さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

田の浦オレンジの名で流通 県内で栽培される「サンフルーツ」

2022-05-15 17:34:04 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、木成り栽培され、果皮や果肉が赤味を帯び、濃い甘さのなかにあるまろやかな酸味が特徴の「紅甘夏」を取り上げた。
甘夏の枝替わりとして発見された品種が他にもある。
今週は「サンフルーツ」を紹介したい。


【写真】甘味と酸味のバランスが取れた「サンフルーツ」

サンフルーツは1962年に熊本県芦北郡の農園で発見された品種。「さんさんと降り注ぐ太陽」という意味から付けられたという。
主に愛媛県で流通するものは「サンフルーツ」、和歌山県では「田の浦オレンジ」、静岡県では「ニューセブン」と呼ばれ、地域によって名称が異なるのが面白いところ。

大きさは、甘夏や紅甘夏と同程度。外皮は甘夏と比べると滑らかで、見た目はグレープフルーツのよう。甘夏よりも甘さがあり、酸っぱさは程よい程度と、甘すぎず、酸っぱさもあるバランスの取れた味わいを楽しめる。

外皮が固く剥きづらいため、ナイフで切り込みを入れて剥くのがおすすめ。種がやや多いものの果肉をそのまま食べることができる。デザートとして食べるのもよいが、甘味と酸味のバランスの良さからサラダや和え物としても使われる。

酸味の成分であるクエン酸のほか、ビタミンB1やB2も豊富に含まれるため、疲労回復など体調を整えるのに適している。
気候の変化があるこの時期に是非食べたい逸品である。

気になるのは、なぜ和歌山県で栽培されるサンフルーツに「田の浦オレンジ」という名が付けられたのか。
発見された熊本県芦北郡に「田の浦」という地名があるのが由来であるのか、それとも、和歌山市の「田の浦」に関係するのか、様々な文献を探したが、真相を突き止めることはできなかった。

田の浦オレンジの名で流通するサンフルーツ。謎多い柑橘を手に取ってみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)

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