パパとりの雑記帳

酉年生まれの後期高齢者。健康不安を抱えながら、新聞、TV等からの情報を元に、好奇心に駆られて、近郊の社寺を中心に散策。

黒白幕…

2015年06月23日 | 日記
住吉大社の御田植神事に行った際、諸神事が説明されている中に、張り巡らされている「白黒幕」がありました。特に気にしていなかったのですが、確かに「葬祭用」のイメージがあります…。

住吉大社で張られていた黒白幕(「鯨幕」)

平安時代から、幕は遮蔽(しゃへい)用に使用されていたようで、かつては縦縫のものを「幔」(まん)、横縫のものを「幕」と称して区別していました。しかし、実際には幕と幔とは混同されていたようです。 現在でも、野外における行事や式典の際には、その場に幕が張られているのを見かけます。この幕の色については、黒白の幕(鯨幕)(くじらまく)は、近年凶事にも使用されるので、凶事用と思われがちですが、礼服の色からも理解出来るように、黒は高位の色であり尊重され、神事では古くから白黒の鯨幕が張られ,皇室はじめ、出雲大社、上下賀茂神社、伏見稲荷などでも使用されているそうです。
過去の祭礼の写真を探してみましたが、黒白幕は写っていませんでしたが、色の異なった幕が張られていました。

上賀茂神社の青白幕([浅黄幕])


上賀茂神社…?幕


園遊会(転載写真)の青白幕([浅黄幕])


八坂神社の青白幕([浅黄幕])



若宮おん祭御旅所の青白幕([浅黄幕])
 

松尾大社御旅所の青白幕([浅黄幕])


 
伏見稲荷神幸祭(トラックの胴巻翠系の幕)正式には紺白の幔幕だそうです


大安寺の五色幕・青白幕([浅黄幕])


おさらい
○鯨  幕
鯨幕(くじらまく:「蘇幕」とも書く)は、白黒の2色の縦縞で構成される幕である。
通夜や葬式など一般的には弔事で使用されるが、これは葬儀業者が発案したとされ、一般的になったのは意外と歴史は浅く昭和初期以降とされる。
名前は、鯨の体が黒と白の2色であること、あるいは黒い皮を剥いだ際の身が白いことに由来する。
白装束にもあるように、日本では古来より弔事には白を用いたが本来は弔事・慶事に関係なく使用され、旧暦で行事が行われる地域や格式高い神社での行事、また皇室では慶事にも使用する。
○浅 黄 幕
浅黄幕は、浅黄(浅葱色:あさぎ。水色よりも濃い、青色。)と白の2色の縦縞で構成される幕。
地鎮祭・上棟式などの神事に使われる。
皇室の新年祝賀の儀、園遊会でも使用される。 
浅黄幕は、神聖な場所を示すので、勝手に立ち入ったりできないことのしるし、神様が来る場所とも言われている。祭壇のまわりを覆うように使われるのもこのためです。
葬儀などにも使われ、紅白幕や白黒二色の鯨幕より古い歴史を持つ可能性も指摘されている。青白幕とも呼ぶ。
歌舞伎で、舞台効果のため使用する浅黄色一色の幕も、浅黄幕と呼ばれる。
○五 色 幕
仏教行事などで用いられる5色の縦縞で構成される幕。寺院の壁などに掛けられる五色幔幕。白・青・黄・赤・黒などで配色には差異がある。但し、青と黒は、伝統的表現の緑(翠)と青(群青)で表される。
真言宗などでは、五智如来の色とも言われ、五つの知恵を表す色として知られる。

コメントを投稿