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斎藤秀俊の眼

科学技術分野と水難救助、あるいは社会全般に関する様々な事象を一個人の眼で吟味していきます。

研究成果をご発表になられるのはよいですが

2014年01月31日 23時38分04秒 | その他
広報担当として雑感を述べさせていただきます。
大学や研究機関より、報道向け発表を行う例がたいへん増えています。長岡技術科学大学でも毎月一回、定期記者会見を開き、報道向け発表を行っております。
我々が特に気を付けているのは、報道にはプラスの発表とマイナスの発表があり、発表するということはその両方について世間に晒すことになるということです。

我々発表側がプラス、すなわちいいことだと考えて発表しても、世の中はマイナスととらえることもあるし、プラスだけを発表しているがマイナスについては隠していると考える場合もあります。つまり、発表するということはそういうことすべてについて晒されるかもしれないと、覚悟しなければならないということです。

ある研究成果があるとします。世の中に対してたいへんインパクトのある成果だとします。しかしながら、「インパクトがある」と思い込み、派手に報道発表をしたらどういうことになるでしょうか。常識的な時間に、数社の報道機関に対して、「世界的に有名な学術雑誌に掲載された」という事実だけを発表すれば、そこだけが取材対象になるのですが、そうではない場合には、マイナスの面、プラスの事実以外の様々なことが取材されて、世の中に公開されることになります。もちろん、そこには憶測やら、出鱈目も引っ付いてきます。

報道は怖いのです。人ひとりを世の中から抹殺することくらい、簡単にそのきっかけを作ります。
報道とのお付き合いには、今日、昨日の経験がある程度ではダメです。じっくりと積み上げた経験に基づいて、気を付けて細心の注意を払いながらお付き合いしなければなりません。そして、派手にやってしまい、今更「これ以上はご勘弁を」と後出しじゃんけんをするくらいなら、やらなかったほうがよかったということになりかねません。

組織として報道向け発表をするときには、そういうことに気を付けなければならないと常に考えています。
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