67camper's Blog

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ボーイズIIメンも真っ青!

2007-01-18 04:44:33 | jazz & vocal
Something Big!/The Metronomes
(Jazzland 978)


 このアルバムはご存知でしょうか?リバーサイド傍系のジャズランドがリリースした黒人男性コーラスグループです。元々はフィリーでスピリチュアルやR&B系の活動をしていた4人組です。彼らのデビューに多大な貢献をしたのが,当時クインシー・ジョーンズのバンドにいた女流トロンボーン奏者のメルバ・リストンです。彼らはデビューのために毎週日曜ごとにNYのメルバのアパートに通いトレーニングを受けたと言います。バッキングミュージシャンもジャズランドらしくJunior Mance(p), Les Spann(g), Henry Grimes(b), Grady Tate(ds)でB面の2曲でArthur Harper(b), Roy McCurdy(ds)が交代します。リストンは彼らのインストを含めてアレンジを担当し,とても魅力的なコーラスアルバムに仕上がっています。

 サイドA冒頭の"Green Dolphin Street"から彼らの世界にグイッと引き込まれます。フィリ-時代からのレパートリーの様ですね。続く"Back Door Blues"も黒いブルースフィーリングが溢れています。そしてゴルソンの名曲"I Remember Cliffford"が続き、コーラスがまるでベイシーのアンサンブルのように聴こえるフレディ・グリ-ンの"Til I Met You"、ワードレスで攻める"Monks Mood"とリストンのアレンジは冴えまくりです。B面トップの"This Could Be the Start of Something Big"、これもJ&Kのスィンギーな演奏を思い出すような素晴らしいコーラスですね。タイトルにしたのもうなづけます。Babs Gonzalesのlyricsのついた古くからのレパートリー、"Round Midnight"、"Night In Tunisia"も聴かせます。黒人特有の厚みのあるボーカルとバリトン,バスの絶妙なブレンドが素晴らしいです。男性コーラスでは洗練されたフォーフレッシュメンもいいですが,プィリーの街角からでて来た4人組のこのコーラス,“うーん・・・で・き・る”という感じです。ボーイズIIメンのルーツが以外とこんなところにあったりなんて思います。

 所有盤はジャズランドステレオオリジナルでブラックレーベルシルバーロゴです。ボーカルファンならずともインストの名演で知られる曲が多く,インストファンも充分楽しめる筈です。