今年1月に亡くなった母の荷物であるが、
亡くなった翌日に、母の生け花の稽古場のものや仏壇の周囲に置かれていたガラクタは
義姉や甥や甥のお嫁さんがほとんど確かめもせずに捨てたことは書いた。
それは仕方なかった。
すぐに大勢の人が集まってくるから、綺麗にしておかなくてはならなかったから。
母の部屋にあったものは、さすがにそれはできなかったようで、義姉が片付けてくれている。
生け花関係の壺、花器の類は、来られたお弟子さん達に好きなのを持ち帰ってもらったと。
実は、私は、ボードに飾ってあった壺はもらいたいと思っていた。
先日の四十九日の日に兄嫁に聞くと、あれはお弟子さんが一番に持ち帰りましたと。
たぶんいいものだったと思う。
しかし、もう上げてしまっていたら仕方ない。
私にはご縁がなかったということだ。
私には、母の装身具とか毛皮のコートを出してくれたから、
先に帰る夫の車に運んでもらった。
毛皮のコートは、買ったときは高いものだったかもしれないけれど、
最近は毛皮のコートなんて誰も着ないと思ったが、かたみだから。
で、私にすれば、それ以外のものでも、確かめたいものがあった。
それと、きのう夫が、義母の実家の墓参りに帰ることを連絡すると、
兄嫁は、
「bikoさんにいろいろ相談したり見てもらいたいものがある」
と言っている
と聞いたので、
兄嫁に、
「また来週行きますから、事務的な要件がありましたら、その準備もしておいてください」
とメールした。
すると兄嫁からは、
「もうすぐ大工さんが入るのと確定申告がありますので、相続のことはせかさないでください」
と言ってきた。
その返信に私は驚いた。相続の手続きをせかさないでって?
私が帰ることを、そんなふうに受け取られたなんてと。
私は別に相続のことが目的で帰省するつもりではなかった。
何もかも捨てられる前に、娘として確かめておきたいものがあっただけだ。
ただ一度帰省したら、かなりまとまった金額がかかるから、帰省した折には、
まとめて用事を済ませたいという気持ちはあった、かもしれない。
実家に泊めてもらえるのならいいが、
いつもホテル泊まりで、食事も全て外食になるから出費も嵩むのだ。
兄嫁も、現在、大変だと思う。
彼女の言うように、確定申告もあるし、
母の住んでいた部屋を改装するために片付かなければならないし。
私は、そのお手伝いも兼ねて帰省するつもりだったが、
しかし、兄嫁にすれば小姑の私に見張られる?とやりづらいかもしれない。
私の夫には、bikoさんに相談したいことがあるとかと言ったのは
半分は本気だったかもしれないが、実際は邪魔だろう。
それで、私は予約したホテルもキャンセルしたが、しかし、黙ってばかりもと思って
さきほど兄嫁にメールした。
「実は、私は母のもので確かめたいものもあるのです。どんな親であったとしても、
私にとってはかけがえのない親でしたから、他の人が見ればガラクタに見えるものでも
私にはそうでもないものもあるのです」
と。
母が亡くなってから、兄嫁と仲良く協力してやってきたけれども、
昨日の「遺産相続をせかさないでください」の言葉で、私の何かが切れた。
兄亡きあと、兄嫁はよく頑張っていると思うが、しかし、しかし。
*
・相続をせかしたふうに受け取られ何かがわれの中から割れた
・遠慮して実家に泊まらぬ帰省なり迷惑かけるを気にしてわれは
・兄嫁に悪の権化のやうに見えゐしわが母もわれには慈母で
・他人にはがらくたばかりである母のものの中にも宝はありて
・わが母の孫の嫁には汚れたる老婆と見えてゐたかもしれず
・九十歳(こことせ)を超えて美貌は消え失せてゐしが昔は美人なりにし
・脳梗塞するまで才色兼備とぞ人に言はれてゐしひと母は
・老病死だれも避けえぬ運命(さだめ)にて才色兼備の人も老婆に
亡くなった翌日に、母の生け花の稽古場のものや仏壇の周囲に置かれていたガラクタは
義姉や甥や甥のお嫁さんがほとんど確かめもせずに捨てたことは書いた。
それは仕方なかった。
すぐに大勢の人が集まってくるから、綺麗にしておかなくてはならなかったから。
母の部屋にあったものは、さすがにそれはできなかったようで、義姉が片付けてくれている。
生け花関係の壺、花器の類は、来られたお弟子さん達に好きなのを持ち帰ってもらったと。
実は、私は、ボードに飾ってあった壺はもらいたいと思っていた。
先日の四十九日の日に兄嫁に聞くと、あれはお弟子さんが一番に持ち帰りましたと。
たぶんいいものだったと思う。
しかし、もう上げてしまっていたら仕方ない。
私にはご縁がなかったということだ。
私には、母の装身具とか毛皮のコートを出してくれたから、
先に帰る夫の車に運んでもらった。
毛皮のコートは、買ったときは高いものだったかもしれないけれど、
最近は毛皮のコートなんて誰も着ないと思ったが、かたみだから。
で、私にすれば、それ以外のものでも、確かめたいものがあった。
それと、きのう夫が、義母の実家の墓参りに帰ることを連絡すると、
兄嫁は、
「bikoさんにいろいろ相談したり見てもらいたいものがある」
と言っている
と聞いたので、
兄嫁に、
「また来週行きますから、事務的な要件がありましたら、その準備もしておいてください」
とメールした。
すると兄嫁からは、
「もうすぐ大工さんが入るのと確定申告がありますので、相続のことはせかさないでください」
と言ってきた。
その返信に私は驚いた。相続の手続きをせかさないでって?
私が帰ることを、そんなふうに受け取られたなんてと。
私は別に相続のことが目的で帰省するつもりではなかった。
何もかも捨てられる前に、娘として確かめておきたいものがあっただけだ。
ただ一度帰省したら、かなりまとまった金額がかかるから、帰省した折には、
まとめて用事を済ませたいという気持ちはあった、かもしれない。
実家に泊めてもらえるのならいいが、
いつもホテル泊まりで、食事も全て外食になるから出費も嵩むのだ。
兄嫁も、現在、大変だと思う。
彼女の言うように、確定申告もあるし、
母の住んでいた部屋を改装するために片付かなければならないし。
私は、そのお手伝いも兼ねて帰省するつもりだったが、
しかし、兄嫁にすれば小姑の私に見張られる?とやりづらいかもしれない。
私の夫には、bikoさんに相談したいことがあるとかと言ったのは
半分は本気だったかもしれないが、実際は邪魔だろう。
それで、私は予約したホテルもキャンセルしたが、しかし、黙ってばかりもと思って
さきほど兄嫁にメールした。
「実は、私は母のもので確かめたいものもあるのです。どんな親であったとしても、
私にとってはかけがえのない親でしたから、他の人が見ればガラクタに見えるものでも
私にはそうでもないものもあるのです」
と。
母が亡くなってから、兄嫁と仲良く協力してやってきたけれども、
昨日の「遺産相続をせかさないでください」の言葉で、私の何かが切れた。
兄亡きあと、兄嫁はよく頑張っていると思うが、しかし、しかし。
*
・相続をせかしたふうに受け取られ何かがわれの中から割れた
・遠慮して実家に泊まらぬ帰省なり迷惑かけるを気にしてわれは
・兄嫁に悪の権化のやうに見えゐしわが母もわれには慈母で
・他人にはがらくたばかりである母のものの中にも宝はありて
・わが母の孫の嫁には汚れたる老婆と見えてゐたかもしれず
・九十歳(こことせ)を超えて美貌は消え失せてゐしが昔は美人なりにし
・脳梗塞するまで才色兼備とぞ人に言はれてゐしひと母は
・老病死だれも避けえぬ運命(さだめ)にて才色兼備の人も老婆に