Gal With A Horn/Clora Bryant
(Mode MOD-LP-106)
(Mode MOD-LP-106)
ジャズの世界もvocalを除けば,男性優位の世界であることには異論はないのでしょう。しかしながら,秋吉さん初め、昨日のメルバ・リストンもそうですが、ハッとするような才能を発揮するアーチストが少ないですが存在しますよね。ところが多くの女性プレイヤーについてはタイトルに掲げた”~~~”がついて回ります。といってもこの言葉は,本日アップのアルバムのライナーに書かれたセンテンスであり’57という時代背景を考えて割り引いてくださいね。でないと女性の方に,猛反発を受けそうで・・・。
でもって今日のアップはジャズオヤジ御用達のマイナーレーベルMODEからの一枚です。Cloraはビッグバンドでのセクションワークが得意な女性トランペット奏者でカレッジバンドの時代にはアポロ劇場にも出演の経験があるという事ですね。この時代のトランぺッター同様,なかなか粋なヴォーカルも聴かせてくれます。本アルバムはおそらくModeの新人発掘プロジェクトから考えるとデビュー盤でしょうね。レギュラーカルテット【Clora Bryant(tp, vo), Roger Fleming(p), Ben Tucker(b), Bruz Freeman(ds)】に加えホーンの厚みをましたサウンドを好みNormie Faye(tp)とJazzlandにリーダー作があるWalter Benton(ts)の参加が興味を惹きます。収録曲もスタンダード揃いでうれしいですね。すべてで彼女のボーカルとトランペットソロが聴けますが,A面ではタイトルの元になったハリー・ジェームスで有名な"Man with A Horn"がすきですね。B面では冒頭の”チャチャチャ”(聴けばわかりますよね!)を交えた"Tea for Two"でしょう。ベン・タッカーのピチカートに導かれて出てくる彼女のウォームなボーカルがたまりません。続く輝かしいトーンのラッパも切れがあって好演です。ベントン,フレミングのソロもあってこのアルバムのハイライトと言えると思います。
modeについては既にJoy Bryan, Don Nelsonをアップした時に少し触れましたが、Eva Dianaのイラストが魅力の一つですよね。BlueとGreenの中間的な色でバックカバーもこの色と言うこった作りです。所有盤はmodeのオリジナル、モノラル盤です。いつもコメントをいただける久保田氏が、この盤のカバーの真の色は?とmixiに書かれておりましたがこの画像でどうでしょうか?