さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

きい探訪 No26 ~九度山町~

2015-07-26 14:27:50 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式・特別競技の「なぎなた」が行われる、九度山町を紹介したい。

九度山町は人口約4千6百人の町。
高野山の麓に位置し、富有柿(ふゆうがき)の栽培が盛ん。
町の中心部には、世界遺産登録されている「慈尊院」や、戦国武将の真田幸村が隠棲していたとされる「真田庵」などがあり、語り部と巡る街歩きを楽しむ観光客も多い。


【写真】慈尊院(九度山町)

慈尊院」は816年、弘法大師(空海)が高野山を開山した際、高野山への玄関口として伽藍を創建。
庶務を司る寺務所を置き、宿所や冬季の修業の場として作られたのが始まり。

高齢となった弘法大師の母が現在の香川県善通寺市から息子が開いた高野山を一目見ようと和歌山を訪れここに滞在。
本尊の弥勒菩薩を信仰したという。
弘法大師は頻繁に高野山から町石道を下り母を訪ねたといい、その頻度が「月に9度」といわれるほど頻繁であったことから「九度山」の名が付いたといわれている。
弘法大師の母の御利益を得ようと、女性の来訪者が多い。

真田庵」は関ヶ原の戦いで制裁を受けた真田幸村の家族が高野山に隠棲したが、あまりの寒さで麓の九度山に庵を移し、14年間滞在。
豊臣秀頼の命を受け、大坂冬の陣・夏の陣に参戦。大坂城の要所に出丸「真田丸」を築き、優れた武力で徳川の軍勢に挑んだという。
来年1月から放送が始まるNHKの大河ドラマで、真田幸村の生涯が描かれることから、町内には資料館が開設される予定。

高野山と縁が深い九度山町の歴史に触れてみては。

(次田尚弘/九度山町)

慈尊院の写真 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きい探訪 No25 ~かつらぎ町~

2015-07-19 13:33:22 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式・特別競技のゴルフ、デモンストレーションスポーツのオリエンテーリングが行われる、かつらぎ町を紹介したい。

かつらぎ町は、人口約1万8千人の町。
果樹栽培が盛んで、実の中に種が無い「平核無柿(ヒラタネナシガキ)」の生産高が日本一で、四郷地区を中心に作られる「串柿」は、その名が広く知られている。
イチゴブルーベリーなど、豊富な種類の果物が収穫されるフルーツ王国だ。

市街地を流れる紀の川から紀伊山地へ入り、標高約450メートルの天野盆地に、世界遺産に登録されている「丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)」がある。


【写真】丹生都比売神社(かつらぎ町)

今から約1700年前に創建。
弘法大師空海高野山を開く際、仏法の守護を願い、神々の山で高野を借り受けたといわれている。
そのため、古来より高野山の鎮守社として知られ、高野山と密接な関係をもつ神社だ。
また、全国の丹生都比売神を祀る神社の総本社でもある。

おすすめしたいのは、麓の慈尊院から丹生都比売神社近くを通り、高野山金剛峰寺へと続く「高野山町石道」だ。
世界遺産登録された参詣道で、高野山への道標として、1町(約109メートル)ごとに「町石(ちょういし)」と呼ばれる高さ約3メートルの石柱が建てられているのが特徴。
町石道から丹生都比売神社へと逸れる道に並んで建つ2基の鳥居は丹生明神高野明神を祀り、弘法大師・空海が建立したものといわれる。

高野山の歴史に触れられる町石道歩きを体験してみては。

(次田尚弘/和歌山)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きい探訪 No24 ~紀の川市~

2015-07-12 14:01:24 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式・特別競技のサッカーハンドボールソフトボール、公開競技の綱引、デモンストレーションスポーツの、パラグライダー・ハンググライダービリヤードペタンクが行われる紀の川市を紹介したい。

紀の川市は、2005年11月に、旧の打田町粉河町那賀町桃山町貴志川町の5町が合併してできた、人口約6万5千人の市。
農業が盛んで、とりわけ、旧桃山町で収穫されるや、旧貴志川町のイチゴはブランド力が高く、広く知られ親しまれている。
他にも、イチジクキウイはっさくも特産のひとつ。全国でも有数のフルーツ王国だ。

市内の各所にある産直市場では、地元の生産者らの自慢の商品が市場価格に比べ安価で並ぶ。
最近はその品揃えと品質が高く評価され、ツアー客の立ち寄り地となるほどで、新たな観光地として定着し始めている。

イチゴの生産が盛んな旧貴志川町では、貴志駅和歌山駅を結ぶ和歌山電鐵貴志川線が走る。
おすすめしたいのは、貴志川線を利用しての旅。
沿線の大池遊園は桜の名所であり、平池公園では冬になると幻想的なイルミネーションが施されたりと、都市部から近くして自然に触れられる環境が整っている。


【写真】大池遊園(紀の川市)

また、貴志川線の永続を目指す「貴志川線の未来を"つくる"会」の皆様によるウォーキングイベントや芋掘り体験などのイベントが積極的に行われ、沿線の魅力発信も盛ん。
レンタサイクルなどを活用しながら、日本の原風景が残る紀の川市のぶらり旅を薦めたい。

(次田尚弘/紀の川市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きい探訪 No23 ~岩出市~

2015-07-05 17:43:38 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式・特別競技のハンドボールバドミントンボウリングが行われる岩出市を紹介したい。

岩出市は2006年4月に旧那賀郡岩出町が市政を施行してできた人口約5万3千人の市。
和歌山市内から延びる国道24号の「和歌山バイパス」が市の中央を横断し、その道路沿いに数多くの店舗が建ち並ぶ。
和歌山バイパスを北に逸れると豊かな自然が広がってくる。
ここに深い歴史をもつ「根来寺ねごろじ)」がある。


【写真・AR動画】根来寺の大塔(岩出市)

根来寺は、高野山の僧の間で権勢を奮っていた覚鑁(かくばん)上人が教義対立から根来に移ったのが始まり。
戦国時代、根来寺は地域における大きな勢力となり、僧兵1万を誇る根来衆としてその名を世に轟かせたが、それを恐れた豊臣秀吉が、1585(天正13)年3月に紀州攻めを行い根来衆は敗北。
大塔大師堂などを残すのみとなった。

その後、紀州徳川家の支援を受け、大門伝法堂不動堂などが復興。
やがて、大塔は国宝に、大師堂は重要文化財に指定された。
大塔は高さ40メートル、幅15メートルを誇る。これは日本最大の木造多宝塔であり、日本で唯一、国宝の大塔の中に入って参拝ができるという。

また、根来寺の近くに「岩出市民族資料館」があり、根来衆をはじめ地域の歴史に触れることができる。

関西空港から約30分というアクセスの良さから近年、外国人旅行者の訪問も増えてきた。
今秋には京奈和道の岩出I.Cも開通予定。
ますます便利で話題沸騰の岩出市にご注目を。

(次田尚弘/岩出市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする