『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

私たちは、どこから来てどこへゆくのか?    ゆうでん流ブログ・マガジン(エッセイ・旅行記・小説etc)

ぼくのパブコメ

2012年07月19日 23時05分13秒 | 核の無い世界へ
ぼくのパブコメ
「エネルギー・環境に関する選択肢」

福島の原発事故がいまだ収束しない中で原発再稼働は正気のさたと思えない。放射能廃棄物の処理が出来ない現状、稼働はありえない。ゆえに即刻、原発ゼロへ着工。このまま進めば近未来に日本は消滅。それでいいのか?(100文字)

締め切りは8月12日。政府へパブリックコメントを送りましょう!
たとえ、国民の声を聞きますパフォーマンスであっても、自分の意志を確認するという意味で、公言は大事です。我が我に問うという、そこに価値がある。

もしかしたら、パブコメは、選民政策の第一歩かもしれない。こいつは非国民だというラベル貼りかもしれない。それでも、この短い人生で、私は私に嘘をつかなかったという証文が残るのです。

恐るるに足らず。

メッセージ

2012年07月14日 14時49分37秒 | 航海日誌
昨日、伊勢神宮へ参拝して帰ってきました。仕事の流れで自然にお参りができました。いままた禊ぎができ、またソウルボートが進められそうですので、一端、過去へ帰って、未来へ進みたいと祈念しております。

さて、以下の話は私が今から十三年前に書き始めた、『ソウルボート』の私家版の、プロローグです。この書き出しは、実際に、体験したままの話であり、それを信じるか、信じないかということよりも、その中身にしか意味はないと思っています。2000年に、確かに、メッセージが伝えられていたといった・・・そして、これからの未来へ繋がる、その意味とは・・・それこそが、人間にとって大切なメッセージであると感じています。

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私家版『魂の舟』

プロローグ
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半年ぶりに会った旧友と、池袋で酒を飲んだ。
しこたま飲んだわけではないが、やはり酔っぱらっていた。
深夜の交差点。ふらり、ふらり、歩いていると、ぱらぱら小雨が降ってきた。自宅までさほどの距離でもなかろう。歩いて帰るつもりも、しかたなし、タクシーに乗ろうかと思った瞬間、私に狙いをさだめたように一台がすぱっと止まった。開いた扉に吸い込まれるようにして、乗った。

闇に降りそそぐ秋雨・・・
フロントグラスでワイパーが律儀に、ぱたぱた働いている。シートがひんやり冷たい。タバコを吸おうか、迷う。
四十代とおぼしきドライバーが、ルームミラーに視線を移し、
唐突に、
「神様の話をしてもいいですか?」と、いった。
私はひとつ咳払いし、
「宗教には興味ありませんから」と返した。

ドライバーは、この話は宗教と関係ありません、四ヵ月前から突然、声が聞こえるようになったのだといった。
以来、声の指示どおり都内を走っていて、いまもこの私をタクシーに乗せろといわれたから車を止めたという。声の指示に従い、そのようにして乗せた客は、今日はこの私でふたり目だということだった。
私の神経が右耳に集中した。酔いが、かき消えた。

「声が聞こえても、私にはわけが分からないんですよ。なにかご存じだったら教えていただけないでしょうか」
ドライバーは、やたら生真面目な声。
「ええ、どんなことでしょう?」
私は、ゆっくり息を飲んだ。
すると、ドライバーはハンドルを握りながらドアガラスのほうに耳を傾け、遠くのなにかを聞く素振りをみせ、それからおもむろに口を開いた。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず、というのは虎の児ではなく、ほんとうの意味は、昔からの言い伝えの故事だそうです。私にはどういう意味だかさっぱり・・・」
「虎児ではなく、故事?」
「ええ、故事です」
雨にぬれる窓の外にビルの明かりが流れていく・・・。
「ああ、それはですね、古き知恵に学ぶにはそれなりに覚悟がいるということじゃないでしょうか。人は前ばかり見て、うしろを振り向くのは怖い。ほんとうに勇気がなければ過去を振り返れない」
「はあ、なるほど。では、これは、これからは中国が重要な国になるっていうんですが・・・」
「そうですか、私もそう思いますね、だって中国の人口は実際には十五億人以上いるらしいですよ。世界の四人にひとりは中国人ってことですから、どう考えたって重要な国のはずです」

次の交差点の赤信号でブレーキを踏んだドライバーが、また右耳を窓側に傾けた。
「じゃあ、地上で処理できないゴミは宇宙へ捨てるしかないというのは?」
「ゴミですか・・・それはたぶんプルトニュウムのことだな。核廃棄物ですよ。放射能の半減期が何万年もかかりますから、子孫にとってはとんでもないプレゼント」
「ゴミって、そういうことですか!」
「そうだと思いますよ」

「じゃあ、もうひとつ、南極の氷が融けるの、融けるの字は、ほんとうは理解の解だってのは?」
「氷が融ける・・・やっぱり、地球の温暖化の問題ですよ」
「温暖化?」
「そう、これ以上オゾン層を破壊すると地球の平均気温があがって南極だって融けちゃいます。そうなったら、この東京なんか水没してしまいます。国の既得権がどうこういっている場合ではないんですよ」

まるでナゾナゾのような会話が続いていた。
しかし、そのどれも私が気になっていた話題ばかり。それらはこの私が最近、本で読んだり人と会話していた内容だったから、ドライバーの質問に即座に答えることができたのである。故事と中国、核、温暖化、そのどれもが地球規模の重要テーマ!

私はその話題には目を見張ったが、神の声が聞こえるというこのタクシードライバーのことはすこしも驚くことがなかった。東京にも、神の通信係りがいるのかと思っただけだ。
ただし、この人物はその意味までを解説する能力はなかった。おそらく、テーマごとに意味をしゃべることができる人間をタクシーに乗せ、メッセージを伝えているのだろうと思われた。そのときは私がそうだったということになる。

ドライバーは私の解説を聞いて、ひとつひとつの意味が分かったといってハンドルを握ったまま身を躍らせ、たいそう喜んだ。
タクシーはすでに私のマンションの近くまで来ていた。
「あの、家はもうすぐそこなんですが、今度は私が質問していいですか?」
ドライバーの背中に向けて私はそういった。
「はい、どうぞ」
男はそういってタクシーを路地脇に止め、料金メーターを起こした。
「じつは、私は沖縄の宮古島で神の声を聞く人から命を救われたんですが、これからどうしたらいいのか、なにかヒントでも教えてもらえないでしょうか?」
「わかりました、聞いてみます・・・」

しばらくの沈黙のあと、男は申し訳なさそうな声でいった。
「それは教えることはできないそうです。自分で見つけることだからそうです。でも、きっといいことがあるそうです。あきらめずに、がんばってくださいとおっしゃっています」
そういわれ、私は残念に思うどころかうれしくなった。簡単に答えをいう神なら、ほんとうかどうか怪しい。答えは自分で探せという神様。これはほんものかもしれぬ。それにしても、この神様はどちらのお方であろうか。

タクシーを降りると、さきほどの雨がうそのように止んでいて、マンションのうえに丸い月が浮かんでいた。私は月が好きだから、月の神様かも、と思った。
降りるまぎわ、私はドライバーから電話番号を受け取った。しばらくして、やはり気になってメモ書きの番号をプッシュしてみたが、その番号はすでに使われていなかった。彼はいまも神の声を聞きながら夜の街を走り続けているのだろうか。

それ以来、タクシーに乗るたびに私はあの夜を思い出し、前でハンドルを握るドライバーの背中を眺めるようになった。
そしてこころの中で思うのだ。
「あきらめず、自分の道を歩いています」と。
無宗教の私が、神を信じている。
なぜか?
そのわけをこれから話そう。
世にも不思議な因縁の、終わることなき連綿の、物語を。
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私家版『魂の舟』プロローグより

ソウルボート修繕中

2012年07月06日 09時30分48秒 | 航海日誌
フェイスブックでの情報で、放射能問題についての大事な情報ソースを得ました。

それは「みんなのカルテ」など、放射能がどのように国民に健康被害を与えているかを、ネットを使って収集、情報共有する活動サイトです。

http://frmr-jp.blogspot.jp/2012_01_01_archive.html

ジャーナリストと医師たちで立ち上げたサイトですが、ここには非常に重要な情報が集まっています。国や行政がふたをしている事。国民の健康被害・・・すぐに健康には影響ありません・・・というものについて。

いま、放射能精神障害というカテゴリがあると。ひどく放射能を恐れて過敏になっている人々だけを指すのではありません。無視して意識しない人々も同じく、放射能精神障害というカテゴリに入ると考えられます。つまり、その代表者は野田首相ともいえます。分裂状態にあるという認識が、このサイトから学んだ、いちばんの収穫でした。

私は、このテーマからしっかり書かないといけない問題があると思い、きちんと時間を取って、このブログでも論じていくつもりです。ただ、感情に訴えるだけの言葉は有功ではないと感じています。いい意味でも悪い意味でも精神というものはそんなにヤワではありません。強固です。それを説得するのは容易なことではない。勢いだけで書くことは控えようと思います。

「ソウルボート」はいったんは沈没しましたが、また浮上いたします。しばし、修繕の時間を。

毎日

2012年07月03日 23時46分52秒 | 航海日誌
自分がいる場所で、毎日、原発の話をしている。家でも、職場でも。そのうち嫌われるだろうが、しかたない。話さずにはおれないのです。

人が耳を傾けられるような話口調を思うが、うまくいかない。その目の前に居る人を批判するような物言いになると、誰も話など聞いてくれないから。

ここで書いていることも、同じだ。書き方というものがある。でも、うまく書けているとは思っていない。

妻も少しは話を聞いてくれたけど、寝てしまった。おもしろくないからだ。興味のないことはおもしろくない。いわんや、原発の禍害など、自分のこととしてなど考えたくない。恐いからだ。

毎日、そうだ。そんな話など、聞きたい人は希だ。1割もいないだろう。だから、ここで書いていることを読んでくれる人も原発前から、随分減った。だから、最近はフェイスブックばかり書いている。

言い訳だ。伝えよう伝えたいばかりが先走っている。

だから書く。

楽しく生きることというのは、自分に正直に生きることです。嫌だとか、恐いとか、そんなことで逃げていると、楽しくない人生をごまかして生きて、生き過ごすことになる。

あとで怒るのは、自分が自分にです。

今ここにある危機

2012年07月01日 19時10分46秒 | 核の無い世界へ


先週の金曜日、首相官邸の周りを「原発再稼働反対」デモで、主催側の発表では約20万人が集まって声を上げた。警察の発表では1万5千人とされ、その数に大きな開きがあったが、そんなことは問題ではない。

デモなど無関係だと思っていたごく普通の市民が、丸の内線に乗って国会議事堂へ向かい、3番出口から官邸へ向かって、声を上げたこと。その姿には、親子連れもいれば、老人もいて、本当に、再稼働するのか、そんなバカな事は止めてもらいたいと願って声を発したのだ。数ではなく、集まった人々がどんな人間たちかに、意味がある。

野田首相は、官邸の庭で「シュプレヒコールは聞こえる」と言ったそうだが、それだけか。彼はこの声に何を感じているのだろうか。まさか、うざい民衆だ、程度の感覚ではないだろう。「ぼくではどうすることも出来ないんだよ」が本音ではないだろうかと、想像する。

国家元首が何とかしてくれるというのが、一般の考え方だ。しかし、どうもそうではないと思える。国民一般が望む、民意というものに、真っ正面からの対応がみられない。すでに、不審を通り越しているのが、この原発問題である。

7月1日の大飯原発再稼働で、現地へも大勢の人々が駆けつけ、声を上げている。理由は、福島第一原発が収束していないのに、なぜ、原発を再稼働させるのかといったストレートな疑問と怒りだ。

「原発反対!」「再稼働反対!」の声がこだまする中、6月30日早朝から、福島第一原発4号機の燃料プールの冷却装置が停止していた。東京新聞は、これをすぐに報道し、ネットでも記事が拡散されて、非常に危険な状態だと注視していた。今日1日の午後になっても、その事態が不明で、これは即刻、避難しなければ危険だと、私個人も対応を考えていた。

4号機の燃料プールの冷却が止まり、放射能火災を起こしたら、そこから漏れ出す放射能はチェルノブイリの80倍の線量といわれている。去年3月、水素爆発が起こったときどころの騒ぎではない。今度は、即刻、飛行機に飛び乗って沖縄くらいまで避難しなければ身を守れない状態になる可能性が高いのだ。このまま、冷却されない状態が続けば、7月3日の早朝には管理不能の温度に達すると予測され、とすると、リミットはあと40時間もないとなっていた。

そこへ、17時の時点で、福島みずほ議員のツイート情報から、4号機の冷却装置は再稼働したとの情報を得て、一息つき、この記事を書いている。

ただ、しかし、福島第一原発の危機が終わったわけではない。1号機からも高い線量が放出されているようだし、4号の建屋も危うい状態のままである。現場の正確な情報というものが何も伝わってこないのだから、判断のしようもない。

たった1年半前の福島第一原発の事故で、何が起こったか。どう情報が流れたか。市民は置き去りにされ、東電社員だけが逃げ、周辺の住民は被曝したのだ。今度、事態が悪化すると、さらに大きな被害が出るに違いない。当時の菅内閣は、関東も避難勧告を出す非常事態宣言を用意していたと、後になって知らされたではないか。

今ここにある危機は、福島第一原発だ。

声を上げるのは、福島第一原発を国家を上げて収束せよ!

民意のフォーカスを、元凶へ向けなければならない。