重松清の官能小説

2008年10月30日 | 健康・病気
「愛妻日記」重松清著(講談社文庫)を先週読み終えた。
何も知らないで古本まつりで買った本です。
正直、びっくりした。
まさか官能小説とは考えもしなかった。
この本で、どんなささやかな温かい感動をもらえるかな、
なんて軽い気持ちで選んだ。
ところが、重松清のエロチックな小説六編だったんです。

「ホワイトルーム」
建ってから2年ほど売れ残った“新築”の家具付きマンションを買った夫婦。
しかし、新居に迎えた初めての客である会社の後輩がへんなことをいう。
アダルトビデオの舞台になっているマンションとこの家が同じようだ、というのだ。
翌日、会社に後輩が「ホワイトルーム・1」というビデオを
レンタルビデオ屋から借りて持ってきた。
会議室に鍵をかけて2人でそのアダルトビデオを観た。
やっぱり同じ部屋だった。
マンションを売った不動産屋に抗議しようとそのビデオを後輩に借りて、
家に持ち帰って観ていると奥さんが帰ってきた。
それから、アダルトビデオと同じソファ、ベット、台所、バルコニーなどで
セックスをする2人。
それまで型どおりのセックスしかしてこなかった夫婦が、
そのビデオ(何本かシリーズになっている)を観て、………。

他に、「童心」「愛妻日記」「煙が目にしみる」「饗宴」「ソースの小壜」。

重松清は、
「これからも夫婦や家族をめぐるお話を書いていきたいと思うから、
 いつまでも正味の話から逃げているわけにはいかない」
と「文庫版のためのあとがき」に書いている。
そうだよな、どんな感動的な小説の登場人物だってセックスはするんだ(したんだ)。
そのことは小説家として無視できないと思う。

じつは私も官能小説的な作品を書いたことがあります。
一部の人には読んでもらい、“すこーし”好評でした。
でも、力不足はいなめません。勉強します。シナクテイイカナ

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