『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

活路

2009年03月10日 09時36分31秒 | 航海日誌
今朝のNHKニュース。世界貿易の低下が急加速しているようだ。去年のピーク時から26%の低下。1929年世界大恐慌の場合、4年かかって20%低下しているそうだが、現在は四半期でその率を超えている。解説員が、このままいけば大変な状態を迎えることになるので、一刻も早い大規模な経済対策を打たなければならないのですと、淡々と語る。切迫感がない。NHKニュースとは、そういうものだ。古舘伊知郎のように語ったところで、仕方がない。経済の元の言葉は経国済民(国を治め民を救う)。誰が、救うのか。

社会人は自ずと利益不利益を常々念頭に置いて行動している。経済活動である。現代生活も経済活動に組み込まれている。ヘタに動いてバカを見たくないが、動かないで損もしたくない。平均的にいられればいい。ところが、バランスが狂った時は、平均値などない。経年変化は加速度的で、刻一刻と時間差問題になって臨界点を超える。

時々に書いている武道精神でいえば、武人は「居着く」ことを最も避ける。居着くとは、動けない状態のことだ。どんな状況下に置かれても、慌てず騒がず、平静を保ち、いついかなる時でも動ける心身でいることをよしとする。また是、不動とも云う。例えばの話、関ヶ原合戦場のど真ん中に居、慌てて動けば渦中に巻き込まれ一瞬で滅亡する。巻き込まれたくないならば、居着かないでそこにいるしかない。やがて一瞬、活路が開ける。それを歩めばよいと云う。