東日本大震災で起きた原発の炉心溶融に伴って、放射性物質が外部に出て、被害は
野菜や牛乳、水道水などに広がっている。
被曝とは体が放射線にさらされること。放射線を出している物質が、体の外にある
場合を「外部被曝」、体の中に入り込んでいる場合を「内部被曝」という。
外部被曝は、X線撮影のようなタイプと、体の表面に放射性物質が付くタイプがある。
後者を「体表面汚染」と呼ぶ。今回のケースでは、原発からでた細かなちり状の放射性
物質が体や洋服につくと、体表面汚染を起こす。
体表面汚染がおきたら、汚染があるかどうかをまず「サーベイメーター」で測る。
汚染が確認されたら、除染をする。
除染の手順は大阪大の嶋津岳士教授によると、まず服を脱ぎ、ぬれタオルなどで、
全身をよくぬぐう。細かい切り傷などは注射器で丁寧に水をかけて洗う。
除染の目的は、付着した放射性物質を体から取り除くこと。付いたままだと被曝が
進み、健康被害が出る危険性が高くなるからだ。また、いち早く取り去ることで付着
した放射性物質をほかの人に広げないという意味もある。
脱いだ服は厳重に隔離される。自宅に帰れない今回のような場合、着替えの服をどう
するか、財布などの貴重品は持っていていいのかなどの課題もある。
内部被曝は、吸い込む・飲み込む・傷からはいるの三つの経路で、放射性物質が体内
に入り込むと起きる。傷のない健康な皮膚から入り込むことはほとんどない。
今回の事故では、ヨウ素などガス状の放射性物質が放出されている。
吸い込むと内部被曝を起こしうる。
内部被曝は体内にとどまっている間、ずっと被曝が続くので、薬剤で吸収を妨げたり、
早く排出させたりする。ヨウ素の場合は、甲状腺に蓄積する特殊な性質がある。
放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれる量を減らすため、放射線を出さない医療用の
ヨウ素剤を飲む。ただし、ヨウ素剤は万能薬ではない。
薬の狙いは甲状腺がん予防だけで、放射線による健康被害全般を防ぐ効果はない。
前川和彦・東京大名誉教授によると、甲状腺がんは進行が遅いため、40歳以上だった
ら、あまり心配する必要はない。それより若い人は、医師の指示に従ってきちんと
飲もう。
被曝を防ぐ方法は今回の場合だと、自宅など建物の中にいるのが最善だ。
ちりやガスからの被曝を減らせる。ただし、窓を閉めておくのを忘れないようにしよう。
避難指示が出たら、速やかに従う。
大量の放射線に被曝すると、さまざまな健康被害が起きる。海外の文献によると、
5万ミリシーベルト以上被曝すると、48時間以内に死亡するとされている。
東京電力によると、広島原爆では、爆心から500メートルの地点で約9万5千ミリ
シーベルトと推定されている。
今回、13日午後2時前に福島第一原発の敷地の境界で観測された値は1時間あたり
1.56ミリシーベルト。5万ミリシーベルトの約3万2千分の1。
全身に被曝した場合、一般に1千ミリシーベルトを超えると、病的な症状がでると
されている。
原爆胎内被ばく者の疫学調査では、100ミリシーベルト以下では胎児に奇形や発達
障害などはなかった。世界保健機関は妊娠早期の被曝であっても、被曝総線量が100
ミリシーベルト以下だったら人工中絶は正当化されないと宣言している。
(朝日アピタルより抜粋)
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野菜や牛乳、水道水などに広がっている。
被曝とは体が放射線にさらされること。放射線を出している物質が、体の外にある
場合を「外部被曝」、体の中に入り込んでいる場合を「内部被曝」という。
外部被曝は、X線撮影のようなタイプと、体の表面に放射性物質が付くタイプがある。
後者を「体表面汚染」と呼ぶ。今回のケースでは、原発からでた細かなちり状の放射性
物質が体や洋服につくと、体表面汚染を起こす。
体表面汚染がおきたら、汚染があるかどうかをまず「サーベイメーター」で測る。
汚染が確認されたら、除染をする。
除染の手順は大阪大の嶋津岳士教授によると、まず服を脱ぎ、ぬれタオルなどで、
全身をよくぬぐう。細かい切り傷などは注射器で丁寧に水をかけて洗う。
除染の目的は、付着した放射性物質を体から取り除くこと。付いたままだと被曝が
進み、健康被害が出る危険性が高くなるからだ。また、いち早く取り去ることで付着
した放射性物質をほかの人に広げないという意味もある。
脱いだ服は厳重に隔離される。自宅に帰れない今回のような場合、着替えの服をどう
するか、財布などの貴重品は持っていていいのかなどの課題もある。
内部被曝は、吸い込む・飲み込む・傷からはいるの三つの経路で、放射性物質が体内
に入り込むと起きる。傷のない健康な皮膚から入り込むことはほとんどない。
今回の事故では、ヨウ素などガス状の放射性物質が放出されている。
吸い込むと内部被曝を起こしうる。
内部被曝は体内にとどまっている間、ずっと被曝が続くので、薬剤で吸収を妨げたり、
早く排出させたりする。ヨウ素の場合は、甲状腺に蓄積する特殊な性質がある。
放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれる量を減らすため、放射線を出さない医療用の
ヨウ素剤を飲む。ただし、ヨウ素剤は万能薬ではない。
薬の狙いは甲状腺がん予防だけで、放射線による健康被害全般を防ぐ効果はない。
前川和彦・東京大名誉教授によると、甲状腺がんは進行が遅いため、40歳以上だった
ら、あまり心配する必要はない。それより若い人は、医師の指示に従ってきちんと
飲もう。
被曝を防ぐ方法は今回の場合だと、自宅など建物の中にいるのが最善だ。
ちりやガスからの被曝を減らせる。ただし、窓を閉めておくのを忘れないようにしよう。
避難指示が出たら、速やかに従う。
大量の放射線に被曝すると、さまざまな健康被害が起きる。海外の文献によると、
5万ミリシーベルト以上被曝すると、48時間以内に死亡するとされている。
東京電力によると、広島原爆では、爆心から500メートルの地点で約9万5千ミリ
シーベルトと推定されている。
今回、13日午後2時前に福島第一原発の敷地の境界で観測された値は1時間あたり
1.56ミリシーベルト。5万ミリシーベルトの約3万2千分の1。
全身に被曝した場合、一般に1千ミリシーベルトを超えると、病的な症状がでると
されている。
原爆胎内被ばく者の疫学調査では、100ミリシーベルト以下では胎児に奇形や発達
障害などはなかった。世界保健機関は妊娠早期の被曝であっても、被曝総線量が100
ミリシーベルト以下だったら人工中絶は正当化されないと宣言している。
(朝日アピタルより抜粋)
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