BIN山本の『映画にも程がある』

好きな古本との出会いと別れのエピソード、映画やテレビ、社会一般への痛烈なかくかくしかじか・・・

餓える子供達

2019年07月31日 | 写真集
これは長倉洋海さんの初めての写真集かも知れない。1980年に1年をかけて世界の紛争地域を撮ったもので
いずれもゲリラ側からの視点から撮ったもの。その後も世界を巡り、今はほかの活動にもアクティブだ。
ただこのタイトルは作品リストには載っておらず、のちに改題したのかも知れない。また今となっては懐かしい
「現代の眼」や「朝日ジャーナル」そのほかに特集されたものだ。ただ沢田教一氏やロバート・キャパとも違っ
た激しいしい戦闘場面はない。難民キャンプなどの写真も多く、その時写っていた子供たちはもう誰もいないだ
ろう、ほぼ40年もたっているのだ。
しかしだからといってその紛争が終わり、平和になったというニュースに触れていない。こうして人類はその
領土や宗教をめぐっての対立が終わらない。そして決定的な原因は富めるものと貧困に喘ぐものとの差だ。
世界の富を独占する100人ほどのお金持ちさん、その99パーセントを提供して下さい。残りの1パーセント
だけでも十分に豊かな生活が出来るだろうよ。して99パーセントを餓える子供達へ。
 「ゲリラ・七つの戦線」 長倉 洋海 写真集  未来社 定価2000円
  ( 1981年9月30日 第1刷発行 )