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阿智胡地亭のShot日乗

日乗は日記。日々の生活と世間の事象記録や写真や書き物などなんでも。
  1942年生まれが東京都江戸川区から。

久しぶりに実に面白い【今の時の純文学小説】を読んだ。 松永K三蔵が書いた「バリ山行き」と言う小説だ。 

2024年12月02日 | 音楽・絵画・映画・文芸

30数年ほど前 「文芸春秋」という雑誌を4年間ほど毎月定期購読していたことがある。

しかしどうもこの雑誌には偏った胡散臭い連中が巣食ってしまい まっとうな社員グループを隅においやったなぁと感じる号が続いて読むのを止めた。

 それからは芥川賞や直木賞も雑誌を売るための販促ツールの一つと思うようになり 賞を取った小説が単行本になってもすぐ手を出さず

数年たっても時折興味深い書評が絶えない本だけを たまに読んだ。

 しかしこの「バリ山行き」と言う小説は 六甲山の山登りの小説だと新聞記事で目にして興味を持った。

自分が六甲山の麓のエリアで通算すると40年ほど暮らしていたからだ。

図書館でネット予約を入れたら 単行本は40人待ちほどだったので 掲載号の文藝春秋の雑誌で申し込んだら即借り出し可能の状態だった。

 読みだすとすぐに阪神御影や住吉川、ロックガーデンなどの活字が目に飛び込んできた。そして情景が目に浮かんだ。

主役の人物は社員50人ほどの工務店に転職して3年ほどの会社員だ。そしてもう一人の主役は❝妻鹿-めが❞という苗字の職人肌の先輩社員だ。

 請負の建物修理工事の進捗や現場の段取りから引き渡しまで リアリティそのものの描写だ。

そして山行きの書きようが凄い。危険な状況に満ちた山行きの臨場感を猛烈に味わいながら読み進めた。

 そのうちに書き手はほんまもんのプロの物書きだなと思うようになりながら読み進めた。

この作家は自分でも登山路ではないバリエーションルートを登る「バリ山行」をよくしている人だと思った。

 そして彼が勤めている会社生活の不条理とその中で生きる日々は 阿智胡地亭が予測する展開を裏切り続けた。

まさに今の世の工事現場で働く人の日本と言う娑婆がこの小説の中にあった。

  ラストの描写が不思議に清々しいのがいい。

 作家本人が目指す『オモロい』小説が世に出たと思う。私の大好きな❝ハラハラドキドキ❞は 純文学とも両立するのだ。

CLICK ☟

芥川賞・松永K三蔵さん「家族が一番です」家庭人、会社員だからこそ書けた「バリ山行」 小説家になりたい人が、芥川賞作家になった人に聞いてみた。|好書好日

純文学山岳小説『バリ山行』が芥川賞を受賞! 松永K三蔵さんインタビュー【山と溪谷2024年10月号】 - 山と溪谷オンライン

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映画「PERFECT DAYS」を見ました。  同じように過ぎる毎日でも 生きていくのに同じ日は一日もない

2024年11月06日 | 音楽・絵画・映画・文芸

Pale Blue Eyes - Velvet Underground // Perfect Days Edit

都内の公園内の公共トイレを清掃することを仕事にしている初老に差し掛かっている男、平山の日々を描く映画。彼はスカイツリーが見える長屋に一人で住んでいる。

 何ときっちり仕事をする人間なんだ。誰も見ていない、誰のチエックもない。しかし彼は彼の仕事を隅から隅まで完全にやり上げる。全くの当然の我が身のおこないとして。

朝の缶コーヒーも昼のコンビニのサンドイッチも 行きつけの銭湯も 風呂上がりで行く上野の地下の居酒屋の一杯も 毎日全く判で押したように同じ。そういう毎日。

人は群れの動物だが 人間としてはただの群れの一員だけでは生きていない。彼は彼なりの好き嫌いや していいことや してはいけないことの物差しを持って生きる。

 それを持っている個だけが 動物ではなく人間として生きる。 彼には口をきいたことはないが目で挨拶する同じ時空を共有する知り合いが何人もいる。

平山は毎日公園の木を見あげる。木漏れ日があるとフィルムカメラを取り出してそれを撮る。その時の彼の嬉しそうな表情が何とも言えない。

(私も時々同じことをしてブログにアップするので驚き嬉しかった。)

彼は自分の毎日の生活の中で 小説やエッセイの読書の時間を欠かさない。そして車に乗っている間 ずっとカセットテープで英米の懐しい曲を聞く。

 少しずつ彼の個人史が明らかになっていく。

生きていく中で彼は自分と誰かを比べるということは全くない。そして彼は彼の日々を今日も他の誰でもない平山として生きていく。

 

 映画を見終わったとき 映画の題名の意味が分かったような気がした。  

映画は隅田川にかかる高速道路を俯瞰したドローン画面で捉えた平山の軽四輪が走る場面が何回も出てくる。

阿智胡地亭が暮らしている中で見たり歩いたりするエリアにも重なるが、高速道路の上空からの 

東京の東部のあちらこちらの街並みのシーンは初めて見るアングルが新鮮だった。

 

 映画を見た日比谷のTOHOシネマズシャンテは既に一日一回だけの上映になっていたが それでも20人ほど観客がいた。

ブログ「 神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)」(click)  さんのこの映画のエントリーを見てあっそうだと慌ててネットで上映館を探して見ることが出来た。

見るつもりでいた映画だったのに うっかり見過ごすところだった。

PERFECT DAYS 公式サイト

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映画コムサイトから引用

解説

「パリ、テキサス」「ベルリン・天使の詩」などで知られるドイツの名匠ビム・ベンダースが、役所広司を主演に迎え、

東京・渋谷を舞台にトイレの清掃員の男が送る日々の小さな揺らぎを描いたドラマ。2023年・第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で

役所が日本人俳優としては「誰も知らない」の柳楽優弥以来19年ぶり2人目となる男優賞を受賞した。

東京・渋谷でトイレの清掃員として働く平山。淡々とした同じ毎日を繰り返しているようにみえるが、彼にとって日々は常に新鮮な小さな喜びに満ちている。

昔から聴き続けている音楽と、休日のたびに買う古本の文庫を読むことが楽しみであり、人生は風に揺れる木のようでもあった。

そして木が好きな平山は、いつも小さなフィルムカメラを持ち歩き、自身を重ねるかのように木々の写真を撮っていた。

そんなある日、思いがけない再会を果たしたことをきっかけに、彼の過去に少しずつ光が当たっていく。

東京・渋谷区内17カ所の公共トイレを、世界的な建築家やクリエイターが改修する「THE TOKYO TOILET プロジェクト」に賛同したベンダースが、

東京、渋谷の街、そして同プロジェクトで改修された公共トイレを舞台に描いた。

共演に新人・中野有紗のほか、田中泯、柄本時生、石川さゆり、三浦友和ら。カンヌ国際映画祭では男優賞とあわせ、キリスト教関連の団体から

人間の内面を豊かに描いた作品に贈られるエキュメニカル審査員賞も受賞。また、第96回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされた。

2023年製作/124分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年12月22日

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映画『PERFECT DAYS』役所広司演じる“平山”のカセットテープコレクション【劇中曲リスト】

【こんなふうに生きていけたなら】映画『PERFECT DAYS』PLAYLIST

全ての歌詞の和訳はこちら。

映画「PERFECT DAYS」平山のカセットテープコレクション | 自ら学ぶ力を育てるための情報を更新 | 名古屋で自己学習力を高める塾をお探しなら寺子屋塾

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「PERFECT DAYS」 撮影地19箇所、映画ストーリーをそのまま再現: フィルム写真とThe Tokyo Toiletプロジェクト

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日本橋の三井ホールでいままでにないかたちの美術鑑賞を経験した。   その二  モネ&フレンズ アライブ

2024年09月21日 | 音楽・絵画・映画・文芸

会場には11時入場のチケットで入ったが かなりの混雑だった。入場者を男女の比で言えば女性95人に男性5人という感じだった。

ウイークデイの午前中とは言え、あまりの男女差数に何となく侘しい心持になった。

240919日本橋三井ホールの催し モネ&フレンズ アライブ

日本初上陸【モネ&フレンズアライブ】世界を魅了した没入型展覧会 イマーシブ体験 印象派の世界 クロード・モネ、カミーユ・ピサロ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌ、エドガード・ドガ

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詩   「姥イーツ」  作  堀口すみれ子

2024年08月10日 | 音楽・絵画・映画・文芸

「かまくら春秋 2024年 8月号」 No.652

6,7ページから引用

 ◎ほまち ー 帆待ち :  臨時の収入 へそくり

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ロートレック展で斬新な構成と色遣いと精妙さに❝北斎❞を感じ続けた。

2024年06月28日 | 音楽・絵画・映画・文芸

今月の散歩会も西新宿野村ビルの「響」での昼食の集まりになったが 事前にすぐ近くにあるSONPO美術館のロートレック展を

観賞することになった。

 サイトより

{19世紀末フランスを代表する画家、アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864年―1901年)の展覧会です。

ロートレックによる紙作品の個人コレクションとしては世界最大級のフィロス・コレクションより、約240点をご紹介します。

フィロス・コレクションの最大の特徴である素描作品に始まり、ポスターを中心とする版画作品、雑誌や書籍のための挿絵、

ロートレックが家族や知人にあてた手紙、ロートレックの私的な写真など、画家に肉薄した作品と資料で構成する展示です。}

 

 

 

 明治の中ごろにフランスでこのような作品を生み続けたロートレックの幼時からの膨大な素描を見ていると

北斎画を見ているような気になってきた。帰宅後調べるとロートレックは北斎が亡くなってから15年後に生まれている。

 洋の東西にほぼ同じころ 天才が二人それぞれの創造活動を続け それが 世に受け入れてられていたんだと思った。

二人の構図の大胆さと視点の独自性は当時としても 日本でもフランスでもなかったものだと思う。

人が凄い!!と感じいる創造物は時空を超えて こうして人を撃つのかとあらためて感じた。

 ランチタイムの予約時刻には今回は5人が揃った。よく食べよく飲んでよく喋った。

大谷翔平賛辞や小池論争や体のアチコチの傷みなど健康話などなど・・

 

49階からの新宿の混沌の街並みの眺めは良くも悪くもまさにアジアでそれなりに面白い。

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「没後15年 庄野潤三 展」が 神奈川近代文学館でスタート 8月4日まで。 「庄野潤三さんの小説を20代の頃からずっと読んできた」

2024年06月10日 | 音楽・絵画・映画・文芸

 

画展「没後15年 庄野潤三展――生きていることは、やっぱり懐しいことだな!」 | 神奈川近代文学館 (kanabun.or.jp)

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「庄野潤三さんの小説を20代の頃からずっと読んできた」

作家とその作品と、それを読む人間にはどうも相性ということがあるような気がする。

 例えば村上春樹さんの作品は私には向いていないと言うか 読んでも面白いと思えない。ただ彼のエッセイは好きだ。

庄野潤三という人の作品には最初の一冊「明夫と良二」から彼の世界に没入してしまった

   庄野潤三という人と出会ったのは私の人生の中の大きな僥倖だと思っている。

庄野さんが書いた本との出会いのおかげで、私は社会生活と家庭生活の中で何とか精神のぐらつきを支えてもらってこれまで生きてこられたような気がする。

§ 庄野潤三さんはどういう作家だったか 2009922日配信 毎日新聞の訃報から

「静物」や「夕べの雲」など日常生活を静かな筆致で描き、「第三の新人」を代表する一人として活躍した作家。

1955年、平凡な暮らしにひそむ危機をとらえた「プールサイド小景」で芥川賞受賞。

詩情豊かに生活の細部を描いて、安岡章太郎氏や吉行淳之介、遠藤周作らとともに「第三の新人」と呼ばれた。

夫婦の亀裂を描いた「静物」(60年、新潮社文学賞)は戦後文学の名作に数えられる。その後も「夕べの雲」(65年、読売文学賞)、

「絵合せ」(71年、野間文芸賞)、「明夫と良二」(72年、毎日出版文化賞)など人生の機微を追求する家庭小説を書いた。

一方で「浮き燈台(とうだい)」「流れ藻」など見聞に基づいてストーリーを構成した作品も好評に迎えられた。

「ガンビア滞在記」(59年)、ロンドン紀行「陽気なクラウン・オフィス・ロウ」(84年)、

脳内出血後の記録「世をへだてて」など、随想にも秀作が多い。

90年代後半からは自身の日常生活を題材に「貝がらと海の音」「庭のつるばら」などを主要文芸誌に書き継ぎ、健在ぶりを示した。

それは06年3月刊行の「星に願いを」に至っている。

「庄野潤三全集」(全10巻・講談社)がある。

§ どういうような小説か

◎例えば「ザボンの花」

舞台は昭和三〇年代初頭の東京の郊外、小田急生田駅近くの丘陵地に建つポツンと一軒家。あたりは麦畑や雑木林が広がっている。

その家には数年前に大阪から越して来た若い夫婦と三人の子ども、そして一匹の犬が暮らしている。

そんな一家の日常生活スケッチがこの本の内容だ。

大阪から東京に引越した著者一家がどんなふうにして暮らしているかを、大阪のお母さんに知らせるつもりで書いたという。

山中に住むようになった家族の日常生活のあれこれ、子供たちそれぞれの学校の友達のエピソード、地元のお百姓との付き合いや買い物の店の事。

文章はたんたんとして特に山場もない。

◎大阪の兄から送られた庭木の話、庭に植えた植栽の育っていく経過の話、小田原に住む長女からくる毎年の誕生日祝いの手紙の内容、宝塚歌劇の観劇の話、

大阪にある両親・縁者の墓参りの話、

その折に泊まるグランドホテルと中にある竹葉亭で鰻を食べる話、友人とのたまの飲み会の話、奥さんと二人で食後に奥さんのピアノ演奏で合唱する話、

子供たちが森にしかける鳥のワナの話などが繰り返し繰り返し出てくる。

 

◎須賀敦子さんという人が『夕べの雲』をイタリア語に訳している。『夕べの雲』を訳した理由をこのように語っている:(中井教授の著作から引用)

「この小説は読んで以来ずっと私の頭を離れなかったし、読んだ時すぐにこの本をイタリア語に訳せたらと思った。この中には、日本の、ほんとうに一断面がある。

それは写真にも、映画にも表せない、日本のかおりのようなものであり、ほんとうであるがゆえに、日本だけでなく、世界中、どこでも理解する普遍性をもっている。」

神戸大学医学部名誉教授中井久夫さん(文化功労者)は、その著でこう述べている。

庄野潤三の日本語は明瞭で、骨格があり、肌がきめこまかく膩(あぶら)がのって、気品とユーモアがある。

(中略)庄野が身辺を描いてなお私小説というラベルを拒むのは須賀さんのエッセイと同じ理由ではないか。

主人公は決して自己主張せず、むしろ状況を照らしだす。それが須賀さんに翻訳への心躍りをさせた力の一つだったのではないか。

§ 簡単な経歴

大正10年生まれ 平成21年死去 享年 88

1921-2009)大阪(住吉区帝塚山)生れ。大阪外国語学校英語科を経て九州帝国大学法文学部卒。海軍に入隊後少尉に任官。米軍上陸に備え砲台を建設する。

戦後府立今宮中学校教諭、朝日放送本社に勤務し昭和28年東京支社に転勤。当初練馬区に住む。昭和364月、神奈川県川崎市生田に転居。

長女夏子は生田中学校2年に、長男龍也は生田小学校4年に転入。次男和也は西生田幼稚園に入園。それ以来亡くなるまで48年間生田の家で暮らした。

 § 何故好きになりずっと読み続けているのか

彼の本を読むと心が落ち着く。こういう生き方が実際にあるんだと知った。

自分の会社生活や母と同居が始まった家族生活の日々の軋轢や悩みが何となく客観視できて心の持ち方が変わるような気がした。

自分がつきあっている人のどんな方々より親しい一家が出来て、その日々の経過や変化を読むのが楽しい。

3人のお子さんの学校生活のさまざまなエピソードと、学校を終えて就職・結婚し孫が生まれてそんな暮らしをしていることも彼の小説で全部知っている。

彼は周囲の人を全員好ましい人として遇し、暖かく描いている。読むだけで気持ちがほっこりする。現実ではないかも知れないがあらまほしき世界だ。

人の眼や世間の評価を気にしない人生を送り、ごく身近な題材ながらその狭い世界を常に好奇心を持って虫の眼と鳥の目を持って生活をしている。

 だから、庄野さんの生きている姿や流儀に憧れを持った 

§ 庄野さんの作品が持つ深みはどこから来たか

結婚生活が始まって間もなく、長女が赤子のときに奥さんが服毒自殺を図ったようだ。幸い発見が早く死に至らなかった⇒作品「静物」。

それがあってからの庄野さんの生き方は変わり、それに伴って作品も変わって行ったように思う。家族を大切にし、付き合う人びとを慈しんで生きた。

自身の戦争体験を底に秘め 戦後の世の中に生きた一家の日々の普通の生活の積み重ねを細部をゆるがせにせず描き続けた。

 平凡に生きる生活の中にも深みはある。

§ 自分の人生や生活と真逆の人生や生活

◎同じ場所同じ家に48年間ずっと住んだ庄野さん

  生まれてから19回の転居を重ね、社会人になってからも6回住む家が変わった自分

◎家族の扇の要を自然体でやり妻と三人の子らと常に話をし、交流し家族の中心にいた庄野さん

  母子家庭で育ったような生活の自分は父親との関係は薄かった。進学先も就職先も一人で決めたほどだ。

§ 庄野潤三の交友関係

 伊東静雄、島尾敏雄、佐藤春夫、三好達治、阪田寛夫、吉行淳之介、安岡章太郎、井伏鱒二、河上徹太郎、実兄の庄野英二

同じ帝塚山学院の同級生である芥川賞作家の阪田寛夫の次女は宝塚スターだった大浦みずきだが、

彼女の芸名は庄野潤三が名付け親で、ずっと一家で大浦みずきを応援していた。了

    これまで読んできた難波や梅田などの古本屋巡りもして集めた庄野さんの本。

2018年2月神戸から東京都江戸川区への引っ越しに伴い保管スペースがなく少数を残して断捨離した。

 記録のため書影を撮影。

庄野潤三と村上春樹の庄野批判を書いた興味深いブログ⇒こちら。

 

 

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皇居三の丸尚蔵館の開館記念展の第三期を楽しんだ。    その2    屏風や文房具なども当時の最高技量の優品が・・

2024年03月31日 | 音楽・絵画・映画・文芸

 

源氏物語屏風

 

 

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皇居三の丸尚蔵館の開館記念展の第三期を楽しんだ。    その1     藤原定家の「更級日記」墨書に感激。    

2024年03月30日 | 音楽・絵画・映画・文芸

 

Oh散歩会の6人は地下鉄大手町C13a出口に集合し 雨風激しい中を幹事さんが11時入場を事前予約してくれていた尚蔵館に向かった

 

藤原定家が鎌倉時代に筆写した「更級日記」の一部を目の前で観ることが出来た。

13世紀に書かれた和紙と墨書からなる逸物を 21世紀に生きる自分がいま目の当たりにしていることにいささか興奮した。

トータルの字の配りの見事さと 白と黒の流れの美にしばらく動けなかった。

 

皇居三の丸尚蔵館 The Museum of the Imperial Collections, Sannomaru Shozokan

 

 

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今年も3月9日から15日まで上野の東京都美術館で「日中合同水墨画展」が開かれます。

2024年03月06日 | 音楽・絵画・映画・文芸

友人の「長谷川和弘」さんの昨年の無審査作品。「真柏1600年の時」

昨年のアップ画像から・・

 

この合同展は今年が最後だそうです。今回も出展される長谷川さんも愛媛県から上京されるとお知らせ頂いたSさんありがとうございました。

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映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』本予告【2024年1月26日(金)全国公開】

2024年01月25日 | 音楽・絵画・映画・文芸

映画『カラフルな魔女~角野栄子の物語が生まれる暮らし~』本予告【2024年1月26日(金)全国公開】

『魔女の宅急便』作者明かす本音、ジブリ映画観て驚き 原作と異なる展開に「あれ?と思いました」→こちら

一部引用・・・

 1989年に公開され、スタジオジブリの初期作品として、いまも絶大な人気を誇る『魔女の宅急便』。原作者の角野栄子は、35歳で作家デビューし、同作を出版したのは50歳の時だった。

アニメ化された映画を初めて観た時には、原作と大きく異なる内容に戸惑ったというが、その後、自身の作品が国民的・世界的作品に成長していく様を原作者としてどう感じていたのか。

物語の誕生秘話や同作が愛され続ける理由を聞いた。

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童画家 武井武雄 著 「日本郷土菓子図譜  懐かしいお菓子」は楽しくて面白い凄い絵本だ。

2024年01月09日 | 音楽・絵画・映画・文芸

webから引用:武井武雄が遺した幻のお菓子画帳『日本郷土菓子図譜』。本書は図譜に掲載された全169点の郷土菓子を一挙公開。

水彩スケッチで描かれたお菓子たちは、まさに"世界一おいしそうな絵”です。巻末には現在でも買うことのできるお菓子情報を掲載。

武井の愛した郷土菓子たちを目と口で味わってみてはいかがでしょうか。

過去のブログよりclick←

店を出ると時雨店の斜め前の下里薬局の主人である中学同級の野村君が車で待っていてくれました。そして近鉄四日市駅まで送ってくれました。

奥さんが走って買いに行っていってくれた「太白永餅」のおいしかったこと。帰ってみんなで食べましたが洗練された旨さにびっくりです。

野村さんご夫妻ありがとうございました。




 

武井武雄さんは旧制諏訪中学で母方の伯父、伊藤良一と同級生だった。

当時諏訪郡玉川村の母の実家に中学生の武井さんは遊びに来られたことがあると聞いたことがある。

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大阪九条の映画館「シネ・ヌーヴォ」で多様な珠玉の 日本映画 35作品を上映中

2023年12月19日 | 音楽・絵画・映画・文芸

シネ・ヌーヴォ名画発掘シリーズ リクエスト特集vol.3

2017年のシネ・ヌーヴォ開館20周年にあたり、2016年に行った「20thプロジェクト」。そのコレクターになっていただいた皆様から特典として映画選択権をご取得いただきました。その選択権から2018年の第一回では17作品、2019年の第二回では22作品の作品を上映してまいりました。開催の度に新しい映画の発見があったと大変好評でしたが、第三回を予定していた2020年は、コロナ禍により延期を余儀なくされました。この度、その第三回として、またファイナルとして最後のリクエスト特集35作品を一挙上映いたします。大変お待たせしました。「観たい映画」「スクリーンに掛けたい映画」など映画ファンの皆さまが選んだ多彩で多様な珠玉の35作品。2023年の締め括りにどうぞお楽しみください。

 映画詳細とスケジュール⇒

シネ・ヌーヴォ名画発掘シリーズ リクエスト特集vol.3 (cinenouveau.com)

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  山田太一さんの死を悼みます。  山田太一さんは映画「異人たちとの夏」も忘れられない。

2023年12月18日 | 音楽・絵画・映画・文芸

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NHKの朝ドラ「ブギウギ」で淡谷のり子役をやっている【菊地凛子】さんが出演したアメリカ 映画「バベル」を以前観ました。   再掲載

2023年12月15日 | 音楽・絵画・映画・文芸
2007年05月16日(水)「阿智胡地亭の非日乗」掲載

映画「バベル」  

映画「バベル」を見ました。

 本当に才能があり、今のこの世をシャンと生きている人が他人に伝えたいことを持って書いた脚本、つまり良質の虚構(フィクション)は、

選択のない事実の羅列よりはるかに人に真実を伝える力がある・・・

  映画が終わってエンドクレジットが流れ終わっても、シートから立ち上がる気がおきず、そんなことが頭の中を過ぎりました。

題名は「バベルの塔」の話から来ていますが、人と人が交流する道具である「言葉」をこのように映像化した試みは外に知りません。

この映画を見ると「目と目で通じ合う」や「腹芸」などは島国にすむ幸せな人間たちの、仲間内の思い上がりに過ぎず、いざとなったら何の役にも立たないかもと。

アメリカ、メキシコ、モロッコ、日本それぞれの地で今を生きる人達が、おそらく本人たちはついに一生誰も知らないまま終るのだろうある一つのことでつながる。

よくもこんな映画を作ったものだと思います。

  自分の負けず嫌いの性格からきた軽はずみの行動が兄を死に追いやったモロッコの羊飼いの少年は、例えイスラム法で裁かれても、

生きている限り心の中で兄に対する自分の贖罪の気持ちを持ち続けるしかない。

この映画はエンドマークが出てから、主役から脇役まで、まだまだ一人一人のその後のドラマに思いが行く映画でした。

「映画はエンドマークが出てから始まるのだ」と言う小津安二郎監督の言葉をこの映画でも思い出しました。

菊地凛子さんは実在感のある東京のリッチな家のdeaf女子高校生を見事に演じ切っていました。

今回も何の予備知識もなく見たので、脚本が各国の脚本家の共同作業かどうかも知りませんが、彼女が主役の日本・東京篇だけでも、

今東京で生きる若い連中のある群像を描いて間然するところはありません。

二日酔い気味で見ましたが、ついに2時間25分をぱっちり目を開けて、心地よい緊張感を持続して過ごしました。

シニア料金の千円でこんな楽しみを頂けるなんてありがたいことです。ハンカチ必要です。

   「そんなやさしい甘いこと言うてるけど、あんた一番身近な、ほんとは一番大切な人と心が通じおうているんか?

あんたが好きなんは、ほんまはあんた自分のことだけやろ」、と監督はこの映画で刃を観客に向けてくる。

エンドクレジットに延々と流れるモロッコ、東京、メキシコ、アメリカそれぞれの出演者と撮影クルーの数の多さに驚きました。

映画を見てから監督、脚本家や各地の撮影クルー、信じられない演技をする各国の俳優と多くの素人のエキストラ(下手なプロ以上だ)のことを詳しく知りたくて公式HPを見ました。

こんなに時間をかけて映画のHPをじっくり見たのは初めてです。



なんとメキシコ出身の監督は長編映画の三作目だとか。そして各国での撮影期間は一年を越えたとありました。

こういう各国のいくつかの地域を舞台にする映画を撮る監督は壮大なオペラの指揮者よりもっと「言葉」の問題にもろにぶつかる。

HPで監督が語っている制作時の話がいみじくもこの映画の本質を示しているのも興味深いです。

何しろちょっとした細部の描写(それがまた全てスグレモノ)が全て積み重なって、それが最後に一つになってこちらに迫ってくる・・

この映画は映画の作劇術から言ってもクロサワなどと同等かそれ以上の天才が作った「じつに面白い映画」です。凄い監督が出てきたものだと思います。

映画はお勧めです。

『バベル』日本版劇場予告編

Babel - Trailer

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宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を観たが頭の中は大混乱のままだ。

2023年12月13日 | 音楽・絵画・映画・文芸

 吉野源三郎が書いた「君たちはどう生きるか」は中学生時代に読んだことがあるが、その書名とこの映画は内容に全く関係なかった。

ただ母親がかって主人公(宮崎?)に勧めた本と言うことで映画の中に一瞬登場しただけだった。

 事前に予備知識を全く仕入れず、宮崎さんの最新作というだけで映画館に行った。

東宝シネマ錦糸町オリナスでは15時一回きりの上映になっていてこの作品を上映するスクリーン8の観覧者は10数名だった。

 見終わった後の感想は

「宮崎さん一人で原作脚本監督をやっているので 好き放題だ。これは隠居した職人頭が自分のかってやりたかったことを

請負注文もないのに集大成としてやってしまった道楽作品だ」ということだ。

 だから筋書きを追っても主題を追っても無駄だ。

「壮大で大胆でスピーデイで目まぐるしく美しい画面は宮崎アニメーション作品が作った極限のワザをこれでもかと見せつける」そういう映画だと思う。

 私はこのおそらく宮崎さんの最後の監督作品で彼はそれまでやってきた「道楽」の最終仕上げをやったと思う。

   そう言えば「道楽」とは面白い字面だ。「道を楽しむ」と書くのだから。

今書きながら宮崎さんは異才ではなく 天才職人だと思った。

 

 映画を見終わったいま一つだけしかし宮崎さんのメッセージを感じた。悪意を持つ人間になるな」だ。

 

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