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さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

特産の果物と細かな氷を使用 色とりどりの「シェイブアイス」

2025-06-28 15:50:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、環境に配慮した移動を促進する、米国のライドシェアの事例を取り上げた。今年は梅雨らしくなく既に真夏のような暑い日々。ハワイでも涼を求めて、氷菓子を食べる文化がある。今週はハワイで愛される「シェイブアイス」を紹介したい。


【写真】虹色のトッピングが美しい「シェイブアイス」

シェイブアイスは削った氷にシロップをかけた氷菓子で、日本のかき氷に近い。かき氷よりも氷を細かく削ることにより、シャリシャリとした食感ではなく、フワフワして軽い口当たりであるのが特徴。ここに、色とりどりのシロップがかけられ、さらにフルーツや練乳、アイスクリームなどがトッピングされる。カラフルなシロップで虹色を表現するシェイブアイスは、ハワイを代表するスイーツのひとつである。

起源は日本からハワイに移民した労働者。農園で暑さをしのぐため、日本から持ち込んだ機械を用いて氷を削るようになったという。そこにハワイのトロピカルなフルーツを使ったシロップや様々なトッピングが加わり、シェイブアイスの文化が定着した。

主に現地の農園で収穫されるマンゴー、パインアップル、ココナッツ、ストロベリーなど、濃い味の果物が使われ、お店によって種類は様々。オリジナリティのあるシェイブアイスを作ることができ、見ているだけで暑さを忘れ、晴れ晴れとした気持ちになれる。

気候が温暖な和歌山では、ハワイのようなトロピカルな果物の収穫は難しいが、全国に誇る果物の産地。新鮮で口当たりのよい水も存在し、ポテンシャルはあるはず。地域の特産品で作られた華やかなスイーツ。見る喜びと食べる喜びを兼ねそろえたシェイブアイスをぜひ。

(次田尚弘/ホノルル)
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環境に配慮した移動を促進 「グリーン」選択で地域に貢献

2025-06-21 14:30:10 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号より、安価で便利な移動手段として米国で浸透している「ライドシェア」を取り上げている。今週は電気自動車(EV)の配車を選択できる事例を紹介したい。

ライドシェアを利用しようとアプリを立ち上げると、用途に応じて様々な車種が選択できる。この中に「グリーン」という選択肢があり、「手頃な価格で環境に優しい車に乗れる」という記載が。配車を依頼し乗ってみることにした。


【写真】「グリーン」の選択で配車された電気自動車

配車されたのは日本でも浸透している米国メーカーの電気自動車。車種特有のなめらかな走りと静粛性、透明のルーフからは青空が見え、ワイキキのビーチ沿いの走行はとても快適であった。

乗車が完了すると、ガソリン車と比べ削減できた二酸化炭素の推定量が表示される。滞在中に複数回、グリーンを選択し乗車したところ、削減量が累積値として表示された。また「あなたがもたらしたプラスの影響」として、削減できたガソリン使用量も表示。自らの貢献が可視化されることで、旅行先の環境に配慮できたという自覚も生まれる。利用する時間帯にもよるが、料金は他の車種と比べ1割程度割高である程度。

このサービスを提供する事業者では、移動による二酸化炭素の排出を抑えることを掲げ、自動車メーカーと連携し、ドライバーに電気自動車への乗り換えを促進。一定の基準を満たせば購入費用の一部が補助されるなどドライバーにとっても、メリットがある仕組みである。

日本国内でも東京の一部の地域で、配車時にタクシー会社が運行する電気自動車を選択できるサービスがあるが、まだまだ限定的。サステナブルな社会の実現に向け、市民や観光客ができる選択が広がることを期待したい。

(次田尚弘/ホノルル)
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安価で便利な移動手段 米国で浸透「ライドシェア」

2025-06-14 16:22:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、公共交通の利用促進と環境対策を目的に、ホノルル市を走る路線バスで取り入れられている「パーク&ライド」を取り上げた。昨今、海外では「ライドシェア」が広まり、ホノルル市内でも一般的に。今週は安価で便利に利用できる海外のライドシェアを紹介したい。


【写真】ライドシェアの車内から

ライドシェアはアプリなどを使いドライバーと利用者をマッチングさせ、目的地まで利用者を有償で運ぶサービス。日本のタクシーアプリとは違い、タクシー会社に属さない一般ドライバーの自家用車が使用される。日本でも昨年4月からタクシー会社が運営主体となり、タクシーが不足する時間帯に限り一般ドライバーが自家用車で利用者を運ぶ「日本版ライドシェア」が解禁されている。

ホノルルでは日本国内でも使用できる「ウーバー」、アメリカで普及している「リフト」、ハワイの企業が運営する「ホロホロ」がサービスを提供。迎車までの時間や目的地までの所要時間がわかり、運賃は事前に確定。チップを含め決済はアプリ上で完結する。時間帯や車種によって差があるが、料金は日本のタクシー並みで、現地のタクシーと比べると半額程度となる。

乗車後は目的地を伝える必要がなく、ドライバーが積極的に会話を求めてくることもないため、英語が苦手な観光客でも気軽に利用できる。日本のようなきめ細やかなサービスは期待できないが、安価で便利に目的地へ移動するという意味では優れたサービスである。

安全性やタクシー会社とのバランスから、日本国内での浸透は限定的だが地域の交通を支えるひとつの手段であることは確か。公共交通を維持しつつ、利便性の高い新しいサービスとの融合で、ストレスなく移動できる社会の仕組みが見えた。

(次田尚弘/ホノルル)
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利用促進と環境対策に 路線バスの「パーク&ライド」

2025-06-07 13:30:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号より、市民の暮らしと環境客の旅を支える、ホノルル市の公共交通「TheBus」を取り上げている。今週は「パーク&ライド」のサービスを紹介したい。


【写真】ハレイワタウンに設けられた「パーク&ライド」の施設

パーク&ライドとは、自宅から最寄り駅やバス停の近くにある駐車場に車を止め(パーク)、公共交通に乗り換える(ライド)ことにより、目的地に向かうという仕組み。パーク&ライドにより、都市部に車を乗り入れることによる交通渋滞の緩和や環境対策に効果があるほか、公共交通の利用促進により、市民の移動手段を維持していくという目的もある。

TheBusでは市内5か所に駐車場を併設した発着所を設けている。筆者が訪れたオアフ島北部のノースショアにあるハレイワタウン内には、20台程度の車を駐車できるスペースがあり、道路上に施設の存在を示すポールが立てられている。この地域は住宅と観光名所が共存する自然豊かな地域。住民は都市部への移動、観光客はタウン内でのショッピングや観光名所への近距離のバス移動のために利用されているようだ。

パーク&ライドは日本でも取り入れられている。地方の鉄道駅の周辺に用意された駐車場に車を止め、鉄道を利用する「パーク&レールライド」が一般的であるが、昨今は都市部の公共駐車場に車を止め、路線バスで商業地を周遊する「パーク&バスライド」も浸透しつつある。大阪・関西万博では、障害者用駐車場を除き、会場内にマイカーの乗り入れができないことから、近郊に設けられた駐車場に車を止め、会場まで送迎バスで移動する仕組みが取り入れられ、既に利用された方がいるかもしれない。

利用者の利便性向上と公共交通の利用促進を図り、環境にも優しい仕組み。日本国内での拡大と浸透を期待したい。

(次田尚弘/ホノルル)
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自動割引や自転車搭載も ホノルル市の公共交通「TheBus」

2025-05-31 14:01:30 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、住民と観光客を守るハワイの津波対策を取り上げた。要避難区域で意思表示すれば避難所まで送り届けてくれる市営バス。今週はホノルル市民の暮らしと観光客の旅を支える市営バスを紹介したい。
ホノルル市が運営する公営バスでその名は「TheBus(ザ・バス)」。100以上の路線と4000以上のバス停があり、500台を超える車両で運営されている。白いボディにオレンジと黄色のラインが塗装され、日本の路線バスと比べ全長がやや長い印象がある。


【写真】ホノルル市内を走る「TheBus」

運賃は均一で大人が3ドル、子供(17歳以下)が1.5ドルとなっている。専用のICカードである「ホロカード」を使えば、1日3回以上の乗車でワンデーパスが適用され、1日の最大額が7.5ドルとなる。また、月間80ドル、年間880ドルが上限となるサービスも。

ご当地ならでは、あるいは先進的だというのが正しいのか、バス停に時刻表は掲示されていない。バス停のポールに、バス停のナンバーと運行する路線の系統番号が掲出されており、TheBusのサイトか専用アプリから時刻表や運行状況を確認できる。

どのバスにも車両の前方に自転車を搭載できるラックが付いている。運転士に申し出れば2~3台まで自転車を乗せることができる。日本でも地方のバス会社が同様のサービスを実施しているケースがあるが、まだまだ一般的ではない。

和歌山県内では、きのくに線と和歌山線を運行する一部の列車で、自転車をそのまま載せることができる「サイクルトレイン」の運用が始まり、住民に限らず観光客にも便利な、サイクリングによる新たな観光モデルが提唱されている。

公共交通に新たな価値を加えた取り組み。生活の一部として公共交通と自転車が調和し、魅力的な街になってほしい。

(次田尚弘/ホノルル)
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