斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

タイ・シンクロトロン放射光カンファレンス

2016年03月26日 03時24分05秒 | 斎藤秀俊の着眼
先月、2度のタイへの出張の2回目となった、シンクロトロン放射光カンファレンスのPRビデオが出来上がったとタイの留学生である、Sarayutから連絡があり、さっそく見てみました。こちら

7分強の動画ですが、前半29秒から31秒のところで、例のナコーンラチャシーマのナイトバザールで出店を出していた美人さんがちらりと登場します。ずっと後のほうでは私が講演している最中の動画も登場して、自分で自分の講演動画を見るのはほとんど初めてだったので、せめて頭だけでも詐称したほうがいいかな、などと自虐的になってしまいました。ちなみにきちんとした放送局のテレビだと上手にうつしてくれるので、あまり気になりません。。。

この国際会議ですが、会場では日本よりも進んでいる映像機器がいくつか使われています。いまだにスクリーンに液晶プロジェクターでスライドを映している日本のガラパゴス国際会議を比べてしまうと、恥ずかしいと思いました。クルマのように100万円ー400万円の民生機器は比較的先頭をいっていると思いますが、10万円―100万円くらいのところがガラパゴス化しているのが日本の特徴ではないかと思います。一昔前のアメリカがそうでしたが。

古いものを上手に使うのは我が国の美徳だと思います。もちろん、映像より中身が大事だなど、百も承知です。ただ、国際舞台の中では、他国が真似したくなるような最先端設備を入れて、さらに新しいものに常に変えていくような発想は持つべきだし、ガラパゴス化する部分としない部分はきちんと切り分けて割り切らなければなりません。見てほしくなれば、おのずと世界中から注文が舞い込むことになります。

常に進化する発想が出ない限り、2%の成長など夢のまた夢。成長には「もったいない」ことも必要なのです。

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こういうの伝染させるのやめてくれない?

2016年03月25日 23時23分43秒 | 斎藤秀俊の着眼
芸能人の学歴チェックが伝染しはじめているような。。。

この人のこと、何も知りませんので、ご本人のことに触れるものではありません。
でも放送局が学歴チェックしたということに関して、なぜ芸能人にそんなことが必要なのか、まったく理解できず、さらに学歴の本質を理解していない世の中になりつつあることに危惧するようになりました。

われわれが放送に登場してコメントする行為と、芸能人が放送に登場してコメントする行為には本質的な違いがあります。芸能人として事務所に所属し、それを生業にしているかどうか。前者では、ギャラはゼロかちょっと有名になると数万円程度もらえることもあります。後者は事務所と放送局で協議してギャラを決めていくので、さらに大きな金額になるのが通例です。

われわれが放送に出ることができるのは、その背景になっている「xxxに詳しい」ってやつで、もっと言えば必ず「xxx大学教授」とか学歴を含めた肩書です。もし、あちこちのテレビに出ている私が大学教授ではなくて、水難学会という学会にも所属していなくて、全部でたらめであれば、コメントの信頼性は崩れ、タレント性もなにも感じない普通のおじさんは放送界から抹殺されるわけです。抹殺されてもノーギャラなら悔しくないし、ノーギャラならその怪しいおじさんの出演するテレビを見ていたみなさんも悔しくもなんともないでしょう?

芸能人は、芸能で生きています。学歴も芸能を構成するという特殊な場合もあるかもしれませんが、そもそも芸能に秀でているから放送に乗るわけで、しかもそうやって事務所が交渉するわけで、学歴が崩れたからといって、芸能に秀でているのであれば何ら問題ない。だって、現に学歴が正しくなかったのに、コメントを得るために放送局は事務所と契約していて、その放送を視聴する人たちがいたわけですから。ほんとうに学歴や職歴の裏打ちがほしいのであれば、コメンテーターは大学教授などの有識者を、しかも履歴書と証明書を提出させて出演させているはずです。ただ、そんなことは視聴者は誰も期待していません。

まとめると、要するになにで生業を立てているか、につきるのです。我々学者は、学問で生業を立てます。つまり、学歴・職歴は職を得るのに大変重要です。芸能人は芸能で生きていきます。芸能に秀でている今が旬で、旬がおわったかどうかは、視聴者が判断することで、立派な学歴があったって、旬が過ぎたら放送の世界からそっと身を引くことになります。

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「異常と思わないのが異常だ」というけれども。岡山の用水転落

2016年03月24日 00時00分43秒 | 斎藤秀俊の着眼
「異常と思わないのが異常だ」
タイトルが衝撃的ですが、内容は我が国の水難全部に共通していることです。

確かに、山陽本線で広島から岡山に入るとすぐに岡山に入ったとわかる景色が、用水の多さです。とにかく多い。網の目を張るかの如く用水がめぐっており、しかも特に柵も見当たらず、まるで土地そのものに用水が溶け込んでいるような錯覚さえ覚えます。

いつも山陽本線から、岡山って水難のほとんどが用水に落ちる事故だよなあ、と思いながら通り過ぎているのですが、新潟に住む私がいくら水難学会の会長だからと言って、岡山県までのりこんで「何とかしなければ」というのも現実的にどうかと思うし、しかも用水の水面が土地の高さとそれほど変わらないし、流れが極めて緩やかだし、よそから「危ない」と言われても、ピンとこなければ、「そうかなあ」で終わってしまいます。

さて、岡山県では、用水に転落して3年間で31人が死亡だそうです。
「多くが「歩行中」の事故で、実は全国でも1位が釣り・魚とり、2位が歩行中で、3位の水泳中よりも死亡者が多い事故携帯です。別に岡山ばかりの問題ではありません。」と解析したのですが、ただしちょっと特殊なのが、「交通事故死亡者全体に占める用水路などへの転落死者数の割合は、27年は約14%で全国平均(2・4%)の約6倍だった。転落事故に占める自転車の割合も83・3%で全国平均(34・3%)の約2倍という」ところで、交通事故にカウントされてしまうと、水難にカウントされないという点で、盲点だと思いました。

さて、異常と思わないという点ですが、大昔から水難はそうです。最近は聞かれなくなりましたが、昭和の時代などは、「神様が命を連れて行った」とまで言われ、実は今でも東南アジアの田舎ではそうやってあきらめると、多くの水難の研究者が話しています。そして、さりとて事故解析がされず人類の有史以来ずっと続いてきています。我が国には水難の研究者がつい最近までいなかった状態ですし、今でも水難の研究を専業でやったら、食べていくことができない。

交通事故には多くの研究者が専属でいて、事故防止ならびに事故が起きても最小限の人的被害に食い止める研究がなされていますが、水難にはいない。この点からも我が国は水難に関して「異常と思わない」ことがよくわかります。

岡山県では、予算を付けて対策をするということですが、水難の専門家がいない現状で、よくぞ立ち上がりました。

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文部科学省科学技術人材育成費補助事業「外部資金獲得講習ワークショップ」

2016年03月23日 18時42分11秒 | 斎藤秀俊の着眼
本日が第3回シリーズの最終日でした。
GI-netによる発出で、参加高専は 福井、群馬、富山(射水)、沼津、奈良、広島商船、久留米、一関、新居浜、香川(詫間)、仙台(名取)、仙台(広瀬)、津山、機構本部でした。


今日は、一関、新居浜、奈良の各高専からそれぞれおひとりずつ発表者として一枚ものを作っていただきまして、それをネタにして、質疑応答の仕方を学んでいただきました。それぞれたいへん興味深い内容で一枚ものを作っていただき、質疑応答にとっつきやすい題材としていただいたことに感謝いたします。

だいたい40分くらいの持ち時間で、最初の5分を説明、35分を質疑応答の時間として、たくさんの先生がこのやり方を学ばれました。

来年度の科研費の採否の結果通知は4月1日だそうです。今回の講習会は4月の科研にはもちろん間に合いませんが、これから準備をして8月の高専フォーラムをキックオフとして、その後9月でしっかりとディスカッション、10月に科研費の申請書書きという流れで頑張ってほしいと思います。

とにかく、研究内容は日進月歩、申請書の書き方も時代とともに刻々と変化しています。より多くの人たちと情報を共有しながら、時代をリードする研究提案ができるように頑張っていきましょう。

第一回目からたくさんの女性教員の皆さんに興味を持っていただき、1月初めからの長丁場を無事にこなすことができました。計画を練っていただきました奈良高専 藤田先生、高専機構男女共同参画推進室 上園さん、香川高専の内田先生はじめ女性教員の皆さんに御礼を申し上げます。

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応用物理学会最終日

2016年03月22日 12時12分39秒 | 斎藤秀俊の着眼
応用物理学会の会場探しに泣きが入るほど、このところ大盛況な講演会も2016春季大会は本日で最終日です。

今回は、応用物理学会プログラム専用のスマホアプリが配布されて、このアプリを使いながらPDFで予稿が読めるというなかなか使い道のあるアイディアが盛り込まれていました。最近タブレット派の私にはたいへんありがたい。なにせ、DVDで予稿をもらってもパソコンに入れたらあまり見る気にならないもんで。そのため、今回は特に重宝させていただきました。

ましてや、プログラムにいいねボタンがついていて、いい講演にはいいねをつけられるというすぐれもの。だけれども、試してみて、フェースブックのアカウントでログインしようとしたら入ることができなくて、残念ながらいいねボタンを押すことはできませんでした。

そのほか、タブレットが省エネで電源が切れると、いままで見ていたプログラムのところから、トップページに戻ってしまうのもちょっと困りました。

でも、これだけのプログラム・予稿システムを組んでいるのは誰か、学会の担当委員なのか、業者なのか、どちらにしてもほんとうに頭の下がる思いでした。一言、便利です。

それにしても、予稿の書き方が千差万別で、かなり適当に書いてあるものから、しっかり書いてあるものまでさまざまでした。この辺りは秋季大会にむけて、われわれもしっかりしなければならないと思いました。

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