67camper's Blog

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インパルスのベン・ウェブスター

2006-12-03 00:01:05 | jazz & vocal
See You At The Fair/Ben Webster
(Impulse AS-65)


 1964年のニューヨークはクィーンズのフラッシングメドウパークで行われたWorld Fair(万博)に因んで制作されたベンのアルバムです。彼しか出せない個性は古くはエリントンバンドで“フロッグ”の愛称で親しまれた事からもわかるように他のテナー奏者には出せない確立されたものです。サブトーン、リリカルなバラードプレイ、スインギーなトラックでのややダーティなトーンと、一聴すればベンとわかるテナーの巨人だろうと思います。インパルスはコルトレーンを始めとするややアバンギャルドなテイストのアルバム造りが有名ですが、このベンやアール・ハインズ、ライオネル・ハンプトン等スウィングエラから活躍した巨人達のレコーディングもあり60年代を代表するレーベルですよね。  

 さてこのアルバム、インパルスレーベルを反映するかのようなメンバーにドキッとしますよね。ピアノにロジャー・ケラウェイとハンク・ジョーンズ、ベースがリチャード・デイビス、ドラムがオシー・ジョンソンという新旧混在グループでのセッションです。サイドAでは冒頭のタイトル曲での、ベンのプレイとケラウェイの流れるようなピアノとの対比が面白いですよね。続く"Over The Rainbow"はベンのリリシズム溢れるバラードプレイが最高です。そして"In A Mellow Tone”でのダーティな音色のソロと彼の魅力が横溢しています。そして上記2曲でピアノを弾くハンク・ジョーンズのリリカルなプレイも見逃せません。B面ではケラウェイのハープシコードとの掛け合いでプレイする"Lullaby Of Jazzland"と"While We're Dancing"がいいですね。"Stardust"の圧倒的なバラードプレイ、"Someone to Watch Over Me"も甘さを配したハードボイルドなプレイが印象的です。  

 インパルスのステレオオリジナル盤です。万博会場のシンボル"Unisphere"をバックにしたベンの勇姿を捉えたコーティングカバーがGOODです。