ふろむ播州山麓

旧住居の京都山麓から、新居の播州山麓に、ブログ名を変更しました。タイトルだけはたびたび変化しています……

ロボットが世界を変える (1)

2015-03-03 | Weblog
好評のeマガジン「LAPIZ」(ラピス)春号が刊行されました。「Amazon」「DL MARKET」「雑誌ONLINE」で購読できます。良記事満載で頒価はわずか300円。
 今回も寄稿しました。タイトルは「ロボットが世界を変える」。マガジンでは全文一括掲載ですが、ここでは5分割連載します。ご笑覧くださればうれしいです。


「トマ・ピケティが予言するロボット社会」

 日本では国民の4人にひとりが、65歳以上の高齢者になってしまった。一方、若者や子どもの数は減り続けている。遠くない将来、町を歩く人の半分ほどが老人になってしまうという。というか高齢者の多くはむやみに外出しない。だからどこに行っても老人も少なく閑散として、歩いている人はだいぶ減ってしまいそうである。日本が迎えた極端な人口減少は、戦争や疫病の大流行などが原因でなく、ごく平和な日常のなかで急激に進行している。経済的先進国が世界史上はじめて経験する特異な現象だそうだ。わたしたちはどのような問題をこれから経験するのだろうか。また解決する方法はあるのだろうか。

 ところで、いまいちばん著名な経済学者は、フランスのトマ・ピケティ氏であろう。著書『21世紀の資本』が世界的ベストセラーになっている。2013年9月のフランス語初版、昨年4月の英語版以降、飛躍的に売り上げを伸ばし発行部数はすでに150万部に達している。日本語版刊行は昨年12月だが、わずか3月足らずで15万部が発売された。この本は本格的な経済学書であり、本文約700ページ、税別価格5500円、重量はおよそ1キロほどもある。
 ピケティは1月29日から4日間、日本を訪れた。超多忙なスケジュールのなか、たくさんのインタビューに応じたが、日本経済新聞には次のように語った。
 日本経済への助言として「日本では人口成長が、インフレを創り出すことよりはるかに重要です。人口減を少しでも人口増に変えていくことが、日本の最優先課題です」
 また、記者の質問「IT化の進展で、機械が人間の労働に置き換わっている結果、資本の力が強まっているのではないか」に対して、「米アマゾン・ドット・コムが無人飛行機(ドローン)を発表したが、極端なケースはロボットが人間にとって代わる世界だろう。ひょっとすると、2030年はロボット社会になっているかもしれない」
 アマゾンの無人ヘリコプターは荷物を運ぶロボット機である。運転手の不足という切実な問題を解決する方策である。グーグルなどが開発している無人運転自動車とともに、早期の実用化が期待されている。
<2015年3月3日 南浦邦仁>

コメント (2)
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