『ソウルボート航海記』 by 遊田玉彦(ゆうでん・たまひこ)

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賞味期限切れ

2009年03月08日 14時07分55秒 | ソウルフード
食品棚の奥から、フタが少々錆びた缶詰が出てきた。防災用に買っておいたサバの味噌煮だった。賞味期限を見ると2007年1月。もう、丸2年過ぎていた。腹が減っていたので、物は試しにとフタを開けてみた。見た目は大丈夫そうだ。匂いを嗅いでみた。おかしくはない。皿に盛り付けてみても変な様子はない。汁をひとしずく舐めて、次にひとかけら食べてみた。意外や旨い。賞味期限もあてにはならないな。腐ってはいないと判断して、ついに食べた。

むかし読んだ、さいとうたかお原作の漫画「サバイバル」を思い出した。近未来に廃墟となった都市で生きる少年の物語だ。食えるものは鳩でもネズミでも何でも食べる。缶詰を発見すれば最高のご馳走だ。そういえば、梅図かずおの「漂流教室」も、どこかわからない世界へ学校ごとワープして、生徒たちが給食を食べ尽くしたあとは、食料探しが日課となっていた記憶がある。

サバの味噌煮を食べて2時間経ったが、今のところ平気だ。缶詰の消費期限はどの位なのだろう。息子が部屋から出てきて、あれ食べたの? 旨かった、サバイバルだよと言うと、呆れた顔をした。作家たるもの、物を書くにはいろいろ試してみねばならないのである。