さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

きい探訪 No18 ~有田市~

2015-05-31 17:11:06 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式競技の軟式野球とデモンストレーション競技の近代3種(ラン、スイム、射撃を連続して行う競技)が行われる有田市を紹介したい。

有田市は人口約2万8千人の市。
有田みかん」の名で全国に知られるが、市内の箕島漁港で水揚げされる太刀魚は漁獲量日本一を誇る。
また、同市で栽培される除虫菊を用いた蚊取り線香が開発・製造された歴史もある。
沿岸部では石油精製施設があり、同市を支える産業のひとつとなっている。

有田みかんの起源は、1574年(天正2年)に現在の同市糸我町の伊藤孫右衛門が紀州藩の命を受け、肥後八代からみかんの苗木を持ち帰り育てたことに由来するという(諸説あり)。
中でも、新堂地区で生産される「新堂みかん」や、隣の湯浅町田地区の「田村みかん」は、みかんのトップブランドとして知られる高級フルーツだ。

海の幸、山の幸の両方を楽しめる有田市で、ぜひ訪れてみて欲しい観光スポットがある。
有田みかん海道」だ。


【写真・AR動画】「有田みかん海道」から国体競技会場を望む


国体競技会場となる「マツゲン有田球場」の近くから内陸部へと続く全長約5.6キロの道路。
紀伊水道が眼下に広がるほか、沿道に巨大な風車が見える。
絶景を眺められる休憩所が整備されており、ドライブに限らずウォーキングにもおすすめ。

有田みかんが美味しい理由は、日当たりの良さと紀伊水道からの潮風が関係するとか。
豊かなみかん山を眺め、潮風に当たりながら、有田市の魅力を感じてみては。

(次田尚弘/有田市)
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きい探訪 No17 ~湯浅町~

2015-05-24 22:00:25 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式競技の軟式野球とデモンストレーション競技のスポーツ吹矢が行われる湯浅町を紹介したい。

湯浅町は人口約1万2千人の町。
醤油発祥の地として知られ、紀伊水道に面した交通の要所として発展してきた。
熊野古道が商店街を通る唯一の町として歴史的価値の高い地域でもある。

湯浅駅から程近い「重要伝統的建造物群保存地区」はぜひ訪れて欲しいところ。
白壁の土蔵格子戸虫籠窓など、湯浅醤油の伝統と歴史を感じられる家並みが、東西約400メートル、南北約280メートルのエリアに残り、平成18年に文部科学省から認定を受けた。


【写真・AR動画】湯浅町の「重要伝統的建造物群保存地区」

現在も醤油の醸造が盛んな醤油工場や、醤油づくりの歴史を学ぶことができる資料館、醤油づくりの原点といえる金山寺味噌の販売店が建ち並び、醤油の香りが漂う。
最近は「町歩きモデルコース」ができ、駐車場や休憩所、ギャラリーが整備されるなど、より深く、湯浅の伝統・歴史に触れられるようになった。

町歩きに加え、食べ歩きもおすすめ。
湯浅湾で水揚げされるシラスをふんだんに使った「しらす丼」は逸品。
店頭に掲げられた「紀州湯浅 しらす丼」の旗が目印だ。
また、古くから家庭料理として受け継がれてきた、の「なれずし」は日本三大くさり寿司のひとつ。

他にも、干物や金山寺味噌の具材として用いられる「湯浅なす」など、歴史深い町ならではの特産品が盛りだくさん。
湯浅町で伝統と歴史が奏でる食文化も楽しんで欲しい。

(次田尚弘/湯浅町)
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きい探訪 No16 ~広川町~

2015-05-17 13:57:56 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、公開競技のパワーリフティングが行われる広川町を紹介したい。

広川町は有田郡に位置する人口約7400人の町。
温暖な黒潮の恵みを受け、和歌山を代表する有田みかんの産地。
湯浅御坊道路が走る内陸部から山地にかけてのエリア(津木地区)では、地元住民らによるホタルの保全活動が盛ん。
ホタルが飛び交う5月中旬から6月にかけての時期は観光客らで賑わう、自然豊かな町だ。

また、安政南海地震の際、濱口梧陵氏が当時の村民を高台へ避難させるために稲むらに火を付けた「稲むらの火」が語り継がれる町でもある。
安政南海地震後に濱口梧陵氏の呼びかけで作られた「広村堤防」は現存し、今もなお、広川町民を守り続けている。


【写真・AR動画】広村堤防と記念碑

町内には、濱口梧陵記念館と津波防災教育センターが入居する「稲むらの火の館」が開設され、防災学習で訪れる児童・生徒のみならず、全国から人々が足を運ぶ施設。

最近は、稲むらの火の館を発着地点に、濱口梧陵氏ゆかりの地を巡る散策路とマップが整備されている。
全行4.8キロメートル、約2時間のコースで、広村堤防をはじめ濱口梧陵氏の銅像や顕彰碑、墓などを巡る。

人々の生命を守ろうと尽力した偉人を称え、いまなお、その教えや心を受け継ぐ、心豊かな町がここにある。

(次田尚弘/広川町)
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きい探訪 No15 ~由良町~

2015-05-10 15:59:46 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、デモンストレーションスポーツのウォークラリーが行われる由良町を紹介したい。

由良町は人口約6000人の町。
金山寺味噌醤油発祥の地とされ、町西部にある「興国寺」の開祖「心地覚心(法燈国師)」が、中国(宋)の金山寺から持ち帰った味噌を醸造し、周囲に広まったのが始まりとされている。
醤油は醸造の過程から出る「たまり」に由来する。

山地では蜜柑の栽培が盛んで、極早生品種の「ゆら早生」は昭和60年に町内で生まれた新品種。
一般的に極早生蜜柑の糖度は10度前後であるが、ゆら早生は10度から13度程度と甘みが強い。
また、内包の皮が薄く食べやすいことが特徴。
国体が開催される10月前後に食べ頃を迎えるので、ぜひ賞味いただきたい。

一方、海辺には"日本のエーゲ海"とも称される「県立白崎海洋公園」が魅力のひとつ。
その名の通り、白亜の岩壁が特徴で、約2億5000万年前にできた太古の石灰岩で形成されている。
国道42号から西へ約7キロに位置し、24時間利用可能な「道の駅」を併設。
自然の景観が豊かで、気軽に立ち寄れるおすすめのスポットだ。


【写真・AR動画】県立白崎海岸公園

また、園内には、ダイビングが楽しめるクラブハウスのほか、オートキャンプ場やログハウスなども完備。
キャンプ用品のレンタルがあり、食材は道の駅で調達できるなど、マリンレジャーの拠点として充実。

風光明媚で自然・味が豊かな由良町へぜひ。

(次田尚弘/由良町)
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きい探訪 No14 ~日高町~

2015-05-03 17:26:57 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
今週は、正式競技のホッケーが行われる日高町を紹介したい。

日高町は紀伊半島西部のほぼ中間点に位置する町。
競技会場がある内陸部では米や野菜の生産が盛ん。
海岸部は浜辺と岩礁部で形成されるリアス式海岸が特徴で、名産である高級魚「クエ」が有名だ。

幻の高級魚として知られるようになったクエは、もともと、日高町の郷土料理として旅館や民宿の宿泊客らに提供されていたもので、その味の素晴らしさが評判となったことが始まりという。
現在も冬の時期に、旅館民宿組合加盟の宿などで天然のクエ料理が味わえる。

この地域で良質のクエが獲れるのには恵まれた地形が関係するという。
クエは水深50mまでの岩礁やサンゴ礁の間に生息するからだ。

町内の沿岸部に位置する、" 温泉館「海の里」みちしおの湯 "の1階には、ダイビングショップが入居。
陸から近い地点でダイビングを楽しめ、京阪神からの客も多く訪れる。
2階の温浴施設からは美しいリアス式海岸が一望でき、お薦めのスポットだ。


【写真・AR動画】温泉施設とダイビングショップが入る「みちしおの湯」

また、同施設から南へ約3.5キロにある「産湯(うぶゆ)海水浴場」は、遠浅で広い砂浜が広がり、夏季には海の家も営業する紀中エリア随一の海水浴場。
神功(しんぐう)皇后の皇子の産湯に使ったとされる井戸が残る場所で、地名の由来になっている歴史の深いところ。

競技会場から海岸部へ足を延ばせば、内陸部とは全く違う姿を見せてくれる町。
ぜひ、海の恵みに触れてほしい。

(次田尚弘/日高町)
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