る“超セレブ”の麻生大臣にとって、閣僚給与12カ月分の170万円の返納などはした金足しげく通う高級サロンでの飲み代2回分でしかないのだ。

 本紙は、麻生大臣が代表を務める資金管理団体「素淮会」の政治資金収支報告書(2014~16年分)をチェック。赤坂の料亭や銀座の高級寿司店への支出が並ぶ中、特に目を引くのが「(有)オフィス雀部」への支払いだ。同社は、六本木の一等地にある会員制サロン「ボバリー」を運営。オーナーの美人ママと麻生大臣の“親密関係”は度々、メディアに報じられてきた。

 「週刊新潮」4月12日号は、麻生大臣とボバリーで同席した政界関係者の言として、「ママは、(麻生大臣の)そばにいても話しかけるわけでなく、静かに見守っている」と報じている。

 麻生大臣にとって「行きつけ」の店に、素淮会は3年間で実に計28回、総額2416万円も支出1回の支払額は38万~179万円にも上り、その平均は約86万円。麻生大臣が自主返納した170万円など、せいぜい飲み代2回分程度ということ。フザケた金銭感覚だ

 これらの支出は全て交際費などに関わる組織活動費として計上されており、〈支出の目的〉欄には会合と記されている。わざわざ美人ママのいる高級サロンで関係者との会合を開かねばならない理由があるのだろうか。麻生事務所に問い合わせたが、一切の返答はなかった。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授はこう言う。

   「麻生氏がかつて国会で『スナック』と称した店で、政治活動に
    必要な会議ができるのか疑問です。私的な支払いを政治資金で
    賄ったのではないか。これだけの回数と金額ですから、どんな目的で
    同店に政治資金を支出したのか、説明責任を果たすべきです」

 たった170万円の返納より、馴染みの高級店への支出を控えるべきではないか
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●「3本の矢」「女性活躍」「1億総活躍」「働き方改革」「人づくり革命」…そんなものを有難がってる…

2018年05月29日 00時00分40秒 | Weblog

青木理さん『情報隠蔽国家』…「客観的な事実すら隠蔽し…ねじ曲げて恥じない為政者たちの姿」を報じも… ↑】



日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/「モリカケよりも」の安倍応援団 政策論争で困るのは誰か】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229076)。
ニッカンスポーツのコラム【政界地獄耳/低次元相次ぐ国会、最後がカジノでいいのか】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805180000214.html)。

 《安倍応援メディアから、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策を一つ一つ見てみよう》。
 《この中途半端な官製カジノで、海外からの観光客の集客になるのだろうか。公明党が懸念した依存症対策も、どこが万全なのか理解に苦しむ。 ★会期中の国会は…低次元の問題が相次ぎ国民を失望させた。そして、その最後にカジノ法成立では、この国は何を守り何を進めたいのか、どんな国になろうとしているのか、分からなくなる。まさにこの現実が国難といえる…体裁のためのカジノ法案と働き方改革関連法案の抱き合わせは、危険をはらんでいる》。

 アベ様の「政」、何か一つでもマトモなものはあったでしょうか?

   『●大見得・啖呵「議員辞職」を有言実行しない
       《病的な嘘つき》アベ様…全てのアベ様の「政」のデタラメさ

  今国会だけでも、《森友・加計学園疑惑、財務省公文書改ざん、防衛省日報隠蔽(いんぺい)疑惑、厚労省データ改ざん疑惑、財務事務次官セクハラ辞任と、低次元の問題が相次》いでいます。低次元なアベ様の「政」、次から次に繰り出されるスローガン《「3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→「1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「人づくり革命」(2017年)》…そんなものを有難がっているのは与党自公や癒党お維キトであり、その支持者たち。低次元なのは《愛僕者》政権であり、与党自公・癒党お維とその支持者たち。こんな《僕難》を放置しているのは、「2/4は選挙にも行かず、絶対得票率1/4で3/4の議席を占める」ようなデタラメな状況の下、救いようの無い「1/4の自公投票者」と「2/4の選挙にも行かない人達」」だ。

   『●選挙制度の不備に加えて、大企業を巻き込みながら
         《極右のタニマチ》が《組織的な選挙運動》を展開…

 《そして、その最後にカジノ法成立では、この国は何を守り何を進めたいのか、どんな国になろうとしているのか、分からなくなる。まさにこの現実が国難といえる》…《僕愛者》アベ様の《僕難》のオカゲで、ニッポンは《国難》。そして、《他人の不幸や不運を踏み台にするような成長戦略は極めて不健全》だというのに、アベ様ら「鹿」さんや「馬」さんらは耳をふさぎ、ロバ耳東風

   『●室井佑月さん「安倍政権の掲げる成長戦略は…
       他人の不幸や不運を踏み台にしたものばかり。ろくでもない」

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/229076】 

金子勝 慶応義塾大学経済学部教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学大学院 博士課程単位取得修了。 法政大学経済学部教授を経て。2000年10月より現職。TBS「サンデーモーニング」、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。『資本主義の克服 「共有論」で社会を変える』集英社新書(2015年3月)など著書多数。新聞、雑誌にも多数寄稿している。


金子勝の「天下の逆襲」
「モリカケよりも」の安倍応援団 政策論争で困るのは誰か
2018年5月16日

     (「外交の安倍」を自負するも…/(C)日刊ゲンダイ)

 安倍応援メディアから、「モリカケよりも政策論争をやるべきだ」という論調が盛んに聞こえてくる。たしかに政策論争は大事だ。では、安倍政権の政策を一つ一つ見てみよう。

 安倍政権が掲げた「経済政策」の最重要課題は「デフレ脱却」だった。黒田日銀は5年前「2年間で物価を2%上げる」と宣言した。ところが、達成時期を6回も延長したうえ、とうとう「物価上昇率2%」の達成時期を撤廃した大失敗だ

 「財政健全化目標」も、2020年から2025年へ5年も先送り。借金は膨れる一方だ。「待機児童ゼロ」も減るどころか、増加の一途をたどっている。「女性活躍」は、財務省の福田淳一前事務次官のセクハラに対して、麻生副総理は「(女性記者に)はめられた」とセカンドレイプのごとき発言を繰り返し、安倍首相本人は口をつぐんだままだ

 さらに、「成長戦略」の柱として何度も「セールス外交」を行った「原発輸出」は、次々に頓挫している。ベトナム、台湾は建設中止、リトアニアは建設凍結、イギリスは事業費が3兆円に膨張し、大手銀行の融資に政府保証をつけても立ち往生。トルコも事業費が4兆円に倍増し、伊藤忠が撤退。この5年間、安倍政権の「成長戦略」で成果を上げたものは、ほとんど見当たらない

 「外交の安倍」を自負しているようだが、外交政策も、北朝鮮問題は「蚊帳の外」に置かれ、北方領土は1ミリも返還されず、TPP離脱の米国には2国間貿易交渉を迫られる始末だ。

 安倍政権の政策ことごとく失敗に終わっている。考えてみると、この5年間、安倍政権は、行き詰まるたびにスローガンを変えてきた3本の矢」(2013年)→「女性活躍」(2014年)→「1億総活躍」(2015年)→「働き方改革」(2016年)→「人づくり革命」(2017年)といった調子だ。失敗を隠すために、次の政策目標を掲げるという繰り返しだった。

 森友・加計疑惑も、嘘がバレるとスリカエと居直りとごまかしに終始し、また嘘が発覚するというパターンである。

 政策論争をして困るのは、実は安倍首相自身だろう。安倍応援団メディアは、このことを分かっているのだろうか
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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805180000214.html

政界地獄耳
2018年5月18日8時55分
低次元相次ぐ国会、最後がカジノでいいのか

 ★自民・公明の連立与党は6月20日までの今国会で、統合型リゾート施設整備法案IR法)、いわゆるカジノ法案を成立させる方針を固めた。ギャンブル依存症を懸念する公明党が、同法案に難色を示していたが、依存症対策をまとめ、日本人によるカジノ使用料は1回につき6000円。マイナンバーカードで本人確認した上で、入場回数を週3回、月10回までに制限し、20歳未満や暴力団員も入場を禁じるとした。

 ★だが、週3回、月10回までの制限とはいえ、それほど通うのは十分依存症ではないのか。毎回6000円の入場料の支払いは、10回で6万円に上り、その回収に躍起になるということにはならないのだろうか。この中途半端な官製カジノで、海外からの観光客の集客になるのだろうか。公明党が懸念した依存症対策も、どこが万全なのか理解に苦しむ。

 ★会期中の国会は、森友・加計学園疑惑、財務省公文書改ざん、防衛省日報隠蔽(いんぺい)疑惑、厚労省データ改ざん疑惑、財務事務次官セクハラ辞任と低次元の問題が相次ぎ国民を失望させた。そして、その最後にカジノ法成立では、この国は何を守り何を進めたいのか、どんな国になろうとしているのか、分からなくなる。まさにこの現実が国難といえる

 ★自民党幹部が言う。「確かにこの国会は、働き方改革が主軸になるはずだったが、早々に厚労省のデータ改ざんが発覚し、目玉法案が骨抜きになった。だが、カジノ法案成立で終わるのでは、あまりに情けない。強引に働き方改革関連法案を成立させるのではないか」。専門職などを労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)は、財界の悲願と言われるが、経済界には不要論も根強い。

 ★法案成立の攻防で強引な成立や国会の延長、秋の国会へのずれ込みなどがあれば、自民党総裁選への影響は必至だ。体裁のためのカジノ法案と働き方改革関連法案の抱き合わせは、危険をはらんでいる。(K)※敬称略
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●壊憲して違憲を解消したいアベ様へ…「残念な現実を憲法の理想に近づけたいものです」(桐山桂一さん)

2018年02月08日 00時00分45秒 | Weblog


東京新聞の桐山桂一さんによるコラム【【私説・論説室から】こども憲法川柳をよむ】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018010802000131.html)。

 《残念な現実を憲法の理想に近づけたいものです》。

 「我が軍」的自衛隊の「違憲」状態を「合憲」へと改めず、憲法を「壊憲」して「違憲」を解消する!?、というあまりの愚かさ。立憲主義も理解できないアベ様に平和憲法を壊憲させるなんて、正気の沙汰じゃない。《残念な現実を憲法の理想に近づけたいものです》、まずはそこからでしょうに。
 「こども憲法川柳」にある、《考えろ》《主権は国民》…裸の王様・アベ様の耳は鹿の耳…でなくって、ロバ耳東風。

   『●宮崎駿監督は「憲法解釈を変えた偉大な男として
        歴史に名前を残したいのだと思うが、愚劣なことだ」と批判
   『●「公平にしないと国民投票は成り立たないもの」…
       「公平・公正」、自公お維キトに最もほど遠い言葉
   『●アベ様は、「政治への強い志も知の蓄積の
      気配すらも見られなかった」(青木理さん)…原点回帰な9条壊憲
   『●押付られたと嘯き壊憲するくせに、「在日米軍特権」など 
           「忠犬になるしかこの国に生きる道はないのか」?
   『●壊憲「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限」、
                   そして、緊急事態条項を絶対に許してはダメ
   『●「自民党の補完勢力」「自民党の2軍」癒党が野党を破壊し、
                 与党自公の壊憲・緊急事態条項を推進…
   『●「改憲自体が目的…首相・安倍晋三が
      改憲を断行したという記念碑的目標」…《愚劣なことだ》
   『●「我が軍」的自衛隊の「違憲」状態を「合憲」へと改めず、
               憲法を「壊憲」して「違憲」を解消する!?
    「ヤケクソ? 言ってることが支離滅裂。「我が軍」を、9条、および、
     その第2項とどう整合性をとるのか?? 戦争法の強行採決では
     多くの憲法学者が反対していたのですが、そして、共謀罪もしかり。
     憲法9条の壊憲に対して《自衛隊について…憲法学者の7、8割が違憲》
     と言ってるので、9条を壊憲…一体どんな論理? 普通、「違憲」な
     ことの方(=「我が軍」的自衛隊の存在)をまずは
     《そういう状況を変えていく》、何とかするのが先じゃないのかね。
     「違憲」な状況を「合憲」にする努力をせずに、憲法の方を「壊憲」するって
     何なんだ? おまけに、共産党に責任転嫁するハチャメチャぶり」

   『●枝野幸男代表「安倍さんの趣味ではないか」、
      室井佑月さん「個人の趣味で改憲したくて、個人の趣味で…」

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018010802000131.html

【私説・論説室から】
こども憲法川柳をよむ
2018年1月8日

 「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」-。さいたま市の女性が詠んだ俳句が秀句に選ばれたのに、公民館の月報には掲載拒否。二〇一四年に起きた問題を契機にして、本紙は朝刊で「平和の俳句」を募ってきた。これが昨年末に終わった。

 関東弁護士会連合会では日本国憲法施行七十周年にあたる昨年、「こども憲法川柳」を募り、千六十作品が集まった。力作ぞろいだ。最優秀作品は群馬県の中学三年生。

 <考えろ 見るだけ聴くだけ もう終わり

 「考えろ」は、物事を考えない風潮への痛烈な批判だと思う。優秀賞の三作品は、まずやはり群馬県の中学三年生。

 <軽はずみ 一字変換 戻せない

 少し変えただけでも、意味は大きく変わってしまう。何も書いてはいないけれど、仮に憲法改正と重ね合わせると、何とも深い意味を持ってくる。東京都の中学三年生は。

 <政治家よ 主権は国民 忘れるな

 これはズバリ、そのもの。千葉県の高校二年生の作品は。

 <男女差別 憲法あっても 残ってる

 残念な現実を憲法の理想に近づけたいものです。ところで、冒頭のさいたま市の俳句について「掲載拒否は違法」と昨年十月に判決が出た。行政が中立性というあまり、憲法アレルギーに陥っているなら、残念である。 (桐山桂一
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●「平和に関してどうにも鈍いアンテナしか持ち合わせない大半の日本人に、沖縄の苦しみが響かない…」

2017年09月17日 00時00分47秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



マガジン9の記事【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌/第72回:「日本一の反戦おばあ」の涙~島袋文子さん国会前へ~】(http://maga9.jp/mikami170823/)。

 《おばあのやりたかったこと。「国会の前に行って総理大臣に直接訴えたい」…戦中戦後の哀れを耐え、復帰の希望は打ち砕かれて戦争の島を返上できず、さらにまた防波堤になれと言われる今の状況を命がけで変えようとするおばあは、「命は惜しくない」「総理大臣と刺し違えても」という覚悟で、日々憤まんやるかたない思いを抱えてゲートに通っているのだ》。

   『●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。
      戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」

    《誰がその戦争を起こさせたのか
     何のために戦争を起こすのか
     戦争をやって何ができたのか
     それを私は問いたいです
     それをやっているのが今の安倍である
     戦争のできる国を作りだそうとしている
     ……
     私たちは2度と戦争はやってはいけない
     思っているんです
     ……
     私は今88歳なんです
     だけど生きながらえて
     どんなにしてでも基地を止めようと思っています
     みんなで止めましょうね
     力を借してください沖縄に

     お願いします》

 先日の島袋文子さんの講演会と国会前抗議に関する三上智恵さんのルポ。《生物多様性の生きた教科書》な沖縄の「森」や「海」を何の躊躇もなく殺し、さらには、沖縄に番犬様を押し付け、基地の恒久化を「謀る」。「統合エアシーバトル構想」のために戦争の「防波堤」を押し付ける…。《それをやっているのが今の安倍である/戦争のできる国を作りだそうとしている》。司法の正義は機能せず、「本土」は無関心…。
 島袋文子さん、《基地を置くから戦争が起こる。戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい》という血を吐くような叫びも、彼らのココロには響きもしないし、伝わりもしないようだ。三上智恵さん、《平和に関してどうにも鈍いアンテナしか持ち合わせない大半の日本人に沖縄の苦しみが響かない》。
 三上智恵さんによる映像資料【文子おばあ国会前へ】(https://youtu.be/KeiWCcvzLvM)を是非見て下さい。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「本土という安全地帯から」沖縄イジメに加担する愚…
         誤解というレベルを超えた悪質な沖縄「デマ」に抗う
   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・ 
      普天間は返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
       そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《安倍晋三首相が遺影に向かって追悼の辞を読み上げ、
     席に戻ろうとした時、会場から訴えるような女性の声が響いた
     「基地を造ったら沖縄が戦場になる」 大田さんが生前、
     いつも気にしていたことだった》

   『●全国戦没者追悼式を前に…阿部岳さん「県民大会で、
            沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した」
    「全国戦没者追悼式を前に…《全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組み
     であり、《県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した》そうだ。
     アベ様や自公政権、「本土」により、今も「尊い犠牲」論を強いられる沖縄。
     その典型が、高江であり、辺野古」

   『●「敗戦後」も戦争は続き、
     「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」

   『●沖縄破壊: 「生物多様性の生きた教科書」な
      「海」や「森」を殺す…「つくづく人間は愚か」(金平茂紀さん)
   『●「米統治時代に戸籍で差別的に扱われた
      沖縄の人々にとっても、決してひとごとではない」風潮が、いま…
   『●「敗戦後」も戦争は続き、
      「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」
   『●「記憶をつなぐ」、「伝え続けるには、多くの記憶が力となる」、
                      「ただ『忘れない』ということが大切」
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ

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http://maga9.jp/mikami170823/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
72回:「日本一の反戦おばあ」の涙~島袋文子さん国会前へ~
By 三上智恵 2017年8月23日

   (※ブログ主注: 国会前での演説などが挿入。
        『文子おばあ国会前へ』【https://youtu.be/KeiWCcvzLvM】)

 先週末、長野県佐久市で『標的の島 風かたか』の上映会とトークがあった。私が出版でお世話になっている大月書店の岩下結さんのご両親が主催者の一人なのだが、岩下さん一家は、以前から基地反対を訴え続けてきた「反戦おばあ」島袋文子さんとは家族ぐるみのお付き合いをしてきた。だから、おばあは私が名古屋に行くと聞きつけすぐ電話をしてきた。

 「あんたが長野に行くなら、私も行こうかねえ」。こうしてパタパタと文子さん4度目の長野訪問が決まった。

 おばあは88歳、血圧も高いし足が悪くて旅行は車椅子になる。それでも辺野古の窮状を訴えるためと、空の旅で内地に行くことは年に2、3度ある。しかし心配は尽きない。直前に取りやめになることも当然あるし、おばあは沖縄の宝なのに何かあったら…と考えると、私は自分から彼女を内地に誘うことはしなかった。しかし今回は、自ら長野に行きたいと言うことだ。せっかく羽田を経由するなら、おばあの夢をひとつ叶えられないかと、私は考え始めた。

 おばあのやりたかったこと。「国会の前に行って総理大臣に直接訴えたい」。彼女は10年以上前から、そう私に言っていた。辺野古に暮らす彼女が基地反対を表明して20年、ころころと総理大臣の顔は変わった。鳩山総理の時のことは前にもここに書いた。県外移設を掲げながら辺野古案に回帰したことを撤回して欲しいと、文子さんは来沖中の総理一行の黒塗りの車列を命がけで止めて直訴しようとした。その後、辺野古に数度通い、謝罪をしてくれた鳩山さんとおばあは、今では並んでテントに座る仲になっている。

 そんな風に、彼女にとって総理大臣というのは常に、真っ向から勝負する相手だ。戦中戦後の哀れを耐え、復帰の希望は打ち砕かれて戦争の島を返上できず、さらにまた防波堤になれと言われる今の状況を命がけで変えようとするおばあは、「命は惜しくない」「総理大臣と刺し違えても」という覚悟で、日々憤まんやるかたない思いを抱えてゲートに通っているのだ。

 「刺し違えても」。今の世の中では、共謀罪でお縄になりそうな表現だ。でもおばあが主人公の前作『戦場ぬ止み』でも、文子さんの台詞にこういうくだりがあった。

   「ダイナマイト持ってこい、と私はいつも言うのよ。
    そんなものどうするの? って、もう、座り込んでも
    止められないなら、ダイナマイト抱いて国会前に行った方が
    早いんじゃないか」

 この台詞を入れることで彼女の身に何か降りかかるかも知れないことについて、議論になった。90歳近い老女をも過激派に仕立て上げかねない国のなりふり構わぬやり方は、警戒しなければならない。しかし、壮絶な戦争体験から基地闘争真っ只中の現在の生活まで、一直線に戦場を生き続ける文子おばあの半生をたどるドキュメンタリーで、命がけのその覚悟を表現しておかなければ、平和に関してどうにも鈍いアンテナしか持ち合わせない大半の日本人に沖縄の苦しみが響かないのではないか

 そして、この台詞を残した理由はもう一つある。辺野古の基地建設に反対する東海岸の老女たちの声を報道してきた20年の間に、わたしは同じ趣旨の言葉を何度も聞いているのだ

 嘉陽のSさん「海を埋めるなら、私を埋めて下さい。そうなったら、海に入りますよ!」

 辺野古のTさん「いざとなったら、おばあたちと一緒に海に入っていきます、人柱になって。怖くはないですよ」

 瀬嵩のFさん「クリントン大統領に会わせてくれないかね? 身体にダイナマイトを巻いて抱きついたら、この基地の話は終わりにならないかね」

 嘉陽のMさん「絶対に許さない。そうなったら私を殺してからやりなさいと出ていくよ」

 書ききれない。まだまだあるのだが、今、思い出すために昔のノートをめくっていて、涙腺が決壊し進めなくなった。彼女たちの半数はもう後生(グソー=あの世)に行ってしまった。「基地建設白紙になったね!」という瞬間を見せてあげられなかった。安心して旅立ってもらえなかった。そのことを考えたとき、自分の無力さが呪わしいし、のたうち回るほど苦しい。

 名護市東海岸の女性は、言葉は荒いが、情熱的で、まっすぐだ。底抜けに優しく堂々と正しいことを主張してきたキラキラしたおばあたちに会うことが、軟弱だった私の芯を強くしてくれた。最近、辺野古の問題を聞きかじったような人たちが、「地元は賛成しているのに一部の過激派が…」などと問題の本質をねじ曲げようとしてもそんなフェイク木っ端みじんになるほどの地域の声を私は聞いてきたから、揺らぐことはない。戦争を原点に、そして「普天間移設」の欺瞞と辺野古の苦悩を私が伝えなければならないと思うだけだ。

 子や孫のために身体を張ってきた多くの先輩たちの溢れる思いを、まさに今、体中で体現していらっしゃるのが島袋文子さんだと私は思う。だから東海岸のおばあたちの声を、文子さんの台詞で代弁してもらいたかった。彼女にばかり負荷がかかるのは申し訳ない。が、彼女にはそれをはねのけて余りある力がある。

 「ダイナマイトを持って国会へ」は物騒だが「言葉の爆弾を抱いて国会の前へ」行けたら、おばあの積年の思いは少しでも晴れるだろうか。政治家も国民も、彼女の声を直に聞いたらもっと変わるかも知れない。辺野古の埋め立てが進み、日々逮捕者が出ていても全く全国ニュースにならない現状に、一石を投じられるのでは。そんなことを悶々と考えていた私は、大月書店の岩下結さんに相談した。岩下さんも、文子おばあの思いは痛いほどよく知っていらっしゃるので、何か形にしたいと早速仲間たちに呼びかけて、文子おばあを迎える有志の会を結成してくれた。そして短期間のうちに、参議院議員会館でのおばあの講演と、官邸前でのアピールが実現した。議員会館の講堂はみるみる溢れ、念のためにモニターを置いた別室もあっという間に埋まり、控え室まで開放して、500人を超える人々が文子おばあと同じ空間で彼女の話を聞こうと集まってくれた。企画は大成功だった。

 そこで彼女が何を話したか、20分弱にまとめたのでこれは是非、冒頭の動画を見て欲しい。前半は笑顔を交えて、努めて冷静に戦争や基地のことを話し、さらなる支援を呼びかけて聴衆に手を振った文子さん。私はマイクの音が聞きづらい彼女のお手伝いと聞き役として隣に座ったが、戦争体験の話になると心が不安定になってしまう場面を何度も見て来たので、今日は頑張って落ち着きを保っているのだなあと半ば安心していた。様子が変わったのは、後半の高校生との対話の場面だった。

 壇上に上がってくれたのは、これまでも沖縄に足を運び、沖縄戦や基地のことを熱心に学習していた自由の森学園の生徒二人。自分の学習体験を話し、率直な質問をぶつけた。

   「戦争体験の話の中で、アメリカが命の恩人とおっしゃってましたが、
    心からそう思うのですか?」

 それに応えようとする文子さんは、やがて目が左右に揺れ、時空が歪んで魂があの阿鼻叫喚の地獄に吸い寄せられたのか、堰を切ったように言葉を吐き出し始めた。ああ、始まってしまった、と私は覚悟をした。どこで止めよう? いや、一度ここに辿り着いてしまったら、あとの苦しさは一緒なんだから、最後まで話して聴衆に伝えた方がいいのか? 私だけは冷静にコントロールしないと会場も高校生も不安になってしまう。経験値があるお前が考えろ! と自分に何度も言い聞かせるのだが、おばあの悔しさや深い悲しみが隣からびんびん伝わってくるので、やはり私も泣いてしまう。司会者失格だ。

 その内容。ここは活字にしたくないので、どうか20分、時間を作って見て欲しい。こういう場をわざわざ永田町でつくり、高齢の女性をはるか南の島から招いて辛い話をしてもらい、そして撮影して、大事なところを時間をかけて編集して、こうしてパソコンや携帯で無料で見られる形にまで私たちがしているのはなぜなのか。少しでも思いを致して下さるなら、20分くらい作って欲しい。

 今の日本で一番、身体を張って安倍政権と対峙しているのは88歳の島袋文子さんだろう。政府が今さらに沖縄に押しつけようとしている軍事的な負担は、72年前から戦争と共に生きる苦しみを強いられてきた県民にとってどれほど残酷なことなのか。それを文子さんは直接政府に訴えたいと思い続けてきた。国会の中で10分でいい、彼女こそ全国民の中で誰よりも意見を言う機会を与えられるべき人だと思う。しかしそれが叶わない。ならば官邸前で、議員会館で、我々が聞こうじゃないか、発言してもらってみんなの力で政府に届けようじゃないかという、このうねりの一部にみなさんにも参画して欲しいのだ。映像を見ることでその場にいなかったみなさんにも共有してもらい、共謀し共犯者になってもらいたいのだ。それは大それた望みだろうか?

 夕方、首相官邸前に移動してからも、大勢の支援者が文子さんを迎え、思いの丈を聞かせて下さい、とマイクを渡した。

   「沖縄から参りました、島袋文子です。
    きょうは、文句を言いにきました!」

 やんやの大拍手。

   「私があなたに手紙を託した島袋文子でございます。
    その手紙を読んでどう思いましたか?」

     (※ブログ主注: アベ様と山本太郎議員の国会での「やり取り」が挿入。
        日米地位協定についても「議論」もどきあり。
        『文子おばあの手紙@国会』【https://youtu.be/jX68hntPmt4】)

   「あんたの思うとおりに沖縄を潰そうとしてもそうはいきません
    絶対に負けませんからね、見て下さい、こっちに来て!」

 そう言っておばあは「勝つまであきらめない」と書かれたTシャツを示して胸を張った。途中胸が詰まって話せなくなるも、また勇気を振り絞るように顔を上げて文子さんは叫ぶ。

   「本当に憎ったらしいったら、あんたたちは! 
    安倍さん、菅さん、麻生さん、三名! 三羽ガラス! 
    撃ち落とさないと私は気が済まないからね!」

 沖縄のおばあらしいユーモアで笑いを誘い、真正面から切なる思いを永田町の空に響かせた。かっこよかったよ、おばあ。いつもまっすぐで正義感の強い少女のようなその感性が大好きです。あなたのそんな姿に、目の見えない母と10歳の弟の手を引いて砲弾をかいくぐって進む責任感の強い15歳の少女の影が重なって、わたしはあなたを抱きしめたいほど愛おしいと思うのです。

 ………。
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●「不屈」…「瀬長の口、耳、目を封じることはできても、八十万県民の五官の機能をとめることは不可能だ」

2017年08月31日 00時00分27秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]




沖縄タイムスの阿部岳さんのコラム【[大弦小弦]「カメジロー番」を自称していた時期がある…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/124080)。

   『●多分、アベ様は沖縄で三度敗れる・・・・・・
                踏みにじられる沖縄の民意
    《全てを失った沖縄戦から70年のできごと。伊江島で土地を
     守るために戦った阿波根昌鴻さんから、米軍の統治の横暴さに
     抵抗して投獄された瀬長亀次郎さんから脈々とこの島で
     生きるものたちが受け継いできたもの

 《▼瀬長亀次郎さん…は投獄される前、裁判でこう陳述した。「瀬長(中略)の口、耳、目を封じることはできても、八十万県民の五官の機能をとめることは不可能だ」(著書「民族の悲劇」から)。今、瀬長さんはいない。だが、瀬長さんが信頼した県民がいる。(阿部岳)》。


 瀬長亀次郎さんから《受け継いできたもの》は《不屈》《一人のヒーローではなく人々の結集》。森を殺すこと、海を殺すこと、番犬様の基地の押し付け、《大規模な自衛隊とミサイル基地の配備》、《統合エアシーバトル構想》…人々は分断されることなく、《不屈》に《結集》するしかない。「本土」は見て見ぬ振りすることなく、この腐敗したアベ様政権を一日も早く倒さなければ、ニッポンは御終い。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「本土という安全地帯から」沖縄イジメに加担する愚…
         誤解というレベルを超えた悪質な沖縄「デマ」に抗う
   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・ 
      普天間は返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
       そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《安倍晋三首相が遺影に向かって追悼の辞を読み上げ、
     席に戻ろうとした時、会場から訴えるような女性の声が響いた
     「基地を造ったら沖縄が戦場になる」 大田さんが生前、
     いつも気にしていたことだった》

   『●全国戦没者追悼式を前に…阿部岳さん「県民大会で、
            沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した」
    「全国戦没者追悼式を前に…《全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組み
     であり、《県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した》そうだ。
     アベ様や自公政権、「本土」により、今も「尊い犠牲」論を強いられる沖縄。
     その典型が、高江であり、辺野古」

   『●「敗戦後」も戦争は続き、
     「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」

   『●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。
      戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」

   『●グアムと沖縄: 「脅威にさらされ」続け、
      「標的にされ」続け、「尊い犠牲」論を強いられ続ける人々


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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/124080

[大弦小弦]「カメジロー番」を自称していた時期がある…
2017年8月7日 07:28 阿部岳 瀬長亀次郎

 「カメジロー番」を自称していた時期がある。番記者は政界有力者の動向を追うのが仕事。私の場合、密着取材すべき相手はすでに他界していたが、残された資料には「宝の山」と呼ぶべきニュース価値と、時代の息吹があった

     (瀬長亀次郎さん(1969年撮影))

瀬長亀次郎さん。復帰前、米軍に奪われた権利を取り戻すため人々の先頭に立った。政府の強権姿勢が当時と重なる今、その闘いに学ぼうとする人は多い

翁長雄志知事もその一人。沖縄平和運動センターの山城博治議長は長期勾留中に瀬長さんの著作に触れた。辺野古の抗議行動の現場には瀬長さんの言葉「弾圧は抵抗を呼ぶ 抵抗は友を呼ぶ」や「不屈」がある

▼「不屈」は実は瀬長さんの姿勢を指す言葉ではない。12日公開の映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男」で、次女の内村千尋さん(72)が明かしている

▼「県民は亀次郎が不屈の人だからだと思っているけど、亀次郎は県民の闘いが不屈なのでこの言葉が好きだと言っている」。必要なのは一人のヒーローではなく人々の結集だと考えていた

▼瀬長さんは投獄される前、裁判でこう陳述した。「瀬長(中略)の口、耳、目を封じることはできても、八十万県民の五官の機能をとめることは不可能だ」(著書「民族の悲劇」から)。今、瀬長さんはいない。だが、瀬長さんが信頼した県民がいる。(阿部岳
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●グアムと沖縄: 「脅威にさらされ」続け、「標的にされ」続け、「尊い犠牲」論を強いられ続ける人々

2017年08月30日 00時00分38秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の佐藤直子さんのコラム【【私説・論説室から】標的にされる島】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017081602000142.html)。

 《グアム…先住民のチャモロ人…グアムの基地被害について訴えた。…沖縄では先週末、辺野古の新基地建設に抗議する県民大会が開かれた。炎天の下、四万五千人もの県民が集まったのはなぜか。沖縄もグアムと同じ、脅威にさらされる側にあり続けてきたからだ米軍だけでない。中国の脅威を理由にして自衛隊も増強されている脅威があるなら強めるべきは外交努力だ。標的にされる島の声を共有したい。 (佐藤直子)》。

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その1)
    《しかし、三上監督は最新作『標的の島 風かたか』で、さらに切迫した
     問題を沖縄から日本全国へ提起する。それは現在、安倍政権が
     進めている石垣島、宮古島、奄美大島、与那国島への
     大規模な自衛隊とミサイル基地の配備についてだ。政府は南西諸島の
     防衛強化を謳うが、その実態はアメリカが中国の軍事的脅威に
     対抗すべく打ち出した「統合エアシーバトル構想」にある》

   『●「防波堤」としての全ての「日本全土がアメリカの「風かたか」」
                …米中の「新たな戦争の「防波堤」に」(その2)
    《現在、安倍政権が進めている石垣島、宮古島、奄美大島、
     与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の配備。政府は
     南西諸島の防衛強化を謳うが、実際は、米中の“新たな戦争”の
     防波堤」にするのが目的だ──。この衝撃的な事実と、石垣島や
     宮古島、そして辺野古、高江で子どもの未来を守ろうと必死に
     抵抗する市民たちの姿を描いた三上智恵監督の最新作
     『標的の島 風かたか』》

 《米軍は本当に私たちを守る存在なのか米軍の駐留によってむしろ軍事的脅威にさらされるのではないか》…《米朝の挑発合戦》によりミサイルの標的となったグアム。沖縄の姿と重なる。「脅威にさらされ」続け、「標的にされ」続け、「尊い犠牲」論を強いられ続ける沖縄の人々。《中国の脅威を理由にして自衛隊も増強》…《統合エアシーバトル構想》に組み込まれ、《防波堤》にされる沖縄本島、そして、石垣島宮古島奄美大島与那国島の人々…《標的にされる島》々の人々は「分断」され、反対の声はかき消される。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「本土という安全地帯から」沖縄イジメに加担する愚…
         誤解というレベルを超えた悪質な沖縄「デマ」に抗う
   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・ 
      普天間は返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
       そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《安倍晋三首相が遺影に向かって追悼の辞を読み上げ、
     席に戻ろうとした時、会場から訴えるような女性の声が響いた
     「基地を造ったら沖縄が戦場になる」 大田さんが生前、
     いつも気にしていたことだった》

   『●全国戦没者追悼式を前に…阿部岳さん「県民大会で、
            沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した」
    「全国戦没者追悼式を前に…《全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組み
     であり、《県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した》そうだ。
     アベ様や自公政権、「本土」により、今も「尊い犠牲」論を強いられる沖縄。
     その典型が、高江であり、辺野古」

   『●「敗戦後」も戦争は続き、
     「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」

   『●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。
      戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」

   『●沖縄破壊: 「生物多様性の生きた教科書」な
      「海」や「森」を殺す…「つくづく人間は愚か」(金平茂紀さん)
   『●「米統治時代に戸籍で差別的に扱われた
      沖縄の人々にとっても、決してひとごとではない」風潮が、いま…
   『●「敗戦後」も戦争は続き、
      「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」
   『●「記憶をつなぐ」、「伝え続けるには、多くの記憶が力となる」、
                      「ただ『忘れない』ということが大切」
   『●三上智恵さん「結局は止められなかった」という現実…
           でも、《人々は分断されている》ことを止めなければ

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017081602000142.html

【私説・論説室から】
標的にされる島
2017年8月16日

 米領グアムの周辺に北朝鮮がミサイル発射を警告したというニュースに、この夏に沖縄で出会ったグアムの高校教師、サビーナ・ペレーズさん(49)のことを思い出した。

 先住民のチャモロ人である彼女は、米軍駐留地域の女性が集う「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議」に仲間と一緒に参加し、グアムの基地被害について訴えた。

 実弾演習のために自然豊かなチャモロの聖地が奪われ、森や海の破壊がすさまじいこと。マリアナ諸島のグアムは第二次大戦中には「大宮島」と呼んで日本軍が占領した時期もある。米軍は最新鋭のミサイル迎撃システムを強行配備し、サビーナさんの訴えは大国に翻弄(ほんろう)される島の悲しみを語っていた。

 基地に対する女たちの異議申し立ては根本的な問いかけに収れんする。<米軍は本当に私たちを守る存在なのか米軍の駐留によってむしろ軍事的脅威にさらされるのではないか>。米朝の挑発合戦の中でそのリスクは現実味を帯びようとしている。

 沖縄では先週末、辺野古の新基地建設に抗議する県民大会が開かれた。炎天の下、四万五千人もの県民が集まったのはなぜか。沖縄もグアムと同じ、脅威にさらされる側にあり続けてきたからだ米軍だけでない。中国の脅威を理由にして自衛隊も増強されている。脅威があるなら強めるべきは外交努力だ。標的にされる島の声を共有したい。 (佐藤直子
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●「敗戦後」も戦争は続き、「唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった」

2017年08月24日 00時00分18秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



東京新聞の桐山桂一さんのコラム【【私説・論説室から】沖縄は「捨て石」か】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017080202000162.html)と、
マガジン9の記事【風塵だより 鈴木耕/沖縄熱風篇:大田さんへ、花を捧げに……】(http://maga9.jp/fujin170802/)。

 《「沖縄が『捨て石』なのは今も同じ」と嘆く大田 さんに当時、最も恐ろしく感じることは何かと尋ねてみたら、こんな答えだった。「新聞の論調が戦前と同じように、権力に迎合する風潮が強まっていることですね」 (桐山桂一)》。
 《26日の「大田昌秀沖縄県知事県民葬」に参列したいと思ったからだ…安倍首相…は「沖縄の基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くします」などと読み上げたが…。ぼくの隣席の男性は「どの口が言うと不愉快そうにつぶやいていたし、安倍氏が読み終えたころ、会場から女性が》。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
      響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
   『●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。
      戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」


 「敗戦後」も戦争は続き、《唯一の地上戦があった沖縄はいわば「捨て石」同然だった》。《捨て石》状態も《新聞の論調》も今も変わらず。基地負担も、高江・辺野古をはじめとした沖縄破壊も、日米地位協定も、差別発言も、ヘイト番組も…「本土」の感覚は何も変わっていない。
 《戦争屋のアベ様》から、《沖縄の基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くします》という弔辞…まさに《どの口が言う》だ。《安倍氏が読み終えたころ、会場から女性が「大田先生の遺言は基地を造らせてはダメ、沖縄がまた戦場になってしまう。基地はやめてください、お願いします」と声を上げた》が、当然、アベ様やあの木原稔氏のココロに響くことは無い。

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http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2017080202000162.html

【私説・論説室から】
沖縄は「捨て石」か
2017年8月2日

 七月二十六日に沖縄県民葬が営まれた元県知事の故大田昌秀さんに二度、インタビューしたことがある。

 一度目は一九九五年の米兵による少女暴行事件のときだ。二度目は戦後六十年の二〇〇五年で、戦中の記憶を語ってもらった。そこで教えてもらった歴史がある。

 一九四五年八月十五日。つまり終戦の日。平和が戻った日であると思い込んでいたが、沖縄師範学校の学生で「鉄血勤皇師範隊」に組み入れられていた大田さんらには平和など訪れては来なかったそうだ。

 その日、米軍の軍艦から花火が打ち上げられるのを見ただけである。「終戦」どころか、米軍の掃討戦は十月すぎまで続いたという宮古島や奄美諸島にいた陸海軍の将官が確かに、米軍の司令官との間で九月七日に降伏文書に署名している。

 それでも戦闘があったというのだ。大田さんも至近弾を受けた。南部の摩文仁の丘から出たのは十月二十三日である。唯一の地上戦があった沖縄はいわば捨て石同然だった占領下から現在も米軍基地は残る

 「沖縄が『捨て石』なのは今も同じ」と嘆く大田さんに当時、最も恐ろしく感じることは何かと尋ねてみたら、こんな答えだった。

 「新聞の論調が戦前と同じように、権力に迎合する風潮が強まっていることですね」 (桐山桂一
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http://maga9.jp/fujin170802/

風塵だより 鈴木耕
沖縄熱風篇:大田さんへ、花を捧げに……
By 鈴木耕 2017年8月2日

 7月23日~27日、ぼくは沖縄へ行ってきた。26日の「大田昌秀元沖縄県知事県民葬」に参列したいと思ったからだ。
 前にこのコラムの番外篇で書いたように、ぼくは大田さんにはずいぶんお世話になった。新書『沖縄、基地なき島への道標』(集英社新書=これはいま読んでもとても示唆に富んだ名著だと思う)の編集担当としてからだから、もう18年ほどのおつき合いになる。大田さんの事務所を訪れ、さまざまなお話を伺うことが、ぼくの沖縄行の目的のひとつだった。その大田さんはもういない。せめて献花だけはしてきたい。それが今回の旅の主目的だった。


レンタカーが「大渋滞」

 23日、那覇空港へは午後2時ごろ到着。だが、困った。なんと、レンタカー営業所が凄まじい混雑。待合室に、ぼくがざっと数えただけで200名近くの人が待っている。これじゃあ、いつぼくの番が回ってくるか? 恐れていた通り、やっと車を借りられたのは、ほぼ2時間後だった。
 その夜は、沖縄タイムス政経部長・宮城栄作さんとお会いする約束をしていた。宮城さんは、美しい奥さまとご一緒に現れた。そして、地元の人しか知らないようなちょっとディープな“沖縄風中華料理店”へ連れて行ってもらった。初日から、出だしはラッキー。でも、レンタカーの話をすると、宮城さんも「あれは沖縄でも問題になってるんです。せっかくの休暇が、最初の1日がほとんど使えなくなってしまうんですからねえ。観光にも打撃ですよ」と、現地ジャーナリストらしい感想。
 それはそれとして、美味しい一夜。奥さまが、また酒豪。「東京生まれなのだけれど、たった数カ月ですっかり沖縄に同化しちゃいました」と笑う。楽しい夜でした…。


大田さんの足跡をたどって…

 24日、朝早くから起き出したぼくは、まず、大田さんの足跡を訪ねることにした。
 最初に、大田さんが開設した「沖縄国際平和研究所」へ。ここは何度も訪れている。しかしこの日は、間近に迫った「県民葬」のことで、スタッフのみなさんも忙しそうだったのでお邪魔するのは遠慮して、研究所の前でしばらく感慨にふけってから退去。
 車は南下、本島最南端の摩文仁の丘へ。ここには、大田さんが心血を注いだ「平和の礎(いしじ)」がある。沖縄戦で死んだ人たちは、軍人、民間人の区別も、国籍の違いも、老若男女の別なく、すべてひとりの人間として同等に扱う、という世界でも例をみない慰霊の碑。それは延々と沖縄の夏空の下に続いていた。ぼくは、一つひとつの碑に頭を垂れながら歩いた。
 ふと気がつくと、なんと「秋田県」の碑もあった。ぼくの故郷。遥か南の彼方まで連れてこられて若い命を失った同郷人が、こんなにもたくさんいたんだ…と思うと、突然、目の奥が熱くなった。
 誰がきみを殺したのか、きみは誰のために死んだのか
 今のぼくよりは絶対に若かったはずの青年たちが、ここに祀られている。名もなき兵士が、ここでようやく名を回復してもらったのだ。
 ぼくは戦争を憎む戦争を起こした者や、これから起こそうとする者を憎む

     (摩文仁の丘からの眺め)
     (公園にある平和祈念堂)
     (「平和の礎」の秋田県人たち…)


戦争の過去と基地問題の現在

 戦跡を辿ろうと思った。
 引き返して、嘉数高台公園へ向かった。ここも何度か来た場所だ。激戦地。それを示す弾痕が、今も生々しく残っているし、日本兵が立て籠って絶望的な抵抗をしたとされるトーチカも、真夏の陽射しの下で焼け焦げたような姿をさらしている。
 この丘の上に展望台がある。それを上れば、あの普天間飛行場が一望のもとだ。政治家どもが沖縄へ来ると、必ずと言っていいほどここを訪れ「ほんとうに市街地のど真ん中、危険な基地ですねえ。何とか早く移転させなければ」などと、いい加減な感想を記者団に述べる、お決まりの場所だ。そんな感想が実現したためしは、ない。
 汗が目に入るほどの暑さ。公園のすぐ下に沖縄そば店があった。そばよりも、涼しさを求めてその店へ。汗が引いた体に、沖縄そばが美味だった。
 それからまた走る。
 次は、過去から現実へ。昨年、女性が暴行されて殺され、そして遺棄された現場へ。国道58号線を北上し、ゴルフ場へ曲がる交差点をうるま市石川のほうへ右折して間もなく。そこは、「えっ、こんな場所?」と驚くほど、2車線のりっぱな道路のすぐ脇だ。ぼくは買っておいた花を供えた。今もたくさんの花が供えられていて、小さな献花台もあった。数十万人もが死んだ戦争のあとの米軍基地問題は、現実としてここになお存在している…。

     (日本兵が立て籠ったトーチカ。せみしぐれが降っていた)
     (嘉数高台公園から普天間基地を見下ろす)


辺野古の浜で見たものは…

 25日。この日は、辺野古の浜で、大規模な「海上座り込み集会」があると聞いていた。「海上座り込み」って面白い言い方だが、多数のカヌーを出して、海上で基地反対を訴えるというものだ。そういえば、三上智恵監督に『海にすわる~辺野古600日間の闘い~』というドキュメンタリー作品があったことを思い出す。
 辺野古までは、那覇から1時間半ほどかかる。高速の沖縄道を宜野座で降りて329号線を北上。沖縄工業高専の架橋の下をくぐれば、間もなくキャンプシュワブのゲート前。まずそこへ。数十名の人たちが、酷暑の中、テントに座っていたが、聞いてみると多くの人たちは辺野古の浜辺へ降りて行っているとのこと。ぼくも浜辺へ。
 でも、残念ながら「今日の行動は午前中で終了しました。実は、午後も続ける予定でしたが、海上に落雷注意報が発令されたので、中止せざるを得なくなりました」と、カヌーのそばの女性が教えてくれた。

 浜場に、黒い連凧が舞っていた。頑丈なフェンスの向こう側を、若い米兵が2名、しきりにこちらを伺いなら行ったり来たりしている。そうとう気にしているようだ。

 午後1時から、浜での集会が始まった。次第に人が増え、最終的には250名ほどか。午前中に「海上座り込み」に参加したカヌーは71隻、抗議船は8隻で、計150名ほどが参加したという報告。

 

     (たくさんのカヌーが並んでいた)
     (辺野古の浜辺のフェンスには、たくさんのアピールが…)

 集会で、沖縄タイムスの阿部岳記者や、元自衛官で反戦活動をしている井筒高雄さんなどに会った。上空をドローンが飛んでいた。
 実はこの日、現場で山城博治さんにお会いできるかと思っていたのだが、ホテルを出がけに山城さんから「事情があって、この日は集会には参加できなくなりました。お会いしたかったのですが、すみません。また東京でお会いしましょう」と、とても丁寧な電話。この誠実さが人を引き付ける魅力のひとつなんだなあ。
 帰りがけ、浜辺のテントに立ち寄り、ささやかなカンパを出したら、きれいな絵ハガキをお礼に…って。

     (浜辺での集会)
     (黒い連凧が上がって)

 その後、時間があったので、ぼくはもっと北上。そこからまだ数十キロもある東村高江へ向かった。例の、米軍ヘリパッドが強行工事されたところだ。メインゲート前まで来たけれど、誰もいなかった。時間も時間だし、仕方ない。ここでぼくはようやくUターン。
 この夜は、三上智恵さん(最近作『標的の島 風かたか』は傑作です!)と食事する約束をしていたのだ。遅れちゃいけない。
 場所は、北谷(ちゃたん)。米軍基地が返還されて、今や若者の街としてすっかり観光地に変身した地区だ。でも、ぼくは若くない。静かなところにしましょうね、というわけで、三上さんお薦めの港が見える店へ。
 三上さんは、琉球新報報道局長の普久原均さんを紹介してくれた。3時間ほど、ビールとワイン(ぼくはワインは飲まないのでビールだけ)と、美味しい料理で歓談。沖縄の状況と本土の関心の温度差、沖縄のメディア状況、そして安倍政権の沖縄対策、沖縄側の反応…。いくら話しても、話は尽きなかった。
 それにしても、タイムスの宮城さんといい、新報の普久原さんといい、まさに本物のジャーナリスト本土の記者たちとは、どこが違うのだろう? ぼくは沖縄へ来るたびに、そう考え込んでしまうのだ。


大田さんの「県民葬」へ

 26日は、朝から異様な雰囲気だった。ぼくは道路事情がよく把握できないから、徒歩で「県民葬」会場のコンベンションセンターに行けるよう、会場近くのホテルに宿泊していた。ハイシーズンなので、かなり値段は高かったけれど、大田さんのためだもの、と言い訳して予約したホテルだった。
 朝からすごい数の私服警官(私服だが腕に「沖縄県警」の腕章をしていた)が、ホテルの中を見回っていた。最初は「県民葬に、なんでこんな警戒を?」と不思議に思ったのだが、安倍首相が参列することを思い出して、納得した。安倍首相が沖縄でどう思われているか、それを考えれば、警察としてナーバスになるのも理解できる。何が起こるか分からないというわけだ。まあ、もっとあけっぴろげに言ってしまえば、それだけ安倍首相が沖縄では嫌われている、という証拠でもある。
 式は午後2時から。ぼくは徒歩で会場へ、1時前には着いた。会場周辺も、ちょっと驚くくらいの警備体制。
 大田さんの長年の秘書を務めた桑高英彦さんとも、ぼくはずいぶん長いおつき合い。それもあって、ぼくは「招待者」の書状をもらっていたから、あまり待たずにすんなりと会場に入ることができた。
 大きな祭壇に、大田さんの少し笑みを浮かべた遺影がさびしい。

     (大田さんの優しいお顔が…)
     (ぼくがいただいた「招待者への案内状」)

 2時ギリギリに安倍首相が入場。そして、開会の辞の次に安倍首相が弔辞。彼は「沖縄の基地負担軽減について、政府として引き続き全力を尽くします」などと読み上げたが、会場からの拍手はまばら。ぼくの隣席の男性は「どの口が言うと不愉快そうにつぶやいていたし、安倍氏が読み終えたころ、会場から女性が「大田先生の遺言は基地を造らせてはダメ、沖縄がまた戦場になってしまう。基地はやめてください、お願いします」と声を上げたが、首相はもちろん、そちらを見ようともせずに足早に壇上から降りた。
 逆に、大田さんの友人代表としての比嘉幹郎さんが「大田さんの遺志を尊重し、今後とも県民に対するいかなる差別や犠牲への強要にも反対する」と述べたときには、安倍氏への拍手の数倍の共感の拍手が巻き起こった。それが沖縄の意志であろうと、ぼくは聞きながら思っていた……。
 安倍首相は、列席者の弔辞が済むと、そそくさと式場を後にした。そのすぐ後に「大田さんを偲ぶVTR」がスクリーンに流された。それは、大田さんがいかに政権と闘い、いかに米軍基地に反対し、いかに平和を希求し、いかに反戦を訴え、いかに県民を愛したか、を克明に辿るものだった
 「これを安倍さんに観てほしかったなあ」と、隣席の男性がしみじみと呟いていたが、ぼくも同感だった。あれを観て、安倍首相がどんな反応をするか、それを知りたかったよ…。

     (翌日の沖縄タイムス)


旅の終わりに…

 27日、ぼくは帰りの便を、那覇空港で待っていた。
 たった5日間の旅だったけれど、たくさんの人に会い、たくさんの場所を巡り、たくさんの美味を堪能した旅だった。
 念願だった大田さんへの「サヨナラ」も言えたし、ちょっとしたセンチメンタル・ジャーニーの終わり。
 帰りがけ、携帯電話が鳴った。大田さんのご子息・憲さんからだった。憲さんは残念ながら病床にあり、県民葬への列席はかなわなかった。それでもぼくに、参列のお礼を言いたいと、電話をくれたのだ。
 大田さんのお墓は、生まれ故郷の久米島にあるという。病が癒えたら憲さんはそこへ参りに行く、と言っていた。ぼくは、沖縄ではたくさんの島々を訪れているが、まだ久米島へは行ったことがない。
 次のぼくの沖縄行は、久米島に決めた。花を持って、大田さんの墓前に供えてくる、という目標もできたのだし……。


鈴木耕
すずき こう: 1945年、秋田県生まれ。早稲田大学文学部文芸科卒業後、集英社に入社。「月刊明星」「月刊PLAYBOY」を経て、「週刊プレイボーイ」「集英社文庫」「イミダス」などの編集長。1999年「集英社新書」の創刊に参加、新書編集部長を最後に退社、フリー編集者・ライターに。著書に『スクール・クライシス 少年Xたちの反乱』(角川文庫)、『目覚めたら、戦争』(コモンズ)、『沖縄へ 歩く、訊く、創る』(リベルタ出版)、『反原発日記 原子炉に、風よ吹くな雨よ降るな 2011年3月11日〜5月11日』(マガジン9 ブックレット)、『原発から見えたこの国のかたち』(リベルタ出版)など。マガジン9では「風塵だより」を連載中。ツイッター@kou_1970でも日々発信中。
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●島袋文子さん「基地を置くから戦争が起こる。戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」

2017年08月21日 00時00分56秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



毎日新聞の斎藤良太記者の記事【辺野古 88歳島袋おばあ 東京で移設強行「反対」訴え】(https://mainichi.jp/articles/20170818/k00/00m/040/096000c)。

 まずは、記事冒頭の映像中の文字お越し部分は以下の通り。5分ほどの映像ですので、是非、見ていただきたい。

==================================================================================
https://mainichi.jp/articles/20170818/k00/00m/040/096000c

安倍さん
私があなたに手紙を託した島袋文子でございます
是非会いたいです

あなたはなんで美しい日本をつくるとか
なんとか言っているんですけど
美しい日本どころか戦争のできる国
つくろうとやっているじゃないですか
それほどにあなたが戦争が好きなら
あんたは自分の故郷に全基地を持っていって
置いたらどうなんですか
あんたの心は喜びますか どうですか


=------------------------------------------------------------=
辺野古のおばぁ 東京で訴え
沖縄戦を経験 島袋文子

(参議院議員会館)

米軍普天間飛行場(沖縄宜野湾市)の
移設先とされる同県名護市辺野古で暮らし
移設への抗議活動を長年続けている
島袋文子さん(88)が都内で講演した
=------------------------------------------------------------=


戦争はだめですよ
自分の身内を犬死させるということは駄目です
基地はどこにも置いてはいけません

私は戦争体験者です
戦争の時に15歳でしたけど
目の見えない母と10歳になる弟と
2人を連れて逃げ回って
生きるためには本当に
食べるものはないし水はない
その水を飲んだのが
人間の浮かんでいる池から水を汲んで飲んだ
だってそれが人が浮いているというのが
分かっていたら飲まなかったと思いますけどね
どんなに喉が渇いていても
夜のことですから
夜飲んで、朝どっかに移動しようと思って
振り向いてみたら、そこには人間が浮いている

いつか日本軍が
私たちを助けに来てくれるだろう
でもその信じていた日本軍は
沖縄の住民を助けはしないで殺したんです
殺したんですけど、人間は
その人を恨むんではなくて
誰がその戦争を起こさせたのか
何のために戦争を起こすのか
戦争をやって何ができたのか
それを私は問いたいです

それをやっているのが今の安倍である
戦争のできる国を作りだそうとしている

何か言うと「国民の命と財産を守る」と
言うんですけど
どういうふうにして国民の命と財産を守るのか
私はそこが知りたいんです
私たちは戦争に追われておって
自分の兄弟、親でも救いきれなかったんです
あの弾の中で火の海の中でどういうふうにして
国民の命を守ることができるのですか
我が国を守るためにといって自衛隊も
軍隊つくっているのですけど
自衛隊の命も安倍晋三の命も
同じなんです
人間誰しも命の予備を持っている人は
いないんですよ

私たちは2度と戦争はやってはいけない
思っているんです
ですから命をかけてゲート前に座っているんであって
面白半分に座っているんじゃないですよ
家庭も何もかも犠牲にして
毎日のあのゲート前に座って
機動隊にごぼう抜きにされて
私の小指も5針縫ったんです
でも私たちは基地をつくらせては
いけないと思っているんです
その基地を止めない限り
私は死んではいけないと
残りはいくらしか残っていないですけど
私は今88歳なんです
だけど生きながらえて
どんなにしてでも基地を止めようと思っています

みんなで止めましょうね
力を借してください沖縄に

お願いします
==================================================================================


 《米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる同県名護市辺野古で暮らし、移設への抗議活動を長年続けている島袋文子さん(88)が17日、東京都内で講演した。「辺野古に基地を作らせない」と訴え、首相官邸前でも街頭宣伝をした…「基地を置くから戦争が起こる戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」などと安倍政権を批判》。

   『●普天間「番犬様」基地: 「毎日頭上を飛ぶヘリの
       機体にストロンチウム」…墜落により放射性物質が飛散
    《辺野古から島袋文子おばあも駆けつけた。辺野古区民である
     おばあにとっては、辺野古に作らせてはいけないというのは、
     決して普天間基地が今のままでいいという意味ではないという
     苦しさがあるのだ。だから炎天下、宜野湾の皆さんと連帯したい、
     共になくしていきましょうというメッセージを送りたかったのだろう。
     車イスで3キロ近い道のりを共に進んでいった。
       おばあの覚悟。参加した県民の堅い決意。空に突き上げた
     その拳をあざ笑うかのようなヘリの低空飛行。デモに絡む
     右翼団体の大音量のアピール…》

   『●異常な日々…「異常な状態が続く」山城博治さん長期「拉致」、
      そして、いま、野蛮な辺野古破壊
   『●沖縄でのプレ「平成の治安維持法」実験…
      《実験の結果、今の国民の無関心は国に自信を与えてしまった》 
    《「こんなの裁判じゃない!」「私たちを犯罪者扱いするのか!」、
     傍聴席にいた文子おばあは閉廷した後も最後まで抗議を続けた
     という。そのあとの傍聴者の怒りは動画を見てほしい。
     なぜ、こんな不当な長期勾留にも抗議の声を上げる沖縄県民
     全体を罪びと扱いされる屈辱にも、耐えなければならないのか。
     この島に生まれたのだから仕方がないと思えというのか》

 「本土」の無関心。そして、「「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」」…島袋文子さんの《基地を置くから戦争が起こる。戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい》という血を吐くような叫びも、彼らのココロには響きもしないし、伝わりもしないようだ。
 森を殺し、海を殺す大愚、「《安倍政権が進めている石垣島宮古島奄美大島与那国島への大規模な自衛隊とミサイル基地の配備》は「統合エアシーバトル構想」へとつながる」愚行…島袋文子さんの訴え《本土の皆さん、力を貸してください》《みんなで止めましょうね…力を借してください沖縄に》は「本土」に伝わっているか?。
 
   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「本土という安全地帯から」沖縄イジメに加担する愚…
         誤解というレベルを超えた悪質な沖縄「デマ」に抗う
   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・ 
      普天間は返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
       そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
   『●全国戦没者追悼式を前に…阿部岳さん「県民大会で、
            沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した」
    「全国戦没者追悼式を前に…
     《全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組み》であり、
     《県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した》そうだ。
     アベ様や自公政権、「本土」により、今も「尊い犠牲」論を強いられる沖縄。
     その典型が、高江であり、辺野古」

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https://mainichi.jp/articles/20170818/k00/00m/040/096000c

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる同県名護市辺野古で暮らし、移設への抗議活動を長年続けている袋文子さん(88)が17日、東京都内で講演した。「辺野古に基地を作らせない」と訴え、首相官邸前でも街頭宣伝をした。

 市民団体でつくる実行委員会が主催。参院議員会館の講堂で開いた講演会は、実行委によると約500人が参加した。

 島袋さんは沖縄本島南部の糸満出身。1945年4月に本格的な地上戦が始まると、目が不自由だった母、小学生の弟と逃げ回り、自身は米軍の火炎放射器で左半身に大やけどを負った。3人は生き残ることはできたが、「鉄の暴風下の逃避行で、住民の凄惨(せいさん)な遺体を至る所で目撃した。

 戦後に結婚した夫と移り住んだ辺野古への移設計画が浮上すると、反対運動に参加。足が衰えた現在も、埋め立て工事の中止を求め、辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で座り込みを続けている。

 講演で島袋さんは、時折声を詰まらせながら、遺体が浮かんだ池の水を飲むなどした沖縄戦での体験を振り返り「基地を置くから戦争が起こる。戦争をしたいなら、血の泥水を飲んでからにしてほしい」などと安倍政権を批判。「(抗議活動中に)機動隊にゴボウ抜きに(排除)され、工事車両がゲート内に入っていくのを見ると涙が出るほど悔しいが諦めるわけにはいかない本土の皆さん、力を貸してください」と呼びかけた。【斎藤良太】
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●全国戦没者追悼式を前に…阿部岳さん「県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した」

2017年08月16日 00時00分20秒 | Weblog

三上智恵監督『標的の島 風かたか』公式ページ(http://hyotekinoshima.com)より↑]



沖縄タイムスの阿部岳さんのコラム【[大弦小弦]「尊い犠牲」論に、いつも違和感を覚えている。昨年8月15日の…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/127137)。

 《▼「尊い犠牲」「名誉の戦死」「英霊」全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組みだと見抜くからこそ、あえて犬死にだと言い切る。戦後も苦労した女性は今、「新しく基地ができて新しく苦労する人が出るのは嫌だから」と、辺野古の抗議行動に参加している》。

 全国戦没者追悼式を前に…《全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組み》であり、《県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した》そうだ。アベ様や自公政権、「本土」により、今も「尊い犠牲」論を強いられる沖縄。その典型が、高江であり、辺野古。

   『●大田昌秀さん「軍隊は人を守らない」と、
      従軍記者ボールドウィン氏「沖縄戦は、戦争の醜さの極致だ」
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「本土という安全地帯から」沖縄イジメに加担する愚…
         誤解というレベルを超えた悪質な沖縄「デマ」に抗う
   『●「番犬様の尾っぽ」=世界一危険な基地・
      普天間は返還されない!? 辺野古は単なる破壊損なのか??
   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
       9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●「日米安保の根幹を成す地位協定の不平等性を
       そのままにしておいて、もう一方の9条だけをいじり…」
   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/127137

[大弦小弦]「尊い犠牲」論に、いつも違和感を覚えている。昨年8月15日の…
2017年8月14日 07:26 安倍晋三 阿部岳 戦争

 「尊い犠牲」論に、いつも違和感を覚えている。昨年8月15日の全国戦没者追悼式で安倍晋三首相の式辞はこうだった。「皆さまの尊い犠牲の上に、私たちが享受する平和と繁栄がある」。両者に因果関係はあるか

▼これが例えば19世紀の米国で、一日の労働を8時間に短縮することを訴えて処刑されたデモ指導者なら話は分かる。闘いと犠牲の延長線上に、今の8時間労働があると言えるだろう

▼一方、戦後日本は少なくとも表向きは戦争の愚行を否定して出発した。本来、戦没者と連続していてはいけない死者を敬うきれいな言葉で、けじめがうやむやにされている

▼国による顕彰は、肉親を失い深い悲しみを抱えた遺族には、せめてもの救いという側面がある。だが、それを拒否する人もいる。私が知る女性は沖縄戦で亡くした両親について「犬死にだった」という言葉を絞り出す

▼「尊い犠牲」「名誉の戦死」「英霊」。全ては次の犠牲を強要し再生産する仕組みだと見抜くからこそ、あえて「犬死に」だと言い切る。戦後も苦労した女性は今、「新しく基地ができて新しく苦労する人が出るのは嫌だから」と、辺野古の抗議行動に参加している

▼12日の県民大会で、沖縄は再び「尊い犠牲」となることを拒否した。あすの追悼式で安倍首相らが何を語るのか。耳を澄ましてみる。(阿部岳
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