『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

老神温泉・伍楼閣

2010年11月27日 21時15分56秒 | 温泉へ行こう!
       バラの花が浮く「しぶつの湯」
       壁には尾瀬ヶ原と至仏山の絵も


山の話に花が咲く宿

群馬県片品渓谷を望む老神温泉の老舗旅館。片品川のせせらぎを眼下に、その絶景を眺めつつ湯浴みする気分は格別で、全国露天風呂百景に選ばれている。3つの露天風呂「赤城の湯・岩鏡・水鏡」があり、内湯の「しぶつの湯」と「ひうちの湯」には壁面に尾瀬と山の風景が描かれている。常連客には登山愛好家も多い。山の行き帰りに泊まる客もいるそうで、なかには百名山のすべてを登頂する人も。女将も大の山好き。「会えばすぐ山の話や秋高し」といった女将の俳句に心情が表れていて、山好きの心を和ませる宿だ。

【データ】
群馬県沼田市利根町老神602 電話0278-56-2555 料金/1泊2食1万1700円~ 交通/JR上越線沼田駅から鎌田行きバスで50分、老神温泉下車、徒歩2分


那須温泉・鹿の湯

2010年11月08日 20時04分47秒 | 温泉へ行こう!
       40人ほどが入られる広い浴場

湯治場の雰囲気

那須温泉の元湯、鹿の湯は、今から約1300年前に発見されたと伝えられる。狩野三郎行広が弓矢で傷つけた鹿を追うと、谷間に湧く湯で傷を癒す姿を見た。それが「鹿の湯」の名の由来である。正式な記録では天平10(738)年の正倉院文書に那須温泉の記述がある。ちなみに当地は、その名のとおり源氏方の弓の名手、那須与一の出身地だ。

古来より温泉地として知られた那須は、江戸時代には諸大名が湯治に訪れた。後世その名を馳せ、庶民の湯治場として明治期に建てられた湯屋は古湯の風情を醸す。温度ごとに6つに別けられた湯船は、41度から48度まであり、体調により入り分ける。白濁の湯は硫黄を含む酸性の泉質。肌がすべすべして女性には美肌効果も望めるが、長湯は禁物とされる。山のいで湯でのんびり身体を癒したい。近くには、全国でも珍しい「温泉神社」や奇岩景勝地「殺生石」もある。

【データ】
栃木県那須郡那須町湯本181 電話0287-76-3098 営業/8時~18時 休/無休 料金/400円 交通/東北新幹線那須塩原駅から那須ロープウェイ行きバスで50分、那須湯本下車、徒歩5分


三斗小屋温泉

2010年04月16日 16時51分54秒 | 温泉へ行こう!
       大きな露天風呂が名物

那須・三斗小屋温泉(栃木県)

また、途端に寒くなりました。こんな日には、温泉に浸かりたくなりますね。目だけでも入ってください。ということで、那須の山中にある秘湯「三斗小屋温泉」を紹介します。那須岳の麓には、名湯が数ありますが、ロープウェイで山頂まであがり、そこから2時間ほど歩いて辿り着く温泉です。

昔は、福島からの脇街道沿いとして栄え、10軒あまりの宿があったそうですが、今は山中に道も隠れ、徒歩で行く好事家か登山者のみの秘湯として知られています。宿は、「煙草屋旅館」と「大黒屋旅館」の2軒だけ。私はパイプを吸うので、煙草屋旅館に泊まりました。大黒屋もタバコは吸えますけど。

煙草屋旅館の風呂(写真)は、最高です。ほんとうに自然風景しか見えません。自分がニホンザルになった気分。天気が良ければ燧ヶ岳や会津駒ヶ岳が遠望できます。昭和30年代までは、湯治客が長期滞在して身体を治したそうで、温泉名の由来は、米を三斗食べないうちに治るといった評判から付いたとか。皮膚、神経、胃腸病などに効能あり。文庫本と酒を担いで1週間は滞在したい温泉です。

【データ】
栃木県黒磯市三斗小屋温泉「煙草屋旅館」 ☎0287-69-0882   冬期休業(12月~4月、ただし年末年始4日間は営業) 料金/1泊2食8000円 交通/東北新幹線那須塩原駅から那須ロープウェイ行きバスで1時間15分、那須ロープウェイ下車、那須ロープウェイ山頂駅から徒歩2時間、鉱山事務所跡から登るルートもあり徒歩1時間40分


伊吹山と薬草湯

2010年03月24日 11時26分04秒 | 温泉へ行こう!
       コテージの前庭には琵琶湖の風景が

琵琶湖の眺め絶景ロッジ

滋賀県の伊吹山2合目に建つログハウスのロッジは、2年前に取材で訪れた絶景地の山小屋です。標高600メートル地点の高台にあり、眼前に米原市、その向こうに琵琶湖が眺められ、その雄大な景色にしばし見とれました。この景色はまさに神話的で、眺めていて飽きることがありません。このお山はヤマトタケルゆかりの聖地でもあります。

当ロッジは、母屋のログハウスは食堂と客室が2つで、別にコテージも2棟あり、家族や仲間で別荘感覚での宿泊が可能です。食事は、春はタケノコ、秋はキノコなど山の幸を中心とした和風料理で、地元の豆腐、天ぷら、ちらし寿司なども出てボリュームもあります。のんびり過ごしたくなる、まさしく隠れリゾートと呼べるロッジです。

7種の薬草で健康増進の湯

さて、伊吹山には温泉はありませんが、山麓は薬草の里として知られています。古くから宮中に献上され、薬草栽培が奨励されたといいます。米原市の文化センター内の「薬草風呂」は、地元客はもとより登山者にも人気。トウキ・ジュウタク・ハッカ・センキュウ・チンピ・シャクヤク・ヨモギの7種の薬草が袋で浸され、やや黄色がかった湯からは薬草の香りが漂い、冷え性や凝り、あせもなどに効果があり、芯から体が温まります。百名山の一つ伊吹山の登山後、ひと汗を流すのにおすすめです。


【データ】
ロッジ山(やま)
電話0749-58-1535
滋賀県米原市上野 営業/3月20日~12月24日 休/不定休 料金/1泊2食付き7500円~コテージ9000円~ 交通/JR近江長岡駅から伊吹登山口行き湖国バスで16分、終点下車、登山50分(車でも行ける)

伊吹薬草の里文化センター「ジョイいぶき」
電話0749-58-0105
滋賀県米原市春照37 開館/12時30分~19時30分(入場は19時15分まで) 休/月曜(祝日の場合は開館)、祝日の翌日 料金/400円 交通/JR近江長岡駅から伊吹登山口行き湖国バスで10分、ジョイいぶき下車すぐ


八丈島・末吉温泉

2010年03月07日 16時05分00秒 | 温泉へ行こう!
       絶景温泉のひとつ、みはらしの湯

【末吉温泉・みはらしの湯】東京都八丈島

太平洋を眼下に眺め
気分壮快な島の天然温泉

伊豆諸島のひとつ八丈島は、東京から南へ約300キロの洋上の孤島。周囲59キロで、八丈富士と三原山の二つの火山を擁したひょうたん型の島です。NHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」は、この八丈島がモデルになったとも。江戸時代は、流人の島とされていましたが、その殆どが政治犯とされた武士や僧侶など。後には、町人も流されたが、案外職人が多く、その技能が伝承されて、島に根付いたようです。

さて、火山の島ということで、島内には7か所の温泉があります。滝を眺めて入る「裏見ヶ滝温泉」は無料の混浴です。なかでもその風景が素晴らしい「みはらしの湯」(大人500円)の人気がダントツ。地元の人も観光客もいっしょになって、暮れて行く太平洋を眺めて、あ~いい湯だな~。また、ゆっくり入りに行きたい温泉のひとつです。

[温泉データ]
泉質:ナトリウム-塩化物泉 効能:神経痛、筋肉痛、関節痛など


熱海温泉

2010年02月25日 17時45分35秒 | 温泉へ行こう!
       「金色夜叉」貫一お宮の像

電車で気軽に行ける
今も昔も温泉人気の街

東京から新幹線で50分、特急踊り子号で80分、名古屋からも新幹線で同じく80分で到着する「熱海」は、ちょいと気軽に行ける温泉地だ。駅前に出ると、すぐに湯煙のぼる「家康の湯」があって、そこかしこで湯が湧く温泉メッカを実感させられる。

そもそも熱海温泉は、1200年の古い歴史がある。その昔、海中に温泉が湧き起こり、浦が熱い海となったことから「あつうみが崎」と呼ばれ、それが変じて「熱海」の地名になったといわれる。万巻上人が薬師如来に祈願して、海中の泉脈を山手へ移したと伝えられるのが、今も市中に湧く「大湯」だ。「熱海七湯」の一つで、大岩の割れ目から湯煙を上げ迫力がある。

江戸時代の始めには、温泉を好む家康が家来を引き連れて逗留し、家光は当地に御殿を築き、家綱の時代は江戸城へ湯を運ばせたという歴史がある。明治時代以降は庶民の湯治場として栄え、数多くの旅館や別荘が建てられた。まず、皇族の御用邸(現在の市役所所在地)が建てられ、政財界の要人や文化人たちにも温暖な熱海は避寒地として愛された。熱海に別荘を構えた主な著名人に、後藤新平や犬養毅ら明治の大物政治家の名前が見える。また、明治文壇の重鎮、坪内逍遙も別荘を持ち、のちに移住して「双柿舎」と号してシェークスピア全集の翻訳に打ち込んだといわれる。

その熱海を全国的に知らしめたのは、「金色夜叉」である。明治30年(1897)から読売新聞で6年間、連載された尾崎紅葉の小説のクライマックス、主人公の貫一とお宮の別れの場面、熱海海岸のくだりは有名だ。当時、読者が熱海に憧れたことは想像に難くない。やがて、東洋のナポリと称されるようになり、新婚旅行のメッカにもなった熱海は、文人墨客らも別荘を構え、名門旅館に逗留した。

美術関係者のゆかりも深い。ざっと挙げると、地元出身の彫刻家「澤田政廣記念美術館」をはじめ、大規模な「MOA美術館」、絵本作家の「戸田幸四郎絵本美術館」、「池田満寿夫記念館」などが市内に点在している。眼前に海を、背後に山をしたがえた風光明媚な温泉町は、創作活動の場を求めるアーティストたちにとっても格好の地となったのだ。

熱海は今でいうところの人気の温泉リゾートだったわけだ。その伝統は現代に受け継がれ、古きを温める新しき町として活気づいている。古い宿に泊まって文人墨客の気分に浸り、見どころも豊富な熱海は、最低でも2泊3日くらいの日程で、のんびりしたりしたい温泉街である。


修禅寺温泉

2010年02月22日 17時16分52秒 | 温泉へ行こう!
       修禅寺宝物館の「頼家の面」


源氏の悲話が残る
伊豆の古湯

修善寺は、伊豆で最古の温泉地です。当地を訪れた弘法大師空海が、手にした法具の独鈷(とっこ)で桂川の岩床を突くと、湯が湧き出たという平安初期の古伝に始まり、1200年の歴史があります。まずは、修禅寺参拝から。当地発祥の古寺です。温泉由来と同じく、やはり弘法大師の開基。当時の古地名は桂谷で、寺の名も桂谷山寺と呼ばれていました。鎌倉時代に修禅寺となり、地名も修禅寺(現在は修善寺と書く)で今に至っています。

寺の宝物館で解説されたのは源氏の悲話。鎌倉幕府二代将軍、源頼家公の引退後の世継ぎ争いから修善寺に幽閉され、北条方の手により息を絶たれたと。その話にまつわるのが、展示される「頼家の面」です。頼家は筥湯に入浴中、湯船に漆を流されて顔がただれ、そのむごい顔を鎌倉にいる北条政子に見せんがために彫られたものと伝えられています。この面を世に知らしめたのは、岡本綺堂の『修禅寺物語』。明治44年(1911年)に発表された戯曲で、新歌舞伎として幾度も上演される代表作です。

岡本綺堂は、寺に伝わるこの面を見て、頼家公のお墓参りをし、それで物語を書いたのだと聞き、指月殿と墓をお参りしました。桂川を渡った先の山腹にある指月殿は、母である北条政子が頼家の供養のために建立した釈迦堂です。指月とは経典を意味しています。この堂宇に数千巻の経典を奉納した政子の思いがしのばれ、母心という慈悲が去来するばかり。頼家の墓所では、若い夫婦が乳飲み子を抱え、お参りする姿がほほえましくもありました。

もうひと足と向かったのは、源範頼公の墓所でした。頼朝の弟で義経の兄にあたりますが、あまり知られていない人物です。源平合戦では、全軍を率いる総大将を務めましたが、義経の奇襲戦の陰となり、軍勢をまとめる参謀に徹したといわれます。「和をもって」を信条にしたとも語り継がれ、最後は、この修善寺に幽閉され、世を去っています。

実は、私の先祖(在地・広島)は、範頼公の神社を屋敷内に建立して祀っていたという御縁があります。壇ノ浦へ向かう前に範頼公は本家にしばらく陣を張ったと伝わっています。その子孫の私が書いた『ソウルボート』という本も、終章でここ修禅寺の「頼家の面(二ノ舞の面)」が登場するのですが、創作ではなく自然とそのようになったのであり、ふしぎな縁(えにし)を感じます。

その修禅寺を訪ねた2年前ですが、時期は桜の花びらが舞い散る、春爛漫。かれらもののふの鎮魂の地をお参りさせて頂き、旅人として湯を使い、旅館でご馳走をいただける身を幸せと思い、只ただ感謝するばかりでした。

(2008年4月「ロマンの旅」取材より)


入之波温泉・山鳩湯

2010年02月16日 11時43分52秒 | 温泉へ行こう!
       木枠が温泉成分で石風呂になるほど

【入之波温泉・山鳩湯】奈良県川上村

ダム湖の最奥にひっそり
秘湯の隠れ温泉

黄褐色の含炭酸重曹泉が毎分500リットル自噴する温泉です。浴槽は杉作りなのですが、豊富なミネラル分が付着して岩風呂化しており、ここまで濃厚な炭酸泉は全国でも珍しいとか。お湯は39度と温めで、ゆっくり浸かっていられます。ただし湯あたりするので長湯は禁物。飲めば糖尿病に効果があるとの評判も。取材時、大阪から父子で来ていた方が「父を連れて来たいと思ってて、やっと親孝行ができました」と、にっこり。大迫ダム湖畔にあり、眺めも最高。湯上がりは名物のあまご釜飯(1500円)が楽しみです。宿泊施設(要予約)もあるので、湯治気分で滞在することもできます。

[温泉データ]
泉質:ナトリウム-炭酸水素塩 効能:神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、慢性消化器病、慢性婦人病、ヒステリー、冷え症など
入之波温泉・山鳩湯 ☎07465-4-0262
奈良県吉野郡川上村入之波292-33 ●営業10時~17時 ●1泊2食付11550円~ 外来湯700円 ●近鉄吉野線大和上市駅からクルマで約50分


筑波山温泉

2010年02月12日 09時50分13秒 | 温泉へ行こう!
       雲海が広がる早朝の露天風呂「雲上の湯」

【筑波山温泉】茨城県つくば市
 関東平野と富士山を見渡せる
 絶景かな~絶景かな~の露天風呂

今回、紹介する筑波山温泉の「青木屋」は取材で訪れ、すぐにプライベートで泊まりに行った温泉ホテルです。東京からつくばエクスプレスでの近さもありましたが、何と言ってもその露天風呂「雲上の湯」の眺めが絶景かな~! 関八州(関東平野)が一望、その西方に富士山まで見えるといった景色です。

全国あちこちの露天風呂に入っていますが、今までで眺望ナンバーワンの露天風呂です。その眺めも、季節や時間帯によりさまざまに変化します。早朝は雲海で真っ白、空の上にいる感覚。昼間晴れれば、関東平野一望。夜は満点の星で、遠く東京タワーや新宿のネオンも見える。と、何度入っても飽きることがありません。食事も部屋食で、味はスタンダードですがボリュームたっぷり。これで一泊料金1万円ちょいは安い。東京・近県の方に、週末オススメしたい温泉です。ベタ誉めですが、宣伝料などもらってませんよ(笑)
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[温泉データ]
泉質:アルカリ性単純泉 効能:神経痛、疲労回復、美肌など
「筑波山ホテル・青木屋」☎029-866-0311
●茨城県つくば市筑波753-1●1泊2食付1万650円~●「つくば駅」からシャトルバス40分、筑波山神社入口下車、徒歩5分


湯の山温泉

2010年02月09日 11時25分59秒 | 温泉へ行こう!
       広島藩主・浅野公入浴の湯殿

【湯の山温泉(ゆのやまおんせん)】広島県湯来町

広島藩主により260年前に
開湯された鄙びた温泉地

1月の中旬、里帰りをした折、母親を連れて広島山間部の温泉へ行ってきました。母は長年、冷え性で足腰が痺れ、最近では立っているのが辛い日もあるほど。親孝行というほどもないのですが、墓参りをして温泉へと連れだしました。広島近隣で有名なのは「湯来温泉」ですが、母が賑やかな所は行きたくないというものですから、その近くの「湯の山温泉」へクルマを向けました。ここは、山里に埋もれたような、実に鄙びた温泉地で、斜面に旅館・民宿が数軒、へばりついたような風情です。それでも近年できたのか町営のスパ施設があって、案内板を見ると1500円の料金を取るようで、ここはパスです。

母が、むかーし、連れて来てもらった記憶があるという、共同風呂を探しました。山上の湯の山神社の下にあり、350円。名物の打たせ湯もあって、湯治場風情を醸しています。市内からよく通うというおばさんが、ここの湯のお陰で目がよく見えるようになったといいました。ラドン泉は目にも効くようです。なら、母の冷えにも効果ありか、出来れば長く湯治すればいいのにと思いました。ここには長期滞在の湯治客も多いそうです。

この湯の山温泉は、今から260年前の寛延3年(1750)に、広島藩主・浅野吉長公(7代)が藩の事業として開いたといわれます。共同風呂の上には、その古い湯殿小屋が保存されていて、ちょっと不気味な雰囲気もありますが、歴史を感じさせる場所となっています。日本人は昔から、温泉療養で病を癒してきたのです。一体、日本には幾つの温泉があるのか。私は、この温泉をテーマに、これまでにない本格的な雑誌を出したいと考えています。こんな凄い湯があると、ご当地の温泉情報を、是非ともお寄せください。

[温泉データ]
泉質:単純弱放射冷鉱泉(ラドン泉) 効能:神経痛、関節痛、五十肩、冷え性、慢性消化器病、皮膚病など
●広島県広島市湯来町和田温田 ●共同浴場350円 ●JR広島駅から広電バスで90分


洞川温泉

2010年01月18日 11時56分32秒 | 温泉へ行こう!
       坪庭を眺めて浸かる「後鬼の湯」

【洞川温泉(どろがわおんせん)】奈良県天川村


修験者の定宿として500年の
歴史を誇る温泉旅館

奈良吉野の奥座敷にある洞川温泉は、大峰山の修験者たちが山修行の疲れを癒す宿として栄えてきた歴史があります。川沿いに十数軒の宿屋が並び、そのうちの一軒が老舗旅館「花屋徳兵衛」です。創業は大峰山の行者が一般化し始めた室町時代と伝えられ、今の主で17代目。建物は、昭和20年代に建て替えられたものですが、すでに半世紀をへて風情があります。夜には軒先に提灯が灯り、通りから下駄の音が響いてきて、ふと、今はいつの時代かと、レトロな時間へと誘います。

坪庭を眺めながら入る温泉は、弱アルカリで肌にやさしく、ぬるめの湯でゆっくりでき、24時間いつでも湯浴みできます。部屋に運んでくれる食事は、アユの塩焼き、湯豆腐など素朴な山料理「名水豆腐会席」で、旅籠のように昔ながらの箱膳でいただきます。行者の泊まり客は年々減って、今では半分以上が一般客。関西地方では、ここ洞川温泉は有馬温泉に次いで人気があり、昔風情の宿屋の味わいが新鮮だと、若い客層からも好まれているようです。奈良の奥吉野への心身リフレッシュの山旅で、お勧めしたい温泉地です。

この温泉街のすぐ近くにある「大峰山・龍泉寺」は、役行者(えんのぎょうじゃ)が開山した修験者の道場です。八大龍王尊を祀り、大峰山からの氣が満ちあふれています。いわゆるパワースポットですね。龍王さんの氣は相当に強いものを感じます。願掛けなどせず、ご挨拶程度で済ませるのが肝要です。私はどこの聖地を訪ねても、「ご縁で訪ねさせて頂き、有り難う御座います」と、挨拶で済ませています。宝くじが当たりますようになどとお願いしてはいけません。もし当たったりしたら、後が恐い(汗・笑)。また、近隣には芸能の神さまとして名高い「天河大辨財天社」もあります。こちらは芸能人や女性の参拝客も多く訪れ、やさしい氣に満ちています。ここでも、ありがとうございますで、お参り。後はまた、近くの村営温泉に入って、ほっこり湯浴みが気持ちいいです。

[温泉データ]
泉質:単純アルカリ泉 効能:神経痛、疲労回復など
洞川温泉「花屋徳兵衛」☎0747-64-0878
●奈良県吉野郡天川村洞川温泉 開 外来入浴22時まで(宿泊者が多い場合は不可)●1泊2食付1万2700円~、外来入浴600円 ●近鉄吉野線下市口駅から洞川温泉行きバスで80分、終点下車、徒歩8分


白山温泉

2010年01月09日 11時25分06秒 | 温泉へ行こう!
       白山温泉・永井旅館の源泉かけ流し風呂


【白山温泉(はくさんおんせん)】石川県白山市

霊峰白山の温泉

石川県の白山は、霊峰として崇められるお山。精神世界系ブログ人気ナンバー1の「伊勢白山道」でも、太古から信仰を集めた聖山だと伝えられています。私は近年、二度訪れていて、白山麓の三宮町にある「白山比め神社」にお参りしました。創建は崇神天皇の世と伝えられ、一昨年2100年祭を迎えた古社です。祭神は、白山比め大神(菊理媛神/くくりひめのかみ)、伊弉諾神(いざなぎ)、伊弉冉神(いざなみ)の三柱を祀り、白山を御神体としています。養老元年(717年)に僧・泰澄(たいちょう)が白山に登拝して後、信仰が全国に広まったと伝えられています。各地の白山神社は、その数三千余社といわれ、当社が総本宮です。「伊勢白山道」のブログ読者も、伊勢神宮と合わせてお参りに行く方が多いようです。

さて、その白山麓手取川流域には、いい温泉も数多くあります。その中から、おすすめの宿を2つ紹介しましょう。まず、手取湖畔にある白峰温泉の静かな和風ホテル「白鵬(はくほう)」です。源泉から引かれたお湯は、肌がつるつるする通称「絹肌の湯」で、ことに女性客に喜ばれているとか。湯上がりの楽しみは、当館の個性的な炭火焼き料理。炉端式の座卓では赤々と炭火が燃え、岩魚、堅どうふ、里芋、トチモチ、鳥つくねなど地産の食材を焼いて食べます。これが、ことのほか旨い。創業当初からの名物で、炭火焼きを目当ての客もあるほどです。そのほか白峰温泉郷には、町営の日帰り温泉施設などもあるので、温泉三昧を楽しめます。

[温泉データ]
泉質:ナトリウム・炭酸水素塩泉 効能:筋肉痛、打ち身、くじきなど
石川県白山市桑島10-1-52 ☎076-259-2331 1泊2食9450円~ 外来入浴700円 ●JR金沢駅から北鉄バスで1時間45分、桑島温泉下車すぐ


白山登山口にある
昔ながらの温泉宿

永井旅館は白山麓の一軒宿で、これより奥の「別当出合」の登山口まで人家はありません。かつて白山禅定道と呼ばれた道筋にあり、江戸時代には近辺に湯小屋や薬師堂があったそうです。昔の登拝参詣者はここの温泉で疲れを癒したといわれ、明治以降は旅館が数軒できましたが、昭和9年(1934)に起きた水害で壊滅したといいます。その翌年に永井旅館が創業、白山禅定道一帯を復興させて今に至っています。

そうした昔の山人の苦労に感謝しつつ、板囲いの湯に浸かれば幸せ気分で有り難や~の湯です。飲用の源泉を口に含むとシュワッと刺激が胃に染み通ります。主人が採った山菜料理や岩魚の塩焼きで地酒も進むことうけあい。翌朝、六万山の奥に、白山が眩しくそびえているのを遙拝しつつ、来られて良かったと思いもひとしおでした。営業は雪解けの春からですが、白山麓の静寂なるひとときを味わいたいなら、おすすめの宿です。

[温泉データ]
泉質:弱食塩泉 効能:筋肉痛、疲労回復、冷え性、皮膚病など
石川県白山市白峰ノ38 ☎076-259-2339 営業 4月下旬~11月上旬 1泊2食10650円~ 外来入浴600円 ●金沢駅から別当出合行きバスで1時間45分、市ノ瀬下車すぐ(夏期・秋期のみ)、ほかの時期は白峰車庫より送迎あり


皆生温泉

2010年01月08日 10時38分57秒 | 温泉へ行こう!
       神秘の岩風呂「たらちねの湯」

寒い毎日なので温泉ガイド続けます。私が入った思い出の温泉(西日本~東日本)を紹介しますので、「温泉へ行こう」の際の、ご参考にして頂ければ幸いです。


【皆生温泉(かいけおんせん)】鳥取県米子市

米子市の弓ヶ浜海岸にある皆生温泉は交通の便もよく、「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる記念館がある境港にも近い人気の温泉地。元は海中に湧いた温泉で「海池」と呼ばれ、砂浜に穴風呂を掘って入ったといわれます。温泉旅館が建ったのは大正の頃からで、現在20の宿が軒を連ねています。山陰一の漁港、境港からの鮮魚で作る海の幸の料理も楽しめる温泉です。

その一軒「海潮園」は、文人往来の宿とも称されています。先代の館主が作家の野坂昭如、阿部牧郎らと親交があり、岩風呂「たらちねの湯」に浸り構想を練ったといい、名作が生まれたのは、その風呂のお陰だと語ったとか。また大正の末頃には、その岩風呂で、大本教主の出口王仁三郎が経典「霊界物語」(全81巻)の数巻を口述筆記したという逸話も残っています。湯に浸り、すらすらとそらんじる神秘の物語を弟子が書き取ったといい、なにやら霊験あらたかな湯のようです。私も夜中に入ってみましたが、出るのは鼻歌ばかり・・・兎に角、いいお湯でした。湯は海水のミネラルを含み、肌を潤し疲れを癒してくれます。次回はゆっくり湯につかり、作品の構想を練りたいと思っています。

[温泉データ]
●泉質:含塩化土類含塩泉 73.5度 ●効能:リウマチ、切り傷、皮膚病、更年期障害など
皆生温泉「海潮園」鳥取県米子市皆生温泉3-3-3 ☎0859-22-2263●1泊2食付き12750円~ 外来入浴500円  ●交通JR山陰本線米子駅から皆生温泉行きバスで20分、停終点下車、徒歩5分


三朝温泉

2010年01月07日 06時28分06秒 | 温泉へ行こう!
       三朝温泉、名物の川原湯

昨日、温泉の効用について書いたので、引き続き温泉ガイドです。今後はシリーズ(不定期)として、私が入った温泉を中心に紹介しますので、「温泉へ行こう」の際の、ご参考にして頂ければ幸いです。


【三朝温泉(みささおんせん)】鳥取県三朝町

 三朝温泉の歴史は、800年余り昔、源義朝の家来、大久保左馬之佑が発見したと伝わる古湯。狩りに出た左馬之佑が白い狼に出会い、矢を射るのをやめて助け、その礼に源泉を教えられたという伝説が残っています。温泉街のそここで飲泉が湧いていて、神社の手水舎も温泉です。飲めば胃腸に効くとか。

 高濃度のラジウム含有量は世界屈指を誇り、お湯を浴びれば新陳代謝を促して、免疫力、自然治癒力が高まるそうです。「ホルミシス効果」と呼ばれるもので、三朝温泉は昔から多くの湯治客で賑わっています。疾病を抱えた方のための温泉療養施設もあります。お湯の質は、硫黄泉とはちがって透明でさらりとしたクセのないもので、コレ効くのかなといった感触ですが、目には見えない放射能泉の威力が発揮されているのです。

かつて当地を訪れた文人に、志賀直哉、与謝野鉄幹と晶子、島崎藤村らがいて、その昔、遠路を汽車で旅して訪ねたのも、三朝の評判が轟いていたからにほかありません。温泉街で下駄をカランコロン鳴らせて歩けば、そんな文人気分も味わえます。河原の露天風呂は無料で、町の人たちが湯浴みする姿が風物詩となっています。

 冬場の楽しみは、カニ尽くし。私が泊まった木屋旅館でも、松葉ガニの刺身、炭火の焼きガニ、カニみそ、カニ鍋、カニ雑炊と、正真正銘のカニ尽くし!「活きガニは、水揚げして時間が経つと身が痩せるんです。だから近海もので港から近い所で食べるのがいちばん」と、館主に説明されて納得。どう納得かは、ご自分の舌で、ぜひ。また、昔まちとして観光名所となっている、倉吉も近い(約9キロ)ので、山陰の歴史さんぽと温泉を兼ねた旅をおすすめします。

[温泉データ]
三朝温泉/●泉質:放射能泉、弱食塩泉40~80度 ●効能:神経痛、自律神経、痛風、糖尿病、胃腸病など ●旅館・ホテル40軒ほど


温泉効果

2010年01月06日 20時42分33秒 | 温泉へ行こう!
       奈良県天川村の洞川温泉

正月はどこへも行かず、半分仕事で後は大好きな酒を飲んで過ごしました。まあ、のんきな寝正月ですな。ちょいと腹のでっぱりが気になる。

さて、今日は「健康」について少々。先年、父をガンで亡くし、その後も、ガンとは何かと調べています。抗ガン剤とガン保険など、それこそメスを入れたい問題はありますが、今日はそこには触れません。ガンと温泉の話をします。

皆さんも、秋田の玉川温泉のうわさを聞いたことがあると思います。ガン患者が岩盤浴や温泉に浸かって、ガンが消えたという評判の温泉です。父にも母が勧めた温泉でしたが、行かないうちに他界しました。とにかく、ガンが治ったという実例がたくさんあり、患者は必死ですから、今では温泉のスペースが足りないくらいだそうです。玉川温泉の泉質は、強酸性硫黄泉で100度近い高温泉。これで徹底的に身体を温めるのです。

それと並んで知られるのが、山梨県須玉町の「増富(ますとみ)ラジウム温泉」です。こちらは放射能泉で、ラジウムの含有量は世界有数です。効能に、ガンとハッキリ謳っているのも増富ならではです。同じく、鳥取県の三朝温泉もラジウム泉で有名ですが、効能にガンとは書かれていないようです。

なぜ、これらの温泉がガンに効くのか。治療に放射線が採用されているように、ガン細胞を抑える効果があるからでしょう。しかし、医療の放射線は身体へのダメージが大きく、健康な細胞も破壊してしまいます。ところが、天然の放射線は微弱なため、身体を痛めつけるほどではないので、じんわり効果が期待できるようです。もちろん、ガンでない人も細胞を刺激して健康増進に効果があります。

それと共に、温泉の効果は、やはり身体を温めることにあるといわれます。ガン患者は低体温の傾向にあり、身体が冷えるとガン細胞が活性化するという説があります。逆に、身体を温め、免疫力が高まると病気は治ると提唱する石原結實医師の説もあり、身体を温める温泉療養は大いに期待できると思われます。また、温泉ではなくとも、家庭でぬるめのお湯に30~40分じっくり浸かり、汗をかくといいようです。

現代人には、35度台の低体温が増えているそうです。低体温だと、病気にかかりやすいといわれます。もし、体温が低めならば、身体を出来るだけ冷やさず温めるよう日常で気をつけたいものです。もしかりに調子が悪いなら、温泉大国の日本ならばこそ、思い切って温泉療養するのもいいかもしれません。離れて暮らす私の母は、長年、冷え性で痺れに悩んでいますが、転地療養の湯治場へ行ってみてはと勧めているところです。