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●《実際に南部地域から出土した遺骨も持参…肉親の骨を土砂と一緒に根こそぎ掘り起こして米軍基地建設のために海中に投じる暴挙に対し底深い怒り…》

2024年07月23日 00時00分31秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督「軽んじられている命があるのでは」 【こちら特報部/多少の犠牲は仕方ない…その多少って誰のこと? 映画「戦雲」が問いかける「軽んじられる命」】(東京新聞 2024年03月14日、https://www.tokyo-np.co.jp/article/315046?rct=tokuhou)]


(2024年06月30日[日])
戦没者への冒瀆」=「人柱」…普天間は決して返還されず、出来もしない新基地のためにドブガネしつつ、美ら海に土砂をぶちまける。これに関わる人々、支持する人々は、自身がやってることの卑しさに気づかないのか? ヒトデナシの所業。(こちら特報部)《沖縄戦の遺族…「どこで死んだかまで分かっているのに、遺骨はまだ帰ってきていない私たちにとってそこはお墓ですあなたたちは、墓泥棒をしようとしている」と切々と訴えた》。
 長周新聞の記事【「戦没者の遺骨を埋立に使うな」 慰霊の日を前に沖縄戦遺骨収集ボランティアや遺族が政府交渉 死者を二度殺す辺野古事業】(https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/30945)。《沖縄戦から79年目の沖縄慰霊の日(6月23日)を前にして、沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤー(壕を掘る人の意)代表の具志堅隆松氏や沖縄戦遺族たちが18日、衆院第1議員会館で内閣府や防衛省に対して、多くの沖縄戦戦没者の遺骨が眠っている県南部地域から辺野古新基地建設のための埋め立て用土砂を採取しないよう求める交渉をおこなった。内閣府や防衛省職員と対面でおこなわれた政府交渉は2月に続き今年2回目。今回は実際に南部地域から出土した遺骨も持参し、遺族たちは肉親の骨を土砂と一緒に根こそぎ掘り起こして米軍基地建設のために海中に投じる暴挙に対し底深い怒りをぶつけた》。

 (具志堅隆松さん)《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか? 《遺骨を岩ズリと一緒に軍事基地を造るために埋め立てに使うなど言語道断》…もう、滅茶苦茶すぎる。それを平気でやろうとしたのがアベ様や当時の最低の官房長官。そして、首相となった最低の官房長官も、キシダメ首相も、沖縄の声を聞こうともしない。沖縄差別・イジメに加えてのヒトデナシ
 出来もしない基地のために、美ら海に大量の…《辺野古新基地建設事業の埋立に1690万立方㍍の岩ズリが必要》…土砂をぶちまける。何兆円もドブガネする。しかも、普天間も返還されることはなく、辺野古は単なる破壊「損」。
 ご遺族の皆さんの声に全く耳を貸さない、「聞く耳の無い」キシダメ政権。カルト協会の声にはヅボヅボに応じる「利権」「裏金」「脱税」党の皆さん。沖縄差別・沖縄イジメに加担する自公お維コミ議員ら。今後は、二度と、ホシュとか、ウヨクとか、名のりなさんな。《裏金づくりのテクニックにたけた政治家…保守政治家などと言える代物ではない政治家の保守というものがいかに薄っぺらかったか…》(政界地獄耳)。

   『●具志堅隆松さん「その遺骨をも侵略した旧敵国軍の基地をつくるために使用
      するということは、戦友や遺族への裏切りに他ならない…人道的な問題」
   『●辺野古破壊について玉城デニー沖縄県知事「移設反対は揺るぎない思い」と
     強調…日々膨大なドブガネし、美ら海に大量の土砂をぶちまける愚行が続く
   『●辺野古破壊について玉城デニー沖縄県知事「移設反対は揺るぎない思い」と
     強調…日々膨大なドブガネし、美ら海に大量の土砂をぶちまける愚行が続く
   『●《戦世(いくさゆ)の足音に危機感を抱きながら私たちは戦争犠牲者を
     悼み、平和を求める日を迎えた。きょうは沖縄戦から79年の「慰霊の日」》
   『●「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党に投票しても沖縄にとって何も
     良いことがない…《少女を強姦した米兵まで隠していた》理由は何ですか?
   『●「戦没者への冒瀆」=「人柱」…普天間は決して返還されず、出来もしない
      新基地のためにドブガネしつつ、美ら海に土砂をぶちまけるヒトデナシ…
   『●前泊博盛さん《日米安保と米軍基地がある限り、米兵の犯罪行為はなくなら

     ない。これは宿痾だ。今の政権では米国にものは言えない。再発防止も…》

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https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/30945

「戦没者の遺骨を埋立に使うな」 慰霊の日を前に沖縄戦遺骨収集ボランティアや遺族が政府交渉 死者を二度殺す辺野古事業
2024年6月23日

     (政府交渉をおこなう具志堅隆松氏(右から2人目)や
      遺族たち(18日、衆院第1議員会館))

 沖縄戦から79年目の沖縄慰霊の日(6月23日)を前にして、沖縄戦遺骨収集ボランティア・ガマフヤー(壕を掘る人の意)代表の具志堅隆松氏や沖縄戦遺族たちが18日、衆院第1議員会館で内閣府や防衛省に対して、多くの沖縄戦戦没者の遺骨が眠っている県南部地域から辺野古新基地建設のための埋め立て用土砂を採取しないよう求める交渉をおこなった。内閣府や防衛省職員と対面でおこなわれた政府交渉は2月に続き今年2回目。今回は実際に南部地域から出土した遺骨も持参し、遺族たちは肉親の骨を土砂と一緒に根こそぎ掘り起こして米軍基地建設のために海中に投じる暴挙に対し底深い怒りをぶつけた。


 政府交渉には、沖縄県内、関東近郊をはじめ全国各地から駆けつけた支援者、国会議員も含めて約150人が参加し、内閣府、防衛省、警察庁などの20人余りの職員と対峙した。

 冒頭、40年以上にわたって沖縄戦戦没者の遺骨収集にとりくんできた具志堅隆松氏は、沖縄県南部地域から採掘された遺骨が混じった土を政府職員の前に広げた。

 「今日は南部で収集した遺骨土砂を持参した。遺骨収集が終わった現場であっても、土中には収容することが難しい小さな骨がいくつも残っている。風化によるものもあるが、戦時中の爆発によるものもある。実際にこの骨が見つかった場所は手榴弾を2個投げ込まれ、火炎放射器によって焼かれていた。土と見分けがつかないほど小さく砕けた遺骨だが、これも人間の一部だ。果たして人に見せてよいものかどうか躊躇があったが、見せなければこの骨は海に捨てられてしまう。そのためにあえて持参した。遺骨収集を完全にやりきることは無理だということ、南部には遺骨がまだ無数に眠っていることを政府には理解してもらいたい」と切々と訴えた。

 沖縄県内では現在、県民投票で7割が反対票を投じ、県知事も不承認とした沖縄県の民意に逆らって、国による辺野古新基地建設が進められている。建設予定地の名護市辺野古・大浦湾では広大な軟弱地盤が見つかり、国が出した設計変更申請書では、埋め立てに必要な約1690万立方㍍岩ズリのうち、沖縄南部地区(糸満市・八重瀬町)だけでその2倍近い約3160万立方㍍の岩ズリの調達が可能とし、埋め立てに必要な土砂の7割をここから調達する案が示されている。

 沖縄県南部は、県民の4人に1人が亡くなった沖縄戦で最も凄惨を極めた激戦地であり、追い詰められた住民や動員学徒、兵士たちが米軍の無差別爆撃や砲撃によって命を落とし、ガマ(自然壕)などでは集団自決を強いられ、死亡場所や遺骨も見つかっていない犠牲者も多い。現在は糸満市摩文仁を「沖縄戦終焉の地」として一帯が県営平和祈念公園に整備され、戦没者の名を刻んだ平和の礎(いしじ)などの多数の慰霊碑や平和関連施設が建ち並んでいる。

 具志堅氏をはじめとする遺骨収集ボランティア・ガマフヤーは今回、岸田首相、木原防衛大臣宛ての要請書で次のように訴えている。


*      *


 6月23日は沖縄戦戦没者に対する慰霊の日である。県民にとっては戦没者を偲び、不戦を誓い、平和希求の思いを新たにする日である

 慰霊の日におこなわれる沖縄戦全戦没者追悼式の会場である摩文仁は、沖縄戦の激戦地で、これまで収容された戦没者遺骨が安置されている「沖縄戦没者墓苑」や「平和の礎」があり、緑地帯は未収容遺骨が残っている霊域である。岸田総理は今、その戦没者遺骨が残っている南部の土砂を辺野古の埋め立てに使おうとしている

 6月23日の慰霊の日に総理がやろうとしていることは、すでに収容された墓苑の遺骨に対しては「哀悼の誠を捧げる」と手を手向けつつ、緑地帯の未収容遺骨はかつて敵軍であった米軍の基地建設のために土砂とともに海に捨てるというものだ。これは戦没者に対する裏切りであり、冒涜である戦没者は沖縄戦では米軍に殺され、今は日本政府にふたたび殺されようとしている

 戦没者遺骨とは、DNA鑑定で家族の元へ帰る権利を持ち、国にとっては家族に帰す責任のある戦死者のことである。そのために「戦没者の遺骨収集の促進に関する法律」があるにもかかわらず、戦没者と遺族を冒涜するのが日本政府の辺野古埋め立て政策である。

 摩文仁の慰霊式典の場においての戦没者への安寧の祈りと、戦没者の冒涜という二つの相反する行為が岸田総理の胸の中でどう折り合いがつくのだろうか。それは県民や全国の沖縄戦ご遺族も到底受け入れられないことである。

 岸田総理は、慰霊の日に沖縄に来るのであれば、辺野古の埋め立てに南部の土砂は使わないことを表明してから来るべきだ。もしくは沖縄全戦没者追悼式(慰霊祭)当日に、そのことを県民と全国の沖縄戦遺族に表明すべきだ。


戦死者冒涜する防衛省 遺骨捨てるのが「適切」か

 具志堅氏は、那覇市に拠点を置く陸上自衛隊第15旅団の公式HPに、沖縄戦を指揮した日本軍第32軍牛島満司令官の辞世の句が掲載(現在は削除)されていることにもふれた。「牛島司令官の辞世の句が、今になって自衛隊によって世に出されたことは、自衛隊が旧日本軍司令官の考えを受け継ぐことの表明であり、県民としては意志表示をしなければならない。辞世の句は『秋待たで/枯れ行く島の/青草は/皇国の春に/甦(よみがえ)らなむ』というものだ。青草とは沖縄の住民を意味する。沖縄の住民は枯れ果ててしまっても、皇国(天皇の国家)が春を迎えるとき、ふたたび蘇るであろうという内容だ。だが、そもそも青草(沖縄の住民)を枯れさせたのは誰なのか」とのべ、みずから琉歌(沖縄に伝わる歌謡)の形式で編んだ返歌を詠み上げた。

 「島ぬ青草や 皇軍が枯らち 戦(いく)さ 枯骨(からぶに)や 土(みちゃ)になゆる」

 「沖縄の住民は日本軍の戦争が滅ぼした。戦没者遺骨は土になっているという意味だ。その遺骨はどんどん土になっており、今度はその土を海に捨てようとしている。私たちはこれを受け入れるわけにはいかない。そのなかには沖縄に送られた本土出身の若い日本兵たちの遺骨も入っている。沖縄だけの問題ではないのだ。南部の土砂を埋め立てに使う計画は、全国のご遺族、国民のためにも撤回してもらいたい」と語気を強め、誠意ある回答が示されない場合、20日から23日にかけて沖縄現地で抗議のハンガーストライキをおこなうことを宣言した。

 この要請に対して防衛省は、「沖縄県では、先の大戦において県民を巻き込んだ凄惨な地上戦がおこなわれ、軍民あわせて20万人もの尊い生命が失われた。特に本島南部一帯では、多くの住民の方々が犠牲になったものと認識している。そのうえで、今後新たに発注する工事の埋立土砂の調達先については決まっていないが、このような歴史のある沖縄において、御遺骨の問題は真摯に受け止める必要があると認識しており、こうしたことも踏まえながら、適切に事業を進めていく考えだ」との一文を読み上げて回答とした。

 「適切とは具体的にどういうことなのか?」「沖縄戦の犠牲の重さを認識し、遺骨の問題を真摯に受け止めるといいながら、その遺骨を含む南部の土砂を埋め立てに使うことは適切といえるのか?」「土砂の調達先から南部を外すという検討はされたのか?」という質問に対しても、防衛省は「調達先はまだ決まっていない」「歴史を踏まえたうえで適切に進める」と判をついたような回答をくり返した。


遺族たちも次々発言 「お墓荒らしと同じだ」 

     (遺骨土砂を前にして政府に要望する具志堅隆松氏(18日))

 「よく見てください。このなかから遺骨が判別できるだろうか。これも遺骨だ。この小さいのも遺骨だ。採石業者が採石中にこれに気がつくことができるかといえば無理だ。何週間かけてもすべて収集することはできない。遺骨を重要な問題と認識するのであれば、このような土砂をどんどん崩して海に投げ込むようなことはできないはずだ」。具志堅氏は持参した遺骨を一つ一つ手にとりながら語気を強めた。

 長年の風化で小さく砕けた骨は、乾燥した土砂に混じると目視で判別することは専門家でも難しい。

 「どうか犠牲者のためにも南部の土地を触らないでいただきたい。私たちもできる限りの遺骨を収容するが、それでも収容できない小さな骨片は、現場安置という考え方で残し、一帯を霊域として保護するそこは日本が二度と戦争をしないために過去の戦争の事実と向き合う場所となる。そのためにも戦没者の尊厳を守るべきだとくに旧日本兵の犠牲者は、防衛省職員にとっては先輩であり戦友であるはずだその戦友の骨を、戦友を殺した米軍に基地を作ってあげるために海に捨てるというのは、戦友、遺族、国民に対する裏切りではないか」と訴えた。

 沖縄戦遺族たちも、遺骨の前に立って次々に発言した。

 沖縄県うるま市から参加した男性遺族は「私の姉は当時、結婚したばかりだったが、沖縄戦で沖縄南部の真壁という村で亡くなった。遺骨は残っていない。父方の祖父母も南部で亡くなったというだけで、どこで亡くなったのかもわからない。この見分けがつかなくなった土砂の中に眠っていると思う。私の姉や祖父母も土になっている。この南部の土砂を使って海を埋めてはいけない。われわれの姉や祖父母がまた海の中に埋められるように感じる。だから勇気を出してお願いしたい」と絞り出すような声でのべた。

 福岡県から訪れた遺族の女性は「6月23日は父の79回目の命日だ。仏教でいえば80回忌だ。まだ遺骨は帰ってきていない。その(土砂)中に父が入っているかもしれない。父は沖縄県南部・摩文仁の丘の米須海岸で亡くなった。厚労省援護局が出した『沖縄方面部隊略歴』にもそう書かれている。隊の名前までわかっていても亡くなった場所が特定されていない。だから私たちはいつも孫も連れて洞窟のそばにお参りしている。私たちにとってはお墓と同じ場所だ。あなた方はお墓荒らし墓泥棒をされようとしている。私たちはもうそこしかない。その場所をなくさないでほしい」と唇をかみしめて訴えた。

 祖父を沖縄戦で失った女性は、高齢の母親とともに祖父の遺影を持って交渉に参加した。「今日6月18日は祖父の命日とされているので母も一緒に出てきた。祖父が遺影で着ている軍服は、兵士にとっては死に装束だ。母が生まれた昭和16年は、ミッドウェー海戦の前後で戦局が低迷し、お父さんに会ったことがない、お父さんの声を聞いたことがないという人が多く、母が初めて父親の姿を見たのもこの“死に装束”で撮った写真だった」とのべ、次のように続けた。

 「私は今日、北海道から沖縄に赴いた軍人遺族としてここに来た。祖父は第32軍24師団に北海道日高から召集され、母が生まれたときはすでに東京・世田谷池尻で士官教育を受けていた。そこから満洲に送られ沖縄に行って戦死した。遺骨が眠る土砂を埋め立てに使う――これは人がして良いことだろうかたとえ仕事であっても家族や両親、子どもにいえないようなことを、心を殺して家族のためにしなければならないという思いで今この時間を耐えているのだとしたら、ここにいるお互いすべての人の家族を守るためにも、もっと大きな視点をもって考えてもらいたい

 「何よりも戦没者の遺骨は、戦没者自身と戦没者の遺族のものだ。だが、この件に関して防衛省や内閣府から遺族に対する説明は一度もない。開発によって犠牲を被る人に対して何も情報提供もなく、粛々と進められていることに非常に不謹慎なものを覚える。遺族感情を逆撫でするような行為が自分の国でおこなわれていることに恥辱すら感じる。沖縄では米国兵の遺骨もまだ250名ほど見つかっておらず、韓国や北朝鮮、台湾の犠牲者、海ではイギリスやカナダの犠牲者も眠っている。その遺骨をこのような扱い方をすることについて、遺族たちの承諾を得る必要はないのか」

 「遺骨収集ボランティアに参加すると、生まれたときにすでに沖縄戦で親がいなかったとか、たらい回しにされて育ったという遺族の方にも出会った。そのような方々の父や母がこの土砂の中にいるかもしれない。具志堅さんが持参された骨の一かけら、一かけらは、父や母、兄、弟、祖父たちの生きた証だ。そして遺族の筆舌に尽くしがたい思いがあることをわかってほしい」

     (辺野古事業に南部の土砂を使用しないよう求めて150人
      以上が席を埋めた政府交渉(18日、東京衆院議員会館))


二度と戦死者出さぬため 「慰霊」の意味問う

 ニューギニアで父親が戦死した男性遺族も「私が生まれる前に父は戦死した。沖縄では今、台湾有事が起きたときには自衛隊が集団的自衛権を発動して米軍と一緒に戦争をやるという想定で、さまざまな軍事強化がおこなわれている。私の父も日独伊3国同盟のもとで始まった戦争で、昭和16年に満州に行き、その後ニューギニアに連れて行かれて餓死同然で亡くなった。東ニューギニアでは10万人のうち9万1000人が死んでいる。9%しか生き残っていない。全滅した部隊もある。政府は遺骨の半分は帰っているというが、ほとんどの骨は帰っていないのだ。ニューギニアの遺骨は外国のジャングルの中だが、沖縄は日本国内だ。その骨を遺族に返すのではなく、土砂と一緒に海に捨てるということは、人間がやっていいことではない」とのべた。

 遺族たちの切々とした訴えの前にも、防衛省は2月の交渉時と同様真摯に受け止める」「適切に進めるというだけで、前回の要請を検討した結果や遺骨が混ざった土砂についての具体的措置については一切明らかにしなかった。

 交渉団は、慰霊の日までに「遺骨が混じった土砂を埋め立てに使用することが適切なのか」「不適切と考える場合、土砂調達先から南部を除外するのか」という質問に対する明確な回答を文書で求め、防衛省側は赤嶺政賢議員事務所を通じて回答することを約束した。

 また交渉では、昨年の沖縄慰霊の日に平和祈念公園周辺を異例の数の警官が埋め尽くして過剰警備をおこなったため、慰霊碑の参拝や式典に訪れた遺族やその家族たちが大回りを強いられたり、物々しい威圧感の中に置かれたことをあげ、「総理警護が優先され、主役であるはずの遺族の参拝に支障が出ている」と抗議もおこなわれた。

 「平和をつくり出す宗教者ネット」からは、戦没者の遺骨を辺野古基地建設に使用することを断念するよう求める署名723筆が追加提出され、これまでの提出署名と合わせて3万7750筆、賛同団体は121団体となった。今年2月には沖縄県民が呼びかけた署名6万6000筆余りが提出されており、同様の署名は10万筆をこえた。

 具志堅氏は「私たちがこれを求めるのは、二度と戦死者を出さないためだ。戦争で犠牲になるのは政治家ではなく、みなさんを含む現場の人間だ。だから私は、自衛隊に戦死者を出さないためにもミサイルを持って沖縄から出て行ってほしいと願っている。それが日本を守ることだ。アメリカのために戦没者の骨までも海に捨てようとすることを断念しないのであれば、岸田総理は慰霊の日に沖縄に来ないでいただきたい」と要望した。


79年前の沖縄戦

     (鉄の暴風と呼ばれた米軍艦船による艦砲射撃(1945年))

     (砲撃の中、家財道具を抱えて避難する住民たち(1945年6月))

     (地獄の前線を生き延び、傷の手当てをする少年と少女。
      動員された学徒隊とみられる)

     (米軍の総攻撃で蜂の巣となった首里周辺。沖縄戦では
      畳1枚に1発の割合であらゆる砲弾が撃ち込まれ、
      県民の4人に1人がなくなったとされる(1945年5月))
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●前泊博盛さん《日米安保と米軍基地がある限り、米兵の犯罪行為はなくならない。これは宿痾だ。今の政権では米国にものは言えない。再発防止も…》

2024年07月22日 00時00分10秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督「軽んじられている命があるのでは」 【こちら特報部/多少の犠牲は仕方ない…その多少って誰のこと? 映画「戦雲」が問いかける「軽んじられる命」】(東京新聞 2024年03月14日、https://www.tokyo-np.co.jp/article/315046?rct=tokuhou)]


/// (2024年06月30日[日])
慰霊の日」…《軍隊は人を守らない》《軍隊は住民を守らない》《基地を置くから戦争が起こる》という教訓はどこに? 東京新聞社説《約3カ月続いた沖縄戦では県民の4人に1人が犠牲になったとされますが、32軍の南部撤退以降の約1カ月間に住民の犠牲が集中しています。軍隊は住民を守らない-沖縄戦の多大な犠牲から得た県民の教訓です》。
 にもかかわらず、戦争法、敵基地攻撃能、軍事費倍増、軍事要塞化、殺傷兵器輸出…平和憲法が蔑ろに。軍需産業でメシを食っていこうという落ちぶれよう。戦争を回避する努力どころか、戦争を煽るバカさ加減。台湾の世論「現状維持」を無視。番犬様もニッポン政府も中国の領土であることを認めておきながら、「台湾有事」と煽り立て、番犬様の代わりにニッポンは中国と戦争でもおっぱじめるつもりかね? あまりにアホ過ぎないか? それに、食糧安全保障はどうすんの? 《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね

 一方で、先日の沖縄県議選では、「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党の議席が増えました。投票率も低く、とても残念で仕方がありません。米兵の事件の〝隠蔽〟が選挙の結果にも少なからず影響したことと思いますが、「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党に投票しても沖縄にとって何も良いことがない、と確信させられました。《前泊博盛教授…「事件が選挙前に明らかになっていたら、大きなハレーションが起きたのは間違いない」と断じる》(こちら特報部)、当然でしょ。さらに、前泊博盛さんは《「日本政府は国民の人権、生命財産よりも、政局を優先して隠蔽(いんぺい)したのか、と勘繰りたくなるタイミングで明らかになった」と憤》る。前泊博盛さんは《「日米安保と米軍基地がある限り、米兵の犯罪行為はなくならないこれは宿痾(しゅくあ)今の政権では米国にものは言えない再発防止もおぼつかないだろう」》と指摘、全く同感です。

 6月23日の東京新聞の【<社説>週のはじめに考える 沖縄を再び戦場にしない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/335448?rct=editorial)。《太平洋戦争末期、住民を巻き込んだ激烈な地上戦の戦場となった沖縄県。きょう「慰霊の日」を迎えました。1945(昭和20)年の6月23日、日本軍による組織的戦闘が終わった日とされます。あれから79年沖縄には依然、多くの米軍基地が残り、情勢緊迫を理由に自衛隊も増強されています。再び戦場になるのでは…。県民の不安は募りますが、沖縄を再び戦場にしてはなりません。今年4~5月、沖縄戦跡の一つが報道公開されました。那覇市の「首里城」地下に旧日本軍が構築した第32軍司令部壕(ごう)」。総延長約1キロに及ぶ5本の坑道のうち司令部中枢に近い「第2坑道」と「第3坑道」と呼ばれる区域です。第3坑道は「守礼門」の地下にあり当時の牛島満司令官の「司令官室」があったとみられます》、《◆住民巻き込まれ犠牲に》、《◆「基地のない島」は遠く》。

   『●辺野古破壊について玉城デニー沖縄県知事「移設反対は揺るぎない思い」と
     強調…日々膨大なドブガネし、美ら海に大量の土砂をぶちまける愚行が続く
   『●《戦世(いくさゆ)の足音に危機感を抱きながら私たちは戦争犠牲者を
     悼み、平和を求める日を迎えた。きょうは沖縄戦から79年の「慰霊の日」》
   『●「利権」「裏金」「脱税」党や下駄の雪党に投票しても沖縄にとって何も
     良いことがない…《少女を強姦した米兵まで隠していた》理由は何ですか?
   『●「戦没者への冒瀆」=「人柱」…普天間は決して返還されず、出来もしない
      新基地のためにドブガネしつつ、美ら海に土砂をぶちまけるヒトデナシ…

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/335448?rct=editorial

<社説>週のはじめに考える 沖縄を再び戦場にしない
2024年6月23日 07時38分

 太平洋戦争末期、住民を巻き込んだ激烈な地上戦の戦場となった沖縄県。きょう「慰霊の日」を迎えました。1945(昭和20)年の6月23日、日本軍による組織的戦闘が終わった日とされます。

 あれから79年沖縄には依然、多くの米軍基地が残り、情勢緊迫を理由に自衛隊も増強されています。再び戦場になるのでは…。県民の不安は募りますが、沖縄を再び戦場にしてはなりません

 今年4~5月、沖縄戦跡の一つが報道公開されました。那覇市の「首里城」地下に旧日本軍が構築した第32軍司令部壕(ごう)」。総延長約1キロに及ぶ5本の坑道のうち司令部中枢に近い「第2坑道」と「第3坑道」と呼ばれる区域です。第3坑道は「守礼門」の地下にあり当時の牛島満司令官の「司令官室」があったとみられます。

 県が管理する坑道内部への立ち入りは通常、崩落の危険があるとして禁止されていますが、今回、地元メディアが記録のため内部に入りました。報道公開は2020年の「第5坑道」以来です。

 坑道は地下13メートルにあり、高さ1・2~2・8メートル、幅1・3~2・8メートル。所々に落石や水たまりがあり一部は崩落していました。

 太平洋戦争中の44~45年に米軍の進攻に備えて築いた旧日本陸軍の拠点で、壕内には司令官室のほか参謀室、将校室、作戦室、通信室、救助室などがあり、千人以上の将兵らがいたとされます。


◆住民巻き込まれ犠牲に

 沖縄攻略のために太平洋地区の戦力を結集した米軍は45年3月26日、慶良間列島に上陸。4月1日には1500隻近い艦船と、延べ約54万人の兵員で沖縄本島に上陸を開始しました。苛烈な沖縄戦の始まりです。

 日米両軍の激しい攻防の末、米軍は5月11日、司令部のある首里に総攻撃を加えました。第32軍は同22日に首里から南部への撤退を決め、放棄した壕を自ら爆破したとされます。

 しかし、南部撤退は住民保護を度外視した展望のない消耗戦でした。すでに南部に避難していた住民を戦闘に巻き込み、多大な犠牲を強いることにもなりました

 南部に逃れた住民の多くが「鉄の暴風」とも呼ばれる米軍の猛攻撃で犠牲になったのも、将兵と混在していたため、攻撃対象とされたからでした。壕に避難していた住民が日本軍の兵士に壕から追い出されたり、自決を強いられたという証言も多く残ります。

 沖縄本島南部に撤退した第32軍は糸満市摩文仁周辺の壕に司令部を移しましたが、戦況は好転することなく、6月23日、牛島司令官の自決によって日本軍による組織的な戦闘は終わります。

 約3カ月続いた沖縄戦では県民の4人に1人が犠牲になったとされますが、32軍の南部撤退以降の約1カ月間に住民の犠牲が集中しています。軍隊は住民を守らない-沖縄戦の多大な犠牲から得た県民の教訓です


◆「基地のない島」は遠く

 沖縄は戦後、日本本土と切り離され、米軍による住民の人権軽視の苛烈な統治が続きました

 沖縄の施政権が日本側に返還された1972(昭和47)年5月15日の本土復帰は、沖縄の人々にとって、戦争放棄と戦力不保持、基本的人権の尊重などを定めた日本国憲法への復帰であり、願い続けた基地のない平和な島が実現する機会でもありました。

 しかし、米軍基地はそのまま残り、基地に起因する騒音や環境被害、米兵らによる事件・事故など深刻な被害は変わりません

 復帰当時、在日米軍専用施設が所在する比率は本土と沖縄県で4対6でしたが、今では3対7に拡大しています。基地負担を沖縄県民に押し付ける構図です。

 名護市辺野古沿岸部では多くの県民が反対する中、普天間飛行場(宜野湾市)の代替施設建設が強行されています。同じ県内移設では基地負担の抜本的な軽減にはならないにもかかわらず、です。

 さらに近年、台湾や沖縄県・尖閣諸島を巡る緊張を背景に「有事への備え」として米軍に加えて自衛隊も増強されています。米軍や自衛隊の基地が攻撃対象となり、再び戦場になるのでは、との懸念が県民の間で高まっています。

 もちろん、沖縄を戦場にして県民に犠牲を強いるようなことは、二度とあってはなりません。そのためには軍事力ではなく、あらゆる外交力を駆使して紛争を抑止する。そのことを、すべての日本国民がいま一度確認しなければならない、沖縄慰霊の日です。
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●アベ様が《集団的自衛権の行使容認を閣議決定…このタイミングで自衛官募集のダイレクトメールが届けられた…「赤紙が来た」「召集令状だ」》

2023年09月15日 00時00分25秒 | Weblog

[※ 防衛大学、教育・指導という名のいじめ・暴行 (東京新聞2019年3月18日)↑]


(2023年08月16日[水])
まずは、昔のブログ(2014年08月08日 00時00分18秒)『●いろんな意味で疲れます…住民基本台帳活用とアイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!』にコピペさせていただいていた、半田滋さんによる東京新聞のコラム【【私説・論説室から】自衛官募集で「赤紙来た」】を再引用します。

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【私説・論説室から】
自衛官募集で「赤紙来た」
2014年8月6日

 「平和を、仕事にする」。自衛隊の募集案内が七月上旬、全国の十八歳の若者宛てに一斉に送付された。安倍晋三首相は七月一日、集団的自衛権の行使容認を閣議決定した。このタイミングで自衛官募集のダイレクトメールが届けられたのだ。

 インターネットを利用したツイッター上では「赤紙が来た」「召集令状だ」といったつぶやきがあふれた。防衛省は地方自治体が持つ住民基本台帳から適齢者の住所、名前などの個人情報を入手している。政府が自衛隊に入隊してほしいと考えた適齢者(十八~二十六歳)へ、いつでも募集案内を送りつけることができると証明された。

 八月一日から十日までは、AKB48の「ぱるる」こと島崎遥香さんによる自衛官募集のテレビCMがオンエアされている。「自衛官という仕事、そこには大地や海や空のように果てしない夢がひろがっています

 AKB48採用の理由を防衛省人材育成課は「親しみやすいうえ、東北復興にボランティアとして活躍している。『人の役に立ちたいという若者に訴えかける力がある」という。だが、自衛官になって「人助け」をしようとする若者の夢は「戦争参加の可能性」により、打ち砕かれたのではないか。「果てしない夢」はしぼんでしまったのに「夢のある自衛官になろう」と呼びかけるのだからブラックジョークというほかない。 (半田滋
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 さて、山田祐一郎安藤恭子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/「赤紙」があなたにも? 自衛隊の入隊勧誘ダイレクトメール 知らないうちに自治体が個人情報を】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/268883?rct=tokuhou)。《自治体から自衛隊へ、若者の個人情報の提供が拡大している。進路を選ぶ年齢の住民に突然ダイレクトメール(DM)が届き、あたかも戦時中の「赤紙」を連想させるという声も。背景にあるのは、深刻な自衛官のなり手不足だ。政府はさまざまな対策を打ち出しているが、根本的な原因はどこにあるのか。戦後78年の終戦記念日を前に、教訓を考えた。(山田祐一郎安藤恭子)》。

   『●日本国憲法第九条「国権の発動たる戦争と、
     武力による威嚇又は武力の行使は、永久にこれを放棄する」
   『●沖縄では自衛隊入隊の説明会依頼は無し、
       なので、住民基本台帳を閲覧して個人情報を入手
   『●いろんな意味で疲れます…住民基本台帳活用と
      アイドルによる「番宣」で「果てしない夢」へGO!

 防衛大学校もあの惨状。《学外から招いた怪しい右翼系論客に学生たちに対する講演をさせるケースまであり、防大内に不適切な人士が入り込むチャンネルになってしまっています》、《怪しげな論客が教室で、政治的に偏向した低レベルの「講演」を学生たちに行い、彼らを招聘した「咎人」自衛官教官は良いことをしたと考え、怪しい論客は「防衛大学校で講演した」ことで自分に箔を付ける。そうした行為がまかり通っているのです》《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校(上中級幹部を養成する自衛隊の教育機関)にまで見られるのです》。
 また、《防衛ジャーナリスト半田滋の丹念な取材レポート。防大現役教授の内部告発文書が話題になっています。武器は爆買いし配備していますが、それを使い動かす自衛隊員は慢性的な人手不足リーダーを育てるはずの防衛大学校では、目を覆うばかりのハラスメントや「商業右翼」人士のトンデモ講演で、能力と意欲のある学生ほど進路を転換する。等松防大教授の内部告発「危機に瀕する防衛大学校」から、そういう防大の崖っぷちを具体的に取り上げつつ、学生はどんな時に卒業後に自衛官にならないのか、わかりやすい背景を解説します。自衛隊離れの数字は、半田さんの独自取材。そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね、と思わず納得する結果でした》。

   『●「たちかぜ」海自イジメの隠蔽と、
       そして、ホイッスル・ブロワーへの第二のイジメ進行中
    《内部告発した三等海佐は海自で懲戒処分の審理対象になり
     厳しい立場に追い込まれている機密情報を漏らした公務員への罰則を
     強化する特定秘密保護法の成立は、機密性のない情報の内部告発までも
     萎縮させるおそれもあり今後こうした告発者はますます出にくくなりそうだ》
    《自衛隊全体では「いじめ」による自殺も問題になっている。九九年、
     護衛艦「さわぎり」乗員の三等海曹の自殺、〇五年航空自衛隊浜松基地の
     三等空曹の自殺は、ともに上官による「いじめ」が裁判で指摘された》

   『●「たちかぜ」海自イジメへの道…《最も重要なリーダー
     シップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・暴行[*]
   『●《防衛大学校…を設置する国》には責任なし?
     嫌がらせ・イジメとも呼べないほどの暴行が蔓延を見て見ぬふり…
    「そして、《国の責任》。《「防衛大の安全配慮義務違反があったとは
     言えない」として男性の請求を棄却し、国の責任を認めなかった》。
     足立正佳裁判長、そりゃぁないでしょ!? 《最も重要な
     リーダーシップ教育の一つである後輩指導》という名のいじめ・
     暴行が横行。本当に、《国の責任》はないのか?」
    「《教育》、《指導》という名のいじめ暴行。《幹部自衛官を養成する
     防衛大学校》を卒業し、〝見事な〟幹部自衛官自衛隊の幹部》へと
     〝成長〟したのでしょう…これは、「たちかぜ海自イジメなどなど
     への道です、きっと。」

   『●防衛大学校の《教育》、《指導》という名のいじめ、暴行 ―――
     国にも責任あり。一審福岡地裁判決を変更した、当り前の福岡高裁判決
    「三宅勝久さんによる、スギナミジャーナルの記事【元防大生の若者の
     たたかいが社会に与えた勇気と感動】」

   『●《損害賠償請求…情報は自衛隊が握っていて開示には高いハードル…
     組織の隠蔽、閉鎖体質が改まらない限り、自浄作用は期待できない》
   『●悪法《防衛費増額の財源を確保する特別措置法…貴重な財源は少子化
     対策や物価高への対応など国民にとっての喫緊の課題に充てるべき》
   『●【<ますます迷走マイナ保険証> 防大内部告発・「処理水」放出・大阪万博
     ・「捏造」大川原化工機【山田厚史の週ナカ生ニュース】】…落ち込むょ
    「防衛大学の腐敗(等松春夫教授の告発)…」

   『●衝撃《防衛大現役教授が実名告発》…《等松春夫教授が公開した衝撃的な
        論考『危機に瀕する防衛大学校の教育』について》のインタビュー
   『●『危機に瀕する防衛大学校の教育』から見えてくるもの…《自衛隊
      離れの数字…そうだよね、みんな、海外の戦場にはいきたくないよね》
   『●等松春夫教授《困ったことに、この種の「商業右翼」を講師として学外から
      招く悪習は、防大のみならず陸海空の幹部学校にまで見られるのです》

 「まずは、「戦争絶滅受合法」を可決し、自公議員や支持者をはじめとしたオトナがお手本を示して、「非戦闘地域」の現状を確認してもらってから…」。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/268883?rct=tokuhou

こちら特報部
「赤紙」があなたにも?自衛隊の入隊勧誘ダイレクトメール 知らないうちに自治体が個人情報を
2023年8月9日 12時00分

 自治体から自衛隊へ、若者の個人情報の提供が拡大している。進路を選ぶ年齢の住民に突然ダイレクトメール(DM)が届き、あたかも戦時中の「赤紙」を連想させるという声も。背景にあるのは、深刻な自衛官のなり手不足だ。政府はさまざまな対策を打ち出しているが、根本的な原因はどこにあるのか。戦後78年の終戦記念日を前に、教訓を考えた。(山田祐一郎安藤恭子


◆高校3年生の長男に

     (東京都内に届いた自衛隊の勧誘チラシ=一部画像処理)

 「平和な日本で在り続ける為に」「自衛隊という選択肢」

 7月上旬、東京都内の会社員女性宅に届いた高校3年生の長男(17)宛てのDM。防衛省と書かれた封筒を開けると、そんな言葉が書かれたチラシが入っていた。「進学先としての防衛大であればそういう選択肢もあるかとも思えるが、『自衛隊』と書かれると、抵抗を感じた」と女性は話す。

 DMは全国の自衛隊地方協力本部が、高校を卒業する18歳や、大学を卒業する22歳に向けて送ったものだ。自衛隊法では、都道府県知事や市町村長が自衛官の募集事務の一部を行うと規定しており、DMを送るための「氏名」「生年月日」「性別」「住所」の個人情報を、全国の多くの市区町村が自衛隊側に紙や電子媒体で名簿提供している。

 従来は、多くの自治体が住民基本台帳の閲覧や書き写しを認める形にとどめていた。大きく転換したきっかけは、2019年2月、安倍晋三首相(当時)が自民党大会で「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している」と述べたこと。政府は20年12月、「市区町村長が住民基本台帳の一部の写しの提供が可能であることを明確化する」ことを閣議決定し、翌年2月に防衛省と総務省が各自治体に提出が問題ないことを通知した。

 防衛省によると、18年度は紙と電子媒体による名簿提供が全1741自治体中683自治体だったのに対し、22年度は1068自治体に増加。これに対し閲覧は、894自治体から534自治体に減少した。名簿提供が39%から61%に増え、逆転したことになる。


◆安倍元首相の発言で「名簿提供が拡大」

 「安倍元首相が自治体をやり玉に挙げたことで一気に名簿提供が拡大した」と話すのは、市民団体「改憲・戦争阻止!大行進川崎」事務局の上田豊さん。7月に川崎市に対し、名簿提供の中止を申し入れた。「まさに自治体による戦争協力」と市の対応を批判する上田さん。「戦時中に自治体職員が住民に赤紙を持って行ったのと同じ構図だ」と指摘する。

 「こちら特報部」は8日午後、東京都練馬区と埼玉県朝霞、和光、新座市にまたがる陸上自衛隊自衛隊朝霞駐屯地の周辺を訪ねた。陸自広報センターがある朝霞門近くには「自衛官募集」の大きな看板と、「全国統一夏季採用広報キャンペーン実施中」の横断幕が掲げられていた。

     (陸上自衛隊朝霞駐屯地のフェンスにある
      自衛官の募集案内=埼玉県和光市で)

 30代と40代の息子がいる朝霞市内の女性(60)は「子どもが学生の時は募集のチラシが送られてきていたし、電話でも勧誘があった」と振り返る。学生はDMが届いたら、自衛隊への就職を考えるのか。和光市駅から出てきた大学1年の男性(18)は「考えたこともなかった。国を守ることも大事だと思うけど、命を危険にさらすのは嫌だ」と話した。

 前出の、DMを受け取った女性は「人を殺傷することを前提とした訓練をさせるために息子を育ててきたわけではない。一方で経済的な事情で選ばざるを得ない若者もいるので複雑だ」と心境を明かした。

 知らないうちに個人情報を提供され、年齢を見定めてDMが届く状況は問題ではないのか。甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は「住民基本台帳法は台帳の閲覧を認めているだけ。提供の規定はなく同法を逸脱している。自衛隊法からみても自治体管理の個人情報まで得ようというのは、拡大解釈の恐れがある。自衛隊だけ特別扱いというのもおかしい」と述べる。

 情報提供を望まない人を名簿から除外する「除外申請」制度もあるが、市民に周知されているとはとても言えない。DMが届いた保護者や子どもが困惑するのは「当たり前」と園田氏。「個人情報を提供されたくないという『自己情報コントロール権』を守りたいと思うなら、居住する自治体に対し、何を根拠に提供したのか問い合わせ、異議申し立てもできる。なし崩し的に自治体の名簿提供が広がるのは筋が違う」


◆少子化やハラスメントで応募者減少

 背景には自衛官応募の減少傾向もある。先月公表された2023年版防衛白書によると、22年度の自衛官などへの応募者数は7万4947人。前年度の8万4682人から1万人近く減った自衛官の定数割れも慢性的で、22年度末は定数約24万7000人に対し、現員数は約22万8000人だった。

 こうした状況を受け、政府の人的基盤強化策に関する有識者検討会は7月、報告書を提出。任期がある自衛官候補生制度の見直しや、幹部自衛官となる前提で理工系学生に奨学金を貸与する「貸費学生制度」の対象者拡大を推奨。給与増額、ハラスメント根絶なども求めた。

 だが、福島県の陸自郡山駐屯地に所属していた五ノ井里奈さんが自衛官を辞めた後の22年、前年に男性隊員3人に押し倒されるなどの性被害を受けていたと公表。愛知県の航空自衛隊小牧基地は今年5月、後輩の男性隊員の顔にマグカップを投げつけ歯が折れるなどのけがをさせたとして、40代男性空曹長を停職6カ月の懲戒処分とした。

 「応募減は少子化だけが原因ではない。相次ぐパワハラ、セクハラ報道をみれば、入隊は不安だろう。五ノ井さんに土下座までした隊員たちが裁判で居直ったことも今後の採用に響く」とみるのは、元自衛官で軍事ジャーナリストの小西誠氏だ。「いじめやハラスメントが相次ぐのは軍隊の構造。24時間営内勤務の生活環境がいまの日本にそぐわない。有事となれば、さらに人はいなくなる

 令和を生きる若者に届くDM。明治大の山田朗教授(日本近現代史)によると、徴兵制があった戦前の「赤紙」は旧日本軍の臨時召集令状を表し、その紙の色をとって呼ばれた。日中戦争が始まったころから、戦地に赴いて退いた予備役や、徴兵検査を経て体格が良くないなどの理由で入営しなかった補充兵役らを対象に届いた。

     (自衛隊への名簿提供中止を訴え
      署名活動する人たち=7月、川崎市で)


◆欧州で進む陸軍削減「日本は軍縮怠る」

 「自分はもう呼ばれないと安心したところに赤紙は届くから、ショックは大きかった。自衛隊勧誘のDMに『数日以内に来い』というような強制力はないが、突然送られてくるという点で、赤紙と重なる」と山田氏は指摘する。日本の戦況が悪化し、敗戦に至るまで赤紙は送られ続けた。

 戦後78年を迎える日本の状況を「際限なき軍拡。自衛官が定数割れというが、そもそも今の日本に見合った兵力なのか」と疑問視する。冷戦後、西ドイツやフランス、英国の各陸軍は兵力を大幅に減らしてきたが、「日本は軍縮の努力を怠ってきた陸自を地域に張り付かせるやり方を変えず、いまは南西諸島にシフトしている」という。

 「ミサイル配備などみてくれの軍事力を拡充しても、相手国も引けず、最前線の緊張を高めるだけだ平和を実現するには文民統制下での情報収集・分析、それに対話と軍縮の努力を重ねることが必要だ


◆デスクメモ

 大戦末期、日本は平時よりはるかに多い軍人を動員。予算の大半を戦費に充て、国民生活はどん底にたたき落とされた。民間を含む国力の圧倒的な劣勢を無視し、軍事力で出し抜けば勝てると妄信。その結果、軍人・軍属230万人、民間人80万人が死んだ歴史に学ぶ点は多い。(本)

【関連記事】PAC3が沖縄で民間港湾地区に展開 自衛隊が市民の日常にじわりと「浸食」
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コメント (1)
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●《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」…「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》

2023年09月01日 00時00分40秒 | Weblog

(2023年08月28日[月])
《全責任》をどうとるつもり? 《汚染水放出そのものがすでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》。農水相は「想定外」…あぁぁ…。

   『●《「廃炉終了の定義」を明確にしないまま「廃炉」を進める》―――
      《ある程度のデブリを取り出すだけでも、100年以上はかかりそう》
   『●小出裕章さん《国と東電が策定したロードマップは「幻想」です…
     つまり、デブリの取り出しは100年たっても不可能》、石棺しかない
   『●長周新聞【汚染水海洋放出に国内外で反発高まる コスト優先し科学歪める
      政府 トリチウム以外に62核種が基準超え 風評では済まされぬ実害】
   『●はぁ? 東京新聞【「原発マネー」で生まれた奇策 使用済み核燃料の
      中間貯蔵施設を上関町に 中国電力と関西電力で苦肉の共同開発案】
   『●「賠償ではなく、漁業をしたいだけ」…福島県漁連は《関係者》では
     ないのか? ―――「関係者の理解なしには、いかなる処分もしない」?
   『●#zutto_uso_datta、斉藤和義さん「#ずっとウソだった」。そして、「関係
     者の理解なしには、いかなる処分もしない」という約束もウソだった
   『●既に実害…《「汚染水放出は危険・問題派」…汚染水放出そのものが
     すでに中国や韓国など海外による輸入規制など経済的実害を生んでいる》

 反対しているのは中国だけですか? 《「海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」とし、「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」》…どう《全責任》を負うつもりか?
 曽田晋太郎安藤恭子両記者による、東京新聞の記事【こちら特報部/処理水放出、太平洋島しょ国が怒り 背景に核や戦争、大国の犠牲になってきた歴史 】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/272113)。《24日にも始まる東京電力福島第一原発事故の処理水放出に、マーシャル諸島など太平洋の島しょ国から懸念の声が上がっている。遠く離れた海の向こうの人々が異議を申し立てた背景には、戦前の日本統治や米国の核実験など大国の犠牲になってきた歴史の記憶があるという。現地を訪れている明星大の竹峰誠一郎教授(46)に、住民の思いを尋ねた。(曽田晋太郎安藤恭子)》、《◆デスクメモ 竹峰さんは、核兵器禁止条約が、核実験被害者の支援や環境汚染改善を盛り込んだことにも注目する。米国の「核の傘」に頼る日本は批准を拒むが、核抑止論は核実験被害者の犠牲の上で成り立つ論理だからだ。本来真っ先に参加すべきことをせず、この上まだ国の信用を失うのか。(本)》。

   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
         をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン
   『●「ビキニ事件は遠い過去に終わったことではなく、未来の命にかかわる」
       ――― マグロ漁船「第五福竜丸」の船員・大石又七さんが亡くなる
   『●「原子力の平和利用」という核発電への幻想…「原発は『プルトニウム
       をつくる装置』」(内橋克人さん)にこだわる周回遅れのニッポン
   『●広島サミット…サーロー節子さん「自国の核兵器は肯定し、対立する国の

     核兵器を非難するばかりの発信を被爆地からするのは許されない」と批
   『●《「被爆地・広島」の政治利用のためだけに――。こうなると、広島弁
     でいうところの「わりゃー、大概にせえよ!」の声が溢れるのも当然》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/272113

こちら特報部
処理水放出、太平洋島しょ国が怒り 背景に核や戦争、大国の犠牲になってきた歴史
2023年8月24日 12時00分

 24日にも始まる東京電力福島第一原発事故の処理水放出に、マーシャル諸島など太平洋の島しょ国から懸念の声が上がっている。遠く離れた海の向こうの人々が異議を申し立てた背景には、戦前の日本統治や米国の核実験など大国の犠牲になってきた歴史の記憶があるという。現地を訪れている明星大の竹峰誠一郎教授(46)に、住民の思いを尋ねた。(曽田晋太郎安藤恭子

     (今月中旬に開かれたマーシャル諸島の国会。3月に
      「福島原発から太平洋への放射能汚染水投棄に重大な
      懸念を表明」する決議を採択した=マーシャル諸島・
      マジュロで(竹峰誠一郎さん提供))


◆マーシャル諸島訪問の教授「頭ごなしに脅威押し付け」

 竹峰さんは国際社会論が専門。米国による核実験が繰り返されたマーシャル諸島を中心に、国内外の核被害に関する調査研究を続けている。

 13日からマーシャル諸島の首都マジュロに滞在。現地では新聞の発行が週1回しかないため、24日に処理水の海洋放出を始めると決めた日本政府の方針について「まだ限られた人しか知らないだろう」と語る。ただ、「自分たちの領内で処理できないものを太平洋に向かって一方的に流し、頭ごなしに脅威を押し付けるような行為に現地で誰も理解を示す人はいない」と明かす。

 竹峰さんによると、2021年4月に日本政府が原発処理水の海洋放出方針を決めた後、マーシャル諸島政府は懸念を表明日本側に代替策の検討や海洋環境保全のための国際的義務の履行、対話の実施などを求める声明を発表した。


◆核実験の地で反対決議

 今年2月の両国外相会談では、林芳正外相が「人の健康や海洋環境に悪影響を与えるようなことはない」として、海洋放出への理解を求めた。だが3月、マーシャル諸島の国会は「重大な懸念を表明し、より安全な代替処理計画を日本に検討するよう求める決議を採択処理水の放出が海洋資源に大きく依存している太平洋諸島の人々の命と生活を脅かす」とし、「太平洋を核廃棄物のごみ捨て場にこれ以上するべきではない」と訴えた。

 これに対し、日本政府は現地で説得するような行動を活発化させていると竹峰さんは話す。7月、日本政府の担当者が現地で地元市長らを訪問。先週は地元紙に日本大使が海洋放出について説明する記事が載り、唯一の戦争被爆国として「核実験被害を受けたマーシャル諸島の人々の思いは理解している」という趣旨の談話が掲載されたという。


◆元大統領ら、日本の説明「遅い」

     (ヒルダ・ハイネ前大統領(中)から処理水放出への
      懸念を聞いた竹峰誠一郎さん(左)ら=21日、
      マーシャル諸島・マジュロで(竹峰誠一郎さん提供))

 竹峰さんは今月21日、国会決議を主導したヒルダ・ハイネ前大統領や閣僚らと面会。最近の日本側の対応について聞くと、「いまさら説明するのは遅い海洋放出計画を決める前に相談せず、放出開始を決める最終段階になって頭ごなしに説得されても理解はできない」と怒りをあらわにしたという。

 同じオセアニア地域では、北マリアナ諸島の議会でも同様に反対決議が採択されている。竹峰さんは「決議は、マーシャル諸島を含む太平洋の島々がこれまで大国に核実験や核廃棄物処理で好き放題使われてきた歴史を踏まえた訴えだ。島々の人たちは放射性物質の量がたとえ少量であったとしても、日本が自分たちのことを何も考えずに汚染水を太平洋に流す行為が許せないと憤っている。日本にとっては単なる海かもしれないが、島々の人たちにとっては生活の糧であり、汚染水が長期にわたって流され、暮らしの土台が傷つけられることを危惧している」と解説する。


◆マリアナ諸島から原爆投下機が出撃

 太平洋の島々と日本とは、戦争と核の歴史を通じ、深い関わりがある。

 フィリピンの東、赤道の北に広がる一帯は、かつて「南洋群島」と呼ばれた。1914年からの第一次世界大戦で、日本はドイツ保護領にあったマーシャル諸島を占領。20年に国際連盟から委任統治が認められ、実質的に支配するようになった。

 太平洋戦争中の44年、日本軍との激戦の末にサイパンテニアングアムなどマリアナ諸島を制圧した米軍は、ここから日本本土への長距離爆撃を開始。45年8月、原子爆弾を抱えたB29爆撃機「エノラ・ゲイ」「ボックス・カー」はテニアンの飛行場を飛び立ち、広島、長崎へ向かった。


◆「核の植民地主義」…終戦後は実験場に

 終戦後、マーシャル諸島は核実験場とされた。米国は46〜58年、ビキニエニウェトク両環礁で67回の核実験を実施。54年3月のビキニでの水爆「ブラボー」の実験で、マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員やロンゲラップ環礁の島民らが放射性物質を含む「死の灰」を浴びた。

 軍事評論家の前田哲男さんによると、ロンゲラップでは島民82人が被ばく。頭痛、下痢、かゆみ、目の痛みを訴え、救助船が来たのは50時間以上後だった。「米国のみならず核保有国は、危険な水爆実験を本土でやらなかった。これは『核の植民地主義』。マーシャルの人々は広島、長崎に次ぐヒバクシャにさせられた」と憤る。


◆日本は1980年代に「核のごみ」廃棄計画

 1980年代には日本の低レベル放射性廃棄物北マリアナ諸島海域に捨てる計画が浮上したが、当時の中曽根康弘政権は国際世論を受け入れる形で断念した。原発処理水の海洋放出について、前田さんは「海は人類共有の財産。『水に流す』などという思想をふりかざすのは日本だけ。中国の反対が目立つが、太平洋の人々の声を聞くべきだ。やがて大きな反感が日本に向かう」と警告する。

 ロンゲラップ島民は米国の安全宣言でいったん帰島したが、がんや甲状腺異常などの健康障害が相次ぎ、85年に再び島を離れた。50年近く島民を取材しているフォトジャーナリストの島田興生さんは、「原発の処理水を流す海の先に住む太平洋の島の人々を想像してほしい」と訴える。

 島田さんによると、20年余り日本の統治が続いたマーシャル諸島には日本語を学んだ人たちがいて親日的。旧日本軍飛行場があった現在のエニウェトク環礁では、44年2月の米軍の攻撃で日本軍は約2600人の戦死者を出し、ほぼ全滅したとされる。従軍していた朝鮮人労働者や基地建設に動員された島民らも亡くなった。

 島田さんがロンゲラップを初めて訪れた74年、64歳の男性ナプタリ・オエミさんが胃がんで亡くなる前、病床で写真を撮らせてもらった。家族から「父は自分が苦しんでいるのは原爆のせいだ。気をつけろと言っていた」と聞いた。その2年前には1歳で被ばくした当時19歳の男性が白血病で死亡した。


◆成長不全や白血病、不妊…「いつも巻き込まれる側」

 島民たちには「放射能」という概念があまりなく、変な毒物という意味合いで「ポイズン」と口にしていた。米国の健康調査は続き、身長が伸びないなどの成長不全や白血病、不妊や流産が増えたと言われる。

 「マーシャルの人たちはいつも大国に巻き込まれる側。米国の核実験で被ばくさせられ、今度は日本が処理水を流そうとしている。かつての死の灰と違い、島の人は健康への影響を神経質に受け止めないかもしれないが、私には同じことが起きているように見えるし、日本の罪は重い」と島田さん。海洋放出への受け止めを聞くために9月、現地に向かうという。来年でブラボー実験から70年だ。

 「第五福竜丸とともに、忘れてはいけないマーシャルの人たちの歴史がある


◆デスクメモ

 竹峰さんは、核兵器禁止条約が、核実験被害者の支援や環境汚染改善を盛り込んだことにも注目する。米国の「核の傘」に頼る日本は批准を拒むが、核抑止論は核実験被害者の犠牲の上で成り立つ論理だからだ。本来真っ先に参加すべきことをせず、この上まだ国の信用を失うのか。(本)

【関連記事】水に流せない岸田首相の処理水を巡る発言録検証 「透明性」「心のケア」「風評対策」 実は政策理念なし?
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●森村誠一氏「秘密保護法…作成、強行成立の過程が杜撰…こういう法律ができたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ」

2023年08月11日 00時00分39秒 | Weblog

/ (2023年07月25日[火])
森村誠一氏が亡くなった。ご冥福をお祈りします。
 タイトルの言葉は、特定秘密保護法の強行採決の際の御言葉。《こういう法律ができたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ》。このことは、戦争法強行採決でも同様だ…《安倍政権は(日本を)再び戦争可能な国家にしようとしているが、絶対にいけない》。

   『●「今、福島の森と川で何が起きているのか」
      『週刊金曜日』(9月13日、959号)についてのつぶやき
    「根岸恵子氏【今夏、森村誠一氏とともにロシア公演 加害を歌い
     続ける「悪魔の飽食」合唱団】。「戦争できる国」の現実」

   『●8・30壊憲法案反対デモ: アベ様らは
      「国民は忘れてくれる」?、と思っているようだが……
    《◆作家・森村誠一さん安倍政権は(日本を)再び戦争可能な
     国家にしようとしているが、絶対にいけない。私たちの責任であり、
     使命であり、義務でもある。今日の雨を共有した女性たちは
     忘れないようにお願いしたい》

   『●8・30壊憲法案反対デモ: それでもアベ様は
     壊憲を強行か?……「安倍首相の頭は普通じゃないから」
    《「戦争法案反対」12万人の凄まじい熱気と安倍官邸の異常対応
     ...作家の森村誠一氏、ルポライターの鎌田慧氏も次々にマイクを
     握り、そのたびに、「安倍辞めろ」コールが盛り上がった。
     驚くべきは、こうした反対運動が全国350カ所で、
     沸き起こったことだ

   『●木下昌明さん《あの黒く目隠しされた羊…実は何も
     知らないで日々を送っているわたしたちのことではないのか?》
    《また森村誠一の『悪魔の飽食』(光文社のちに角川書店)で
     告発した石井四郎率いる731部隊の非人道的所業を思い出した。
     映画をみていて、いまの政権が、かつての日本軍と同じことを
     やろうとしているのか、とおぞましく感じた》

 東京新聞のお悔やみ記事【森村誠一さん死去 90歳 「人間の証明」ベストセラー作家 「民主主義はもろい」国民が声上げる大切さ説く】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/265085)によると、《森村さんは、ベストセラーを数々生み出すかたわら、少年期に戦争を経験したことから護憲派作家としても知られた》、《(秘密保護法)…法成立間際に、官僚が官僚の秘密指定の妥当性をチェックする機関を粗製乱造したのを見ても、いかに秘密保護法の作成、強行成立の過程が杜撰(ずさん)だったか分かる。こういう法律ができたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ。(2014年3月16日朝刊掲載)》。

 返す返すもあの《クーデター》《テロ》も悔やまれる…。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●映画『妖怪の孫』…《安倍政治は決して過去のものではない。それは
     そのまま岸田政権に引き継がれ、戦争する国へと一直線に向かっている》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●「平和憲法」を違憲に壊憲し、戦争できる国に…最早、《平和国家》などと
     諸外国のどこも思っていない。「専守防衛」の組織どころか軍隊となり…
   『●トランプ氏により《安倍政権が「戦争のできる国」への大転換を行い》、
      バイデン氏により《岸田政権は「軍事国家」へ大転換》(琉球新報)
    「返す返すもあの《クーデター》《テロ》が悔やまれる…アノ戦争法の
     違憲立法のことである。「戦争のできる国」どころか、
     「軍事国家」へと堕ちていく」

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/265085

森村誠一さん死去 90歳 「人間の証明」ベストセラー作家 「民主主義はもろい」国民が声上げる大切さ説く
2023年7月24日 16時21分

 小説「人間の証明」、旧日本軍731部隊の実態を描いたノンフィクション「悪魔の飽食」などを著した作家の森村誠一さんが24日午前、東京都内の病院で死去した。90歳。埼玉県熊谷市生まれ。

 森村さんは、ベストセラーを数々生み出すかたわら、少年期に戦争を経験したことから護憲派作家としても知られた。

     (特定秘密保護法について話す森村誠一さん
      =2014年、東京都町田市で)


  ◇  ◇

 森村誠一さんは、2014年3月16日に東京新聞のインタビュー連載「秘密保護法 言わねばならないこと」に登場し、当時成立したばかりの特定秘密保護法について、戦争や旧治安維持法下で恋愛小説を没収された経験を踏まえ「歴史は繰り返す」と警鐘を鳴らしました。その後、安倍晋三政権は2014年7月の閣議決定で集団的自衛権の行使を一部容認する解釈改憲に踏み切り、翌2015年9月に安全保障関連法を成立させました。


 森村さんを悼み、インタビュー連載「秘密保護法 言わねばならないこと」を紹介します。(肩書きなど、内容は当時のものです)

◆民主主義を壊す軸

秘密保護法 言わねばならないこと

 全国で相当数の人が、言論や報道の自由を制約する恐れがある特定秘密保護法案への反対運動に加わったにもかかわらず、議員の数の力で強行採決された。

 安倍晋三首相は選挙で勝ったとはいえ、民主党の失政で転がり込んだ「便乗」内閣だ。国民の声に耳を貸さずに成立させた秘密保護法は今後、民主主義を壊す軸になる。民主主義はもろく、いったん壊れると、回復するのは難しい。このまま改憲や解釈改憲まで暴走すれば、安倍首相は不朽の汚名を残すのではないか。

 政権が進める中国包囲網も軍拡競争を誘発するだけだ。靖国参拝にしても、中韓両国に塩を送る(日本批判の材料を与える)結果になった。戦争もなく、安らかに英霊を守っているのは、多大なる戦争の犠牲の上にできた不戦の誓いである憲法9条であって、中国包囲網ではない。

 終戦の日の未明に埼玉県熊谷市で空襲を受け、家を焼かれた。治安維持法下で文学少年だった私は恋愛小説すら没収された。安倍首相が記者会見で「特定秘密保護法が通常の生活を脅かすことは断じてあり得ない」と断言したが、担保は何もない治安維持法も当初はそんな目的ではなかった。悪法は悪貨が良貨を駆逐するように、どんどん悪くなる。政権が代われば悪法の責任を取れなくなる。歴史は繰り返すことを戦争から学んでいない

 法成立間際に、官僚が官僚の秘密指定の妥当性をチェックする機関を粗製乱造したのを見ても、いかに秘密保護法の作成、強行成立の過程が杜撰(ずさん)だったか分かる。こういう法律ができたことを国民が忘れず、廃止に向け声を上げ続けることが大切だ。(2014年3月16日朝刊掲載)

【関連記事】写真と俳句を組み合わせた新たな表現「写真俳句」も提唱した森村誠一さん
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●軍事要塞化=標的の島々…《「集団的自衛権の行使」容認や「敵基地攻撃能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性》が日に日に…

2023年06月09日 00時00分23秒 | Weblog

[↑ 三上智恵監督/最新作『沖縄、再び戦場 (いくさば) へ(仮)』製作応援のお願い (https://okinawakiroku.com/images/hero_pc_l.png)]


(2023年05月22日[月])
平和が一番大切だという沖縄戦の教訓》はどこに行ってしまったのか?
 (『TIME』)《岸田首相は長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる》《首相は平和主義を捨て、真の軍事力を持った国にすることを望んでいる》《岸田首相はかつて平和主義だった日本を軍事大国に転換しようとしている》。

   『●沖縄の《遺骨が残る激戦地の土砂が国の米軍基地建設に…。愚かな戦争で
      犠牲を強いられた人々の遺骨を戦争の道具に使っていいはずがない》
   『●《標的》となり、《鉄砲玉》となる愚…《ことさら攻撃能力について
     興奮して議論している様について、バカではあるまいか?》(狙撃兵)
   『●自公政権が続く限り、ヅボヅボ党の誰が首相になろうが地獄は続く。道は、
      政権交代しかない…《議会政治、財政民主主義が崩壊した戦時体制》
   『●《自民党タカ派…箕輪登…「戦争とは血を流す政治であります。外交とは
     血を流さない政治であります。日本は永久に血を流さない政治を…」》
   『●《自民党の独裁体制が根絶されない限り、いずれ軍拡の財源も消費税
        増税で賄われる》《騙されてはならない。騙されてはならないのだ》
   『●《決して沖縄だけの問題ではない…「だからこそ自分たちのこととして、
     そもそも戦争を起こさせないための声を国に対して上げる必要がある」》
   『●アベ様をマネてどうする気なのか…《かつて中曽根康弘首相が「日本列島
     を不沈空母にする」と発言》《プレスリーの物真似をした小泉純一郎...》
   『●《犠牲になるのは一般の人々…戦争はしてはならない。命を何よりも
      大切に…平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい》
   『●《安保や原発を巡る政策転換に限らず、岸田首相にも、国民の声を聞かず、
       国会での議論も経ない独断が目に余るように…。「静かなる独裁」》
   『●《現実の戦争を知るベテランジャーナリスト》石川文洋さん…「生まれ
      故郷の沖縄で多くの人に見てもらえれば、カメラマンとして本望だ」

 長周新聞の記事【沖縄を戦場にすることに断固反対する 沖縄・元全学徒の会が声明】によると、《「台湾有事」を既成事実にして南西諸島一帯の軍事強化が進む中、かつて沖縄戦に動員された沖縄県内21校の旧制師範学校・中等学校の元学徒らでつくる「元全学徒の会」は12日、「沖縄を戦場にすることに断固反対する声明」を発表した。声明では「再び戦争が迫りくる恐怖と強い危機感を覚えとのべ、戦争の残虐さを身をもって体験した者として平和が一番大切だという沖縄戦の教訓を守ってもらいたい」と訴えている》。
 東京新聞のコラム【<ぎろんの森>沖縄を再び戦場にしない】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/251191?rct=discussion)によると、《沖縄には復帰後も多くの米軍基地が残る上に、南西諸島防衛を名目に陸上自衛隊の離島配備が進み、「集団的自衛権の行使」容認や「敵基地攻撃能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性を指摘する内容です》。

 《法学的には「クーデター」と呼ぶ》。《総理によるテロだ》。戦争法案の当時を思い出そう。《テロ》であり、《クーデター》でした。そして、国会でまともな議論も無く軍事費倍増。キシダメ首相は戦争がしたくてしょうがないらしい。

   『●壊憲:「国民を置き去りにした状態で法秩序の連続性を
         破壊する行為を、法学的には「クーデター」と呼ぶ」
   『●《歴代内閣が「憲法上許されない」としてきた「集団的自衛権の
            行使」を可能とする》違憲な戦争法の成立から4年
    「《法学的には「クーデター」と呼ぶ》…
     (2015年09月19日 00時00分08秒 | ブログ)
     「「憲法の制定権は主権者である国民に」、その「国民を置き去りに
     した状態で法秩序の連続性を破壊する行為を、法学的には
     「クーデター」と呼ぶ」。その第3幕を、参院特別委員会で
     目の当たりに。あれで「採決」? どこが「可決」??
     Mr.ワタミ渡辺美樹参院議員や(ツイッターでは、
     ヒゲの隊長ならぬ)ヒゲの組長佐藤正久参院議員が大活躍。
     サモシさを感じるね。国会の外が全く見えていない」」

   『●2014年7月1日「7・1クーデター」の第二幕
       …違憲な手法で壊憲するアベ様ら自公政権の暴走
   『●〝戦争法〟施行、5年も経ってしまった…《有事となれば真っ先に狙わ
      れるのは国境の島であり、米軍、自衛隊基地が集中する沖縄である》
   『●《総理によるテロだ》《あれは安倍政権によるクーデターだった》
     《政治的なクーデターだ》《法学的には『法の破壊』がなされた》
   『●《岸田政権が…「軍拡路線」を推し進め…専守防衛を形骸化…その起点は
       安倍晋三政権が二〇一五年に成立を強行した安保関連法にあります》

 後戻りできなくなる、大きなターニングポイントだった…《クーデター》、《テロ》。
 ちょっとした妥協だと思っていても、一旦譲れば、あとはダムが決壊するが如く…。最初は「警戒」、そして、「自衛隊の部隊配備」、やがて火薬や火器がどんどんと持ち込まれ、終いにはミサイル基地。このミサイルは敵基地攻撃のためじゃないのですか? 南西諸島、特に沖縄を守るためのミサイルなのですか? 《軍事拠点化が進む南西諸島》。「敵基地攻撃」能を保持すれば、当然、《標的の島となる。

   『●対馬丸事件…《戦争でどれだけ多くの命が海に消えたか。辺野古…
     大浦湾…多くの戦没者が眠る海を破壊して、新たな軍事基地》を建設中
    「対馬丸事件の教訓…《この悲劇は、いったん戦争に巻き込まれれば
     いかなる対象も、攻撃される対象となる危険性》。それをどう
     継承するか。なぜ継承するのか。《戦争の記憶を継承なぜ継承
     するのか過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》」
    《「軍は住民に必要な情報を隠す」「住民の危険より兵力を重視する
     ことが対馬丸事件の教訓に挙げられよう。仮に台湾有事となった
     場合、こうした教訓は生かされるだろうか。石垣市や宮古島市が
     国民保護法に基づいてまとめた避難計画のひな型では、
     住民避難に必要な航空機は石垣が延べ435機、宮古島が
     381機と試算している。船舶であれば、宮古島だけで
     114隻を必要とする現実離れした計画であり、有事に
     逃げ遅れた住民が巻き添えになる可能性は高い。運よく
     航空機や船舶が確保できても、対馬丸のように戦場である
     空域や海域に住民を送り込むことになりかねない》

   『●《血を流さない政治》は一体どこに行ってしまったのか? そもそも、
     どこにどうやって《避難》できるのか? 核発電所事故時でも同様だ…
   『●柳沢協二氏「日本は…食料やエネルギーなどを全て自給できず、海外と
      つながらなければ生きていけない。…戦争を得意とする国ではない」
   『●食料と農業を守らないニッポン『乳牛をしぼればしぼるほど赤字になる。
     まったく希望が持てない』…《兵糧攻め》に対して、兵器でも喰うのかね?
   『●消える〝魔球〟…屁のツッパリにもならないレーダー。軍事費倍増を
       煽る効果が抜群な〝警報〟。戦争中毒者が戦争を煽っているが…
   『●《「日本復帰」51年…米占領下で県民が求めた「基地のない平和の
     島」は実現するどころか「軍事要塞化」が進んでいるのが実情だ》
   『●図星だったのに、《「軍事大国」が不満らしい。…タイム電子版が
     「国際舞台でより積極的な役割」と修正したのも解せない》<金口木舌>
   『●《沖縄と戦争をテーマ…三上智恵さん…軍事拠点化が進む南西諸島…
     「観客に終わらず、戦争を止めるため一緒に走ってほしい」と呼びかける》

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/251191?rct=discussion

<ぎろんの森>沖縄を再び戦場にしない
2023年5月20日 07時50分

 五月十五日は一九七二年に沖縄の施政権が二十七年にわたって統治した米国から日本側に返還された「沖縄復帰の日」です。今年は復帰から五十一年になります。

 東京新聞は二〇一〇年から毎年、沖縄復帰の日にちなむ長文の社説を掲載してきました。今年は十五日が新聞休刊日で朝刊発行がなかったため前日十四日に社説「週のはじめに考える 沖縄戦の記憶が蘇(よみがえ)る」を掲載しました。

 沖縄には復帰後も多くの米軍基地が残る上に、南西諸島防衛を名目に陸上自衛隊の離島配備が進み、集団的自衛権の行使」容認や「敵基地攻撃能力の保有」によって、沖縄が再び戦場となる危険性を指摘する内容です。

 復帰から五十年の節目だった昨年は、政府と沖縄県が共催する「沖縄復帰五十周年記念式典」が開かれ、新聞各紙もそれぞれの立場から沖縄について考える長文の社説を掲載しましたが、今年、沖縄復帰に関する社説を掲載したのは在京紙では本紙と朝日新聞のみ。昨年に比べて関心の低下を感じざるを得ません

 地元沖縄にある二つの県紙は今年、復帰の日について社説でどう論じたか。この機会にその一部を紹介します。

 【琉球新報】《「日本復帰」51年 原点は「基地のない島」》「米占領下で県民が求めた『基地のない平和の島』は実現するどころか『軍事要塞(ようさい)』が進んでいるのが実情だ」

 【沖縄タイムス】《進む要塞化 平和こそ島んちゅぬ宝》「国会でのまともな議論もなく、住民の懸念に正面から応えることもなく、島々の軍事要塞化が急速に進む」

 両紙に共通するのは「軍事要塞化」。陸自の離島配備長射程ミサイル導入で、沖縄がかつての沖縄戦同様、再び攻撃対象となることへの懸念の高まりが読み取れます。

 本紙は沖縄戦で旧日本軍の組織的抵抗が終結した六月二十三日の慰霊の日にもほぼ毎年、長文の社説を掲載しています。沖縄の人たちが置かれた厳しい状況や苦難を、読者や政策決定者らに伝えることで、ともに考え、問題解決の糸口をつかみたい、そして、沖縄を再び戦場にしてはならないとの思いからです。

 読者の皆さんには、沖縄に関する一連の社説から、その決意を読み取っていただければ幸いです。 (と)
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●《健全な官僚制を破壊し「亡国の官僚」が闊歩》…自民党内部からも《安倍氏の政権運営が「…官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》

2022年12月03日 00時00分04秒 | Weblog

[『学校が教えないほんとうの政治の話』(斎藤美奈子著、ちくまプリマ―新書257)↑]


(2022年11月16日[水])
金子勝さん、《国家の倒産を防ぐ経済政策、あるいは倒産した国を立て直す経済政策を考える時が来ている》。大企業や強者ばかりを優遇し、市民や弱者を〝イジメ〟尽くすドアホノミクスを信奉しているようでは、《国家の倒産》…。しかも、増税してでも軍事費倍増という狂気。そんな〇者どもに、投票する、選挙に行かないことで間接的に支持する。泥沼ニッポン。

   『●《■…民主主義蹂躙の集大成が安倍国葬》《■弔問外交が聞いて呆れる
       赤っ恥》《■どこを探しても見当たらなかった安倍元首相の功績》
   『●「君はドアホノミクスを信奉するのか」、キシダメ君? 軍事費倍増
     =《赤字国債の乱発、社会保障のさらなる削減、消費税の大増税…》
    【斎藤貴男 二極化・格差社会の真相/岸田政権が打ち出した
     「1億総株主」構想 愚かすぎる国に経済成長などあり得ない】

   『●《「新しい資本主義」に始まり「丁寧な説明」――。岸田文雄の宙に
     浮いた言葉の欺瞞性は見透かされている》…国葬強行、〝番号〟強制…

 日刊ゲンダイのコラム【金子勝の「天下の逆襲」/アベノミクスの亡霊にこの国の資産は食い潰される 「安倍・黒田勘定」で清算を】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/313765)によると、《年内に日米金利差は4%台に拡大し、日本の貿易赤字はさらに積み上がる。政府・日銀はまるでドンキホーテ。国の借金はすでに1200兆円を突破している。年間20兆円超の貿易赤字を垂れ流す中、無謀な介入を続ければ、外貨準備はみるみる減っていく。アベノミクスの亡霊がこの国の資産を食い潰すことになるだろう。そうでなくても、岸田の経済政策は間違いだらけだ。後期高齢者の保険料負担を増大させる一方で、資源高でボロ儲けしている石油元売りへの補助金を延長し、原発再稼働をもくろむ電力会社をも補助金で支えようとしている》。

 自民党内部からも《安倍氏の政権運営が「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》。
 同紙からもう一つ。【金子勝の「天下の逆襲」/「官僚天下り」解禁で進む日本の“オリガルヒ経済化” 可視化されていない安倍政権の弊害】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/314463)によると、《安倍政権の弊害についていまだにきちんと可視化されていない部分がある。それは、健全な官僚制を破壊し「亡国の官僚」が闊歩するようになったことだ。民主党政権では官僚の天下りが規制されていた。ところが、安倍政権発足後の2015、16年ぐらいから完全に解き放たれてしまった。これが、いま深刻な事態を招いている。経産官僚は電力関連や石油・エネルギー関連の企業や業界団体に天下っている防衛省からは防衛産業への天下りが再開された財務省からも政府系金融機関トップへの天下りが復活してきている》。〆は、《こうしたタチの悪い連中が復活したのが安倍政権だった。その一面をキチンと見なければ、現・岸田政権の政策も本質が見えてこない》。

   『●漸く内部から火の手が…村上誠一郎議員《安倍氏の政権運営が「財政、
        金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と批判》

   『●村上誠一郎議員の発言よりも、統一協会票の差配等々のアベ様案件
     こそが《国賊》であり、《党員の品位を汚す行為》だと思いますが?(1)
   『●村上誠一郎議員の発言よりも、統一協会票の差配等々のアベ様案件
     こそが《国賊》であり、《党員の品位を汚す行為》だと思いますが?(2)
   『●自民党《国賊》(発言)処分問題…数多のアベ様案件や《悪夢》な暴政、
     ズブズブ壺壺ヅボヅボな統一協会との関係と「政」への介入こそ《国賊》
    《60余年前の石橋湛山のことばは、今の悲惨な自民党の政治状況を
     的確に表現し、批判しています。まあ、自民党は、あるいは日本の
     政治は変わらなかったんだなあという落胆でもありますが。しかも、
     湛山は、言論機関と国民の役割にも触れていました》

   『●自民党議員の皆さん、《留飲を下げ》られましたか? 《「国賊」は
     だめだがそれ以外の発言は幾人もの議員が同調、または同様の発言》
   『●ズブズブ壺壺ヅボヅボでない自民党議員にとっては大チャンスなのに?
      ……まあ、やる気のある、自民党にそんな議員が居ればの話ですがね
   『●タカ派政権とお維が《協力し、憲法改正と戦争準備、また原発再稼働や
     新増設などが進む》…そういう想像力も無く、お維と組む〝論憲〟民主党
   『●「統一協会との関係を断つ」? 村上誠一郎議員《肝心なことはまだ
     何も解明されていない。解明されない限り…関係を絶つことは難しい》
   『●ズブズブ壺壺ヅボヅボな政権与党・自民党のどうしようもない腐敗具合
         …村上誠一郎議員を〝罰して〟《留飲を下げ》たかと思ったら…

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/313765

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。


金子勝の「天下の逆襲」
アベノミクスの亡霊にこの国の資産は食い潰される 「安倍・黒田勘定」で清算を
公開日:2022/11/02 06:00 更新日:2022/11/02 06:00
今だけ無料

     (目先の円安阻止だけ(左から岸田首相、黒田日銀総裁、
      神田財務官)/(C)日刊ゲンダイ)

 岸田政権、そして日銀は歴史的敗北に向かっている。ゼロ金利を続ける金融政策は旧日本軍の「インパール作戦」そのものだ。岸田首相、黒田日銀総裁、財務省の神田財務官。3者の頭にあるのは目先の円安阻止だけだ。

 足元で繰り返される円買い・ドル売りの為替介入は、ゼロ金利維持に固執する黒田の体面を保つため。単独介入でも相場をコントロールできるとアピールしたいのだろうが、あす(米国時間2日)まで開かれるFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4会合連続で0.75%の利上げを決定する見通し。0.5%にとどまるにせよ、年内に日米金利差は4%台に拡大し、日本の貿易赤字はさらに積み上がる。政府・日銀はまるでドンキホーテ。国の借金はすでに1200兆円を突破している。年間20兆円超の貿易赤字を垂れ流す中、無謀な介入を続ければ、外貨準備はみるみる減っていく。アベノミクスの亡霊がこの国の資産を食い潰すことになるだろう。

 そうでなくても、岸田の経済政策は間違いだらけだ。後期高齢者の保険料負担を増大させる一方で、資源高でボロ儲けしている石油元売りへの補助金を延長し、原発再稼働をもくろむ電力会社をも補助金で支えようとしている
 国家の倒産を防ぐ経済政策、あるいは倒産した国を立て直す経済政策を考える時が来ている。当面の課題は金融政策の柔軟性を回復することだ。「安倍・黒田勘定」とでも呼ぶべき特別勘定をつくり、借り換えができなくなった国債を封じ込めるしかない。大企業などに対する課税を強化し、新たな財政赤字を出さない国家運営へのシフトが必須だ。トリプル安に見舞われた英国のスナク新首相が、財政支出削減や金融引き締めへとカジを切ったのと同じ理屈である。

 日本の産業は衰退著しいだけでなく、寡占化も深刻だ。電力もガスも鉄道もロシアのオリガルヒ(新興財閥)のような一部資本に独占され、プーチン型経済にはまり込んでいる。産業の立て直しには、電力オリガルヒの解体が最重要課題だ。再生可能エネルギーへの転換、蓄電池などの活用。貿易赤字を減らすためにエネルギーと食料の自給率を高め、地域分散型の経済を展開しなければならない再分配を強め、教育研究への投資を軸にイノベーションを活発にし、雇用創出を実現している北欧に多くのヒントがある。アベノミクスの亜種でしかない岸田の「新しい資本主義」ではこの国が生き残れないのは確かだ。
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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/314463

金子勝 立教大学大学院特任教授
1952年6月、東京都生まれ。東京大学経済学部卒業、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。法政大学経済学部教授、慶應義塾大学経済学部教授などを経て現職。慶応義塾大学名誉教授。文化放送「大竹まことゴールデンラジオ」などにレギュラー出演中。近著「平成経済 衰退の本質」など著書多数。新聞、雑誌、ネットメディアにも多数寄稿している。


金子勝の「天下の逆襲」
「官僚天下り」解禁で進む日本の“オリガルヒ経済化” 可視化されていない安倍政権の弊害
公開日:2022/11/16 06:00 更新日:2022/11/16 06:00
今だけ無料

     (国民よりも自らの天下り先を優先(霞が関官庁街)
      /(C)共同通信社)

 安倍政権の弊害についていまだにきちんと可視化されていない部分がある。それは、健全な官僚制を破壊し「亡国の官僚」が闊歩するようになったことだ。

 民主党政権では官僚の天下りが規制されていた。ところが、安倍政権発足後の2015、16年ぐらいから完全に解き放たれてしまった。これが、いま深刻な事態を招いている。

 経産官僚は電力関連や石油・エネルギー関連の企業や業界団体に天下っている防衛省からは防衛産業への天下りが再開された財務省からも政府系金融機関トップへの天下りが復活してきている

 その結果、何が起きたか。経産省は、電力会社が運営する原発の「原則40年、最長60年」という運転期間を除外する案を検討。また、物価高対策として電力会社や石油元売りに補助金を投入している。米国製兵器のライセンス生産を請け負っている防衛産業を天下り先にしている防衛省は、防衛費倍増をもくろむ。国民の安全や不安を無視して、自らの天下り先を優遇するようなやり方だ。

 財務省に至っては、公文書を改ざんし、職員を自殺に追い込んでおきながら、政府系金融機関のトップに天下っている。その結果、元財務官の黒田東彦氏が総裁を務める日銀が「貸出金」という名目でバラマキを開始。コロナ緊急融資と称して約40兆円を中小企業への融資のために地銀や信金に拠出していたが、一方で政府系金融機関を通じて何十兆円というカネを大企業にもばらまいていたのだ。

 感染が落ち着いてくると日銀は、今度は国債を大量に引き受けた。そして出てきたのが「コロナ予備費」と呼ばれる不透明な予算だ。国会に報告した約12兆円のうち9割超が「使途不明」状態だったいわく付きの予算である。財務省は巨額のポケットマネーを手に入れ、国民のチェックを受けずに自らの権限で使途不明のまま、ばらまいているのも同然ではないか

 各省庁からカネをつぎ込まれて肥え太る天下り先の企業・団体の姿は、ロシアのプーチン政権の下で甘い汁を吸い続けるオリガルヒ(新興財閥)に酷似している。国民が物価高に苦しむ中、オリガルヒを優遇する亡国官僚は、まるで潰れかけた家のシロアリのようだ

 こうしたタチの悪い連中が復活したのが安倍政権だった。その一面をキチンと見なければ、現・岸田政権の政策も本質が見えてこない。
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●映画『主戦場』で、〝否定派〟の論客の皆さん《杉田水脈衆院議員やケント・ギルバート氏…藤岡信勝氏、テキサス親父…櫻井よしこ氏》は…

2022年02月21日 00時00分48秒 | Weblog

(2022年02月13日[日])
リテラの記事【右派論客のトンデモ発言を収録した映画『主戦場』の裁判で、ケント・ギルバート、テキサス親父らの上映禁止請求が棄却!】(https://lite-ra.com/2022/02/post-6158.html)。

 《そんななか、最近、歴史否認歴史修正主義者たちの言論封殺の動きがNOを突きつけられる判決があった。旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる論争を扱った映画『主戦場』(ミキ・デザキ監督)に関し、同作に出演するケント・ギルバート氏や藤岡信勝氏など右派論客が上映禁止を求めていた裁判で、1月27日請求が棄却されたのだ》。

   『●《内閣官房は文化審議会とは別の有識者会議を設けて「明治日本の
     産業革命遺産を推薦する」と…。最後は官邸主導の政治決断となり…》
   『●軍艦島を始めとする「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に…
     ユネスコでの日本側のアノ「約束」から履行してみては如何だろうか?

 《保守》? 《プロパガンダ》?? 〝否定派〟の論客の皆さん《自民党・杉田水脈衆院議員やケント・ギルバート氏、「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝氏、テキサス親父ことトニー・マラーノ氏、櫻井よしこ氏など》は…カメラの前で、言いたいことを言ったんでしょうに、何が御不満のなのか? 
 (リテラ)《彼らは、2019年6月、同作の上映禁止と損害賠償1300万円を求めてデザキ監督と配給会社・東風を提訴したのだが、2年半もの長い裁判を経て、今回、東京地裁で請求が棄却されたのだ。当然の判決だろう》。

   『●《○○しかいない》お維の《言論の自由…憲法に反する発言を
           言論府が放置することこそ自らの首を絞める行為》
           ↓   ↓   ↓
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 デマ屋・ヘイト者についての話題。…言いたいことを言ったんでしょうに、何が御不満なのか
 東京新聞の小倉貞俊記者による記事【慰安婦問題に迫るドキュメンタリー 映画「主戦場」めぐりバトル】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201905/CK2019053102000136.html)によると、《旧日本軍の慰安婦問題に迫るドキュメンタリー映画「主戦場」をめぐり、場外バトルが過熱している。四月に封切られるや、ネットを中心に賛否が噴出。出演した保守系論客らは三十日、都内で会見を開き「だまされた」と抗議した。日系米国人で来日中の監督側は六月三日に反論の会見を開くという。 (小倉貞俊)…元慰安婦の支援団体や研究者だけではなく、慰安婦問題に否定的な立場からも「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長や米国の弁護士ケント・ギルバート氏、ジャーナリスト櫻井よしこ氏、杉田水脈衆院議員らが出演し、持論を展開している…作品中では複数の保守系出演者から差別的な発言が続出する。会見ではこの点もただされたが、発言内容の訂正などはなかった…デザキ監督は公式サイトで「彼らの発言は、彼らの自由意思。一般公開も考えている、との合意書を交わしている」とコメント…慰安婦問題の激戦地となりつつある作品について映画監督の森達也氏は「慰安婦問題を取り上げる映画は多いが、主張が対立する人たちが同じ作品中で語る例はほとんどなく意義がある。ドキュメンタリーは作家性もあり、完全な中立にはなり得ない。対象者が主張したいことと、監督が聞きたいことが食い違うのは当然だ」と話した》。
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   『●国連《表現の自由侵害許されぬ》…アベ様や最低の官房長官ら
                 馬さんや鹿さんの耳には、哀しき馬耳東風…
           ↓   ↓   ↓
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 ところで、映画『主戦場』について。《保守》? 《プロパガンダ》?? カメラの前で、言いたいことを言ったんでしょうに、何が御不満のなか? 与党自公や癒党お維を支えているニセ保守・ニセ右翼な人たちは、恣意的な言論の自由、表現の自由の使い分けがお好きだね。アベ様の《メディアコントロール》を放置した〝毒〟は、ニッポンの社会のいろいろな部分に相当な悪影響を及ぼしている。
 マガジン9のコラム【こちら編集部/映画『主戦場』その後〜デザキ監督の記者会見から】(https://maga9.jp/190605-5/)によると、《藤岡氏らの記者会見では、内容が「フェア」なものになっておらず、「一方的なプロパガンダ映画だ」との主張も展開されました。デザキ氏は、「物事がフェアであるかどうかという判断は常に主観的なものです。もし、映画が彼らの主張に沿った(『慰安婦』問題の存在を否定するような)内容になっていたら、彼らはこれ以上フェアな映画はないと言っていただろうと確信しています」と指摘…「さまざまな意見に耳を傾けた上で、自分なりの結論を映画の中に入れることが、責任を果たすことだと考えました。すべての主張に同等の説得力があるわけではないことを示すのが重要だと思ったのです。私は、どちらの意見に説得力があるかを自分で判断して結論を導いたし、そのプロセスは映画の中で明らかになっています。それを見た上で、観客は私の結論に同意することも、同意しないこともできるのだから、プロパガンダとはいえません。私の出した結論そのものは重要ではなくて、観客自身が映画を見てそれぞれの論点について検証することを推奨しているのです」…そうした状況を生み出してきた責任の一端が、「慰安婦」問題を「タブー」としてなかなか扱わず、歴史修正主義の言説のおかしさをきちんと指摘してこなかったメディアにあることは言うまでもありません》。
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https://lite-ra.com/2022/02/post-6158.html

右派論客のトンデモ発言を収録した映画『主戦場』の裁判で、ケント・ギルバート、テキサス親父らの上映禁止請求が棄却!
2022.02.06 05:00

     (『主戦場』公式HPより)

 戦時中に朝鮮人の強制労働が行われていた歴史をめぐり韓国が異を唱えていた、「佐渡島の金山」の世界遺産登録への推薦に踏み切った岸田政権。「登録が見込めない」としていったんは推薦見送り方針だったにもかかわらず、「歴史戦」とやらを連呼する安倍晋三元首相ら極右勢力に媚びる形で一転、推薦強行に転じたのだ。

 戦時中、佐渡鉱山でも長崎の端島をはじめとする地域と同様、朝鮮人が強制的に連行された上で危険な労働を強いられていたことは新潟県が編纂した通史でも記述されている史実にもかかわらず、「韓国人強制労働の痛ましい歴史に目を背けている」という韓国政府からの当然の抗議に、林芳正外相は「韓国側の独自の主張は受け入れられず遺憾」などとフェイクまがいの反論

 「ハト派」「リベラル」を自称する岸田首相だが、岸田政権になっても歴史修正主義・韓国ヘイト路線を改めるつもりはまったくないらしい

 そんななか、最近、歴史否認歴史修正主義者たちの言論封殺の動きがNOを突きつけられる判決があった。

 旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐる論争を扱った映画『主戦場』(ミキ・デザキ監督)に関し、同作に出演するケント・ギルバート氏や藤岡信勝氏など右派論客が上映禁止を求めていた裁判で、1月27日請求が棄却されたのだ。

 2019年に公開された映画『主戦場』は、日系アメリカ人のデザキ監督が、慰安婦問題をめぐる“否定派”と“リベラル派”双方の主張を対比させ、一次資料を分析しつつ検証するという内容。なかでも見所は、自民党・杉田水脈衆院議員やケント・ギルバート氏、「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝氏、テキサス親父ことトニー・マラーノ氏、櫻井よしこ氏など右派論客が垂れ流す歴史修正や差別主義丸出しの言辞の数々だ

 たとえば、テキサス親父のマネージャーである藤木俊一氏は「フェミニズムを始めたのはブサイクな人たちなんですよ。ようするに誰にも相手されないような女性。心も汚い、見た目も汚い。こういう人たちなんですよ」と性差別を剥き出しに。杉田水脈議員は「どんなに頑張っても中国や韓国は日本より優れた技術が持てないからプロパガンダで日本を貶めている」などと陰謀論をぶちまけている

 同作はこうした“否定派”のトンデモ発言や、監督によって緻密に論点整理された構成が話題を呼び、国内外の多くのメディアに取り上げられた。2019年4月の東京を皮切りに全国順次公開し、大きな話題になったのだが、これに対してインタビューでトンデモ発言を口にしていた一部の右派論客が上映を中止させようと裁判を起こしたのである。

 訴えたのは、“否定派”の出演者であるケント・ギルバート氏、テキサス親父ことトニー・マラーノ氏、「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝氏、テキサス親父のマネージャーである藤木俊一氏、元「在日特権を許さない市民の会」の山本優美子氏(「なでしこアクション」代表)ら5名。彼らは、2019年6月、同作の上映禁止と損害賠償1300万円を求めてデザキ監督と配給会社・東風を提訴したのだが、2年半もの長い裁判を経て、今回、東京地裁で請求が棄却されたのだ。

 当然の判決だろう。実際、藤岡氏らの主張は説得力に欠けるものばかり。たとえば映画で「歴史修正主義者」「否定論者」「ナショナリスト」「極右」「性差別主義者」などと紹介されたことで著作者人格権を侵害されたと主張したが、その発言や主張から考えれば、正当な論評であると言っていい。

 また、「商業映画と知らされていなかった」などと難癖をつけていたが、事前にデザキ監督側の用意した「承諾書」「合意書」にサインしていた。この経緯については、2019年藤岡氏らが上映中止要求の会見を開いた際、本サイトでも報じていたが(https://lite-ra.com/2019/06/post-4752.html)、今回の判決でも退けられた。

 デザキ監督は判決後の会見で「この裁判の勝利は、日本における表現の自由の勝利」と判決を評価したうえで、右派連中の狙いについてもこう喝破した。

裁判の目的は、この映画の評価を毀損し、上映を止めるためのものだと明らかになったと思います」
「裁判に負けてしまうと、原告は慰安婦自体をフェイク、嘘の話と言ったはずですそういうことがあってはいけないということで、裁判に対して非常に重みを感じながら今日にいたりました」

 デザキ監督の言うとおり、歴史戦叫ぶ極右連中のやり口は、慰安婦問題の本質とは関係のない裁判を持ち出して「慰安婦はフェイク」「慰安婦は嘘」など史実を捻じ曲げるものだ。実際、映画『主戦場』でも彼らの歴史否認の本音がどこにあるかが否応なく伝わってくる。

 本サイトでは、2019年4月映画公開当時、デザキ監督のインタビューとともに映画『主戦場』を紹介する記事を配信した。以下に再録するので、歴史修正主義がいかに差別と表裏一体であるか、極右連中の「歴史戦」なるものの正体をあらためて認識してほしい。

(編集部)


■テキサス親父は慰安婦像を「ブサイクのガラクタ」杉田水脈は韓国を「嘘は当たり前の社会」と、加瀬英明は吉見義明も秦郁彦も「読んだことない」

 戦中の日本軍による慰安婦問題を題材にした映画『主戦場』が、反響を呼んでいる。

 出演者には杉田水脈衆院議員やケント・ギルバート氏、藤岡信勝氏、テキサス親父ことトニー・マラーノ氏、櫻井よしこ氏などといった従軍慰安婦を否定・矮小化する極右ネトウヨ論客が勢揃い。「慰安婦はフェイク」と喧伝する歴史修正主義者たちと、慰安婦問題に取り組むリベラル派の学者や運動家らがスクリーンのなかで“激突”するドキュメンタリー作品だ。

 同作の見所は何と言っても、慰安婦問題をめぐる国内外の“論客”を中心とする30名余りへのインタビューだろう。

 櫻井よしこ氏ら“極右オールスターズ”の面々は「慰安婦は売春婦だった」「合法であり犯罪ではない」「慰安婦像設置の背景には中国の思惑がある」などの主張を展開。これに対して、吉見義明・中央大学名誉教授や「女たちの戦争と平和資料館」の渡辺美奈事務局長、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)の尹美香常任代表らが反論を展開する。

 出演者らは顔を付き合わせて討論するわけではないが、論点を明確にして構成されていることで主張の対立点や強度を意識しやすく、ハイテンポなカット割りも相まって飽きさせない。映画は双方の主張を取材や資料を用いて細かく比較・検証し、その矛盾や恣意性を明らかにしていく

 とくに、本サイトがオススメする同作の鑑賞法は、歴史修正主義者の口から発せられる主張のトンデモさをじっくりと吟味することだ。

 たとえば保守派の重鎮で、慰安婦否定論者の加瀬英明氏(日本会議代表委員)の場合、「慰安婦問題に関して正しい歴史認識をしている歴史家は?」と聞かれて「私がそのひとり」と自認する。しかし驚くことに、加瀬は慰安婦問題研究の第一人者のひとりである吉見名誉教授のことは「知りません」と嘯く。それどころか、保守派の歴史家である秦郁彦・千葉大学名誉教授の著書すら「読んだことない」「人の書いたものあまり読まないんです。怠け者なもんで」などと宣うのだ。

 ちなみに、加瀬氏は「『慰安婦の真実』国民運動」という団体の代表も務めている。この極右団体は昨年、監事(当時)の藤井実彦氏が台湾で慰安婦像を蹴り、大きな国際問題になったことも記憶に新しい。他にも、同会は加瀬氏自身の名義で地方地自体が慰安婦問題を扱う映画を後援することにクレームをつけている。そんな人物が、基本的な慰安婦研究すら「知らない」「読んだことない」などと恥ずかしげもなく開陳するのだから、呆れてものも言えない。

 もちろん、右派のトンデモはこれだけではない。右派陣営のインタビューからは明確な人種差別・性差別の意識が浮かび上がる。

 たとえば杉田水脈は“米国での慰安婦像設置のバックにいるのは中国”などと言い出し、「どんなに頑張っても中国や韓国は日本より優れた技術が持てないからプロパガンダで日本を貶めている」と陰謀論を全開。さらには「日本が特殊なんだと思います。日本人は子どものころから嘘をついちゃいけませんよと(教えられてきた)」「嘘は当たり前っていう社会と、嘘はダメなのでほとんど嘘がない社会とのギャップだというふうに私は思っています」とヘイトスピーチを連発する。

 また、テキサス親父は「慰安婦像を見に言ったとき、私は(像の顔にかぶせるための)紙袋を持って行った。それがふさわしいと思ってね。ブサイクのガラクタには紙袋がお似合いだ」などと笑いながら語り、テキサス親父のマネージャーである藤木俊一氏は、「フェニミズムを始めたのはブサイクな人たちなんですよ。ようするに誰にも相手されないような女性。心も汚い、見た目も汚い。こういう人たちなんですよ」と言い放つ

 映画のなかでもナレーションで「差別意識が元慰安婦は偽証しているとの考えに繋がっているようだとはっきり指摘されていたが、まさにその通りとしか言いようがないだろう。


■暴かれるIWG報告書の虚構と櫻井よしこの調査費支払いの事実

 慰安婦問題をめぐる右派の性差別的・人種差別的な態度については、映画の後半でも「元修正主義者」と紹介される女性が証言する。保守界隈に身を置いた立場から否定主義者たちの振る舞いについて語るのだが、実はこの女性は、数年前まで「ネクスト櫻井よしこ」として保守論壇で注目を浴び、実際、右派の月刊誌にも何度か寄稿したことのある人物。だが、あるときから「ナショナリスト」たちの主張を疑うようになり、今は距離を置いているという。

 さらに、この女性が“否定主義者の嘘”を告白する場面は、映画『主戦場』のハイライトのひとつとなっている。詳しくは劇場で直接見ていただきたいのだが、ここでは予備知識として、あるいは鑑賞後のための補足情報として記しておこう。

 はじまりは、産経新聞が2014年11月1日の紙面で〈著名な米国のジャーナリストが日本の慰安婦問題の調査に本格的に取り組み始めた〉として、マイケル・ヨン氏というフリージャーナリストを紹介したことだった。これに続けて産経は、同月27日付で「慰安婦『奴隷化』文書なし 米政府2007年報告に明記」と題した記事を掲載。ともに古森義久・ワシントン駐在客員特派員による署名記事である。書き出しはこうだ。

〈米政府がクリントン、ブッシュ両政権下で8年かけて実施したドイツと日本の戦争犯罪の大規模な再調査で、日本の慰安婦にかかわる戦争犯罪や「女性の組織的な奴隷化」の主張を裏づける米側の政府・軍の文書は一点も発見されなかったことが明らかとなった。〉

 記事の言う「大規模な再調査」というのは、2007年に米政府がまとめた「ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班米国議会あて最終報告」(通称・IWG報告書)のことを指している。産経は、〈慰安婦問題の分析を進める米国人ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏とその調査班と産経新聞の取材により、慰安婦問題に関する調査結果部分の全容が確認された〉として、IWG報告書のなかに「慰安婦関連は皆無」だったことを根拠に〈日本側の慰安婦問題での主張の強力な補強になることも期待される〉と書いた。

 マイケル・ヨン氏は「IWG報告書をスクープ」ともてはやされ、「正論」(産経新聞社)や「週刊文春」(文藝春秋)でも「報告書は『二十万人の女性を強制連行して性奴隷にした』という事実が一切ないことを証明している」などと触れ回った。これ以降、保守界隈では「結果的にIWGは『慰安婦を軍が強制連行などして性奴隷とした証拠はなかった』とするもの」(ケント・ギルバート)などとして広く流通。ようするに、IWG報告書は右派陣営から“慰安婦問題の犯罪性を否定する切り札”として扱われてきた。

 ところが、である。映画『主戦場』では、このIWG報告書をめぐる右派の言説が見事にひっくり返される。実は、前述の「元修正主義者」の女性こそ、ヨン氏とは別の米国人とともにくだんの報告書を「発見」した人物で、いわば真のオリジネーター。その彼女が、映画のなかで後悔の言葉とともに語るのが、“IWG報告書をめぐる右派の宣伝がいかに虚構であるか”という具体的な説明なのだ。

 しかも、映画のなかでは名指しこそされていないが、マイケル・ヨン氏は慰安婦問題をめぐって、普通では到底考えられない額の「調査費」まで受け取っていたとされる。実際、ヨン氏は自身のブログに〈櫻井女史らは、私に調査をするようにお金を支払った〉と記しているのだ。あまりに生臭い話だが、映画ではこの「高額調査費」問題についても監督が櫻井氏に直撃しているので、ぜひ櫻井氏の“反応”をスクリーンで確認してほしい。


■『主戦場』ミキ・デザキ監督が本サイトに語った「どっちもどっち」批判

 ちなみに、映画の公開前には、出演者に極右歴史修正主義者やネトウヨ文化人が多数ラインナップされていることから「否定派の宣伝になるのではないか」との懸念の声もネット上で散見された。だが、この映画は単なる「両論併記」で終わらない。

 本作が映画デビュー作となるミキ・デザキ監督は、1983年生まれの日系アメリカ人2世。日本での英語教師やYouTuber、タイでの僧侶経験もあるという異色の映像作家だ。2013年にYouTubeで日本社会のなかのレイシズムの存在を指摘したところ、ネトウヨに炎上させられた。そうしたなかで、朝日新聞の植村隆・元記者に対するバッシングを目の当たりし、慰安婦問題への関心を高めたという。両陣営から介入されないため、クラウドファウンディングで資金を集めて『主戦場』を製作した。

 デザキ氏は本サイトの取材に対し、「両方の主張のどちらがより筋が通っているかを比較するべき」と語る。

「論点を並べて“どっちもどっちだ”というやり方は、実のところ政治的なスタンスの表明に他なりません。慰安婦問題に関しては、いま日本では右派の主張がメインストリームになっている。そこに挑戦を示さないことは、彼らの言いなりになるということであり、その現状を容認することに他なりませんから。日本のメディアの多くは両論併記を落としどころにしていますが、それは、客観主義を装うこと語るべきことにライトを当てていないということ。単に並べるだけでなく、比較することで生まれる結論があります」

 従軍慰安婦をめぐる否定派/肯定派の「論争」にスポットライトを当てながらも、決して“どっちもどっちにならない映画『主戦場』。終盤では、日本の歴史修正主義の背景にある極右団体「日本会議」や安倍晋三首相に連なる戦後日本政治の流れもフォーカスされる。

 一般公開に先駆けて行われた日本外国特派員協会での上映会後の質疑応答では、デザキ監督に対し否定派の言論人から批判的な質問も飛んだ。4月19日には、日本会議が〈この映画には、日本会議に関して著しい事実誤認が含まれている〉などとする声明をHPで公表。4月25日発売の「正論」ではケント・ギルバート氏が「とても見るに値しない映画」などとこき下ろしている。まさに大慌てといった感じだが、ようするに、それだけ否定論者たちの核心に迫った映画だということだろう。いずれにせよ、判断するのは観客だ。

(編集部)
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●無関係を装いつつテレビに出まくる「れいわ新選組にビビるゆ党」お維のオーナー・弁護士センセが、あぁ情けなやぁ~スラップ訴訟とはねぇ

2022年02月18日 00時00分39秒 | Weblog

【↑ 『適菜収 それでもバカとは戦え真相究明と責任追及を“大阪ノーサイド”なんて冗談じゃない』 (2020年11月14日、日刊ゲンダイ)】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/281280


(2022年02月12日[土])
長周新聞の記事【ヒトラーはどんな政治家だったか 橋下徹や維新の会の手法と似ているか?】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/22720)によると、《立憲民主党の菅直人元首相が「(橋下徹氏は)弁舌の巧みさでは、第一次大戦後にドイツで政権をとった当時のヒトラーを思い起こす」といったことに日本維新の会がかみつき、謝罪と撤回を求めていることが物議を醸している。だが、こうした発言は今回がはじめてではなく、故・石原慎太郎が「彼(橋下徹)の演説のうまさは若いときのヒトラーですよ」といったこともあった。では、ここで俎上にあがるヒトラーとはいったいどんな政治家だったのか。それについて改めて調べてみた》。

   『●「レッテル貼り」「印象操作」「デマ」で醜態をさらすお維…《弁舌の
       巧みさでは…ドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす》

 大阪のお維支持者の皆さん、いい加減に目覚めて下さいよ。《こうした「人権意識」が徹底して欠如し、差別を差別とも思わず、ナチスを肯定する歴史修正主義者と手を結び、沖縄の市民を「侮辱」してきた維新の政治家たち》をなぜに支持できるのですか? 反お維、非お維支持者の皆さんに、本当に同情する。
 「レッテル貼り」「印象操作」「デマ」で醜態をさらすお維…《弁舌の巧みさでは…ドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす》どころか、現実には、《ヒトラーに喩えられても仕方がない人権侵害集団》なお維。お維支持者の皆さん、大阪「ト」政や市政に興味のない皆さん、《「名誉を声高に主張する維新にはどんな名誉が存在するのか》、《この間の事実経過》のデタラメさを、長周新聞の記事をよく読んでみてはどうですか?

 さて、「れいわ新選組にビビるゆ党お維。さらなる醜態、スラップ訴訟 (SLAPPSLAPP) とはねぇ、(元?)弁護士センセが。あ~、情けなやぁ。《3月11日に大阪地裁で第1回口頭弁論が予定》が楽しみで仕方ないですねぇ。
 長周新聞の記事【大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ 名誉毀損で300万円請求 「維新の名誉って何?」】(https://www.chosyu-journal.jp/shakai/22707)によると、《れいわ新選組の大石晃子衆議院議員(近畿比例)が3日、大阪維新の会元代表の橋下徹(元大阪府知事)から名誉毀損で提訴されたことを明かした。訴状の内容は公表されていないが、大石氏が衆議院議員当選後にメディアのインタビューで橋下府政時代の問題点について言及した内容を「名誉毀損」とし、損害賠償金300万円を要求しているという》。
 また、同紙のコラム【公衆の面前でのファイトを望む/コラム狙撃兵】(https://www.chosyu-journal.jp/column/22717)によると、《れいわ新選組の国会議員として活躍し始めた大石あきこ衆院議員が3日、維新の創設者である橋下徹から、大石あきこの発言が「たびたび攻撃的な表現行為をくり返している」として「名誉毀損行為、社会的評価を低下させる行為であり300万円を支払え」との訴状が届いたことをツイッターにて公表した。たちまち「#大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ」「#パニック訴訟」のハッシュタグとともに事実は知れ渡り、今後始まるであろう法廷における両者のファイトに世間の注目が集まっている》。

   『●橋下元大阪〝ト〟知事の問題というよりも、投票者・支持者の問題?
    「相変わらず口先だけ。花火を打ち上げ、ほとぼりが冷めたころに小声で
     謝罪、でも行動は改めず。産経の記事『【大阪市職員アンケートは不当】
     /橋下市長、完敗「大変申し訳ない。謝罪しなければ」』…によると
     「…と陳謝した。…今後も組合に対するチェックを続ける考えを示した」
     ようだ。東京新聞のコラム「筆洗」曰く 「朝令暮改」だそう。
     「謝る時の潔さもこの人の魅力なのかもしれない、と書こう
     と思っていたら、夜になったら前言を撤回していた。まさに朝令暮改。
     なんとも感情的に流れる人である」」
    《▼大阪市が昨年二月、全職員を対象に実施した「思想調査」に対し、
     大阪府労働委員会が「組合活動に対する支配介入だった」と判断した
     のは一昨日の午前中だった。…▼かつて小欄で「いくら問題の多い役所
     としても、密告を奨励するアンケートを強行する人権感覚には
     慄然(りつぜん)とする」と書いたが、その意見は変わらない。
     潔く謝ったのは演技だったのだろう。批判されて乱れるような
     安っぽい演技なら、しないほうがよかった》

   『●大石あきこ氏のつぶやき…〝文通費〟を《吉村知事。…飲みしろに
     使ったんですか? 「ブーメラン反省」では済まない大問題ですよね》
   『●《「ブーメラン反省」では済まない大問題》を《男性アナウンサーは
      吉村知事が自己申告したことを「潔いというか」と紹介する始末》
   『●「れいわ新選組にビビるゆ党」お維の大阪「ト」知事三代…
     《「ブーメラン反省」では済まない大問題》等々を騒がないマスコミの皆さん
   『●大阪市長がお維議員30人と焼き鳥屋で《反省会》…「ルールに従え
     ないなら、組織を出るべきだと思う」by 松井一郎元大阪「ト」知事
   『●《足立議員は…「…」を犯罪者集団であるかのように取り上げ、
     「破防法を適用すべき」とまで主張…だったら、まず維新に適用すべき》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》
   『●数多のお維案件の中でもかなり醜悪な一つ ――― リコール署名偽造
     事件《指示系統や資金の流れなどは依然としてつまびらかではない》

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https://www.chosyu-journal.jp/shakai/22707

大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ 名誉毀損で300万円請求 「維新の名誉って何?」
2022年2月10日

 れいわ新選組の大石晃子衆議院議員(近畿比例)が3日、大阪維新の会元代表の橋下徹(元大阪府知事)から名誉毀損で提訴されたことを明かした。訴状の内容は公表されていないが、大石氏が衆議院議員当選後にメディアのインタビューで橋下府政時代の問題点について言及した内容を「名誉毀損」とし、損害賠償金300万円を要求しているという。また、立憲民主党の菅直人元首相が、ツイッターで橋下氏の名前を挙げ「主張は別として弁舌の巧みさでは政権を取った当時のヒトラーを思い起こす」(1月21日)と投稿したことについて、日本維新の会代表の松井一郎大阪市長が「ヘイトスピーチだ」と批判し、日本維新の会の馬場共同代表が抗議するなど丁々発止をくり広げている。「名誉を声高に主張する維新にはどんな名誉が存在するのか――この間の事実経過をふり返って見てみたい。


れいわ新選組よ、もっとやれ!

     (れいわ新選組の大石晃子)

 大石氏によれば、2月2日に大阪地裁から事務所宛に届いた橋下徹からの訴状は「(大石氏が)たびたび攻撃的な表現行為をくり返している」として「名誉棄損行為、社会的評価を低下させる行為であり300万円を支払え」という内容のものであったという。

 昨年、衆院選後のインタビュー記事で、橋下徹府知事時代におこなっていたことについて暴露したことが「名誉毀損」にあたるという主張であり、3月11日に大阪地裁で第1回口頭弁論が予定されている。

 大石氏は5日、自身のユーチューブチャンネルで「形としては、国会議員を一般人の橋下氏が訴えるという構図で、私の方が強者ともとれなくもないが、誰もそのようには見ない。誰がどう見ても橋下氏は維新の会関係者であり、その親玉だ無茶苦茶テレビに出まくって社会的影響力を持っている人が、私のような人間を訴えるというのは、スラップ訴訟、嫌がらせ訴訟の部類に入ると思う。私としてはパニック訴訟とみなしている」と心境を明かした。

 また「維新の会、そして橋下徹府知事にはこういう問題があったんですよ、というのが、私の政治活動や言論の基本だ。そこに対して名誉毀損といってくるということは、私の言論を潰すというのが目的だそのようなものに屈するわけにはいかない。ますますもって真実を明らかにするという活動にもっと力を入れていきたい」と真っ向対決の姿勢を示している。

 近く記者会見を開き、広く世間にも内容を伝えながら法廷闘争に挑むという。

 大石晃子vs橋下徹のバトルは、財界の代理人としてポスト自民党を狙う維新vsれいわ新選組のバトルの一端でもある。

 大石氏は、れいわ新選組衆議院議員であるとともに、地元の大阪で「大阪都構想」や「カジノ誘致」に反対する活動を精力的におこない、新型コロナ対応をめぐる大阪府市の保健所や医療体制の脆弱化、弱者を切り捨てる新自由主義的な行政破壊徹底的に追及してきた人物として知られ、「反自民」を装いながら関西で勢力を伸ばしてきた維新との対決姿勢を鮮明にしてきた

 維新や橋下徹としては、みずからの欺瞞性を突く「目の上のたんこぶ」に最大限ダメージを与えたいという動機があるのは明らかで、今回の提訴もそのあらわれと見られる。


れいわ・大石議員 維新の「都構想」やコロナ対策を批判

 大石晃子氏は、大阪府職員だった2008年3月、橋下徹が大阪府知事就任直後、30歳以下の若手職員を集めた朝礼で、「始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になるといわれてできなかった」「民間では始業前に準備や朝礼をするのが普通。そんなこといってくるなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない。給料カット!」と声を荒げたのに対し、立ち上がって「どんだけサービス残業やってると思ってるんですか」「今の府庁に問題はある。それは職場で職員が信頼関係をつくって、上も下もなく、府民のための仕事を本気で議論することでしか問題は解決しない。あなたは若い職員に、“上司に不満があれば自分にメールを送って”などときれいなことをいったが、逆に職場をバラバラにしている。職員と府民を分断している」と抗議した経験がある。

 そのことを契機に市民運動に参加するようになり、10年後に府庁を退職。大阪市を廃止するために大阪府市が推進した「大阪都構想」に反対する活動などを経て、2020年2月に山本太郎率いるれいわ新選組の衆院大阪5区公認候補予定者となり、同年10月の衆院選で比例近畿ブロックで初当選を果たした。現在は、れいわ新選組政策審議会長として、コロナ脱却給付金(1人当り月20万円の現金給付)、子ども手当月3万円、安定雇用1000万人実現、介護・保育の月収10万円アップ、消費税廃止などの政策とともに、大阪では維新が推進するカジノ(IR)誘致の中止を求めて活動している。

 また、最近のNHK日曜討論(昨年12月)では、大阪府の人口当りの新型コロナ死者数が全国ワースト1位となったことに触れ、縮小された保健所の職員体制を増員させる必要性とともに、「大阪では保健所の職員が過労死レベルの残業が1年単位で続いてきた。職員組合が“私たち使い捨てにしないでください”と労基署に訴える事態になっているのに、吉村府知事が持ち上げられているのは異常。検証すべきだ」と指摘。

 「大阪府は検査拡大が必要な時期に、(昨年)11月末で何を血迷ったか、高齢者施設での定期PCR検査を中止している。しかも病床が不足しているのに、229病床も削減した。やるやるといいながら、平時に人が余るから、という理由で職員を付けていない」と、メディアに称賛される「吉村・大阪モデル」の欺瞞性を暴露した。

 橋下徹氏についても、メディアのインタビューで、「(府知事時代に)マスコミをしばいて、気に入らない記者は袋叩き」にしていたことを暴露新聞社に対して記者の交代を要求し、従わなければ取材陣から排除し、従えば「特別な取材をさせてやる」などの対応で「アメとムチでDVして服従させていた」ことなど、地元メディアを手懐けて維新びいきの報道をするよう誘導していた実態を赤裸々に明かしていた。

     (橋下徹)

 これに激昂したのが大阪維新の会初代代表の橋下徹で、昨年10月31日の衆院選で当選した国会議員に1人当り月100万円の文書通信交通滞在費(文通費)が10月分満額支出されたことが問題視されたさい、「山本太郎さんも4時間で100万円相当の収入を丸取りでっか? 丸取りならあんたらのいうこと信用ならんで!」と、れいわ新選組に批判の矛先を向けた。大石氏に対しては「れいわの大石議員は小選挙区ではボロ負け。比例でかろうじて当選。しかも投開票日10月31日の翌日11月1日にやっと当選。これで10月分の経費100万円を受け取る異常さ」などと煽り立てた。衆院選の投開票はすべて10月31日であり、大石氏が11月1日に当選というのは明らかな事実誤認だった

 これに大石氏が「維新が“100万円もったいない”と空騒ぎ。よう言うわ」「維新を倒すための戦費として私は100万円でも何でも使います」とSNS上で応え、れいわ新選組も、政治活動への公費支出削減によって「資金力がある大規模政党しか政治活動ができなくなる」ことを問題視し、むしろ国民に対する使途報告を明確にすることを主張した。橋下徹は「これがれいわ新選組の国会議員の実態」「政治活動は政党交付金でするもの、もっと勉強しろ」とメディアやSNSで騒ぎ立てた。

 ところが、「文書通信交通滞在費とかまどろっこしい名前をつけてるけど、領収書は要らない。領収書不要の経費ってある?」「『経済的弱者の救済を!』と声高に叫ぶ政党も、結局、自分達の厚遇に関しては、みんなで仲良く下向いて知らんぷり。真っ先に税金から非常識な分配を受けている。どこの政党も知らんぷり」と叫んでいた大阪維新の会代表の吉村府知事自身が、2015年に衆院議員を辞職して大阪市長選に出馬したさい、10月1日付で辞職して「1日で100万円」を受けとっていたことを、大石氏が衆議院事務局に確認したうえで暴露。吉村知事は「記憶が曖昧」などとシラを切ったが、事実を認めた

 また、文通費100万円を批判する日本維新の会所属議員らは、これまでも文通費や政務活動費を自身が代表をつとめる政治団体や自分自身に寄附して「セルフ領収書」を発行していたこと、「公の書類」に限られているはずの文通費を選挙資金に流用していたこと、日本維新の会に国から交付される年間18億円余りの政党交付金からも年間6000万円程度が「組織活動費」の名目で党幹部の個人口座に振り込まれ、領収書も存在せず、多くが使途不明である実態などが次々に明るみに出た。

 文通費100万円を問題視する一方、この億単位の政党交付金の使途に追及が及ぶと、日本維新の会代表の松井一郎大阪市長は「組織を動かすには領収書の必要のない経費も必要などといってお茶を濁し、維新関係者も一斉に口をつぐんでしまった

 橋下徹自身も政界引退後、2016~18年までの3年間だけでも日本維新の会や同党議員の後援会などから「講演料」「講師料」として総額3456万円(講演1回当り216万円)を受けとっていたことが政治資金収支報告書等から明らかになり、しっかり「既得権」の恩恵にあずかっていたことが暴露された。文通費騒動は、逆に維新のマネーロンダリングが暴露されるブーメランとなり、改革を見せかけるだけのフェイクとして世間に知れ渡ることとなった

 大阪では「反自民」や「反既得権益」を唱える改革派として振る舞い、メディアに持ち上げられる維新だが、実際には自民党の小泉改革を引き継いで新自由主義的な公の破壊と民間への売り飛ばしを実行し、コロナ禍で全国最悪の死者を出す惨憺たる状態を生み出すにまで至ったことが、れいわ新選組の登場によって一層暴露される形となっている。それは、維新の広報機関となっている商業メディア(財界)との癒着関係も浮き彫りにしており、メディアに頼らず、無党派層と広く結びつきながら街頭から勢力を広げるれいわ新選組の存在が、維新にとっていかに目障りとなっているかを示している。

 今回の提訴の内容や橋下徹の主張は今後明らかにされると見られるが、過去に大阪府の政権担当者であり、現在も言論人やコメンテーターとしてメディアに毎日のように露出する人物が、みずからが現職時代におこなった言動への批判に対し、言論で世間に問うのではなく、訴訟という手段で口を封じようということ自体、権力をバックにした恫喝にほかならず、卑怯で陰湿な性根を物語っている

     (れいわ新選組の「あかん!大阪都構想」街宣
      (2020年10月・大阪市))


維新の会の名誉とは? 不祥事は枚挙に暇なく

 「名誉毀損」を声高に訴える維新にとっての名誉とはなんなのか? 大石氏が指摘するまでもなく、この間明るみに出た事件を顧みるだけでも、維新の異常な実態が浮き彫りになる。

 維新所属の国会議員から府議、県議、市・区議会議員にいたるまで、政務活動費の不正支出や二重計上、異性関係での不適切行為、DV、暴力行為、わいせつや傷害事件などは枚挙に暇がない

 2021年4月には、梅村みずほ参院議員(大阪選挙区、日本維新の会)の秘書が知人男性を乗用車ではねたうえに、その男性を殴るなどの殺人未遂容疑で逮捕された。

 また同月、元大阪維新の会顧問の冨田裕樹前池田市長が、市庁舎内に自分用の家庭用サウナを設置していた問題で「庁舎を私物化し、市長としての資質に著しく欠ける」として辞職を要求された。百条委員会が設置された挙げ句に辞職に追い込まれた。

     (署名偽造の疑いで逮捕された田中孝博(右)と
      肩を並べる吉村洋文(田中氏のHPより))

 また、2021年4月、愛知県の大村秀章知事リコール(解職請求)運動をめぐり、愛知県内の「維新の会」所属議員や元県議など37人が請求代表者となって始めたリコール請求署名の約43万人分のうち、36万人分が偽造されたものであることが判明。リコール運動は、大阪維新の会の吉村大阪府知事が「応援」を公言していた運動で、署名団体の事務局長だった田中孝博(地方自治法違反で逮捕)は、日本維新の会衆院愛知5区支部長(候補予定者)だった。

 2021年3月には、森夏枝衆議院議員(日本維新の会・比例近畿)が、党員のべ99人から集めた党費(1人年2000円)を2年間肩代わりして党本部に払っていたことで、公選法違反(選挙区内での寄附)で市民団体に告発された。

 2020年1月には、当時日本維新の会所属衆議院議員だった下地幹郎(比例九州)が、カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐって中国企業から現金100万円を受けとっていたことが判明して離党。

 2019年5月、同じく日本維新の会の衆議院議員だった丸山穂高(大阪19区)が、北方四島ビザなし交流の訪問団として訪れた国後島で元島民に対し、泥酔した状態で「ロシアと戦争で(北方領土を)とり返すのは賛成か反対か」と問いかけ、「戦争なんて言葉を使いたくない」という元島民に対して「戦争をしないとどうしようもない」と反駁。同地でキャバクラに遊びに行くことを呼びかけ「俺は国会議員だ。ここは日本の領土だろ。議員なんだから不逮捕特権があるんだ」などといいながら徘徊して、議員辞職を求められる騒動となった。

 地方議員になると「不祥事のデパート」と称されるほど破廉恥事件は日常茶飯事となっている

 2021年2月、大阪維新の会の岡沢龍一大阪府議(枚方市)が弟に暴行してケガをさせた傷害容疑で書類送検。2020年9月には、東京都港区の赤坂大輔区議(日本維新の会)が少女に下半身を露出する公然わいせつ罪で罰金15万円の略式命令。2020年12月には、江戸川区の中津川将照区議(日本維新の会)が飲酒後のひき逃げで逮捕。2019年には大阪府松原市の田中厚志市議(大阪維新の会)が、市議会本会議を体調不良を理由に欠席しながら、妻と沖縄を旅行していたことが明らかになり離党。同年、大阪維新の会所属の不破忠幸市議が、自身の陣営にウグイス嬢を手配した見返りに72万円を支援者に渡したとして公選法違反で逮捕されるなど、数えればキリがない。

 また、問題発言では、参院選比例候補として維新の会に公認されていた元フジテレビアナウンサーの長谷川豊が、被差別部落問題について「士農工商の下に、人間以下の存在がいる」などの言葉を使ったうえで、「当然、乱暴なども働く」「プロなんだから、犯罪の」と講演会で発言し、後に撤回する騒動となった。

 また日本維新の会の足立康史衆議院議員においては、国会でも数々のデマや暴言を吐き、懲罰動議は6回に及ぶ。内容としては、衆院の総務委員会で民進党(当時)の安全保障関連法の対応をめぐって「民進党はアホじゃないか。アホです、アホ」「こんな政党は国会の恥だ。アホ、バカ、どうしようもない」(2016年4月)など稚拙なものばかり。また、加計学園問題が浮上した2017年5月には、自身のツイッターに「朝日新聞、死ね」と投稿。2018年2月には「立民(立憲民主党)は北朝鮮の工作員」と投稿するなど、炎上商法スタイルが定着している。


橋下徹 過去の問題発言の数々

 橋下徹にしても、昨年11月の衆院選後のテレビ特番で「山本太郎さんのような詐欺師に多くの有権者が騙されなくて本当によかった。やっぱり日本国民は賢明だ」などとのべ、「(山本太郎は)高所得者の税率を上げろ、といっておきながら、低所得者、中所得者の方々の税率が上がるとはいわずに、消費税ゼロだというのは詐欺師的な主張」と発言した。だが、橋下氏がいう「消費税を廃止にしたら年収300万~400万の人の所得税が大増税になる」という根拠は存在しなかった

 過去に遡れば、大阪市長時代の2013年、戦時中の旧日本軍による朝鮮人強制連行について、「慰安婦が軍に暴行、脅迫を受けて連れてこられた証拠はない」「歴史を紐解いたら、いろんな戦争で、勝った側が負けた側をレイプするだのなんだのっていうのは、山ほどある。そういうのを抑えていくためには、一定の慰安婦みたいな制度が必要だったのも厳然たる事実だ」などと主張。批判を受けると「日本人は読解力不足」と開き直った。

 また同年、沖縄で在日米兵の性犯罪が多発している問題について、「慰安婦制度じゃなくても風俗業は必要だ。米軍の司令官には法律の範囲内で認められているなかで、性的なエネルギーを合法的に解消できる場所は日本にあるわけだから、もっと真正面からそういう所(風俗業)を活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的エネルギーをきちんとコントロールできない。建前論じゃなくて、もっと風俗業を活用してほしい」と米軍海兵隊司令官に進言。米国側からも批判が高まると撤回し、「米軍、米国民におわびをしないといけない」と謝罪したが、2016年に再び沖縄うるま市で米海兵隊による女性暴行殺人事件が起きると、「(以前に)風俗の活用でも検討したらどうだ、と言ってやった。まあこれは言い過ぎたとして発言撤回したけど、やっぱり撤回しない方がよかったかも。きれいごとばかり言わず本気で解決策を考えろ!」「今回の事件で米軍基地の存在が事件の原因だとして、米軍基地を否定する主張を自称人権派は展開している。これこそまじめに活動している米兵等への人権侵害だ」などとSNSで放言している。

 これら一連の言動だけ見ても、彼らは誰のために、どんな「改革」をしようとしているのか、毀損されたいう名誉とはどのような名誉なのか、である。「現代のヒトラー」であるかは別としても、自分の名誉毀損を云々する前に、「お前がいうな!の特大ブーメランが突き刺さってしかるべきレベルといえる。裁判の行方とともに、今後のれいわ新選組とのバトルにも注目が集まっている。
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https://www.chosyu-journal.jp/column/22717

公衆の面前でのファイトを望む
コラム 狙撃兵2022年2月10日

 れいわ新選組の国会議員として活躍し始めた大石あきこ衆院議員が3日、維新の創設者である橋下徹から、大石あきこの発言が「たびたび攻撃的な表現行為をくり返している」として「名誉毀損行為、社会的評価を低下させる行為であり300万円を支払え」との訴状が届いたことをツイッターにて公表した。たちまち「#大石あきこ橋下徹に訴えられたってよ」「#パニック訴訟」のハッシュタグとともに事実は知れ渡り、今後始まるであろう法廷における両者のファイトに世間の注目が集まっている。

 まぁ、政治家及び「元政治家」なのだから、ここは法廷ではなく言論空間にて、まさに政治家の武器である言論でもって正々堂々とファイトしろよとも思うが、メディア露出ははるかに多いだろうに、橋下徹としては勝負の場所を法廷すなわち密室に限定したいのだろうか。自身はテレビに出演しまくっているのだから、そこに大石あきこを登場させて番組MCの仕切りにてゴングを鳴らして両者ファイッ!でもよし、その名誉にかけて維新の政策についての是非を討論するなり、劇場型を切望したいものである。

 TV放送がふさわしくないというのなら、大阪城ホールあたりを貸し切って、維新vsれいわ新選組の公開ファイトあたりを企画・ネット中継でもしてくれれば面白いのに…とも思う。法廷といっても3人ほどの裁判官が正面に鎮座し、なんなら寝ている裁判官(取材で何人も目撃してきました)だっているような空間で、斯く斯く然々を書面でやりとりするなんて、そもそも面白くないではないか!と――。

 外野席としては、橋下徹は劇場型がふさわしい、否、劇場型でこそ初めて光を浴びることができる存在だと評価しているのである。したがって、そこに大石あきこなりれいわ新選組・山本太郎あたりが堂々とあらわれて、正面から受けて立つという場面の方が公明正大でよろしいし、そうではなく机の下で言葉尻を捉えてひねりあいっこみたいなのは、どうにもふさわしくないと感じるのである。この訴訟がスラップだというのなら、それまたなんともチンケな話ではないか。面白くないぞ!と立腹するのは、公衆のジャッジを避けている風に見えるからで、メディアももっといつものように「橋下徹vsれいわ新選組」に脚光を浴びせろよ!と思うのである。

 訴状が公開されているわけでもなく、今のところ何をもって橋下徹が名誉毀損行為と訴えているのかは不明なものの、大阪府職員だった当時から橋下徹に公然と反論をのべ、以後も維新の大阪における政策を徹底的に批判してきた大石だけに、政策の実行者である政治家個人についてきつく批判することもあったろう。生ぬるい調子ではなく、舌鋒鋭くこきおろすなんてことも当然あったろう。その政治活動で発した言葉の何が名誉毀損なのかは、今後法廷の場で弁護士による論争がくり広げられることとなる。恐らくなんの面白みもなく、裁判なんてものは時間とカネだけを浪費しながら淡々と進むのである。ここで大石あきこの名誉毀損発言が問題にされる場合、橋下徹のこれまでの発言についても同時に検証される必要があるのだろう。そして、維新関係者による不祥事は山ほどくり返されてきたなかで、彼らって、むしろ名誉はみずから汚していくスタイルだったのではないか?とも思うのである。

 さすがに田中眞紀子の「種なしスイカ」レベルは名誉毀損モノだろうが、その政治活動における発言のいちいちが法廷に持ち込まれて裁判官が善し悪しを判決していく、言論を統制していくというのも、なんだかすごい時代になったものである

  武蔵坊五郎 
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●軍艦島を始めとする「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に…ユネスコでの日本側のアノ「約束」から履行してみては如何だろうか?

2022年02月10日 00時00分50秒 | Weblog

[※ 「こんな人たち」 報道特集(2017年7月8日)↑]


――――――《内閣官房は文化審議会とは別の有識者会議を設けて「明治日本の産業革命遺産を推薦する」と言ってきた。最後は官邸主導の政治決断となり、「長崎教会群」ではなく「明治産業革命遺産」が選ばれたんです。初めから結論は決まってたんですよね》(前川喜平さん)

―――――― 上野英信さん『追われゆく坑夫たち』には、《Yさん…「…」と鉄棒をさすりながら勤労係が言いました。こうして私は海のなかの恐ろしい監獄島――三菱端島炭鉱で働くことになりました》



(2022年01月30日[日])
日刊ゲンダイのコラム【立岩陽一郎 ファクトチェック・ニッポン!/「佐渡島の金山」世界文化遺産登録をめぐる「めざまし8」での私の発言が批判を浴びているが】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300424)。 

 《まず、世界遺産には自然遺産と文化遺産があり、文化遺産については歴史もその評価の対象となる。その上で、負の歴史があるならそれも含めて遺産と考えるべきで、反論するよりも、そうした事実を含めて遺産として考えるべき。予想通り、「反日」の言葉とともに罵詈雑言が浴びせられている。発言はあくまで一般論として私見を語ったものだが、別にそう釈明する気もない。安倍元首相は「歴史的な事実に基づき」と言うが、「過酷な労働」の「過酷な」は認識だ。認識は事実ではないのでファクトチェックできない。双方の主張は平行線をたどるしかない》。

 まず、同コラムで、立岩陽一郎さん《そこまで考えて気づく。番組担当者は仮のような番組は間違っても作らない。その「ミス」が深刻な事態を招くことを誰もが知っているからだ。私たちはそういう社会に生きており、メディアはそれにあらがう力を既に失っている》。
 《失われ尽くしつつあるマスコミの矜持と信用》(斎藤貴男さん)。

   『●《黒田さんは「差別」と「戦争」を最も憎んだ。人々の幸福実現が
     新聞の最大の使命なら、それを最も阻害するのが差別と戦争だからだ》
   『●お維の大阪府と包括連携協定の下足番広報紙…《メディアの役割は
     府政の監視をし、その政策を客観的・批判的な視点から報じること》
   『●エール ―――《そんな世の中において、一つの言論機関としての矜持を
       持ってやっていく、しかも…貫くことの大変さは身に染みてわかる》

 さて、佐渡金山。軍艦島について、ユネスコでの日本側のアノ「約束」はどうなったの…? まずは、アノ「約束」から履行してみては如何だろうか? ニッポンに対して、2021年7月、《ユネスコが、守られていないと批判する決議を採択》したわけですが、その後、どうなったのですか? 《こんな不誠実な態度、下劣な二枚舌を使えば、国際社会は呆れ返り、すでにガタ落ちしている信頼はさらに失墜し、相手にされないのは目に見えている》《「約束破りな上、二枚舌を使うという国際社会からの信頼を失墜させる自殺行為にほかならず、日本が歴史修正主義による“ならず者国家”だと印象づけるだけの、愚行以外の何ものでもない。世界遺産登録をめぐって「歴史戦」などというネトウヨ用語が飛び交う状況こそが異常なのだ》…あぁ、情けなく、恥ずかしいニッポン。

   『●《内閣官房は文化審議会とは別の有識者会議を設けて「明治日本の
     産業革命遺産を推薦する」と…。最後は官邸主導の政治決断となり…》

 リテラの記事【安倍のせいで「佐渡金山」世界遺産は逆に絶望的に! 歴史修正主義宣伝と影響力誇示のためだけに“安倍フォン”かけまくり関係者に圧力】(https://lite-ra.com/2022/01/post-6155.html)…《安倍のせいで「佐渡金山」世界遺産は逆に絶望的に!》の可能性が高く、でも、アベ様にとってそんなことはどうでもよく、「力を誇示」できればそれが本望だったというオチのようだ。日夜キシダメ首相、そして、マスコミも情けないなぁ…。

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https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/300424

立岩陽一郎 ジャーナリスト
ジャーナリスト。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て退職。現在は調査報道とファクトチェックを専門とするNPOメディアInFact編集長。同コラムを書籍化した「ファクトチェック・ニッポン 安倍政権の7年8カ月を風化させない真実」発売中。毎日放送「よんチャンTV」、フジテレビ「めざまし8」出演中。

ファクトチェック・ニッポン!
「佐渡島の金山」世界文化遺産登録をめぐる「めざまし8」での私の発言が批判を浴びているが
公開日:2022/01/26 06:00 更新日:2022/01/26 06:00

     (安倍元首相(C)日刊ゲンダイ)

 1月21日のフジテレビの情報番組「めざまし8」での私の発言が批判を浴びているようだ。「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録について、韓国政府が「朝鮮半島出身者が過酷な労働をさせられた場所だ」などと反発したため、政府が推薦を見送る方針との内容について話したものだ。

 番組では安倍晋三元首相の「歴史的な事実に基づき、しっかり反論すべきだ」との発言や、新潟県知事の「(韓国政府の反発は)世界遺産の価値とは関係がない」などの発言が紹介され、それを受けて私が意見を求められた。

 私の発言は以下だった。まず、世界遺産には自然遺産と文化遺産があり、文化遺産については歴史もその評価の対象となる。その上で、負の歴史があるならそれも含めて遺産と考えるべきで、反論するよりも、そうした事実を含めて遺産として考えるべき

 予想通り、「反日」の言葉とともに罵詈雑言が浴びせられている。発言はあくまで一般論として私見を語ったものだが、別にそう釈明する気もない。安倍元首相は「歴史的な事実に基づき」と言うが、「過酷な労働」の「過酷な」は認識だ。認識は事実ではないのでファクトチェックできない。双方の主張は平行線をたどるしかない。

 これも当然だが、もし仮に私が「政府の弱腰は情けない。韓国にしっかり反論して世界遺産に推薦すべきだ」と言っていればこうした批判を受けることはない。その発言に失望を覚える人は、表現の自由を理解している可能性が高く、ましてネットで罵詈雑言を書き連ねるような真似はしない。それがわかっているから、罵詈雑言をする側に配慮した発言に終始する人はいるだろう

 この仮に、という仮定を現在起きているメディアのさまざまな問題に当てはめて考えてみたい。仮に、民放テレビ局が正月の特別番組で共産党から出た自治体の長2人と共産党で長く活躍した著名な識者を出し、タレントの司会で政治や社会について語らせたらどうだろうか? 放送後しばらく経った後に社長が記者会見で調査をすると語るだけで済むだろうか

 これも仮に、だが、NHKが東京五輪の公式記録映画を製作する映画監督に密着取材した番組で、「五輪『賛成』デモに参加している」「お金をもらって動員されていると打ち明けたとテロップで紹介したらどうだろうか? 実際にはそうした証言はなかったにもかかわらず番組を制作した大阪拠点放送局の局長が謝るだけですむだろうか

 説明するまでもなく、前者は政党名を変えて、後者は「賛成」を「反対」に変えて実際に起きたことだ。それだけの違いだが、仮に、この仮の話が起きていたら与党は大騒ぎし、「国会に関係者を呼んで事実関係をただせ」と大物議員が発言するニュースが飛び交っていただろう

 そこまで考えて気づく。番組担当者は仮のような番組は間違っても作らない。その「ミス」が深刻な事態を招くことを誰もが知っているからだ。私たちはそういう社会に生きており、メディアはそれにあらがう力を既に失っている

※コラムへの感想や意見は以下のアドレスへ。
 tateiwa@infact.press
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https://lite-ra.com/2022/01/post-6155.html

安倍のせいで「佐渡金山」世界遺産は逆に絶望的に! 歴史修正主義宣伝と影響力誇示のためだけに“安倍フォン”かけまくり関係者に圧力
2022.01.30 08:00

     (安倍晋三Facebookより)

 2023年の世界文化遺産登録を目指す国内候補に選ばれた「佐渡島の金山」(新潟県佐渡市)について、政府がユネスコへの推薦を「見送る」とした報道から一転、28日、岸田文雄首相は「本年申請をおこない、早期に議論を開始することが登録実現への近道であるという結論に至った」と公表、ユネスコへ推薦すると表明した。

 岸田首相は「変わったとか(方針を)転換したとの指摘は当たらない」と述べたが、安倍晋三・元首相からのゴリ押しに屈したことは一目瞭然だ

 佐渡金山は昨年末の2021年12月28日に文化庁が文化審議会においてが国内候補に選定されたと発表したのだが、この決定に対し、佐渡金山は戦時中に朝鮮人の強制労働がおこなわれた歴史があることから韓国政府が反発。外務省も「登録が見込めない」という理由からユネスコへの推薦に消極的な姿勢を示していた。

 ところが、急に安倍元首相がしゃしゃり出るようになり、「(韓国に)ファクトベースでしっかり反論すべきだ」「論戦を避けた形で申請しないのは間違っている」などと主張。自民党政調会長である高市早苗氏やネトウヨ論客たちも一斉に岸田バッシングを開始し、ついに岸田首相は見送りの方針を一転させたのだ。

 だが、暗澹とさせられるのは、今回のユネスコ推薦決定に対し、ネトウヨたちだけではなく、マスコミや世論からも「安倍元首相や高市氏の主張は当然」「韓国が政治問題化させているだけ」という声があがり、「岸田首相が弱腰すぎた」など安倍元首相のゴリ押しを評価する向きがあることだ

 まったく何を言っているんだか、という話だろう。まず、そもそも岸田首相や外務省がユネスコへの推薦に消極的だったのは、戦時中の朝鮮人強制労働の歴史を重く見たとか、そういう理由ではまったくなく、自分たちの「二枚舌」が国際的に問題となることを見越した上での判断だった

 というのも、日本政府は2015年に中国が世界記憶遺産(現・世界の記憶)に申請した「南京大虐殺の文書」が登録されたことや2016年に日中韓などの民間団体が旧日本軍「従軍慰安婦」にかんする資料を申請したことに対して政治利用されているなどと猛反発し、ユネスコに審査方法の見直しを要求。2017年には日本政府の強い反対によって慰安婦関係資料の登録判断が延期され、登録申請の受付も中断させていた。そうしたことを受けて、ユネスコの執行委員会は2021年4月、加盟国による異議申し立てを認め、関係国が無期限で対話するなど「加盟国の反対がある限り遺産登録を見合わせるという制度改革案を承認したのだ。

 つまり、日本政府が南京大虐殺や従軍慰安婦にかんする文書・資料の登録・申請に猛反発し、加盟国の反対があれば遺産登録を見合わせられるという制度をユネスコに導入させたというのに、今回は韓国から反対の声があがっていることも無視して推薦しようというのだ。

 今回は世界文化遺産への登録をめざすもので「世界の記憶」とは制度が異なるが、無論、「言っていることとやっていることが違う」とユネスコや国際社会から反感を買うのは火を見るより明らか。だからこそ、外務省は佐渡金山のユネスコ推薦に消極的だったのだ。現に、〈外務省内では、「今回は日本が逆の立場になり、韓国の反発がある中で推薦すれば国際社会の信用を失いかねない」との判断も働いた〉(読売新聞20日付)といい、今回の推薦決定を受けて、〈韓国が反発する中で推薦することで「日本のこれまでの主張と整合性がとれなくなる」(外務省幹部)との懸念が出ている〉(毎日新聞29日付)という。


■「明治日本の産業革命遺産」では、「徴用の実施」をきちんと説明すると言いながら約束を反故に

 しかも、問題はこれだけではない。世界遺産登録をめぐっては、日本側はユネスコの世界遺産委員会との約束を堂々と破り、昨年には世界遺産委員会が「強い遺憾を示す」とする決議を採択しているからだ。

 問題となっているのは、2015年に当時の安倍首相の肝いりによって世界遺産に登録された「明治日本の産業革命遺産」。この世界遺産登録には韓国が反発していたが、日本側は朝鮮人徴用工について意思に反して連れて来られ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者等がいたことを認め、〈第二次世界大戦中に日本政府としても徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じる〉(内閣官房「産業遺産情報センターの在り方等について(第一報告書))」)約束していた

 ところが、世界遺産登録後の2017年に日本側がユネスコへ提出した「保全状況報告書」では、朝鮮人徴用工について「戦前、戦中、戦後にかけて日本の産業を支えた多くの朝鮮半島出身者がいた」という記述で強制連行や過酷労働の実態を矮小化。2019年に出された「保全状況報告書」では朝鮮人徴用工について一切触れないという下劣な手に出た

 さらに、「徴用政策を実施していたことについて理解できるような措置を講じるという約束から設置された「産業遺産情報センター」の一般公開では、徴用工の置かれた過酷な状況を説明するどころか、父親が軍艦島炭鉱で働いていたという人の「いじめられたとか、指さされて『あれは朝鮮人ぞ』とは全く聞いたことがない」という証言を紹介、給与やボーナスが支払われていた物証などを展示したのだ。

 あらためて言っておくが、戦時中の朝鮮人強制連行は、当事者の証言だけでなく、公文書を含んだ史料がいくつも残っている歴史的事実だ。また周知のように、徴用工は企業によって、一部、日本人と変わらない待遇を受けているケースもあったが、大半が日本人とまったく違う劣悪な環境で働かされ、虐待や暴力を受けていた。そのことは、戦時中の日本政府の文書など公文書にも記録されている客観的事実だ。

 ところが、同センターはそうした事実をほとんど無視して、逆にごく一部のケースを強調して強制労働の否定を宣伝したのだ。

 当然、こうした展示実態をユネスコの世界遺産委員会も問題視。2021年7月の報告書では、「産業遺産情報センター」への専門家の現地視察を踏まえて、「朝鮮半島出身者らが意思に反して連れてこられ労働を強いられたと認識するのは難しそうだという強い印象が残った」と指摘。そして、2021年7月22日に世界遺産委員会は朝鮮半島出身者らが強いられた労働についての説明が不十分なままだと判断し、「強い遺憾を示すとする決議を全会一致で採択。「意思に反して連れてこられ、厳しい環境の下で働かされた多くの朝鮮半島出身者らがいたことや、日本政府の徴用政策について理解できるような措置を考慮することを迫ったのだ

 だが、このユネスコの決議に対しても、当時の加藤勝信官房長官は「約束した措置を含め誠実に実行し、履行してきた」と反論。まるで反省がないという絶句するような態度をとったのである。


■安倍は自らネトウヨ用語の「歴史戦」を宣言! おかげで佐渡金山の世界遺産登録は絶望的に

 ユネスコとの約束を反故にして、突きつけられた決議に真摯に向き合うこともないのに、平然と次の世界文化遺産候補を推薦することは、怒りを買う行為にほかならない。しかも、前述したように「加盟国の反対がある限り遺産登録を見合わせる」という制度変更を要求してきたくせに、今度は加盟国から反発が起こっている案件を推薦しようというのだこんな不誠実な態度、下劣な二枚舌を使えば、国際社会は呆れ返り、すでにガタ落ちしている信頼はさらに失墜し、相手にされないのは目に見えている。外務省が消極的だったのは当たり前の話だろう。

 ところが、安倍元首相はこうした国際的な常識もおかまいなし。ここぞとばかりに佐渡金山のユネスコ推薦をゴリ押ししたのである。

 言っておくが、安倍首相の目的は、「世界遺産登録によって佐渡金山の価値を広めたい」というようなものではまったくない。なぜなら、安倍首相がやろうとしているのはまったく逆の結果を生むものだからだ。

 もし、日本が本気で佐渡金山の登録をめざすのであれば、まずは「明治日本の産業革命遺産」に対して出された決議に基づいて「産業遺産情報センター」の展示を見直し、国際社会にその姿勢を示すのが先決だし、さらに今回の佐渡金山の推薦も「江戸時代の手掘りの伝統手工業遺産に対するものだ」(高市早苗政調会長の発言)などとただ反発するのではなく、佐渡金山における戦時中の強制労働の実態についてもしっかりと認めた上で韓国と対話することが必要だ

 そうした努力もしないまま、強引に佐渡金山の世界遺産登録を主張しても、ユネスコがそれに応じることは、まずありえないだろう。それだけではない。一度世界遺産への登録が不可能と判断された推薦候補がその後、登録された例はない

 つまり、安倍元首相のこのゴリ押しによって、佐渡金山は今回だけでなく、将来にわたっても世界遺産登録が難しくなる可能性が高いのだ。

 しかし、安倍元首相は、そんなことはどうでもいいのだろう。なぜなら、安倍元首相やネトウヨの目的は、佐渡金山の世界遺産登録ではなく、今回の問題を朝鮮人強制労働の事実を否定する「歴史修正」に利用しようというものにすぎないからだ。

 事実、安倍元首相が勢いづいたのは、佐渡金山が国内候補に決定して韓国から反発を受けて以降のこと。しかも、27日には自身のFacebookでこう主張していた。

「(韓国側に)歴史戦を挑まれている以上、避けることはできない」

 周知のように、「歴史戦」という言葉は先の戦争を肯定する歴史修正主義者の言論拠点である産経新聞が生み出したネトウヨ用語。そんな言葉を堂々と使ったことからも、「徴用工問題は絶対に認めない」という、歴史的事実を捻じ曲げるためだけにユネスコへの推薦をゴリ押ししたのは明らかだ。


■安倍の頭の中は「ネトウヨ趣味」と「政治力維持」だけ、関係者に「安倍フォン」かけまくり

 そもそも、佐渡金山の世界遺産登録の大きな阻害要因となっている「明治日本の産業革命遺産」をめぐる国際公約破りや、「産業遺産情報センター」での歴史修正主義宣伝も、安倍元首相の意向に基づくものといわれている。

 実際、安倍元首相は2020年、「産業遺産情報センター」を視察した際、Twitterで展示パネルの「戦時中の長崎造船所 徴用工に支払われていた給与+ボーナス」写真を貼り付けた上で〈当時の彼らの労働に対する待遇が本当はどうであったかを物語る貴重な資料〉〈いわれなき中傷への反撃はファクトを示す事が一番〉などと主張していた。

 当時、本サイトでは、安倍元首相が挙げた資料が徴用工の差別的待遇や強制労働を否定する「ファクト」ではけっしてなく、元徴用工の人びとが証言している強制動員・強制労働や差別的な扱いを「いわれなき中傷」などと決めつけている主張こそがフェイクであることを歴史的資料・証言に基づいて検証したが(既報参照→ https://lite-ra.com/2020/10/post-5682.html)、安倍元首相は今回の佐渡金山をめぐっても、同じようなフェイク宣伝をやろうとしているのだろう。

 佐渡鉱山では長崎の端島をはじめとする地域と同様、朝鮮人が強制的に連行された上で危険な労働を強いられていたことが指摘されており、それは新潟県が編纂した通史でも記述されている事実だが、安倍元首相は佐渡金山の世界遺産登録働きかけ運動によって、同じように徴用工の強制労働、虐待否定を展開するはずだ。

 しかも、安倍元首相には、今回のユネスコへの推薦問題を歴史修正に利用しているだけではなく、自身の政治的影響力を誇示する目的もある。

 実際、外務省が今回のユネスコへの推薦に消極的な姿勢を見せると、安倍元首相は安倍派の会合で「論戦を避ける形で登録を申請しないというのは間違っている」「しっかりとファクトベースで反論していくことが最も大切だ」と発言。これは〈推薦を見送れば、党内の安倍氏に近い議員らが首相を見放しかねないとのメッセージ〉(朝日新聞29日付)だったが、じつは安倍元首相は裏でも策動息のかかった関係官僚やメディア関係者に次々と「安倍フォン」をかけまくり、「世論を盛り上げろ」と指示していたという

 安倍元首相は最近、自分と距離を置こうとする岸田首相に対して焦っていたというが、そんななかで持ち上がった今回の問題は、自分の政治力を岸田首相に見せつける絶好のチャンスだった。安倍元首相は昨年の総裁選でも自分の影響力を誇示して岸田氏を服従させるべく、高市支持を呼びかける「安倍フォン」を発動させたが、今回も同じように岸田首相を揺さぶろうと必死になっていたのだ。

 そして、安倍元首相の目論見どおり事は運び、岸田首相は完全に屈服。NHKや読売新聞までもついに産経用語の「歴史戦」という文言まで用いて推薦することを後押しし、世間も「弱腰の岸田」「安倍元首相の主張はもっとも」などと評価しているのだ。つまり、すべては安倍元首相の思うツボとなったわけだ。

 だが、繰り返すが、今回の決定は「約束破りな上、二枚舌を使うという国際社会からの信頼を失墜させる自殺行為にほかならず、日本が歴史修正主義による“ならず者国家”だと印象づけるだけの、愚行以外の何ものでもない。世界遺産登録をめぐって「歴史戦」などというネトウヨ用語が飛び交う状況こそが異常なのだと強く言っておきたい。

(編集部)
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コメント (1)
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●鮎川哲也さん『死者を笞打て』 ――― 《ディーゼル車》規制以外、何か《功》がありましたっけ、《空疎な小皇帝》氏に? 10・23通達etc.…

2022年02月09日 00時00分23秒 | Weblog

(20220206[])
中曽根康弘元首相の時も、そうだったのだですが、まず頭に浮かんだのは「死者を笞打て」。鮎川哲也さんの推理小説のタイトル。内容はとうの昔に忘れてしまったので、調べてみると:

 『死者を笞打て』(https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000161668)《著:鮎川哲也 解説:権田萬治 その他:吉原澄悦 その他:岸顯樹郎 デザイン:菊地信義》《鮎川哲也の作品「死者を笞打て」に盗作の嫌疑がかかる。10年前に謎の女流作家が書いた作品そっくり、というのだ。世間は非難し、仕事は途絶える。身の潔白を証明するため鮎川は女流作家を探し出し、対決しようとする。さてその意外な結末は?実在推理作家の名が頻出する仕掛けも楽しい、軽妙推理長編。》

 そして、鮎川哲也さん(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AE%8E%E5%B7%9D%E5%93%B2%E4%B9%9F)《(あゆかわ てつや、1919年2月14日 - 2002年9月24日)は、日本の小説家。本名、中川 透(なかがわとおる)。東京府に生まれ、大連に育つ。拓殖大学商学部卒。アリバイ崩しを得意とし、『ペトロフ事件』『黒いトランク』『人それを情死と呼ぶ』など、鬼貫警部を探偵役とする本格推理小説を発表。ほか『りら荘事件』『死者を笞打て』などの長編小説や多数の短編小説を執筆し、さらにはアンソロジーの編纂や、新人の育成などにも力を尽くした》。

 さて、《ディーゼル車》規制以外、何か《功》がありましたかね?、《空疎な小皇帝》氏・石原慎太郎元東京「ト」知事に? 数多の《罪》しか思い出せません。ここ最近で思い出されるだけでも、「10・23通達」と教育破壊の大罪。

   『●ト知事たちのハタとウタ
    「強制して何になる! ハタとウタで内心をひっかきまわす人たち。
     …両「都」知事の「と」はトンデモの」だ。選挙で選び、
     トンデモな通達や条例を支持している東京ト民や大阪ト民の皆さん、
     ホントに大丈夫ですか、そんなことしてて?」
    《「日の丸・君が代」強制を合憲とした最高裁判決に抗議し
     東京都教育委員会「10・23通達」と
     大阪府「君が代条例」案の撤回を求める》

   『●「国家と教育」『週刊金曜日』
      (2013年3月22日、936号)についてのつぶやき
    「樫田秀樹氏【「自分の信条を貫きたい」 猪瀬都政下初の卒業式】、
     田中聡史さんや根津公子さんらと、小皇帝氏お抱えの都教委による
     「10・23通達」。一方、あの元大阪「ト」知事の…
     村上恭介氏【「不起立は生徒の未来と自分への責任
     それでも「君が代」に屈せぬ教師たち】」

   『●「福島原発事故の今」 『週刊金曜日』
      (2014年3月7日号、982号)について
    「永尾俊彦氏【東京は今 舛添新知事は石原・猪瀬路線を引き継ぐのか 
     最高裁で取り消された不起立による処分を出し直した都教委】、
     「起立斉唱は当然…だが「10・23通達」については、「検討課題」…
     記者会見で話した」」

   『●「10・23通達」と教育破壊: 「石原都政では、
        教育行政も歪められた。…愛国心教育を強制」
    「「10・23通達」と教育破壊。ソコから急加速に教育が破壊。
     今も「通達」は生き残り、ハタやウタを強制し、教師や生徒の内心を
     かき乱す。着々と、いまや最高学府の教育も破壊。」

   『●ハタやウタを強制…根津公子さん《控訴審勝訴判決…私はうれしかった
       ですが、それが最高裁で維持されるとは全く思っていませんでした》
   『●根津公子さん「ますます国家主義に向かう日本、モノが言えなくなる
     学校、奪われる教育の自由。…これは私だけの問題ではないと思った」

 自身はハタやウタに大した思い入れも無かったようなのに…。

   『●日弁連声明: 都教委を擁護する東京高裁
   『●石原慎太郎元東京「ト」知事の都市伝説はどうやら正しかったらしい

 もう一つ。大砲でベトナムの人々を殺そうとした件。


   『●〝腰ぬけ〟で結構、害悪老人よりは!!
    「「戦争の体験があるぼくたちはこのままじゃ死ねない」というのは、
     戦争をしないと気が済まないのでしょうね。いや、
     腰ぬけ小皇帝ですから、自らあるいは身内が行くのではなく、
     若者を戦争に行かせないと気が済まないということでしょう。
     あるいは、ベトナム戦争の際に石川文洋さんに咎められなかったら
     大砲の引き金を引いていたように、安全地帯に居て、罪なき民衆を
     殺すためのミサイルのスイッチを押すような卑怯者でしょう。
     哀しい精神構造です。城山三郎さん・佐橋滋さん・中山素平さん・
     石田禮助さんらの反戦派の気骨ある〝老人〟たちに学ぶ能力の無い、
     哀しい老害人です。エイジズムに加担する気はありません。
     でも、この都知事は「ババア」発言に見られるようなエイジズムの権化
     ですし、差別主義者ミーイズムの塊ですからね」

 東京新聞の記事【排ガス規制、尖閣諸島問題新銀行失敗…大胆な行動、副作用も大きく 石原都政の功罪】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/157665)。
 リテラの記事【石原慎太郎死去で差別丸出し発言を朝日までが“石原節”と称える異常! 一方、差別批判にはネトウヨが「死者への冒涜」と的外れ攻撃】(https://lite-ra.com/2022/02/post-6157.html)によると、《2月1日に死去した石原慎太郎・元東京都知事をめぐり、またぞろ「不謹慎」「死者への冒涜だ!」といった声が噴出している》。

 こんな人を長きにわたり東京「ト」知事としてしまったこと、また、彼らの親和性の強さから当たり前なのですが、お維による大阪「ト」知事との醜悪な烏合…。
 (リテラ)《障害者差別や優生思想、外国人差別による排外主義の煽動、ジェノサイドの肯定、女性や性的マイノリティへの攻撃、歴史修正主義、自己責任の強調や生活保護バッシング──。石原氏の暴言・差別発言、ヘイトスピーチを挙げればはっきりとするように、石原氏は差別主義者以外の何物でもない。しかも、石原氏の問題は、彼一人のものではない。その存在は、安倍晋三・元首相をはじめとするネトウヨ・極右のベースとなり、橋下徹氏や維新的ポピュリズム、優生思想の跋扈を生み、社会的弱者への攻撃、民族差別、障害者差別が堂々とまかり通る土壌をつくり出した》。

   『●パンダの方が働いているとは!
    《いまや破綻寸前の新銀行東京に1400億円を投入。
     150億円を使って招致失敗に終わっても、懲りずに五輪招致基金を
     4000億円も積んでいます。移転ゴリ押しで大モメの
     築地市場移転の総事業費は、
     4316億円に達する見込みです。
     これだけでも計1兆円のムダづかいです》
    《都民にすれば石原に払ってきた報酬の方が、よほど高くついている

   『●恥ずかしくないんでしょうか?
   『●都民じゃないが、宇都宮健児さんに真の都知事に
   『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」
   『●『核狂信者を新当主(党首)に迎える元大阪〝ト〟知事党』についてのつぶやき
   『●「我欲」だけの人の高嗤い
   『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(1/3)
   『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(2/3)
   『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(3/3)
   『●覆土していれば土壌・地下水汚染問題は解決していた?…
              「空疎な小皇帝」石原慎太郎元「ト」知事のドブ金
   『●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事による五輪招致が間違い
        だった…小池「ト」知事「コロナとの戦いで金メダル取りたい」…

 《石原節》ねぇ? もう一人《〇〇節》で名の挙がる醜悪な自民党議員がいますよね…《麻生節》なるド「アホウ節」。あぁ、情けない…。

 《石原慎太郎という人物を容赦なく剔抉(てつけつ)し、彼に期待を寄せる最近の世の風潮の危うさをも同時に撃つといった評論集》が『空疎な小皇帝』、著者は斎藤貴男さん(https://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cf1359005e05b9334231eb6ef76704de)。

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/157665

排ガス規制、尖閣諸島問題、新銀行失敗…大胆な行動、副作用も大きく 石原都政の功罪
2022年2月2日 06時00分

 「東京から日本を変える」と訴え、東京都知事を13年半務めた石原慎太郎さん。過激な発言で物議を醸しながらも、大胆な行動で都政を動かし、国政を巻き込んでリードした。一方、結果が伴わない功罪相半ばの一面もあった。(原昌志

【関連記事】<評伝>演じ続けた「ポピュリスト」 激しい言動の裏に柔軟な思考 石原慎太郎さん死去


◆黒いすすをまき散らして…

     (2002年10月、ペットボトルに入った黒い粉じんを会見場に
      まき散らし、国の排ガス規制の無策ぶりを批判する
      石原慎太郎東京都知事(当時)=東京都庁で)

 「ディーゼル車NO作戦」。初当選直後の1999年8月、公約の排ガス規制にさっそく手を付けた。「こんなのが1日12万本もばらまかれている」と黒いすすが入ったペットボトルを振り回して訴え、2000年12月には国に先行して独自のディーゼル車排ガス規制を盛り込んだ条例を制定した。

 排ガス中の粒子状物質(PM)の排出基準を満たさない車は03年10月から都内の走行が禁じられ、首都圏3県にも広がった。国も01年に法改正で規制を強化し、都が大気環境改善をリードした。


◆世論味方に銀行やり玉

 00年に条例施行した大手金融機関に対する外形標準課税(銀行税)も世間を驚かせた。公的資金を受けながら、赤字を理由に法人事業税を納めない銀行をやり玉に挙げ、世論を味方につけた。

 銀行側と訴訟になり、最終的な和解では銀行側に計2344億円を返還した。事実上の敗訴だったが、都の動きによって国は地方税法を改正し、04年度から都道府県税の外形標準課税を導入。結果として、都道府県の貴重な財源となった。

 待機児童の増加に対応するため、都独自で認証保育所制度を01年に導入。07年に始まった東京マラソンは、世界有数の大会に育った。

 広大な空域が米側の管理下にあることなどの問題を訴え続け、在日米軍横田基地(福生市など)の「軍民共用化」も目指した。だが、実現には至らなかった。


◆甘い審査で不良債権拡大、「おわび」も

 石原都政の後半では、批判される政策も目立った。

 「貸し渋りに悩む中小零細企業の救済」を掲げ、都が1000億円を出資して05年に設立した新銀行東京。無担保無保証で融資を伸ばしたが、甘い審査で不良債権が拡大し経営が悪化の一途をたどった。

 批判が高まる中で08年に都が400億円を追加出資した際には、石原氏が都議会予算委員会で「深くおわび申し上げる」と謝罪に追い込まれた。最後は東京都民銀行などと合併し都は完全撤退。都幹部は「都が乗り出す必要があったのか。明らかに失敗。『敗戦処理』の職員は気の毒だった」と漏らした。

 中国が領有権を主張する尖閣諸島の都による購入構想も、日中関係に影を落とした。12年4月、石原氏は「東京が尖閣諸島を守る」と表明し、購入資金の寄付募集を始めた。

 これをきっかけに国が同年9月に所有者から20億5000万円で購入し、国有化した。中国国内で大規模な反日デモが続発するなど、副作用も軽くなかった。尖閣周辺では近年も、中国公船が頻繁に確認されている。
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https://lite-ra.com/2022/02/post-6157.html

石原慎太郎死去で差別丸出し発言を朝日までが“石原節”と称える異常! 一方、差別批判にはネトウヨが「死者への冒涜」と的外れ攻撃
2022.02.03 06:00

     (石原慎太郎Twitterより)

 2月1日に死去した石原慎太郎・元東京都知事をめぐり、またぞろ「不謹慎」「死者への冒涜だ!」といった声が噴出している。

 たとえば、政治学者の山口二郎・法政大学教授が訃報を受けて〈改めて、彼が女性や外国人など多くの人々を侮辱し、傷つけたことを腹立たしく思う。日本で公然とヘイトスピーチをまき散らしてよいと差別主義者たちを安心させたところに、彼の大罪がある〉とツイートすると、共感する意見が集まった一方で、〈亡くなったばかりの人に言うことではない〉〈人間の屑〉〈死者を侮辱〉〈日本人の感覚とは、かけ離れている〉などという非難も殺到。挙げ句、自民党の長島昭久衆院議員にいたっては〈こういうのこそヘイトスピーチと言うのではないか〉とまで言い出した。

 辟易するほかないが、ヘイトスピーチとは人種、民族、国籍、性などの属性を有するマイノリティの集団もしくは個人に対してその属性を理由とする差別的表現のことであり、山口氏のツイートはヘイトスピーチでもなんでもない。山口氏が指摘するように、生前、ヘイトスピーチをはじめとする数々の差別発言を連呼しつづけてきたのが石原氏だ。そんな当たり前の指摘をしただけで「死者への冒涜だ!」と騒ぎ立てるほうがどうかしているだろう。

 しかし、このような筋違いの非難が起こるのもある意味当然かもしれない。というのも、肝心の大手メディアの報道自体、石原氏が繰り返してきた差別発言をほとんど取り上げずワイドショーだけではなく大手新聞やニュース番組までもが石原節などと報じているからだ

 実際、1日夜の『報道ステーション』(テレビ朝日)では、「歯に衣着せぬ石原節が人々の心を掴んだ」などと表現。新聞も同様で、2日の朝刊では朝日新聞が「石原都政、直言も放言も」、毎日が「「石原節」物議醸す」、東京新聞までもが「硬軟巧み 慎太郎流」などと伝えた。

 いや、それどころか、朝日新聞デジタルにいたっては、1日夕方に「「外国人が凶悪な犯罪」「参拝して何が悪いの」数々の石原節」として記事を配信。「外国人が凶悪な犯罪」という石原氏の発言はヘイトスピーチそのものだが、それを「石原節」などと表現したのである。

 この朝日の記事は批判が集まったためか、その後、「数々の石原節」という部分が「主な発言」と修正されたが、このように大手メディアの報道では、石原氏の差別発言が「差別」としてほとんど検証・批判されていないのだ。

 本サイトでは繰り返し指摘してきたが、政治家や学者、芸術家らが鬼籍に入っても、過去の言動や表現、作品をきちんと検証・批判するのは当然の行為だ。とりわけ石原氏は「芥川賞作家で昭和の大スター・石原裕次郎の兄」として脚光を浴びてきただけでなく、その抜群の知名度を活かして政治の世界に進出し大臣を歴任したほか、13年ものあいだ東京都知事を務めた公人中の公人である。

 そして、政治家による差別発言は差別を許容・肯定していいものだという社会の認識を生み出すものであり、その意味でも石原氏の生前の発言は悪質極まりなく、亡くなったからといって免罪されるものではない。むしろ、訃報に際してその功罪はしっかり検証されなければならないものだ。にもかかわらず、よりにもよって差別発言を「歯に衣着せぬ石原節」「放言」と矮小化するとは……。


■水俣病患者の抗議に「IQが低い」、「テレビにも同性愛者の連中が平気で出てる」と性的マイノリティ攻撃

 当然、そのような差別礼賛報道を看過するわけにはいかない。石原氏の発言が「石原節」「放言」などとは到底言いようもない、いかに卑劣なものだったか、以下に代表的なものを挙げていこう。

 たとえば、石原氏が剥き出しにしてきたのが障害者に対する差別であり、その差別発言によって“障害者排斥論”をさんざん煽ってきた。実際、環境庁長官だった1977年には、水俣病問題で「ニセ患者もいる」などと言い放った上、熊本に現地視察した際、水俣病患者が手渡した抗議文に対して「これを書いたのはIQが低い人たちでしょう」と発言。さらに都知事時代の1999年には重度障害者の治療にあたる府中療育センターを視察後に「ああいう人ってのは人格あるのかね」「ああいう問題って安楽死なんかにつながるんじゃないかという気がする」とも発言した。さらに、政界引退後の2016年に起こった相模原障害者殺傷事件についても、「文學界」(文藝春秋)での対談内で「あれは僕、ある意味で分かるんですよ」とよりにもよってジェノサイドに理解を示し、2020年に元厚労省医系技官ら2名の医師がALS患者の女性に薬物を投与し殺害した事件が起こると、Twitterに〈業病のALS〉〈武士道の切腹の際の苦しみを救うための介錯の美徳も知らぬ検察の愚かしさに腹が立つ〉と投稿している。

 女性に対する差別も酷かった。田中真紀子氏への「更年期じゃないの」発言や小池百合子氏への「大年増の厚化粧」発言など枚挙に暇がないが、とくに大きな問題となったのが、都知事時代の2001年、「週刊女性」(主婦と生活社)の「石原慎太郎都知事吠える!」という記事内においての発言だ。石原氏は当時東京大学教授だった松井孝典氏からの伝聞だとした上で、「“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きてるってのは、無駄で罪です”って。男は80、90歳でも生殖能力があるけれど、女は閉経してしまったら子供を生む力はない。そんな人間が、きんさん、ぎんさんの年まで生きてるってのは、地球にとって非常に悪しき弊害だって……。なるほどとは思うけど、政治家としてはいえないわね(笑い)」と述べたのだ。

 この発言の謝罪・撤回を首都圏の女性113人が求めた裁判では、請求は棄却されたものの、一審の東京地裁、二審の東京高裁ともに「教授の話を紹介する形だが、知事個人の意見を表明した」と認定、「女性の存在価値を生殖能力面のみに着目して評価する見解は個人の尊重などを定めた憲法と相いれない」と指摘したが、石原氏に反省はなく、2005年には「私が司法の対象になるのは分からない。裁判のための裁判であの人たちのパフォーマンス」「変な左翼」「シャケだって(中略)産卵したら死ぬわけでしょ」と差別を上塗り。そして、女性差別を繰り返してきた石原都政下では、男女平等担当部局が部から室へ格下げされ、平等を求めて女性が裁判を起こした場合に経済的な支援をおこなう訴訟支援・制度の打ち切り、東京女性財団や男女平等推進基金が廃止されるなど、男女平等実現のための施策が後退に追い込まれたのである(しんぶん赤旗2005年6月29日付)。

 また、石原氏が女性同様に標的にしたのが性的マイノリティだ。2000年には東京都が策定中だった「人権施策推進のための指針」の骨子から、原案にあった「同性愛者」を施策の対象から削除。これについて石原氏は会見で「特殊な性状を持っている人は見た目ではわからないから、どういう形で人権が棄損されるケースがあるのか想像が及ばない」「私は純粋なヘテロだから」と発言。2010年には、性描写規制を進めようとする都青少年健全育成条例改正案に関連して「男のペア、女のペアがあるけど、どこか足りない感じがする。それは遺伝とかのせいでしょう。マイノリティで気の毒ですよ」「テレビにも同性愛者の連中が平気で出てる。日本は野放図になり過ぎている」などと発言。これにはマツコ・デラックスが、東京都が株主である東京メトロポリタンテレビ(TOKYO MX)の『5時に夢中!』において「言ってみれば狂ってるよ、この発言は」「すべて信憑性なくなるよね。あの発言は狂ってますよ」と批判した。


■「三国人」発言に代表される排外主義、東日本大震災では「これはやっぱり天罰」

 さらに、石原氏が煽ってきたのが排外主義、外国人差別だ。そもそも石原氏といえば、1983年衆院選の選挙期間中、立候補していた故・新井将敬氏のポスターに石原氏の公設秘書が「(新井氏は)66年に北朝鮮から帰化」と書いたシールを貼り付けるという事件が起こったこともあるが(石原氏は「秘書がやった」と主張)、石原氏の外国人差別発言として忘れてはならないのが、2000年の陸上自衛隊の観閲式でおこなった「三国人」発言だろう。

 このとき石原氏は、「不法入国した多くの三国人、外国人が非常に凶悪な犯罪を繰り返している」「すごく大きな災害が起きた時には大きな騒擾事件すら想定される」「三国人が騒擾事件を起こせば治安出動していただく」と発言。「三国人」という差別用語を持ち出しただけではなく、関東大震災時に起こった朝鮮人虐殺を正当化するかのような物言いで外国人に対する偏見を煽ったのだ。

 しかも、この卑劣な石原氏の発言には賛同の声があがり、実際、「日本会議」と自民党・民主党所属の議員らが都庁内で石原発言を支持する集会を開催。こうした支持の声を背景に、その後も石原氏は「(中国人の犯罪は)民族的DNAを表示するような犯罪」(産経新聞の連載にて)などと直球のヘイトスピーチを繰り返した

 このほかにも東日本大震災の発生からわずか3日後に「津波をうまく利用して、我欲を洗い落とす必要がある」「これはやっぱり天罰だと思う」などと発言するなど、石原氏の暴言、差別発言は挙げだすとキリがないが、このように、石原氏は障害者や女性、性的マイノリティ、外国人といった人びとの人権を侵害して侮辱し、貶め、攻撃を煽ることで危険にさらしてきたのだ。

 いや、差別発言だけではない。石原氏が尖閣諸島の購入計画をぶち上げたことがその後の国有化をもたらし日中関係をさらに悪化させたが、それ以外にも南京大虐殺や旧日本軍「従軍慰安婦」の強制連行を否定するなど歴史修正主義を全開にしたほか、「核兵器を保有すべき」だの「徴兵制で若者を鍛え直す」だのと軍事力増強を主張したり「支那(中国)と戦争して勝つ」といった好戦的発言を連発。また、イラク人質事件が起こった際には自己責任を振りかざし、リーマンショックの影響で「年越し派遣村」に数多くの生活困窮者が集まった際にも求職者の姿勢や生活保護を「甘え」と切って捨てた

 障害者差別や優生思想、外国人差別による排外主義の煽動、ジェノサイドの肯定、女性や性的マイノリティへの攻撃、歴史修正主義、自己責任の強調や生活保護バッシング──。石原氏の暴言・差別発言、ヘイトスピーチを挙げればはっきりとするように、石原氏は差別主義者以外の何物でもない

 しかも、石原氏の問題は、彼一人のものではない。その存在は、安倍晋三・元首相をはじめとするネトウヨ・極右のベースとなり、橋下徹氏や維新的ポピュリズム、優生思想の跋扈を生み、社会的弱者への攻撃、民族差別、障害者差別が堂々とまかり通る土壌をつくり出した

 だからこそ、石原慎太郎という政治家の言動については徹底した検証と批判がなされなければいけないのである。

 何度でも言う。石原慎太郎への批判は「死者への冒涜」などではない。この国でこれ以上の「人権侵害」「差別」の広がりを食い止めるために、絶対に必要なことなのである。

(編集部)
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●水木しげるさん《「殺りくの記録は…いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られる」…戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》

2021年12月14日 00時00分40秒 | Weblog

(2021年10月10日[日])
小松田健一記者による、東京新聞の記事【筆を執る重い決意がここに…故・水木しげるさんのノート発見 戦争描いた代表作「総員玉砕せよ!」構想記す】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/134093)。



 《2015年に93歳で死去した漫画家、水木しげるさんが自らの従軍経験をもとにした戦争漫画「総員玉砕せよ!」で、水木さんが執筆前に構想を書き留めたノートが、東京都調布市の水木プロダクションで見つかった。戦争の理不尽さや旧日本軍の非人道性などを余すことなく描いた傑作で、ノートには本編では見られない記述などもある。長女の原口尚子さん(58)は「父は亡くなった戦友たちの無念を背負って描いた。深い思い入れが伝わってくる」と語った。(小松田健一)》。

   『●「戦争の愚かさを身に染みて知っているはず…
     9条の「戦争放棄」「戦力不保持」の理念はその教訓の結晶」
   『●《戦争の記憶を継承…なぜ継承するのか。端的に言えば、過ちを繰り
     返さないためである…過ちを繰り返さないために過去の過ちから学ぶ》

 「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん、「一番いけないのが戦争です」。そして、《戦争に向かうハードルが低く…戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世になってしまった。自公お維による政治では、決して良い世の中には向かわない。戦争法を廃止し、核廃絶に向かうこともない…。
 「総員玉砕せよ!」には、《「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意》があった。

   『●やはりアベ様「の頭は普通じゃな」かった: 
     誰一人止めない、止めようともしない自公議員…決して忘れない
   『●そもそも、子どもたちのためにこそ 
       「ドブガネしている」税金を使ったらどうなのか?
   『●水木しげるさんと堀江邦夫さん:
       原発ジプシーと云う地獄と戦場と云う地獄
   『●「皇軍兵士として戦場で地獄を見た」水木しげるさん、
                    「一番いけないのが戦争です」
    《あれだけ国民をいじめた歴史はないんじゃないでしょうかね》。
    「「皇軍兵士として戦場で地獄を見た水木しげるさん。
     《自由を国家が制限するんですからね。一番いけないのが戦争です
     戦争で死ぬんだと思うと希望もわきませんでした》という水木さんの
     言葉は、戦争したい人々、「死の商人」たち、「戦争屋」たち、自公議員や
     その支持者達には聞こえないらしい。
     自公議員に投票できる親御さんや祖父母ら……、ブログ主には彼ら、
     彼女らの神経が知れない」

   『●桂歌丸さん…《戦争なんて本当に愚の骨頂》
       《あんな思いなんか二度としたくないし、させたくない》
    《高畑勲野坂昭如大橋巨泉永六輔かこさとし水木しげる
     愛川欽也金子兜太など、戦争を知り、自身の体験をもとに平和を
     希求するメッセージを発してきた戦中世代の著名人が続々と鬼籍に
     入り始めている

   『●水木しげるさんの言葉を…《戦争に向かうハードルが低く…
       戦争の怖さが(若者の)耳に届きづらい》恐ろしい世に

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/134093

筆を執る重い決意がここに…故・水木しげるさんのノート発見 戦争描いた代表作「総員玉砕せよ!」構想記す
2021年10月1日 06時00分

 2015年に93歳で死去した漫画家、水木しげるさんが自らの従軍経験をもとにした戦争漫画「総員玉砕せよ!」で、水木さんが執筆前に構想を書き留めたノートが、東京都調布市の水木プロダクションで見つかった。戦争の理不尽さや旧日本軍の非人道性などを余すことなく描いた傑作で、ノートには本編では見られない記述などもある。長女の原口尚子さん(58)は「父は亡くなった戦友たちの無念を背負って描いた。深い思い入れが伝わってくる」と語った。(小松田健一

     (見つかった「総員玉砕せよ!」の人物紹介など構想が
      書かれたノート=東京都調布市の水木プロダクションで)

◆「いま書かなければ葬り去られる」

 ノートは、来年開く予定の水木さん生誕100年記念展の準備のため、遺品を整理していた際に原口さんが見つけた。B5判で35ページにわたり、「ネーム」と呼ばれる大まかな展開やコマ割り、作品に盛り込もうとしたエピソードなどが鉛筆で記されていた。それらの全てが作品に反映されたわけではなく、執筆段階で練り直しや取捨選択があったようだ。

 作中にない「人間の生き死にははかないものである(中略)殺りくの記録は、ここの石と木だけが知っている。いまここに書きとどめなければ誰も知らない間に葬り去られるであろう」との記述が、戦争の惨禍を伝えようとする強い決意を示している。

     (水木しげるさん)


◆戦死した親友に捧げる物語に

 登場人物の顔がびっしりと描かれたページも。初版本は冒頭に登場人物一覧があり、その原型になったとみられる。水木さんが生前、戦死した親友と語っていた「眞山宗孝の霊に捧ぐ」との記述も確認できた。

 「総員玉砕せよ!」は、1973年に発表された描き下ろし長編。45年3月、南太平洋・ニューブリテン島(現在のパプアニューギニア)で水木さんも所属していた日本軍の大隊が、連合国軍への切り込み攻撃によって壊滅した史実をもとに一部創作を加えた。水木さんがモデルの「丸山二等兵」を主人公に物語が展開していく。後書きには「90パーセントは事実です」と記した。

 水木さんは44年6月に爆撃を受けて左腕を失い、部隊を離れていたため「玉砕」の攻撃には加わっていない。


◆「魂こもった作品の貴重な資料」

 水木しげるさんと親交が深かったノンフィクション作家、足立倫行(のりゆき)さんの話 「総員玉砕せよ!」は、水木さんが執筆した最後の戦争漫画で、かつ唯一の長編。自ら体験した末端の兵士の視点から、戦争の不条理さを描いている。魂がこもった作品で、それだけに考えに考え抜いて事前にノートへ書き留めたのだろう。戦争漫画家としての水木さんの姿を後世へ伝えるためにも貴重な資料であり、何らかの形で多くの人の目に触れることになればいいと思う。

【関連記事】<東京舞台さんぽ>「妖怪」の街・調布 今も感じる水木さんの面影
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●〝箕部幹事長〟「菅総裁は頑張っている。むしろしっかり『続投していただきたい』という声の方が、国民の間にも党内にも強いのではないか」

2021年08月15日 00時00分28秒 | Weblog

[※歴代自民党内閣は「国民のために働」いていなかった!? 縁故主義・政権の私物化もアベ様から《継承》 (日刊ゲンダイ 2020年10月14日)↑]



日刊スポーツのコラム【政界地獄耳/自民党は面白いことを言う幹部ばかり 暑すぎて思考停止か】(https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108040000106.html)。
東京新聞のコラム【筆洗/旧日本軍は、部隊が敗走するのを「転進」と呼んで、惨敗の印象…】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/121980?rct=hissen)。

 《★暑すぎて思考停止に陥ってしまったのか自民党内が面白いことを言う幹部ばかりで疲れてしまう。…それこそ五輪相・丸川珠代ではないが「全く別の地平から見てきた言葉」ではないか。二階が言う強い続投支持の国民に話を聞いてみたい。》
 《旧日本軍は、部隊が敗走するのを「転進」と呼んで、惨敗の印象を取り繕っている。…菅首相は「方針転換した」と説明したそうだ。「方針転換」が「医療崩壊の始まりを意味しているのでなければいいが》。

 《方針転換》…恐ろしいことに《棄民》へと方針転換。この1.5年、正気を失い続けてきた政権がついに到達した《方針転換》。《暑すぎて思考停止に陥ってしまったのか》?

 見ちゃぁおれない。交代してくれ。広島市原爆死没者慰霊式では、肝心の原稿さえ読めないのだから。「原爆」を「原発」と読み間違える、最も大事な核廃絶の1頁を丸ごと読み飛ばす…ありえないでしょ? 意味を理解しつつ、読んでいない…。理解できていない。「のりづけ」って、一体どんな言い訳か? 下読みもしとらんのかい…。首相《台本劇》会見では、〝更問い〟も出来ない。バッハ氏には、オリンピックでの「一分間の黙とう」の願いも叶えてもらえず。一方で、〝箕部幹事長〟曰く、菅総裁は頑張っている。むしろしっかり『続投していただきたい』という声の方が、国民の間にも党内にも強いのではないか」「今すぐ総裁を代える意義は見つからない。これまた、〝箕部幹事長〟自身も、言ってることも、正気じゃぁない。
 東京新聞の記事【首相、「被爆国」部分読み飛ばし 広島式典あいさつで】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/122332)によると、《菅義偉首相は6日の広島の原爆死没者慰霊式・平和祈念式のあいさつで、「わが国は核兵器の非人道性をどの国よりもよく理解する唯一の戦争被爆国」とした部分などを読み飛ばす一幕があった。その後、広島市内で行われた記者会見で「一部を読み飛ばし、この場をお借りしておわび申し上げる」と陳謝した。関係者によると、手持ちのあいさつ文1ページ分を飛ばしたという。首相は昨年10月の国会での所信表明演説や今年1月の施政方針演説でも言い間違いをしていた》。

 あぁ、アベ様の仰る《反日的》っていったい何だったのか? カースーオジサンらの独裁政権や自公お維の政治屋達が行っていることこそ、《反日的》ではないですか。《スガさんの生命維持装置》としての《バカの祭典》、《パソナ五輪》、《スガ政権の祭典》、《殺人オリンピック》強行なんて、その典型例、究極の姿。宴の後、いま、多くの皆さんが思い知る怖ろしい状況に陥っている。
 (適菜収さん)《それでもバカとは戦え/…2021年7月23日は非常に残念ながら悪が人類に打ち勝った日として確実に歴史に残ることになる》…予想通りの惨状だ。

   『●無観客開催にすり替え…緊急事態宣言の最中、五輪貴族やその取り巻き
         連中による醜悪な〝バカの祭典〟〝パソナの祭典〟をやる気?
   『●《大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》 ―――
     どこまでも醜悪なバカの祭典、パソナ五輪。一体どちらが《反日的》か?
   『●《人々を苦しめているのは…満足に給付や補償をせずに自粛を強制
     する政権》(町山智浩さん)…一体どちらがバカで、《反日的》か?
   『●《「スガ総理」…内閣支持率の下落が止まらない。その要因は
     コロナ対策の度重なる不手際と、国民に我慢を強いながら五輪開催に…》
   『●この最悪なCOVID19禍、さらに、酷暑の中、開催強行…皆さん
     ご帰国の折、《反日》アスリートや《反日》ジャーナリスト製造な東京五輪
   『●自公お維支持者はカースー独裁《パンケーキ政権を毒見》して…
     「私は選挙に影響する映画をつくりたい」(河村光庸プロデューサー)
   『●自公お維トファに投票してはいけない、《普通の国》とするために
     ―― 《普通の国なら何度も政権が吹っ飛ぶ失態が繰り返されてきた》
   『●《空疎な小皇帝》石原慎太郎元東京「ト」知事による五輪招致が間違い
        だった…小池「ト」知事「コロナとの戦いで金メダル取りたい」…
   『●《それでもバカとは戦え/…2021年7月23日は非常に残念ながら
         悪が人類に打ち勝った日として確実に歴史に残ることになる》
   『●アベ様の害交・害遊の大きな成果 ―― 「ゴールまで、ウラジーミル、
        二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。」
   『●アベ様を御守りするために…《「桜を見る会」の国会答弁資料の提出
       …政府は当初から説明を回避する方針だったことがうかがえる…》
   『●#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに
     投票してはいけない ――― もはや、《こうした“巧妙さ”が消えた》
   『●あぁ、《「復興五輪」「新型コロナに打ち勝った証し」…スローガン》の
        《大会経費は3兆円を超える》…そのおカネで何ができただろう?
   『●《最初はふわふわ膨らんでおいしそうだったのに、だんだんしぼんで、
      中から出てきたものは……? 菅パンケーキ政権の実態に迫った…》
   『●自公お維トファを間接的に支持する、投票に行かない〝眠り猫〟な
     皆さん、《パンケーキ政権を毒見》しては危険、猛毒…ついに棄民政策に
   『●倉持仁医師《どうにもならない》…武田砂鉄さん《問われなければ
     いけないことが無数に残っている。…やってよかったとは思えない》

 さっさと、中止すべきだったのに…。そもそも開催してはいけなかった。
 終わったから《「万歳」でなく、3兆6000億円をどぶに捨てたのは誰だと責任追及しなければならないこれこそもっとも重要な問題です》(本間龍さん)。それに加えて、《招致買収疑惑》の追及が必要。
 《「コンパクト五輪」「世界一お金がかからない五輪」などと喧伝…完全に倍増。さらに関連経費をくわえると、大会経費は3兆円を超える。そして、この膨れ上がった大会経費の赤字の尻拭いを背負わされるのは国民だ》。《東京五輪の開催によって命と安全が危険に晒されるだけではなく公金の負担まで強いられる国民。》 それでも、自公お維トファを支持し続ける《国民》でいいのですか?
 《一体、バカはどっちだ? そんなわかりきったこといわせんな!》《つーか、怖くね? 問題の本質を理解せず、おなじ言葉を喚いている、この手のバカを応援団として引き連れている政権ってどうよ?》(室井佑月さん)。

 そして、ついに棄民…《パンケーキ政権を毒見》は危険、猛毒注意。国民見殺し方針、棄民政策、医療崩壊、医療放棄、自宅死容認、死までも自己責任…。(リテラ、水井多賀子さん)《感染爆発は止まっていないのにもかかわらず検査が追いつかないために新規感染者数は頭打ちとなり、一方で検査を受けられず感染者としてカウントされない患者が急変、重症化して亡くなる》…。
 倉持仁氏、《菅首相、小池都知事について「この2人がおっしゃっていることというのは、国民にまっとうな医療体制を供給しませんよというメッセージだと思うこういう人たちに国を任せては国民の命は守れませんから2人とも至急お辞めになった方がいい」。この直言に星浩スペシャルコメンテーターは驚いた表情で固まり、キャスターのホラン千秋も「あの…」と一瞬沈黙した》。Choose Life Project【8/7 コロナ禍の五輪開催を考えるVol.7 入院制限で何が起きるのか?】(https://www.youtube.com/watch?v=LLPi-jKWXqU)においても、倉持仁氏は悲鳴に近い言葉が続く。なにも理解していない菅首相や小池都知事の話を聞いても仕方ない、とまで切り捨てておられます。全く仰る通りだと思います。氏の「どうにもならない」という重い言葉。「もうどうにもならないですし…。見たことが無いような悲惨の状況が来ちゃうんだな、と、今日、僕は確信しましたね」「相当、悲観的」。

 《とにかく選挙に行くこと、もちろん、その前に「忘れないこと」。それが今国民に求められている一番大事なことだ》(古賀茂明さん)。何度でも、何度でも、何度でも、#投票倍増委員会 会員として強く訴えます、自公お維トファに投票してはいけない

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https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202108040000106.html

コラム
政界地獄耳
2021年8月4日8時8分
自民党は面白いことを言う幹部ばかり 暑すぎて思考停止か

★暑すぎて思考停止に陥ってしまったのか。自民党内が面白いことを言う幹部ばかりで疲れてしまう。「重症患者や重症化リスクの特に高い方には、確実に入院していただけるよう、必要な病床を確保します」と2日に首相・菅義偉が関係閣僚会議で言い出した。これまでは原則、中等症以上の患者が入院の対象だったから政府の重大な方針転換だ。それならばもっとそのプロセスや内容、原因を丁寧に説明すべきだ。首相は「国民のために働く内閣」と言い「できることはすべてやる」と言い続けたが、それはうそだったようだ。

★おかしなことは続く。政府は昨年3月、新型コロナの感染拡大を公文書管理のガイドラインに基づく「歴史的緊急事態」に指定。「政策の決定または了解」が行われた会議では、発言者や発言を記載した議事録作成が義務づけられ、後世にどんな議論やプロセスで政策決定したのか残すことが目的だ。3日の会見で官房長官・加藤勝信は7月27日に開かれた加藤をはじめ、経済再生相・西村康稔ら4閣僚と自公の幹事長らが出席した「政府与党連絡会議」は「自民党が主催した会議だから政府は議事録を作らない」と言い張った。何のためにその使い分けをするのか。そこでの議論や党からの声は反映させる必要がないのだろうか。

★党といえば3日、自民党幹事長・二階俊博は総裁選について会見で「複数の候補が出る見通しは今のところない。現職が再選される可能性が極めて強い状況だというのは誰もが承知の通りだ」「菅総裁は頑張っているむしろしっかり『続投していただきたい』という声の方が、国民の間にも党内にも強いのではないか」「今すぐ総裁を代える意義は見つからない」と言い切った。それこそ五輪相・丸川珠代ではないが「全く別の地平から見てきた言葉」ではないか。二階が言う強い続投支持の国民に話を聞いてみたい。(K)※敬称略
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/121980?rct=hissen

筆洗
旧日本軍は、部隊が敗走するのを「転進」と呼んで、惨敗の印象…
2021年8月5日 06時53分

 旧日本軍は、部隊が敗走するのを「転進」と呼んで、惨敗の印象を取り繕っている。<一般社会の慣行と違ふ漢語を…強要した>。作家の丸谷才一さんが「轟沈(ごうちん)」などとともに「軍人漢語」と呼んで批判した言葉だ▼的外れな心配であるのを願っているが、最近、似たような語感があった気がする。新型コロナウイルス感染症の患者の入院要件について、政府が明らかにした厳格化の方針である。感染急増の地域で、入院対象は、重症者や重症化リスクの高い患者らに限るという。菅首相は「方針転換した」と説明したそうだ。「方針転換」が「医療崩壊の始まりを意味しているのでなければいいが▼中等症ではあっても症状は厳しい。急に悪化する怖さがある感染症でもある。自宅で療養する患者も医療関係者も、不安は大きいはずだ。深刻な事態ではないだろうか▼感染の急拡大について、デルタ株が手ごわいのだと説明しているそうだ。ただそれは国内外の専門家らが以前から指摘していたことでもある▼<私たちに欠けているのは、知らないものについての知識のことなのではなく、知っているものを深く考える能力である>。仏社会学者、エドガー・モラン氏の言葉という(『科学の言葉』)▼知っている「手ごわさ」より不確かな楽観論を見てきたための事態に思える。惨敗でなければいいが、心配な「転換」である。
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●確実に《人柱》計画断念を! 《助けてぃくみそーれー!》 頼みの玉城デニーさんが〝折れて〟しまえば、沖縄県にとって致命的

2021年08月03日 00時00分26秒 | Weblog

[↑ 辺野古破壊反対広告 (2021年06月06日、朝日新聞)]


/ (2021年07月04日[日])
週刊朝日のコラム【室井佑月「『ずっと俺、総理な』っていいそう」】(https://dot.asahi.com/wa/2021062200078.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>チャモロと沖縄】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1340126.html)。
マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~】(https://maga9.jp/210630-7/)。

 《緊急事態条項があったら、国民の権限をもっと制限でき、こんなに感染拡大はしなかった? コロナ禍の中で、どうしてもGo Toキャンペーンをやりたがったのは誰ですか? 海外から渡航してきた人の検査体制も遅かった。てか1年以上経っても、あたしたちの検査体制も万全とはいえない》。

 コロナ禍で違憲な壊憲に手を貸す愚を犯す…。

   『●《国民投票法に条件付き賛成で…支持者が増》≪「支持者減」…
     立憲を掲げて、しかも、このコロナ禍で、あのトンデモ壊憲に手を貸すかね?
   『●立法府の自公お維議員による土地規制法案 ――― 《何のための国会か》
        《内閣委員のお一人お一人が問われている》(馬奈木厳太郎弁護士)

    《さらに、法案を先取りするような事件も沖縄では起こった。
     米軍北部訓練場の返還跡地である「やんばるの森」に米軍の廃棄物が
     残っている
ことを指摘、その廃棄物を米軍基地ゲート前に並べるという
     抗議活動をおこなったチョウ類研究者の宮城秋乃さんに対し、沖縄県警が
     威力業務妨害の疑いで家宅捜索に入ったからだ》

   『●土地規制法案の先取り ―― 宮城秋乃さんの家宅捜索という見せしめ
       …《見せしめの過剰捜査…人権侵害行為》が頻発すること、必至
   『●《神さま》気取りのアベ様にこんなお願いする気? ―――
     「国民主権の縮小、戦争放棄の放棄、基本的人権の制限…緊急事態条項の創設」
   『●<金口木舌>《土地利用規制法やデジタル関連法などが国会でバタバタ
     と成立…いずれも国民を監視し思想・良心の自由を奪いかねない法律》

 沖縄では、番犬様がやりたい放題。
 【<金口木舌>チャモロと沖縄】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1340126.html)によると、《「裏切りだ」。米領グアムの米軍基地で働くなど、米国民として誇りを抱いていたエンジェル・サントス氏は1990年代、環境影響調査の報告書を読んでがくぜんとした。基地周辺の飲用水、地下水が発がん性物質で汚染されていた》。

   『●PFOSを含む泡消火剤《14万リットル流出 ドラム缶719本分》!!
        沖縄市民に強硬な防衛相は番犬様には何にも吠え付けないとはねぇ…
   『●ポンコツな番犬様…泡消火剤《14万リットル…ドラム缶719本分》
      流出事件の《原因は米兵が格納庫でバーベキューをしたことだった》

 《人柱》…コンナ事さえ止められない《市民の無力》さ。止まらない五輪、止められない独裁政権。
 出来もしない軍事基地のためにドブガネし、普天間も返還されない。辺野古は単なる破壊「損」。そして、ヒトデナシな《人柱》…せめてコレくらいのこと、こんなデタラメでヒトデナシなことは止めてほしいな、玉城デニー沖縄県知事には。県知事の権限に限界があることは理解していますし、前独裁政権や現独裁政権、自公お維が諸悪の根源なんだけれど、玉城デニーさんにはもう少し頑張ってほしい。
 マガジン9のコラム【三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌 第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~】(https://maga9.jp/210630-7/)によると、《辺野古の基地建設計画は今、大きく狂い、様々な工法の変更を余儀なくされている。国は沖縄県に対して変更の手続きを申請しているが、その中に、予定外の大量の土砂を新たに県内から調達する計画があり、それがいまだに多くの戦争犠牲者の骨が未回収である南部から掘削されることが発覚したため、動揺が広がっている…》。

   『●《そんなふうに静かに始める抵抗にこそ、人々を変える力があるの
      かもしれない》(北原みのりさん)――― 辺野古破壊と《人柱》
   『●《埋め立てに使う土砂を、沖縄戦の激戦地だった沖縄本島南部から
      採取することが新たに盛り込まれた…「戦没者に対する冒とくです」》
   『●《戦争で亡くなった人の血や肉が染みこんだ土や石を、新たな軍事基地
      建設に使用するのは人間のやることじゃない》…《人柱》でいいのか?
   『●《人柱》…《「助けてぃくみそーれー!」…この言葉が1945年、
     島中の至る所で地中に滲み込むほどに叫ばれていた》(三上智恵さん)
   『●《そんなふうに静かに始める抵抗にこそ、人々を変える力がある
     のかもしれない》(北原みのりさん)――― 辺野古破壊と《人柱》
   『●今月で《25年…国策に翻弄され続けた四半世紀》…米軍普天間
     飛行場は返還されず、一方、辺野古は破壊され続け、単なる破壊「損」
   『●遺骨の混ざった土砂が辺野古破壊の(出来もしない)新基地建設に
     使用か? カースーオジサンらはヒトデナシなことをやろうとしている
   『●自公政権やお維に壊され行く沖縄: 沖縄「屈辱の日」を「主権回復の
     日」と言う元首相、沖縄の戦後史を知らないという元最低の官房長官…
   『●カネカネカネの金(カネ)色の五つの輪で《国威を発揚》…《メディアの
       報道は死の重みに無関心…空襲に遭ったら仕方がないとでも言いたげ》
    《おまけに、「軍隊」に歯向かえば何の支援も受けられない状況が
     生まれた。感染爆発に襲われている沖縄県の玉城デニー知事が
     大規模接種センターの設置を求めた防衛省は拒否。これでは
     香港やミャンマーと変わらないではないか。自衛隊は菅首相や
     岸防衛相の私兵になったのか。》

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https://dot.asahi.com/wa/2021062200078.html

室井佑月『ずっと俺、総理な』っていいそう
連載「しがみつく女」
室井佑月 2021.6.24 07:00 週刊朝日 #室井佑月

     (室井佑月・作家)

 作家・室井佑月氏は、加藤官房長官の「改憲の好機」という発言を取り上げる。

【この記事のイラストはこちら】
 イラスト/小田原ドラゴン

*  *  *

 加藤勝信官房長官は6月11日の記者会見で記者団に、

「新型コロナによる未曽有の事態を全国民が経験し、緊急事態の備えに対する関心が高まっている現状において、(改憲し憲法に緊急事態条項を入れる)議論を提起し、進めることは絶好の契機

と述べたらしい。自民党の人たちってなんでも利用しようとするね。

 コロナでは1万4千人の人が亡くなり、治っても後遺症に苦しむ方もいる。商売ができなくなった方、解雇された方、生活苦にあえいでいる人もいる。そういったことさえ、自分らがやりたい改憲の絶好の機会として捉えるとはね

 ま、そのあと、記者がコロナ禍で苦しむ人々のことを指摘すると、加藤氏は、

「皆さんが苦しんでいることを絶好と申し上げているのではない。こういった中で、緊急事態をどう考えるべきなのかについて高い関心を持っておられる、そこを申し上げている」

といい直した。

 苦しんでいる大勢が、緊急事態条項について高い関心を持っている?

 大勢が苦しんでいることは事実だけど、多くの人は、自分のワクチンはまだか、いつからお店を通常営業できるのか、2回目の給付金はまだか、まさか国はあたしたちに布マスク1世帯に2枚と1回こっきりの10万円でなんとかしろっていってるわけじゃないよね?などなどいいたいことはいっぱいあれども、改憲し緊急事態条項を入れて欲しいなんていってない

 加藤氏はうまく言い訳したつもりでも、本音ではコロナ禍のドサクサに紛れて改憲してしまいたいのは見え見えじゃ

 なぜドサクサに紛れてそれをしてしまいたいのか? この国の法に緊急事態条項があってもなくても、今回のコロナ対策は失敗していた。議論となれば、すぐバレる。

 先進国最低のワクチンの接種率、緊急事態条項があったらなんとかなりました?

 日本はただ買い負けただけ。マスクのときと一緒。製薬会社とちゃんと文書で細かく約束してなかったのもまずかった。

 緊急事態条項があったら、国民の権限をもっと制限でき、こんなに感染拡大はしなかった?

 コロナ禍の中で、どうしてもGo Toキャンペーンをやりたがったのは誰ですか?

 海外から渡航してきた人の検査体制も遅かった。てか1年以上経っても、あたしたちの検査体制も万全とはいえない

 改憲し緊急事態条項とやらを入れても、この政府の無能ぶりは変わらない。というか、その無能らに緊急時だけといっても、これ以上、あたしたちの権利や権限を預けるなんて恐ろしい。「ずっと俺、総理な」ってこともいいだしそうで。


室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。「しがみつく女」をまとめた「この国は、変われないの?」(新日本出版社)が発売中

※週刊朝日  2021年7月2日号
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1340126.html

<金口木舌>チャモロと沖縄
2021年6月18日 05:00
金口木舌 米軍 環境汚染 グアム 汚染水 流出

 「裏切りだ」。米領グアムの米軍基地で働くなど、米国民として誇りを抱いていたエンジェル・サントス氏は1990年代、環境影響調査の報告書を読んでがくぜんとした。基地周辺の飲用水、地下水が発がん性物質で汚染されていた

▼サントス氏は数年前、幼い娘をがんで亡くしていた。市民団体「ナシオン・チャモル」を結成し、米軍による環境汚染を告発。先住民族チャモロの自己決定権回復を求めて運動した。「穴を掘り、猛毒を含む軍需品を埋めるのは一般的だった」と米軍を非難した

▼2003年の死去後もチャモロの人々に語り継がれる存在だ。米国からの独立運動の象徴でもある。基地に振り回されてきたグアムの歴史は沖縄に重なる

▼うるま市の米陸軍貯油施設から有機フッ素化合物に汚染された水が漏れ出した。流出量は最大2・4トン余だという。排水路の先には北谷浄水場が取水する天願川がある

▼昨年、普天間飛行場から同物質を含む泡消火剤が大量に漏れたばかりだ。この物質による水質汚染は16年から問題化している。しかし陸軍貯油施設にも貯蔵されていたことを、県民は今回の事故で知らされた

▼基地内にどんな有害物質があるのか、米軍は全容を明らかにしない。日本側の立ち入り調査要求にも満足に応じない。この島に76年間も米軍を駐留させる日米両政府は今後も県民を欺き続けるのか
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https://maga9.jp/210630-7/

三上智恵の沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌
第104回:嘆きの雨止まず~沖縄戦遺骨問題と慰霊の日~(三上智恵)
By 三上智恵 2021年6月30日


2021年慰霊の日と南部遺骨問題
 (https://youtu.be/45QJxfxv2Xw

 とにかく尋常ではない雨だった。沖縄に住んで27回目の慰霊の日(6月23日)だが、こんな台風並みの雨に打たれながら摩文仁に立ったことは一度もない。例年、不思議と慰霊の日の直前には梅雨は終わるものだった。今年は梅雨入りも早かったというのに、この雨は何かの恨みのように止むことを知らない。昨日も各地で大雨の被害を出している沖縄。今日30日になっても、まだ梅雨明けの報はない。

 辺野古の基地建設計画は今、大きく狂い、様々な工法の変更を余儀なくされている。国は沖縄県に対して変更の手続きを申請しているが、その中に、予定外の大量の土砂を新たに県内から調達する計画があり、それがいまだに多くの戦争犠牲者の骨が未回収である南部から掘削されることが発覚したため、動揺が広がっていることは過去二回、ここでもお伝えしている通りだ(第101回第102回)。

 前回まで、霊域に最も近く新しい鉱山開発に対し、沖縄県として自然公園法に則って待ったをかけて欲しいと要請する具志堅隆松さんのことを取り上げてきたのだが、「中止命令」には至らず、「措置命令」に留まったため具志堅さんや遺族らは落胆していた。
 しかし実際は「遺骨を除去してから作業をする」など、県が条件に付した内容がネックになって簡単には操業できないことから、具志堅さんは県の判断を再評価している。さらに、玉城デニー知事はもともと公約で辺野古の基地建設に反対国の「変更申請」を突っぱねると見られていることから、「変更申請」が不許可になれば工事は止まる。南部の土砂を集めるために無数のショベルカーが走り回る事態は回避できる。だから具志堅さんは希望を捨てていない。それなのに、慰霊の日に向けて二回目のハンストに入るという。

 「この間、たくさんの遺族の方々から、絶対に止めてください、何かできることはありますかと聞かれた。遺族の皆さんの声を、当事者の声を伝えるというシンプルなことをやってないと気づかされた遺族の思いを伝えて、戦没者の尊厳を守るためにも不承認とすると、はっきり反対する理由に盛り込んでほしい

 具志堅さんは二回目のハンストを通してもっと多くの遺族に出会い、力を結集して確実に計画断念を勝ち取る考えだ。県庁前で2日間、そして3日目からは慰霊の日の追悼式典が開かれる平和祈念公園でテントを張って仲間と共に座り込み、23日当日は式典に参加する玉城デニー知事に要請書を手渡す。国と対峙している沖縄県知事を応援するパフォーマンスにもなると思った。ところが、少し雲行きが変わってきた。知事の側近から、テントに行くのは可能だが、要請は別にしてほしいという要望が届いた。間もなく「不承認」というカードを切るつもりの知事にとっては背中を押すような要請になると信じていたのに。具志堅さんの表情は曇った。

 「今の段階ではっきりとさせられない事情もあるのか……。要請を受け取るくらいはいいのではと思うけど。あるいは、遺族の署名を渡すのであれば受け取りやすいのだろうか?」

 相手の立場を慮ってあれこれと思案する具志堅さん。当日まで、要請書も署名も準備しつつ、ここは単に知事の訪問を歓迎するというスタンスで行くべきか、悩み抜いていた。結局、直前になって書類を手渡すなどのパフォーマンスはなしにして、素直に知事を歓迎して激励する。ただしご遺族の一人に直接思いを伝えてもらう、という形に落ち着いた。

 ハンストの期間中、様々な人が訪れていた。国に協力的な沖縄県護国神社の宮司さんらも、同じ戦没者の遺骨を大事にする立場から激励に来た。第32軍のトップだった牛島満司令官のお孫さんにあたる元教員の牛島貞満さんも初日に来ていた。貞満さんは、祖父の南部撤退の決断が招いた住民犠牲について何度も自ら沖縄の子どもたちに特別授業をするなど沖縄戦に向き合い続けていて、今は首里の司令部壕の保存に奔走している。
 そして今回の遺骨の問題は、兵士の遺骨収集をおざなりにしてきた日本の軍隊の体質が影を落としていると指摘した。遺族と繋げる最後の手段である兵隊の「認識票」を、部隊の足跡を消す目的で部下から取り上げ、まとめて埋めたケースなど、「認識票」を二つ持たせて必ず遺体を回収する米軍と違い、死者の尊厳を軽視する体質を問題視した。

 思いがけないところでは、今話題の赤木雅子さんも日帰りで駆け付けていた。森友問題で書類の改ざんを命じられたことから自死に追い込まれた夫のために、真実を追求し続けている雅子さんは、「国の犠牲者」に手を差し伸べて国家と闘っている具志堅さんに会うことが勇気になると思ったのかもしれない。「赤木ファイル」の存在を認めなかったり、黒塗りのまま誤魔化し続けたりする国の態度は「夫を二度殺すようなもの」と話す雅子さんに対し、基地建設の埋め立てに使われる戦没者も二度殺されるようなものだとして、具志堅さんは「国に二度までも尊厳を傷つけられるとは。同じですね」と答えたという。

 ところで、6月23日の慰霊の日とは、ご存知の通り沖縄戦を戦った第32軍の将・牛島満中将ら幹部が、最後の地・摩文仁の丘で自決した日に合わせて制定されている。牛島司令官は自らの死をもって戦いを終わりにしたのかと言うと、そうではない。
 「最後まで敢闘し、生きて虜囚の辱めを受くることなく、悠久の大義に生くべし」という最後の命令を出している。つまり自分の死後も、絶対に捕虜になるな最後の一人まで戦えという命令を出して自分だけ楽になってしまった。従って戦闘は終わらず、犠牲者は出続けた
 住民や部下の運命をどん底に陥れたこの命令は、誰に向かって何を守るものだったのか。それを考えれば考えるほど、6月23日を慰霊の日とすることに抵抗がある県民が根強くいることもうなずける。日本の軍人の特質、日本の軍隊の成り立ちやその正体に関わる部分なので、牛島司令官の最後の姿勢を簡単に過去の出来事に収める気は少なくても私にはない。ところが、この十数年、自衛隊が人目を忍ぶように牛島司令官の最後の地に建つ黎明の塔を、制服を着用して恭しく集団で参拝するようになった

 どういうつもりの参拝なのか? 心はざわつくが、それを確認するには朝4時にはあの真っ暗な摩文仁の丘に登らねばならないので、なかなか撮影に行く勇気は持てなかったのだが、最近は待ち受けるメディアも多くなり、また今年は近くで具志堅さんたちが泊まり込んでいるという心強さもあって、2時に起きて深夜に摩文仁を目指した。
 牛島が自決し、介錯人によって首を切り落とされたのは朝4時半だったという。その時間になると、制服・私服の自衛隊員が複数登って来ては手を合わせていた。個人の参拝は自由だが、沖縄の住民を守るどころか大量に死に追いやった第32軍の作戦行為を本当に知った上で、その責任者に敬意を表するのか? と聞いてみたい衝動に駆られる。

 そして4時50分ごろ、沖縄に展開する第15旅団のトップ、佐藤真旅団長が、最先任上級曹長という、女性では初の上級幹部となった蛯原寛子准陸尉らと3人でやってきた、かりゆしウェアを着た広報部数人を入れても少人数だ。例年は30人規模で参拝していたのでちょっと拍子抜けしたが、深々と礼をして1分ほどで踵を返し、次の慰霊碑「しづたまの碑」に向かった。最後は「島守之塔」という三ケ所を回ったので、これは軍人、民間人、官つまり公務員、すべての犠牲者を網羅した形なのだろう。「軍官民共生共死」というスローガンで官民を巻き込んだ沖縄戦の実相を知るものからすれば、自衛隊も今後予想される有事には「軍」だけでなく「官と民」の積極的協力を仰ぐというのが基本的な姿勢なのだろう。こうして過去の協力に感謝し、参拝される栄誉を、今後のさらなる犠牲的協力と忠誠心に繋げるという魂胆があるのではないかと見るのは、うがち過ぎだろうか?

 急患輸送に不発弾処理、災害救助と沖縄に貢献してきた自衛隊の活動には、私を含め感謝していない県民はいないだろう。自衛隊に就職する若者も多く、かつて沖縄にあった自衛隊アレルギーはもはや過去の遺物になりつつある。しかし、沖縄県民を守らなかった旧日本軍と今の自衛隊の連続性について、沖縄のジャーナリストなら疑って当然である。同じ軍事組織として沖縄戦をどう分析して反省し、またどう評価して参考にしようとしているのか、それが徹底して明かされないことには簡単に「信頼」などできるはずがない。

 「私的参拝です」
 「慰霊の日に亡くなられた方々のご冥福を祈るという気持ちで来ています」

という旅団長に対し

 「制服を着て部下を伴って、私的はないんじゃないですか」「批判があることをご存知ですか」「花束はポケットマネーですか?」と食い下がる記者たち。このような厳しい目があるということを毎年示すだけでも、自衛隊が過去の日本軍のような横暴な振る舞いをする日の再来を防ぐ力になるウォッチドッグ権力を監視するというジャーナリストの本分を発揮している記者やカメラマンたちの存在がとても頼もしく思えた。そしてこの日、本土メディアも含めて、具志堅さんのテントに100人を超えるメディアが集結していたことも。

 日が昇るころからまた雨脚が強くなりはじめ、早朝から平和の礎に参拝する家族の姿も例年とは打って変わって少なく、過去最低の数だったと思う。身元不明者の遺骨を3万5千柱も収容した骨塚である魂魄の塔にも行ってみたが、毎年ごった返すあの熱気はどこへやら、コロナ禍らしく間隔を取って参拝できる程度だった。やがて正午の黙祷の頃には、雨は本降りに。荒波寄せる海沿いの丘であることを再認識するほどの横殴りの雨。摩文仁全体が大荒れの空模様になり、玉城デニー知事の挨拶の時に大雨はピークを迎えた。
 たった30人の参列者に絞り、菅総理もビデオでの挨拶となった今年の式典はいつになくあっさりと終ったが、歩いて1分もかからないハンストのテントに、玉城デニー知事はなかなか来ない。取り囲む記者やカメラマンは場所を確保するため、雨ざらしであってもその場を動くことができない。15分も待てば来るだろうという予想は外れ、50分以上待たされることになった。

 私も荷物とカメラで傘をさすこともできず、機材を雨から守るのに必死。滝行でもしたかのようにずぶ濡れになる。毎年暑さでどうにもならない慰霊の日なのだが、長袖でも寒く、腰も冷え、足が攣って撮影態勢の維持も難しくなってきた。具志堅さんは自分だけテントの下にいるのは申し訳ないと大雨の中詫びに来たが、みんな慌てて中に入ってくださいと押し返した。丸4日食事もしていない具志堅さんが、知事を相手に思いを伝えられるか。取材陣は濡れネズミになりながらも固唾を飲んで見守っていた。

 そこに、だいぶ遅れて玉城知事がやって来た。「デニーさん!」と笑顔で迎える具志堅さんに対し、知事の表情は少し硬い。「今日は、不承認の言質を取ろうなんていう考えはないんです」と開口一番相手を安心させる言葉を伝え、まずは84歳になる遺族の女性を紹介。彼女は骨が見つからない父親と繋がる望みを託してDNA鑑定に申し込んだとして、なんとしてでも南部の土砂を埋め立てに使うのはやめてください、県のお金でその土地を買ってでも止めてくださいと懇願した。

 「いろんな人たちの気持ちを受け止めて、私たちにできることを頑張ります」

 デニー知事は答えた。

 具志堅さんは、防衛省に不承認と回答する時に、ぜひ戦没者の尊厳を守るということを理由に入れてくださいと迫るが、これに対しての回答はなかった。そしてこう言った。

 「いろんな方々の声をしっかり受け止めて、しっかり考えたいと思います」

 具志堅さんの顔が曇った。さっきとほぼ同じ言い方だ。いろんな人たちの気持ち、いろんな方々の声。皆さんの声もあるけれども、真逆の声もあります。ほかの人たちの気持ちもあります、と突き放された感があると思ったのは私だけではなかったようだ。緊迫した無言の5秒が流れ、具志堅さんは大きく息を吸って「もう一つ」と決意したようにたたみかけた。

 「多くの人が、デニーさんのことについて、不安に考えている方も……出始めています。その不安を解消するためにも、ぜひ、一歩ステップアップした……。安心させるための表現をよろしくお願いします!」。踏み込んだ言葉を乞う具志堅さん。

 「言葉足らず、力足らずですいません。自分にできることをしっかりやりたいと思いますのでよろしくお願いします」

 それを最後に足早に去っていった知事。「デニーさん、頼むよう!」「お願いしまーす!」という声が黒い公用車を追いかけた。テントに残った具志堅さんは吐き捨てるように言った。

 「私は、まだ甘いです!」

 76年間土の中で待っている兵士の無念さ乳飲み子を置いて行く母の慟哭ガマに火炎放射器を入れられた恐怖、苦しさ。断末魔の叫びにじっと耳を傾けてきた自分が、今日到達すべき地平はこれで良かったのか? 厳しすぎるほどに自問する具志堅さんの姿があった。

 2時を回り、私は護郷隊の慰霊祭に間に合わせたいと車に飛び乗った。ビニールを敷いて座るほど濡れているので、寒くてクーラーもかけられない。ところが5分も走らないうちに太陽の光が差してきた。南風原の道路は驚いたことに、カラカラに乾いている。え? 狐につままれたようだ。摩文仁の暴風雨は、ずっと止まない雨は、あれは何だったのか?

 「これは神様の涙だよ。当分止まないはずよ」。神人(神職)のおばさんが言った言葉が頭をぐるぐる回る。戦没者の嘆きの雨を、神さまの涙を全身で浴びた2021年の慰霊の日。私はきっとこの日の雨を、生涯、6月が来るたびに思い出すだろう。


三上智恵(みかみ・ちえ): ジャーナリスト、映画監督/東京生まれ。1987年、毎日放送にアナウンサーとして入社。95年、琉球朝日放送(QAB)の開局と共に沖縄に移住。同局のローカルワイドニュース番組のメインキャスターを務めながら、「海にすわる〜沖縄・辺野古 反基地600日の闘い」「1945〜島は戦場だった オキナワ365日」「英霊か犬死か〜沖縄から問う靖国裁判」など多数の番組を制作。2010年、女性放送者懇談会 放送ウーマン賞を受賞。初監督映画『標的の村~国に訴えられた沖縄・高江の住民たち~』は、ギャラクシー賞テレビ部門優秀賞、キネマ旬報文化映画部門1位、山形国際ドキュメンタリー映画祭監督協会賞・市民賞ダブル受賞など17の賞を獲得。14年にフリー転身。15年に『戦場ぬ止み』、17年に『標的の島 風(かじ)かたか』、18年『沖縄スパイ戦史』(大矢英代共同監督)公開。著書に『戦場ぬ止み 辺野古・高江からの祈り』(大月書店)、『女子力で読み解く基地神話』(島洋子氏との共著/かもがわ出版)、『風かたか 『標的の島』撮影記』(大月書店)など。2020年に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社)で第63回JCJ賞受賞。 (プロフィール写真/吉崎貴幸)
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●《基地を造ることで、沖縄県民の生活を踏みにじってでも安心したいと、一体、誰が思っているんでしょうか。私が闘っている相手》は?

2021年01月30日 00時00分37秒 | Weblog

(2021年01月03日[日])
集英社新書プラスの記事【プラスインタビュー/『証言 沖縄スパイ戦史』第63回JCJ賞日本ジャーナリスト会議)三上智恵氏贈賞式スピーチ/三上智恵】(https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/%e4%b8%89%e4%b8%8a%e6%99%ba%e6%81%b5%e6%b0%8f%e8%b4%88%e8%b3%9e%e5%bc%8f%e3%82%b9%e3%83%94%e3%83%bc%e3%83%81/12549)。

 《沖縄北部で展開された陸軍中野学校の青年将校が仕掛けた秘密戦と国土防衛戦の本質を圧倒的な取材で描き、第7回城山三郎賞、第63回JCJ賞を受賞した三上智恵著『証言 沖縄スパイ戦史』。これを記念して2020年10月10日に行われたJCJ賞贈賞式での三上氏のスピーチを掲載します》。

 三上智恵さんのスピーチ、《なぜこれ以上、軍事要塞の島として、私たち沖縄県民は生きていかなければいけないのかという怒り基地を造ることで、沖縄県民の生活を踏みにじってでも安心したいと、一体、誰が思っているんでしょうか。私が闘っている相手の正体というのは、一体、何なんでしょうか…》。
 《軍隊が自分たちを守ってくれる、どうして自信を持ってそんなことが言えるんですか》 沖縄の過去の経験に何も学ぼうとしない〝本土〟。「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質」を学ばない〝本土〟。《狂ったシステムが再起動してしまわないか、私たちは目を光らせていないといけない》。

   『●『沖縄スパイ戦史』(三上智恵・大矢英代共同監督): 
           「「スパイリスト」…歪んだ論理が生み出す殺人」
   『●三上智恵・大矢英代監督映画『沖縄スパイ戦史』…
       「戦争というシステムに巻き込まれていった人たちの姿」

   『●「改めて身に迫るのは、軍隊というものが持つ
      狂気性」(高野孟さん)と、いまも続く沖縄での不条理の連鎖
    《マガジン9連載コラム「沖縄〈辺野古・高江〉撮影日誌」でおなじみの
     三上智恵さんが、大矢英代さんとの共同監督で制作した
     映画『沖縄スパイ戦史』が7月下旬からいよいよ公開…
     「軍隊は住民を守らない」…「戦争や軍隊の本質を伝えたい」》。

   『●『沖縄スパイ戦史』と《記憶の澱》…
     「護郷隊…中高生の年頃の少年たち…スパイと疑われた仲間の処刑…」

    《▼日本軍第32軍の周辺で起きた本島中南部の激戦を「表の沖縄戦」と
     すれば、映画が描くのは北部の少年ゲリラ兵部隊護郷隊」や八重山
     戦争マラリアなどの「裏の沖縄戦」。綿密な取材による証言と資料映像で、
     6月23日以降も続いた遊撃戦の実相をつづる》

   『●自衛隊配備・ミサイル基地建設…『沖縄スパイ戦史』「自衛隊
              …昔と同じく住民を顧みない軍隊の本質」暴露
    「レイバーネット…のコラム【<木下昌明の映画の部屋 243回> 三上智恵
     大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』/住民500人を死に追いやった犯罪】」

   『●沖縄デマによる市民の分断: 『沖縄スパイ戦史』の両監督…
               「反基地運動は中国のスパイ」デマも同根
   『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
               私たちが何を学ぶのかが今、問われている」①
   『●大矢英代さん「私たちは、過去の歴史からしか学べません…
               私たちが何を学ぶのかが今、問われている」②
   『●『沖縄スパイ戦史』: 「それまで『先生』と島の人たちに
           慕われていた山下が抜刀した」…「軍隊の本性」
   『●2019年度文化庁映画賞《文化記録映画部門の優秀賞》を受賞
               …三上智恵・大矢英代監督『沖縄スパイ戦史』
   『●《「遊撃戦遂行の為特に住民の懐柔利用は重要なる一手段にして
     我が手足の如く之を活用する」…住民同士を監視させ…批判している…》
   『●《「慰霊の日」を迎えた。…鉄血勤皇隊やひめゆり学徒隊の悲劇が
      伝わる一方、護郷隊の過酷な運命は長年ほとんど知られていなかった》
   『●「戦争マラリア」…いま再び自衛隊配備で先島諸島住民を分断し、
                 「戦争や軍隊の本質」の記憶を蘇らせる…
   『●《戦争体験の継承はどうして必要》? 大矢英代さん《二度と同じ手段で
      国家に殺されないように、生活を奪われないように、知恵をつけること》
   『●《8月ジャーナリズム》と《沖縄にとって戦争は遠い昔話ではない。
     沖縄は、今も一年中、戦争の延長線上を生きている》(大矢英代さん)

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https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/%e4%b8%89%e4%b8%8a%e6%99%ba%e6%81%b5%e6%b0%8f%e8%b4%88%e8%b3%9e%e5%bc%8f%e3%82%b9%e3%83%94%e3%83%bc%e3%83%81/12549

プラスインタビュー
証言 沖縄スパイ戦史第63回JCJ賞日本ジャーナリスト会議三上智恵氏贈賞式スピーチ
三上智恵(みかみ ちえ)
2020.12.25

なぜ彼らは鬼になってしまったのか?

沖縄北部で展開された陸軍中野学校の青年将校が仕掛けた秘密戦と国土防衛戦の本質を圧倒的な取材で描き、第7回城山三郎賞、第63回JCJ賞を受賞した三上智恵著『証言 沖縄スパイ戦史』。これを記念して2020年10月10日に行われたJCJ賞贈賞式での三上氏のスピーチを掲載します。


どこかを犠牲にしてでも安心したいというような無意識な欲望

 皆さん、こんにちは。今日は、本当にこんな晴れがましい席に立つことができて、皆さんに感謝しています。

 私、2013年にも、「標的の村」というテレビドキュメンタリーで、同じ場所に立たせていただきました。そのときは、琉球朝日放送の三上智恵でしたが、今、フリーになって6年たち、その間に3本、全部で4本の映画を作りました。もうJCJ賞にかかることなんて一生ないと思っていたんですが、映像作品を離れて書いた750ページのこの活字で、まさか再び選んでいただくことがあるとは、夢にも思っていませんでした。

 この本は「沖縄スパイ戦史」という映画を作った後に、別に誰からも頼まれてもいないし、期待もされていなかったんですが、自分の暴走が止まらなくて、なぜか自分一人で書き続けて、集英社さんにどうか出してくださいと、自分から頼むような形でできた本です。私一人で、黙々とやった仕事を見つけていただいて、本当にどうもありがとうございました。

 私は、沖縄に移り住んでもう26年になります。その報道生活全てをかけてでも止めたかったことがあります。それは、まず高江ヘリパッド建設であり、オスプレイが来ることであり、大浦湾が埋め立てられることであり、それから、今、宮古八重山にどんどん造られています新しい自衛隊のミサイル基地です。

 なぜこれ以上、軍事要塞の島として、私たち沖縄県民は生きていかなければいけないのかという怒りの中で、報道以外にも物を書いたり、講演で全国を回ったり、映画を作ったり、あらゆることをやりましたが、何一つ止めることができず敗北感を積み重ねています

 基地を造ることで、沖縄県民の生活を踏みにじってでも安心したいと、一体、誰が思っているんでしょうか。私が闘っている相手の正体というのは、一体、何なんでしょうかということをいつも考えます。

 もちろん、皆さんの頭の中にまず出てくるのは、日米両政府でしょう。対中国戦略、北朝鮮戦略の中で、日本列島全体をアメリカ軍が使おうしている。沖縄だけではないです。日本列島全体を盾にしようとしているアメリカ軍、アメリカ政府がいます。そして、そこにコバンザメのようにしがみつくことでしか国防を語ることのできない日本政府、この日米両政府が確かに沖縄を軍事要塞化していく大きな力なんですが、でも、これらをエンパワーメントしている日本の国民、大衆が「北朝鮮が怖い、中国が怖い、自衛隊に守ってほしい、アメリカ軍にもっと守ってほしい」と考えている大衆の欲望、安心したい、どこかを犠牲にしてでも安心したいというような無意識な欲望が、彼らに力を与えています。

 そこで私が言いたいのは、軍隊が自分たちを守ってくれる、どうして自信を持ってそんなことが言えるんですか?ということです。皆さん、沖縄戦のことを知らな過ぎるのではないですか?ということを、私はいつも、基地を造りたい大きな力、目に見えない力に対して、空に叫んでいたようなところがあります。

 私は、今まで基地建設に苦しんでいる人たちのところに行って、カメラを回すということをやってきたんですが、もうそういうことをしていても追いつかない。これを止めるためには、沖縄戦から直接、苦い薬を抽出して、日本国民の“強い軍隊に守ってもらいたい”というような妄想を解体していく、そういう作業が必要だと思って、「沖縄スパイ戦史」というドキュメンタリーを作りました。その後に、この本を書いたわけです。


被害者の視点だけでは見えてこないもの

 この750ページは分厚くて非常に評判はよくないわけですが、750ページを一遍に書かなければいけない必然がありました。

 最初の三分の一ぐらいは少年兵の証言です。先ほど丁寧に説明がありましたから、護郷隊の説明は省きますが、そのように自分の故郷を守るんだというような名前がつけられて、沖縄の15、6歳の少年たちが、陸軍中野学校の22、3歳のエリート青年将校たちに訓練をつけられて、千人規模のゲリラ兵部隊がいたということは、まず知られていません。

 本土の優秀な大学生、22、3歳が、沖縄の中学校、高校の子供を引き連れて、最後、沖縄が玉砕してからも、沖縄からどんどん本土に爆撃しにいくアメリカ軍を、後方からずっと攪乱し続けろという、物すごい命令を大本営も下したものだとあきれ果てる上に、こうやって子供たちを戦わせたということを日本の歴史の汚点としてちゃんと刻んでほしいと思いますが、その歴史秘話を伝えたかったわけではないんです。この少年兵たちを通して戦った側の視点から沖縄戦を見直していくことが可能になる、その必要があったんです。

 沖縄戦というのは、住民の視点でその被害を語るということを一生懸命やってきた分野なんです。もともとは、防衛省が軍隊側の視点から沖縄戦を記録していくということがまず最初にあって、占領下に生きていた沖縄県民が、住民の視点で沖縄戦を語れるようになるまで長い長い積み重ねがありました。私は、ずっと沖縄戦のことを何十年もテレビ報道の企画やドキュメンタリーでやってきたわけですが、沖縄戦を住民のほうから見るのが当たり前ということでそればかりやってきたので、戦う側の論理は重視して来なかった。でも特に、北部の戦争の場合、戦った日本兵の二、三割は沖縄の人たちです。だから、日本軍は数々の残虐行為を住民にしていますが、それは差別の構図だけでは語れない被害者の視点だけでは見えてこないものがあります。


   (贈賞式での三上氏)


「軍の機密を知ってしまった人は殺してもいいんだ」

 では、何が起こっていたのか。この少年たちは、刀に憧れて、上官たちに、ここにいる村上(治夫)さん、岩波(壽)さん、とても格好いい隊長たちです。人格者でもありました。戦後も生き残って、いろいろな証言も残してくれています。彼らに憧れて、自分たちの故郷を守るんだということで戦いに入っていくわけです。でも、その視点から見ていくと、住民というのは労働力なんです。食料を作って自分たち軍隊に渡してもらう。それから、陣地構築を手伝ってもらう。陣地構築を手伝ってもらうと、どういうことになるか。軍の機密を皆さんが知ってしまうんです。だから、ここが皆さんの村だとすると、護郷隊でも、日本軍でもそうですが、手伝ってもらうと、皆さん、もう知ってはいけないことを知ってしまうわけです。

 だから、ここにアメリカ軍が上陸してくるという段になったら、お互いに監視をさせます。それで、スパイにならないよう、つまり皆さんが知っている知識を、アメリカ軍に捕まったからといって、絶対にしゃべるなといってもほぼ不可能なんですが、この中でスパイになりそうな人たちを順番にリストアップして、上から殺していくということをやりました

 沖縄の北部では、複数の箇所で証言がちゃんと残っているんです。そのスパイリストに載せられて、最後は使われた上に始末される、消されていくというような運命に、どうしても住民はなってしまうわけです。

 三二軍の参謀だった神直道さんは、琉球新報の取材に対して、戦後にはっきり「沖縄戦では住民を守るという任務はなかった。作戦に入っていなかった。住民は足手まといだった」と言っています。軍隊にとって住民は、どのように見えるのか。作戦をつくる側にとって、それから遂行する側にとって。もう敵が来てしまい、住民を守る作戦もない中で、沖縄県民が守ってもらいたいと思って兵隊に寄りかかっていきます。陣地にも入ってきます。もう迷惑でしかないということが、この少年たちの証言を読んでも痛いほど分かります。

 次に私たちが持つかもしれない軍事組織、今の自衛隊が軍事組織であるかどうかということは議論があるかもしれませんが、それが国防軍になっていくといったときに、あの残酷な旧日本軍ではなく、本当に私たち国民を守るための存在として生まれ変わるのかどうかというところは、注視していかなければならない。

 軍の機密を知ってしまった人は殺してもいいんだ、ということの裏づけになったのは軍機保護法です。それと同じ建てつけの法律が特定秘密保護法です。ですから、特定秘密保護法ができたときに、私たち地元の報道機関はものすごい危機感で報道しました。既に、アメリカ軍と日本の軍隊と一緒に生活をしている沖縄県民にとって、特定秘密保護法というのはあの軍機保護法の復活だという危機感を全国の人たちと共有できていないんです。そういう意味でも、この本はぜひ読んでほしいです。

 一つの例ですが、スパイリストに載ってしまった米子さんの話が出てきます。十八歳の中本米子さんは、今帰仁村にある運天港にいた白石隊と呼ばれる魚雷艇部隊で、かいがいしく働いていました。でも、米子さんは、ある日、地下に造られた巨大な弾薬庫を見てしまいます。そのことでスパイリストに載って、18歳の女性が、何も悪いことをしていないのに命を狙われていきます。

 その中で、武下少尉という青年将校が出てきます。この白石部隊の武下少尉は、屋我地島という島に住んでいたヨネちゃんとスミちゃんという十八歳の二人の女の子だけは殺すな、この二人の少女を殺すんだったら、俺がおまえを殺すと言って、ヨネちゃんを守ってくれたというエピソードが映画にも出てきます。

 でも、武下少尉は、ほかに今帰仁の人を殺しています。つまり、住民を粛清する係だったわけです。その後、武下少尉は、アメリカ軍にアジトを暴かれて殺されてしまうので、1945年に亡くなっているんです。


武下少尉は今帰仁で観音様になって祀られている

 この話から、本当にいろいろなことを学ぶことができるんですが、実は私、映画が終わってから知ったんですが、武下少尉は今帰仁で観音様になって祀られているんです。通称、武下観音と言われていますが、南海の塔というところに祭られています。

 彼は、日記を残していて、その日記の中に、オダさんと書いてあるんですが、太田守徳さんを殺害したことをちゃんと自分で書いています。だから、日本軍が沖縄の住民を殺す証拠を唯一、日記に残したのが武下少尉なんです。この人が、なぜ沖縄県民を殺した武下少尉が祀られているのか、最初は意味が分かりませんでした。そこから、また、ずっと今帰仁に通って、いろいろな話を聞いていくわけです。

 確かに、1944年に日本軍が入ってきたときは、もう連戦連勝の輝かしい日本軍だと聞かされているので、沖縄県民はみんな大歓迎しました。どんな協力でもしました。軍と住民の蜜月は確かにあったわけです。ですから、地元の女性たちも、とても軍隊を支えていったんです。でも、その後、やはり裏切られていく。

 では、戦後、何で観音様にまでなったのか。その後、この戦争を引きずっている元兵隊や遺族たちが、ずっと足しげく沖縄に通ってくるわけです。この苦い経験を、どうやって県内、県外の当事者たちが、戦後乗り越えていったのかという第2幕が存在するわけです。


狂ったシステムが再起動してしまわないか、私たちは目を光らせていないといけない

 その虐殺に関わってしまって、名前が知れている人を3人、「虐殺者たちの肖像」という章がありますけれども、私は深追いをしました。もちろん全員亡くなっています。

 結論から言うと、誰も鬼ではなかったんです。沖縄県民に牙をむくつもりで、沖縄戦に参加した日本兵など一人もいません。なのに、なぜ彼らは鬼になってしまったのかどういうシステムが彼らを鬼に変えていったのかということを、私たちは重々知らないといけないんです。そうでないと、本当に善意の、武下少尉なんていう方は、家族がつくった回顧録とかを見ると、とても爽やかで、非の打ちどころのない、学業もできる、文章も上手、優しくて、近くにいたら本当に友達になりたいタイプの方だったと思いますが、なぜ彼らが鬼になったのかその狂ったシステムが再起動してしまわないか、私たちは目を光らせていないといけないんです

 沖縄に住んでいると、この国が戦争に向かって、また加速度的に進んでいくという恐怖をまざまざと感じることができます。沖縄戦の悲鳴が、うめき声が、まだ収まっていない島に住みながら、もう一度ここを戦場にするような世の中には死んでもしてはいけない、ということでこの本を書きました。この本が、本当に日本国民全員に効く、次の戦争を止めるための最高のワクチンとして機能するように、これからも沖縄戦から次の戦争を止めていく、そういう活動を頑張っていきたいと思います。

 どうもありがとうございました。


プロフィール
三上智恵(みかみ ちえ)
ジャーナリスト、映画監督。毎日放送、琉球朝日放送でキャスターを務める傍らドキュメンタリーを制作。初監督映画「標的の村」(2013年)でキネマ旬報ベスト・テン文化映画部門1位他19の賞を受賞。フリーに転身後、映画「沖縄スパイ戦史」(大矢英代との共同監督作品、2018年)は、文化庁映画賞他8つの賞を受賞した。著書に『証言 沖縄スパイ戦史』(集英社新書)など。

本編114分に加え73分に及ぶ特典映像も収録した映画「沖縄スパイ戦史」DVD(紀伊國屋書店)も発売中。
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