さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

地元の魅力を詰め込んで すさみ町地域振興交流施設

2015-12-27 14:48:13 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
紀勢自動車道すさみ南インターチェンジ(IC)の程近くにオープンした「道の駅すさみ」の地域振興交流施設を紹介したい。


【写真】すさみ町地域振興交流施設

地域振興交流施設は、すさみ町の地域情報発信と町内で生産される農林や水産、それらの加工品等の販売を通じて観光や産業の振興を図ろうと、9月5日にオープン。
風光明媚な熊野枯木灘海岸県立自然公園を一望できる高台に位置し、広域防災拠点として位置づけられている。

施設には、地元の食材を使った料理を提供するフードコートや、土産品や産直の農作物を販売するショッピングコーナー、特産品のサンマずしやなどの製造を体験できる「ふるさと体験コーナー」があり、指定管理者の「信濃路(和歌山市)」が運営する。
町観光協会の案内所も併設し、すさみエリアの情報発信基地となっている。

物産販売コーナーで愉快な土産品を見つけた。
和歌山南漁協が販売する「するめーる」をご存知だろうか。
特産品であるスルメイカを乾燥させ真空パックにしたものを定形郵便で送付できるようにした商品。
送付先の住所やメッセージを記載できる封筒に入っており92円切手を貼れば送付できる。
通常用、暑中見舞い用、年賀用の3タイプがあり、食べられる絵葉書として、観光客のみならず私たち県民もサプライズな挨拶状として活用できそうだ。

レストランコーナーでは、地元の海の幸を堪能できる海鮮丼やしらす丼、伊勢海老の天丼など、この地ならではの食事を楽しめる。
道の駅すさみの駅長を務める井谷さんは「地元の良さを詰め込んだ施設。
近くにお越し際はぜひお立ち寄りください」と呼びかけている。

今月12日、すさみ南IC以南の「すさみ串本道路」(すさみ町江住-串本町サンゴ台、19.2キロ)の事業着手式が開かれた。
完成時期は未定というが、紀南エリアの災害対策や観光振興のため早期開通を期待したい。

(次田尚弘/すさみ町)
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海の底の小さな営みに触れる すさみ町立 エビとカニの水族館

2015-12-20 17:08:20 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号より、南紀田辺インターチェンジ(IC)と、すさみ南ICを結ぶ紀勢自動車道について取り上げている。
今週は、すさみ南ICの程近くにある、「すさみ町立エビとカニの水族館」を紹介したい。


【写真】エビとカニの水族館

エビとカニの水族館は9月13日、紀勢自動車道開通にあわせ、すさみ町江住の地域振興交流施設「道の駅すさみ」と同敷地内にリニューアルオープンした。
同施設は旧江住中学校の跡地にあり、水族館は体育館を改装したもの。
かつての学び舎が水族館として親しまれている。

特徴は、名前の通り、エビやカニなどの甲殻類を中心に、主に紀伊半島に生息する150種類以上を展示していること。
一般的に水族館といえば魚が泳ぐ大水槽を想像するが、同館では小さな水槽の中の甲殻類を間近で見ることができる。

各水槽に添えられた研究員の方々からの説明書きも魅力のひとつ。
目前の大海原で日々行われている、エビやカニたちの静かな営みが、まるで人のように描かれ、親近感が沸くとともに、自分が知らなかった世界に気づかされる。

筆者の目が釘付けになったのが「カブトガニ」の水槽。
魚やイルカショーをメーンにした水族館では展示物のひとつとしてじっくりと観察する機会は少なかったが、ここでは全ての水槽の生物が主人公。
仰向けになってしまい、なかなか起き上がれないカブトガニを偶然かもしれないが仲間たちが甲羅を使って助け合う姿に見入ってしまった。

この時期、同館では「エビー・カニスマス」と題したクリスマス仕様の展示を実施。
研究員の平井厚志さんは「お正月には申年にちなんだ展示をします。
色々なエビとカニの魅力に触れてください」と呼びかけている。

年中無休で年末年始も営業。
この冬、海の底の小さな営みに触れてみては。

(次田尚弘/すさみ町)
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大盛況の紀勢自動車 人命を守る役割も

2015-12-13 13:37:02 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今年も残すところあと3週間。
1年を振り返ると、紀の国わかやま国体・大会を契機に、県内では様々な変化や発展がみられた。
とりわけ、南紀田辺インターチェンジ(IC)と、すさみ南ICを結ぶ紀勢自動車道の開通は、田辺市以南へのアクセスを大きく変えた。


【写真】紀勢自動車道が始まる「南紀田辺IC」

紀勢自動車道は7月12日に南紀田辺IC-南紀白浜IC間、8月30日に南紀白浜IC-すさみ南ICが開通。
全線に渡り、通行料は無料。
すさみ南ICの程近くにオープンした道の駅「すさみ」では9月の来客者数が想定の3倍となる3万8800人を記録。
併設する「エビとカニの水族館」では、オープンから約半月で昨年の入館者数の2万人に迫る1万5千人が来館するなど、紀南の玄関口として定着してきた。

道の駅では地元の食材を使った料理を雄大な海を見ながら食べることができ、水族館ではその海の中に生息する小さな生き物たちの営みをうかがい知ることができる。
その魅力については追って紹介したい。

観光への影響が大きく見られる紀勢自動車道だが、紀南エリアにおける人命を守る役割も大きい。
南紀田辺IC-上富田ICの区間に、緊急車両のみ通行できる緊急退出路が整備されている。
緊急退出路にはリモコンで開閉するゲートが付けられており、見た目は工事用車両の搬入路と同じ。
退出路は県道とつながり、県道から約500メートルの地点に、救急医療施設の「紀南病院」がある。
この緊急退出路を利用することで、上富田ICを経由するより、搬送時間を約3分短縮できるといい、新しい試みとして県内外から注目されている。

(次田尚弘/田辺市)

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ブラジルに息づく箏の音色 日本大使館で演奏会

2015-12-06 15:34:55 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前回に続き、世界中に箏の魅力を発信しようと活躍されている、和歌山市出身の箏曲家・西陽子さんによる、ブラジルからのリポートです。(次田尚弘)
 

お弟子さんの一人、山田裕子さんとブラジルで再会したのは、ちょうど2年前。
和歌山から出たことのなかった彼女が、JICAボランティアとして箏の指導にあたるため、アマゾン川河口の町・ベレンに飛び出しました。
ベレンは日系ブラジル人が移民初期に入植した地の一つであり、今でも多くの日系人の方々が住んでいます。

驚くことに、遠く離れたアマゾンのその町には、箏を守り続ける方々が今でもいらっしゃいます。
ベレンの人たちの憧れの市民劇場はオペラハウスのように素敵なホールで、皆さんと共に演奏したコンサートは私にとって一生忘れることのできない素晴らしい感動の瞬間でした。

日本大使館で演奏会を開いた時は、偶然にもベレンでご一緒した方にも再会しましたし、サンパウロではもはや家族のようになった箏の先生方や生徒さんたちとワークショップを含めた交流会が開かれました。


【写真】多くの日系人の前で演奏(ブラジル日本大使館)

ブラジルまで往復4日。楽器を含め引越さながらの大荷物。多くの方々のご協力なしには実現できない演奏旅行。それでもやっぱり行きたい!

ブラジルの大地にいると、その深き緑に刻まれし日系人の方々の夢や希望が見えてくるような気がします。
日系人の歴史は辛苦の歴史です。
邦楽界の常識である流派の壁などたやすく越えてしまう心の広さ、自分のなすべきことを身じろぎもせず行う胆力、そしてあたたかく朗らかな笑顔。
日本人の美しさと強さはここに今もあって、私はいつも勇気づけられます。尊敬と感謝・・・。

箏の音が、過去と未来、国と国、人の思いや夢、そして祈りをつないでいけるように私もまたひたむきに音楽に向かっていきたいと思いました。

(西陽子/ブラジル)
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