Hip Soul/Shirley Scott
(Prestige 7205)
(Prestige 7205)
プレステッジでの女流アーチストと言うと、ボーカルを除けばリリース枚数的にもダントツなのがオルガンのシャーリー・スコットであろうと思います。最初はおそらく以前にアップしたエディ・ロックジョー・デイビスのクックブックであろうと思います。この後タテ続きにロックジョーとは吹き込みを行っていきます。自身のリーダー盤も連続的に製作されていき、プレステッジがいかに売り出しに力を入れていたかが想像がつきます。このスタイルはジミー・スミスが確立したオルガントリオ(org/g/ds)と異なりorg/b/dsのトリオであったのです。ギターがいない事で低音部はBassに任せ、ピアニスト的にフレーズを弾くのがスコット流です。そして夫であるスタンレイ・タレンタインとの競演があいついで行われていきます。おそらく本日アップのHip Soulがこのスタンレイとのプレステッジ初競演ですよね。スタンレイが契約していたブルーノートで初競演した"Dearly Beloved"とほぼ同時期の演奏ですよね。
さて、このアルバムではStanley Turrentineとクレジットされておらず、テナーには"Stan Turner"とクレジットされています。A-1のタイトル曲”Hip Soul"を聴けば、そのサウンドはタレンタインそのものであり、どうしてこのようになったのかいろいろ想像をめぐらしますが真相は?です。Herbie Lewis(b), Roy Brooks(ds)が脇を固めたカルテットで演奏されます。A-3のややアップテンポの"By Myself"は当時のナイトクラブでの十八番だったようですね。B面はさらに注目です。B-1の"Trane's Blues"はColtraneが作曲者としてクレジットされていますが、Milesの"Vierd Blues"に他なりません。マイルスの香りプンプンのブルースが最高ですね。そしてB-2の"Stanley's Time"にはセンターラベルにちゃーんとタレンタインの名がクレジットされているのが面白いですね。タレンタインのアーシーな味はやはりこのトラックですね。最後はスタンダードの"Out Of This World"で締めくくられています。
所有盤はBergenfield NJの黄黒ラベル、番号からしてオリジナルですかねぇ?伸びのあるスコットのハモンド、アーシーなタレンタイン、強靭なルイスのベース、どれをとってもサウンドは折り紙付きです。