出題趣旨は,採点実感等と異なり,試験委員の罵詈雑言の中に込められたメッセージという側面がまるでないので,過去問題から試験委員が何をさせたいと考えているかを見抜いていく,という作業にはあまり適していない素材です。しかし,「問題文の読み方」アプローチと言う観点からは極めて有用です。以下のように出題趣旨を使用します。
まず出題趣旨を眺めながら出題された論点が何かを単に確認します。そしてその後,問題文を見ながら,「問題文のどの記述部部分から当該論点の存在に気がつけるのか,気がつくべきなのか」をチェックするのです。その年の誘導の仕方,問題文の読むべきポイントを出題趣旨から逆算して確認していくわけです。この作業は大変有益です。評価で使うべき部分も確認して行くと良いでしょう。
間違っても,「この論点が出たのか!」的な,「出た,出ない」のチェックだけして満足する,ということにならないよう注意して欲しいです。そんなことをして一体全体何の意味があるのか,冷静に考えれば分かるはずです。そんなことやっているようでは受かりません。