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●辺野古破壊のために美ら海に土砂投入…その翌日も現地で抗議が続く中、アベ様はのんびりとゴルフを満喫

2018年12月17日 00時00分48秒 | Weblog

[※辺野古破壊の愚行を報じる朝日新聞2018年12月15日)↑]



琉球新報のコラム【<金口木舌>約束まであと2カ月】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-849080.html)と、
【<社説>辺野古へ土砂投入 第4の「琉球処分」強行だ】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-849072.html)。

 《▼辺野古新基地建設を進める政府が錦の御旗として掲げるのは、仲井真弘多元知事による埋め立て承認だが、承認を得る際の事実上の前提条件だったのが、期限まであと2カ月に迫った「5年以内の運用停止」。承認を強調するなら、運用停止の約束を全力で実現させるのが筋というものだ》。
 《この光景は歴史に既視感を覚える。沖縄が経験してきた苦境である。…県民の諦めを誘い、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票に影響を与えたり、予想される裁判を有利に運ぼうとしたりする狙いが透けて見える》。

   『●2018年12月14日、「美ら海」に土砂投入…
      辺野古を破壊して巨大な新基地が恒久的に沖縄を占領…
    「アサヒコムによると、翌日15日、《名護市辺野古沿岸部の埋め立てが
     始まったことについて質問が飛ぶと、首相は苦笑い》だそうだ(…)。
     呑気なもんだねぇ~。呆れる」
    「《米軍普天間飛行場の運用停止について日本政府が2019年2月までの
     実現を発表したことに対し、米側が「空想のような見通しだ」と
     反対していた》訳で、元々が「空想」。普天間は世界最悪の危険さで、
     返還されず、辺野古は破壊「損」…あまりにデタラメなアベ様ら。
     軟弱地盤の泥沼で、いつまでたっても辺野古破壊は止まず…。
     さらには、那覇空港をヨコセ!、とは一体どんな了見なのか! 
     「ホシュ」なんて名乗るな、山本太郎さんが言うように、
     《保守と名乗るな、『保身』だ》!」
    《だが、諦めるのはまだ早い。いや、というよりも、こうした諦めムードを
     つくり出すことこそが、今回の土砂投入における安倍政権の狙いなのである。
       きょう、朝から土砂投入の様子を海上から取材したジャーナリストの
     青木理氏も、こう話す。「…しかしその実態は、一部海域にわずかな土砂を
     入れただけ。むしろ土砂投入を進めるにも問題が山積している状態です。
     …『もう基地建設は止められないんだ』と諦めさせるための、
     たんなる三文芝居なんですよ


 《期限まであと2カ月に迫った「5年以内の運用停止」。承認を強調するなら、運用停止の約束を全力で実現させるのが筋というものだ》…なのに、アベ様ときたら。ゴルフなんてやっている場合か? せめて《米軍普天間飛行場の運用停止…2019年2月までの実現》してみせよ!

 絶対に止められる! 止めなければならない!! 青木理さん《諦めさせるための、たんなる三文芝居》と。《うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー》。
 【海鳴りの島から 沖縄・ヤンバルより…目取真俊/土砂投入で諦めていられるほどこの島の現実は甘くない。】(https://blog.goo.ne.jp/awamori777/e/19678ffb1d2c3c666846264528b1c384)によると、《辺野古の新基地建設に関して、これまでも何度も節目はあったし、これからもあるだろう。そのたびにマスコミは騒ぎたてるが、節目と節目の間にはどれだけ関心を向けているか現場では毎日抗議が続けられている。節目は通過点であって終わりではない。傍観者や評論家にならずに自分の問題と考え、私はこれからどうするか、と問い続けることが大切なのだ…うちなんちゅーや、ヤマトゥに腐り政府んかい、うしぇーらってぃ、黙とーてぃやならんどー

   『●「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
               (沖縄人を見くびってはいけない)」
   『●独裁国家・アベ様政権相手に「けんか」できる翁長雄志知事の叫び、
                               「うしぇーてぃないびらんどー」
   『●本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
      「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」
    「うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー
     (沖縄人を見くびってはいけない)
     「あらゆる手法を用いて辺野古に新基地は造らせない」……。
     そして、記事が言う《本体工事=辺野古沖の埋め立て工事は
     「翁長知事があらゆる知事権限を駆使すれば絶対できない」》
     という言葉を信じたい」

   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない
           翁長知事に対し、安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

   『●民主主義を破壊し、倫理観の欠片もない醜悪な選挙戦術…
             記憶し、教訓を沖縄県知事選の次にもつなげたい
    《翁長雄志知事が2015年の県民大会で発した
     「うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー!
     (県民をないがしろにするな)という力強い言葉が、いま、再び響く

   『●「空疎で虚飾に満ち」た弔辞を代読する最低の官房長官に怒声…
                     「翁長氏の遺志に応える唯一の道」とは?
    《▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。
     「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろに
     してはいけない)」。2015年、辺野古新基地建設阻止を訴える
     県民大会での言葉は、多くの人の心に刻まれているのではないか》

   『●沖縄では、《「飴と鞭」で手なずけられる
      と高をくくったようなその態度こそ県民の気持ちを遠ざけた》
    《「うちなーんちゅ、うしぇーてぃないびらんどー沖縄県民を舐めるな
     見くびるな子や孫のために命がけでこの島を守りましょう
     今も聞こえる翁長知事の声が、沖縄県民の心をちゃんとつかんでいた》

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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-849080.html

<金口木舌>約束まであと2カ月
2018年12月15日 06:00
辺野古 運用停止 玉城デニー 金口木舌

 強者の歓心を買いたいのか、弱者をいじめたいのか。あるいは両方か。米軍普天間飛行場移設問題で、政府が辺野古沿岸部への土砂投入を開始した

▼名作「クリスマス・キャロル」では冷酷で頑迷な金貸し、スクルージが過去や未来の自分を見せられて改心する。沖縄の組踊「雪払い」では、娘をいじめていた継母が悔い改める

▼「善」が最後に輝く物語は古今東西を問わず感動を呼ぶが、民意を無視して工事を強行する政府を見ていると、現実を悲観したくなる。玉城デニー知事と協議のテーブルに着きながら着々と準備を進めてきたのは不誠実極まりない

▼「日米合意を守る」「普天間飛行場の危険性除去のため」と政府は繰り返す。米国との約束は必死に守ろうとするが沖縄側に実現に向けた努力を約束した普天間飛行場の5年以内の運用停止はどうか米側に遠慮して交渉すらしていない

▼辺野古新基地建設を進める政府が錦の御旗として掲げるのは、仲井真弘多元知事による埋め立て承認だが、承認を得る際の事実上の前提条件だったのが、期限まであと2カ月に迫った「5年以内の運用停止」。承認を強調するなら、運用停止の約束を全力で実現させるのが筋というものだ

▼安倍晋三首相が、武器を売り付けるトランプ米大統領への優しいまなざしの何分の1でも、沖縄に向けてくれればいいのだが。
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-849072.html

<社説>辺野古へ土砂投入 第4の「琉球処分」強行だ
2018年12月15日 06:01

 この光景は歴史に既視感を覚える。沖縄が経験してきた苦境である。
 政府は、名護市辺野古沿岸に米海兵隊の新基地を造るため埋め立て土砂を投入した。昨年4月の護岸着工以来、工事を進める政府の姿勢は前のめりだ。9月の知事選で新基地に反対する玉城デニー知事誕生後わずか約1カ月後に工事を再開し、国と県の集中協議中も作業を進めた手続きの不備を県に指摘されても工事を強行し土砂を投入したのは、基地建設を早く既成事実化したいからだ
 県民の諦めを誘い、辺野古埋め立ての是非を問う県民投票に影響を与えたり、予想される裁判を有利に運ぼうとしたりする狙いが透けて見える
 辺野古の問題の源流は1995年の少女乱暴事件にさかのぼる。大規模な県民大会など事件への抗議のうねりが沖縄の負担軽減に向けて日米を突き動かし、米軍普天間飛行場の返還合意につながった。
 ところが返還は県内移設が条件であるため曲折をたどる。関係した歴代の知事は県内移設の是非に揺れ、容認の立場でも、使用期限や施設計画の内容などを巡り政府と対立する局面が何度もあった。
 5年前、県外移設を主張していた仲井真弘多前知事が一転、埋め立てを承認したことで県民の多くが反発。辺野古移設反対を掲げる翁長県政が誕生し玉城県政に引き継がれた。県内の国会議員や首長の選挙でも辺野古移設反対の民意が示されている。
 今年の宜野湾、名護の両市長選では辺野古新基地に反対する候補者が敗れたものの、勝った候補はいずれも移設の是非を明言せず、両市民の民意は必ずしも容認とは言えない。本紙世論調査でも毎回、7割前後が新基地建設反対の意思を示している。
 そもそも辺野古新基地には現行の普天間飛行場にはない軍港や弾薬庫が整備される。基地機能の強化であり、負担軽減に逆行する。これに反対だというのが沖縄の民意だ。
 その民意を無視した土砂投入は暴挙と言わざるを得ない。歴史的に見れば、軍隊で脅して琉球王国をつぶし、沖縄を「南の関門」と位置付けた1879年の琉球併合(「琉球処分」)とも重なる。日本から切り離し米国統治下に置いた1952年のサンフランシスコ講和条約発効、県民の意に反し広大な米軍基地が残ったままの日本復帰はそれぞれ第2、第3の「琉球処分」と呼ばれてきた。今回は、いわば第4の「琉球処分」の強行である。
 歴史から見えるのは、政府が沖縄の人々の意思を尊重せず、国益や国策の名の下で沖縄を国防の道具にする手法、いわゆる植民地主義だ。
 土砂が投入された12月14日は、4・28などと同様に「屈辱の日として県民の記憶に深く刻まれるに違いない。だが沖縄の人々は決して諦めないだろう。自己決定権という人間として当然の権利を侵害され続けているからだ。
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コメント
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●「空疎で虚飾に満ち」た弔辞を代読する最低の官房長官に怒声…「翁長氏の遺志に応える唯一の道」とは?

2018年10月12日 00時00分21秒 | Weblog


琉球新報の【<社説>首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html)。
沖縄タイムスの赤嶺由紀子さんのコラム【[大弦小弦]隣に座った年配の男性は…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637)。
リテラの記事【翁長前知事県民葬に出席の菅官房長官に「嘘つき」の怒号殺到! 「2人でよく話した」と嘯く沖縄いじめ仕掛人の厚顔】(https://lite-ra.com/2018/10/post-4303.html)。

 《菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ空疎で虚飾に満ちていたからだ》。
 《身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった ▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った ▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー…」》。
 《「嘘つき!」「帰れ!」「いつまで沖縄に基地負担を押しつけるんだ!」「私たちの願いを聞いてください!」 参列者席から次々にあがる怒号──。》

 琉球新報のコラム【<金口木舌>翁長さんを送って】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-816261.html)によると、《▼翁長雄志さんを送る日にふさわしい天気と言えばよいだろうか。県民葬はさわやかな晴天に恵まれた。「はいさい」という明るい声とあの笑顔が浮かんでくる。それぞれの場で県民は前知事を悼み、沖縄の将来像を思い描いたであろう ▼知事選後、沖縄いじめの雨あられがネット上で広がった。辺野古新基地に絡んだ突風が吹くかもしれぬ。それをしのぐ知恵を島人の歩みに求めたい。きっとあるはずだ》。
 《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》。

 日刊ゲンダイの記事【菅氏に「帰れ」のヤジ 翁長前知事の沖縄県民葬で会場騒然】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/239194)によると、《「うそつき」「さっさと帰れ」「聞いていますか」――。ヤジは30秒間にわたって続いた…「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興発展に全力を尽くす」と安倍首相のメッセージを代読した菅官房長官に対し、列席者から罵声が浴びせられ、会場が一時、騒然となる場面があった。県民が怒るのも無理はない…情けないのは県民葬を欠席した安倍首相だ。本気で「県民の気持ちに寄り添う」のであれば、出席して自分の言葉で話すべきだろう。県民の怒りに触れるのを恐れて“逃亡”するとは情けない限りだ…菅氏に怒声が飛んだことについて「魂の叫びではないか。知事がなぜ命を縮めたのか、沖縄の県民はよく分かっている。安倍総理は来るべきだった」》。
 最低の官房長官やアベ様はこれまで沖縄で何をしてきたか!

 最低の官房長官に浴びせられる怒声、当然だ。
 《空疎で虚飾に満ち》たアベ様の追悼の辞を代読する最低の官房長官に怒声…《翁長氏の遺志に応える唯一の道》とは何か? 《本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ》。

   『●「政治の堕落」: 上から目線で「力のある者が、
      自分の意を通すだけの政治なら、民主制など空虚な看板」
    「上から目線で、「粛々」と、「力のある者が、自分の意を通すだけの
     政治なら、民主制など空虚な看板だ」。アベ様らは「空虚な看板」を
     たくさんお持ちだ」

   『●沖縄差別は続く: 黙殺により、「『日本を取り戻す』の中に
                 沖縄は入っていない」ことをアベ様が表明
   『●目を逸らす本土…「米国側からみた心温まる
      ヒューマン・ストーリーだけではなく、そこに暮らす人々」に…
    「「慰霊の日」に際して、「沖縄全戦没者追悼式」でのアベ様の挨拶の
     前に、「平和の礎あらゆる戦争を正当化させない思いでつくった
     県民の礎でしょ。そこへ戦争屋の安倍がのうのうと挨拶すること自体が
     県民として許せません」(『報道特集』2017年6月24日)。
     県民の怒りの声は届かないロバ耳東風な「戦争屋のアベ様」」

   『●「戦争屋のアベ様」やアノ木原稔氏のココロには
       響かない女性の訴え…「基地を造ったら沖縄が戦場になる」
    《安倍晋三首相が遺影に向かって追悼の辞を読み上げ、
     席に戻ろうとした時、会場から訴えるような女性の声が響いた
     「基地を造ったら沖縄が戦場になる」 大田さんが生前、
     いつも気にしていたことだった》

   『●「竹やりで…」「特攻艇・震洋」「人間機雷・伏龍」…
         「最も戦争に接近した八月」に「愚かな戦争に学ぶ」
    「青木理さんの言葉(【サンデーモーニング】、2017年9月3日)に全く同感
     …「日本がどう向き合うか。先の大戦で、ドイツは敗戦して分断された。
     ところが、アジアでは解放された朝鮮が分断された。プラス、日本は戦後、
     朝鮮戦争を梃子にして経済発展の土台を築いた。
     基地は沖縄に押し付けたんですよ。つまり、今のこの米朝の対立も分断も、
     日本は歴史的な責任からは逃れられない。歴史を考えた時に、
     北朝鮮と単に対峙しているだけではなくて、どう向き合うかというのは、
     自ずから明らかになってくる。むしろ、朝鮮半島が平和になるために日本は
     努力をしなくてはいけない、ということは忘れてはいけない」」

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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html

<社説>首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている
2018年10月10日 06:01

 菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ空疎で虚飾に満ちていたからだ

 菅官房長官は4年前、知事に就任した翁長氏との面談を4カ月も拒み続けた。沖縄の民意を一顧だにせず、米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設を名護市辺野古で強行する中心人物だ。

 新基地建設に反対する翁長氏は2015年4月、知事として初めて菅氏と会談した際「官房長官は『粛々』という言葉を何回も使う。埋め立て工事に関し問答無用という姿勢が感じられる。沖縄の自治は神話だ』と言った最高権力者キャラウェイ高等弁務官の姿と重なる」と苦言を呈している。

 1961年、琉球政府立法院議員だった平良幸市氏(後の知事)は米国施政下の理不尽な状況を踏まえ、沖縄を訪問した国会議員団に対し「何のかんばせ(顔)あって沖縄県民に相まみえんや、というお気持ちから(議員団は)おいでになるまいという声もあった」と不満を示した。

 住民の意思に反して基地を押し付けられている沖縄の立場は今も大して変わらない。高等弁務官が首相や官房長官に代わっただけだ

 菅氏の参列に「何のかんばせあって」という印象を持った県民も少なくないだろう。今や官房長官は沖縄への圧政を象徴する存在と言っていい。政権の高圧的な姿勢が翁長氏の健康を害する一因になった可能性も否定できない。

 追悼の辞で首相は、沖縄の過重な基地負担について「現状は到底是認できない」とした上で、「政府としてもできることは全て行う。目に見える形で実現するという方針の下、基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」と宣言した。

 「政府としてできることを全て行う」と言うのなら、なぜ、県知事選で明確になった新基地建設反対の民意を尊重しないのか

 追悼の辞では「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興、発展のために全力を尽くす」とも述べている。

 県は、仲井真弘多元知事による新基地建設予定地の埋め立て承認を8月31日に撤回した。これを受け安倍政権は法的対抗措置を取る構えを見せてきた。

 県民の大多数が反対する新基地を造ることが県民に寄り添うことなのか。読み上げた官房長官自身、矛盾を感じなかったのだろうか。

 首相は「翁長前知事の沖縄にかける思いをしっかり受け止めて沖縄の振興をさらに前に進めることを誓う」と言明している。

 本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ。それが翁長氏の遺志に応える唯一の道である。
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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637

[大弦小弦]隣に座った年配の男性は…
2018年10月10日 07:52

 隣に座った年配の男性は頬をつたう涙をぬぐいもせず、祭壇を見つめていた。9日に行われた翁長雄志前知事の県民葬。身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった

▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った

▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)」。2015年、辺野古新基地建設阻止を訴える県民大会での言葉は、多くの人の心に刻まれているのではないか

▼政府が繰り返す負担軽減の言葉とは裏腹に、米軍絡みの事件・事故は絶えない。過重な負担を背負い、新しい基地まで押し付けられる不条理や本土の無理解を端的に表している。言葉だけの負担軽減はもはや「うそ」でしかないのだ

▼翁長氏は、基地問題を沖縄の歴史からひもとき、県民の苦悩、怒りを国内外に訴えてきた。複雑な県民感情を「魂の飢餓感」とも表現し、国と対峙(たいじ)した

▼翁長氏が残した言葉をたどる「『言葉』展」がタイムスギャラリーで始まった。座右の銘は「人生は重荷を負うて 遠き道をゆくが如し」。直筆の色紙や数々の言葉に触れるとき、沖縄の未来を考えずにはいられない。(赤嶺由紀子
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https://lite-ra.com/2018/10/post-4303.html

翁長前知事県民葬に出席の菅官房長官に「嘘つき」の怒号殺到! 「2人でよく話した」と嘯く沖縄いじめ仕掛人の厚顔
2018.10.09

     (生前の翁長氏(沖縄県オフィシャルサイトより))

 「嘘つき!」「帰れ!」「いつまで沖縄に基地負担を押しつけるんだ!」「私たちの願いを聞いてください!」

 参列者席から次々にあがる怒号──。本日、沖縄県那覇市でおこなわれた翁長雄志・前沖縄県知事の県民葬が執り行われたが、午前中に終了した日本・メコン地域諸国首脳会議の出席を理由に欠席した安倍首相の代理として菅義偉官房長官が追悼の辞を代読し終わると、一斉に批判の声が起こったのだ

 あまりにも当然の話だろう。辺野古新基地建設に反対する県民の意志を代表する翁長前知事に対し、安倍政権は「対話」の道を閉ざし、一方で強権的な姿勢で基地反対運動に参加する市民たちを暴力で排除したり、繰り返される在沖米軍による事故や事件にも政府として何一つ向き合わず沖縄をいじめぬいてきた。そんな安倍政権に、翁長前知事はまさに命を削って抵抗してきたのだから。

 しかも、菅官房長官といえば、先日おこなわれた沖縄県知事選において佐喜真淳候補の陣営を主導し、潤沢な選挙資金と組織力にものを言わせたすさまじい物量作戦を展開しただけでなく、街頭演説で「携帯電話料金の4割削減」などというデタラメな公約を打ち出し、騙りの選挙戦を繰り広げたばかりだ。

 まったく県民を馬鹿にするにもほどがある。携帯電話利用料の引き下げについて、総務省は県知事にも国にも権限はないと明言しており、選挙公約になど掲げられるものではけっしてない。実際、玉城デニー氏が当選を果たすや否や、菅官房長官は沖縄県に限らず全国的な課題と平然と述べた。ようするに、官房長官という立場を利用し、あたかも実現可能であるかのように語って、県民を騙そうとしたのである。

 そればかりか、玉城氏を誹謗中傷する大量のデマを喧伝した佐喜真陣営の戦略にも、菅官房長官が間接的にかかわっていた可能性さえある。

 というのも、県知事選では、佐喜真氏の選対に“沖縄ヘイト”を垂れ流してきたジャーナリスト・T氏が加わっているのではないかという疑惑が浮上。過去記事に詳しいが(https://lite-ra.com/2018/09/post-4241.html)、T氏は「週刊文春」(文藝春秋)や「週刊新潮」(新潮社)などで翁長バッシングや反基地運動への偏見を植え付けるような記事を手がけてきたとされる人物なのだが、昨年3月、T氏が本名で出した沖縄をテーマにした本の帯には、菅官房長官のコメント(本文より)が写真入りで掲載されているのである。

 選挙を通じて県民を騙し、分断を図ろうとしてきた菅官房長官。そして、なによりも、沖縄にだけ負担を押し付ける政府を批判、抵抗してきた翁長前知事の声を無視しつづけたのも、菅官房長官だ

 2014年12月に知事に就任し、就任挨拶のため上京し永田町を回るも政権幹部は翁長知事と会おうとせず、菅官房長官は会見で「年内は会うつもりはない」と拒絶。翁長知事が再三求めてきた面談がおこなわれたのは、就任から約4カ月も経った2015年4月のことだった。

 にもかかわらず、菅官房長官は翁長知事の訃報に際して2人になると沖縄の発展について話し合いをよくしたなどと発言したのである。

 まったくどの口が言うか、と言わずにはいられないが、そもそも菅官房長官に沖縄を理解しようという姿勢はまったくない

 象徴的だったのが、2015年9月に沖縄県と政府の集中協議が決裂した際の、菅官房長官の発言だ。翁長前知事は、講演でこのように語っている。

   〈菅義偉官房長官は4月に最初に話してから沖縄の歴史を含め
    私が一番思いを話した方だが、集中協議の最後に私の話は
    通じませんかと聞いたら、「私は戦後生まれなので沖縄の歴史は
    なかなか分からないが、19年前の日米合同会議の
    辺野古が唯一というのが私の全てです」という話だった〉


■菅官房長官が翁長知事と沖縄県民に言い放った冷酷な言葉の数々

 沖縄の問題をぶつけても、「戦後生まれだから沖縄の歴史はわからない」で議論をシャットアウトする。これが政治家、しかも官房長官の態度なのかと憤りを覚えるが、この集中審議後の会見で菅官房長官は、翁長知事の「戦後の強制接収が普天間問題の原点」という主張に対し、こんなことを言い放っている。

   「賛同できない。戦後は日本全国、悲惨ななかでみなさんが
    大変ご苦労されて今日の豊かで平和で自由な国を築き上げてきた」

 みんな苦労したのだから、沖縄だけ文句を言うな──。少しでも沖縄の歴史を知っていれば、とてもじゃないが口にできるはずがない言葉だ。しかし、菅官房長官は「戦後生まれだから」という理由で沖縄を知ろうしない。こんな人物が、どうして「辺野古は唯一の解決策」と言えるのだろうか。

 翁長知事は「戦後生まれだから沖縄の歴史はわからない」と菅官房長官に言われたあと、「お互い70年間も別々に生きてきたような感じがしますね」と話したという。翁長知事は、自分を無視しつづける菅官房長官に対し、こう話したこともあった。

   「沖縄は27年間、日本の独立とひきかえに米国の軍政下に差し出されて、
    その間、日本は高度経済成長を謳歌しました。官房長官と私は同じ
    法政大学ですが、私は22歳まで、パスポートを持って、ドルで送金を
    受けていました」
    (2015年4月5日におこなわれた菅官房長官との会談時の冒頭発言要旨)

 菅官房長官は法政大法学部を1973年に、翁長知事は同学部を1975年に卒業している。前日4日に両氏が出席した西普天間住宅地区の返還式で「お互い法政ですね」とひと言交わされていたというが、きっと菅官房長官は、同じ環境で学んでいた同窓生のそうした境遇に思いを馳せたことはないのだろう。無論、「これ以上、基地はいらない」と声を上げる県民の思いにも。


■菅官房長官が「辺野古実現すれば海兵隊がグアム移転」とまたデマ吹聴

 実際、菅官房長官は翁長氏が亡くなり、玉城新知事が就任してからも、テレビ番組で堂々と嘘をついて「辺野古ありき」を主張した。

 それは7日の『日曜討論』(NHK)でのこと。菅官房長官は辺野古「移設」が実現すれば「(沖縄の米海兵隊員)9000人がグアムをはじめ海外に出ていくことになっている」と発言したのである。

 だが、これはまったくの嘘だ。たしかに2006年の在日米軍再編計画では辺野古への「移設」と在沖海兵隊のグアム移転がリンクしていたが、2012年4月の日米合意では、辺野古「移設」とグアム移転は切り離して進めることになった辺野古に新基地が建設されることと9000人の削減はまったく関係ないのである。この嘘は何度も指摘されてきたが、菅官房長官は平気な顔をして、相も変わらずデマを吹聴しつづけているのである。

 翁長前知事は、前述した2015年4月におこなわれた会談において、「粛々」という言葉を繰り返し使う菅官房長官について対し、こう語った。

   「米軍の軍政下でキャラウェイ高等弁務官が『沖縄の自治は神話だ』
    と言いました。官房長官から『粛々』という言葉が何度も出てくると、
    キャラウェイ高等弁務官の姿と重なるような感じがします」

 菅官房長官の態度は沖縄の自治は神話だと言わんばかりの圧政ではないか。──この翁長前知事の言葉は、県民の思いとも重なるだろう。だが、「嘘つき!」「帰れ!」という罵声とともに響いた「私たちの願いを聞いてください!」という声も、菅官房長官は馬耳東風と聞き流したに違いない

(編集部)
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●翁長雄志さん「那覇市長として…東京のど真ん中で体感したむき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という」

2018年08月11日 00時00分09秒 | Weblog


沖縄タイムスの田嶋正雄記者のコラム【[大弦小弦]生粋の保守政治家だった翁長雄志知事の転機は…】(http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/296083)。
琉球新報の社説【<社説>翁長知事が死去 命懸けで職務を全うした】(https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-778581.html)。

 《前知事による辺野古埋め立て承認の撤回を、7月27日に表明したばかりだった。がんの苦痛を押して記者会見に臨んだと思われる。文字通り、命懸けで政治家の職務を全うした。もとより、沖縄県の知事は他県とは比較にならないほど厳しい重圧にさらされる。国土の0・6%にすぎない県土に全国の米軍専用施設面積の70%が集中し、凶悪事件や米軍機の墜落といった重大事故が繰り返されてきたからだ。歴代の沖縄県知事はことごとく、過重な基地負担という深刻な課題に向き合い、苦悩してきたその重みは健康をむしばむほど過酷だ》。

   『●翁長雄志知事亡くなる…「折れない、言うことをきかない翁長知事に対し、
                       安倍政権が陰湿ないじめ、報復」
    「翁長さんの《うちなーんちゅ、うしぇーてー、ないびらんどー》の叫びが
     忘れられない」

 《2013年1月、那覇市長として参加したオスプレイ配備撤回を求める東京行動だったのではないか。「沖縄の総意」を示そうと銀座をパレードした県内全市町村長らが、沿道から売国奴」「琉球人は日本から出て行けなどの罵声を浴びた ▼東京のど真ん中で体感したむき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という》。

   『●仲井真氏は「空手形」を承知の上で「いい正月」を
      迎えていたのでは?…米側が「空想のような見通し」と
    《横田・辺野古「問題は同じ」 住民の反対無視
     国は県や住民の反対をよそに強行する構えだ。何の説明もなく
     決まった横田配備に、首都圏の基地周辺住民からも
     「民意無視は全く同じだ」と憤りの声が上がる
     …「『計画はない、知らない』と言いながら、国民に知らせるときには
     決定している。普天間の移設問題でもそうだ」》

   『●「本土」のデマ・ヘイトなオトナ達…
     《子どもたちの日常にある「異常」を放置しているのはだれなのか?》
    《事実かどうかは二の次弱い立場の者をに仕立てて暴言を吐く
     基地に反対する沖縄の人たちを一方的にたたき、留飲を下げる
       基地問題でヘイトスピーチ(憎悪表現)まがいの言説があからさまに
     表面化したのは13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の撤回などを
     求め、東京・銀座でデモ行進した。沿道から浴びせられたのは
     「売国奴」「中国のスパイ」などの罵声だった

   『●「米軍機接近による児童の避難は…39日間に合計242回」、
                   「最も多い日は一日に29回」…異常な現実
    「いま、横田基地へのオスプレイの配備で、大騒ぎになっています。
      まず、《沿道》に居なかった反戦派の皆さんには申し訳ないけれど、
     差別者・ヘイト者は、《13年1月。全市町村長らがオスプレイ配備の
     撤回などを求め、東京・銀座でデモ行進した。
     沿道から浴びせられたのは…》…。」
    「東京新聞の「2015年5月10日 朝刊」には、【横田・辺野古
     「問題は同じ」 住民の反対無視】とあります」

 《生粋の保守政治家だった翁長雄志知事の転機は2013年1月、那覇市長として参加したオスプレイ配備撤回を求める東京行動だったのではないか。…などの罵声を浴びた ▼東京のど真ん中で体感したむき出しの沖縄差別に「衝撃を受けた」という。翌年の知事選に「イデオロギーよりアイデンティティー」を掲げて出馬した際、動機の一つとして繰り返し語っていた》…そうだ。
 アベ様の取巻き連中による様々な沖縄イジメ・沖縄ヘイトを含め、《安倍政権が陰湿ないじめ、報復》に対しても、《折れない、言うことをきかない翁長知事》は、真の意味での沖縄の市民の立場に立つ、真の保守政治家だった。米軍基地を受け入れ、《不条理で不公平極まりない日米地位協定》、日米合同委員会、〝在日米軍特権〟…《そこに真正面から向き合わず、基地周辺の住民に苦痛を強いて安穏としているのが政府・与党》に真の保守政治家など居るのか? 

   『●「植民地気分」な日米共犯・両政府から
      「犠牲だけを強いられる沖縄」…両国に「真の文明」はあるのか?
    「在日米軍特権な番犬様と、その横暴を許す、見て見ぬふりな、
     それどころか積極的に後押ししているとしか見えない日米共犯
     《沖縄は今も日本の植民地だその日本はさらに米国の植民地である》」

 琉球新報の記事【沖縄の自治、問われる事態に 翁長知事死去】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-778605.html)によると、《翁長雄志知事は、知事選で示された新基地建設反対の民意を一貫して体現しながら、その訴えを無視して基地建設工事を強行してきた政権の強大な権力と対決してきた。その重圧は計り知れない翁長知事の心身を削ってきたとみられる。歴代県政の中でも高い支持率を背景に国策の押し付けに異議を申し立ててきた翁長県政の終焉(しゅうえん)により、沖縄の自治の在り方が改めて問われることになる》。

 東京新聞の記事【「オール沖縄」声上げ続け 怒りの翁長氏、県民率い】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201808/CK2018080902000158.html)によると、《知事就任後に刊行した著書「戦う民意」では「政治的に死んでも肉体的に滅んでも、沖縄を代表して言いたいことを言おう」と宣言していた…庭にあるガジュマルの木を見せてくれた。両手を広げても抱えきれない太い幹。木の前には、知事が自ら発注したという、琉歌が刻まれた石板があった。「芯や天冠みてぃ、枝や國廣ぎ、根や地の底に、果ていん無らむ」 広く枝や根を張るとの意味。しかし枝を伸ばすべき空には米軍機が飛び、根を張るはずの県土には米軍専用施設が集中し、新基地も造られようとしている》

   『●ガジュマル:瀬長亀次郎さん「不屈」の精神…
     「忖度政治を危ぶむ全国の多くの人々の心に響くに違いない」

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http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/296083

[大弦小弦]生粋の保守政治家だった翁長雄志知事の転機は…
2018年8月9日 06:27

 生粋の保守政治家だった翁長雄志知事の転機は2013年1月、那覇市長として参加したオスプレイ配備撤回を求める東京行動だったのではないか。「沖縄の総意」を示そうと銀座をパレードした県内全市町村長らが、沿道から売国奴」「琉球人は日本から出て行けなどの罵声を浴びた

東京のど真ん中で体感したむき出しの沖縄差別に衝撃を受けたという。翌年の知事選に「イデオロギーよりアイデンティティー」を掲げて出馬した際、動機の一つとして繰り返し語っていた

政府と鋭く対立して一歩も引かなかった背景にはあの日の屈辱があったはずだ。15年、辺野古新基地建設反対の県民大会での「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー」の言葉は多くの県民の心に響いた

▼6月の県議会でやせ細った姿で懸命に机の縁につかまって歩いていた。本来は治療に専念すべき病状だったのだろう

▼7月27日の埋め立て承認撤回を表明した会見。基地建設阻止の公約の実現性を疑問視する質問に一瞬笑みを浮かべ、気色ばんで反論した。「何十年先も沖縄は振興策をもらって基地を預かったらいいですよなどというのはとても容認できない」。最後の公の場となった

▼沖縄の知事が在任中に亡くなったのは初めて。志半ばでこの世を去った無念さは想像に余りある。ご冥福を祈りたい。(田嶋正雄)
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https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-778581.html

<社説>翁長知事が死去 命懸けで職務を全うした
2018年8月9日 06:01

 膵臓(すいぞう)がんの治療を続けていた翁長雄志知事が8日、死去した。67歳だった。4月に手術を受けたが、がん細胞が肝臓に転移していたという。心から冥福をお祈りしたい。

 翁長氏は、名護市辺野古沿岸の新基地建設阻止を公約に掲げ、2014年の知事選で36万票余りを獲得し初当選した。復帰後7代目の知事だ。

 就任直後から基地建設を強行する政府と全面的に対立してきた。さまざまな心労、疲労が積み重なったのだろう。

 前知事による辺野古埋め立て承認の撤回を、7月27日に表明したばかりだった。がんの苦痛を押して記者会見に臨んだと思われる。文字通り、命懸けで政治家の職務を全うした

 もとより、沖縄県の知事は他県とは比較にならないほど厳しい重圧さらされる。国土の0・6%にすぎない県土に全国の米軍専用施設面積の70%が集中し、凶悪事件や米軍機の墜落といった重大事故が繰り返されてきたからだ

 歴代の沖縄県知事はことごとく、過重な基地負担という深刻な課題に向き合い、苦悩してきたその重みは健康をむしばむほど過酷だ

 屋良朝苗氏から革新県政を引き継いだ第2代知事の平良幸市氏は山積する政治課題の処理に追われる中、1978年7月、東京に公務出張中、脳血栓で倒れた。入院を経て同年10月に辞任している。

 第3代の西銘順治氏も84年に都内の病院で胃がんの手術を受けた。当時は胃潰瘍と胆のう炎と発表され、本人にもがんであることは知らされていなかったという。

 第4代の大田昌秀氏は92年の2月定例県議会開会中に風邪やめまいの症状が出るなど体調を崩して入院した。51日後に公務復帰している。

 第5代の稲嶺恵一氏は入院こそしなかったが、基地問題のことが常に頭を離れず、日々大きな精神的重圧にさらされていたと語っている。

 第6代の仲井真弘多氏も、07年6月23日の沖縄全戦没者追悼式に出席した直後に、軽い脳梗塞のため緊急入院している。

 翁長氏は機会あるごとに「辺野古に新基地は造らせない」と言い続けた。志半ばで病に倒れ、さぞかし無念だったことだろう。

 知事職務代理者は、謝花喜一郎副知事に続いて、富川盛武副知事が務める。9日には辺野古沿岸部の埋め立て承認の撤回に関し、沖縄防衛局側の言い分を聞く「聴聞」が控えている。まずは、基地問題への対応を含め、県政運営に混乱を来さないよう万全の態勢を取ってほしい。

 現職知事の死去に伴う知事選挙は50日以内に行われる。既に自民党など野党が推す宜野湾市長・佐喜真淳氏らが出馬を表明している。今後、与党側の後継候補人選が本格化する。どのような対決構図になるにせよ、基地問題に真正面から向き合い選挙戦を展開してもらいたい。
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