さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

人気のカクテルを家庭で 香り高い味わい「梅酒ビア」

2019-06-30 20:02:05 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、昨今、新しい梅酒の楽しみ方として人気が高まる「梅酒カクテル」について、カクテルの歴史やその名の由来を取り上げた。
今週はその種類や味わいについて紹介したい。

梅酒カクテルとは、梅酒と何らかのお酒を混ぜ合わせたもの。最も身近であるのが「梅酒ソーダ」。グラスに氷を入れ、梅酒とソーダを1対1の割合で注ぎかき混ぜた定番メニュー。

続いて「梅酒ハイボール」。梅酒にウイスキーとソーダを混ぜあわせる。味わいは濃く、梅酒とウイスキーというアルコール度数が高い組み合わせは、深い酔いを楽しみたい方に最適。

おすすめしたいのが「梅酒ビア」。聞き慣れない名前かもしれないが、梅酒とビールの組み合わせである。


【写真】梅酒と麦酒を混合した「梅酒ビア」

提供する店は多くないので試しに作ってみることにした。梅酒とビールの最適な比率は1対2と、ビールの割合を多くするのが特徴。

混合の比率も大切だが、試してみるなかで、梅酒らしい特徴と難しさが見えてきた。
梅酒といってもその種類は様々。完熟しドロッとした濃い味のものもあれば、サラリとしたものもある。
梅酒ハイボールであれば濃い味わいを特徴とするため前者の梅酒が適し、梅酒ビアにおいては爽やかさや風味を重視するため後者の梅酒が適すなど、そのカクテルに求める味わいや酔いの程度、その場の雰囲気に合わせ、最適な種類と混合の割合を選ぶ必要がある。

混合する酒の特徴にも配慮が必要。風味を重視したい梅酒ビアであれば、香りがよく軽い味わいが特徴のビールを選ぶことで、飲み干した後に梅酒の風味を残すことができる。

梅酒それぞれの味わいを知って、更にお気に入りの別の酒と混ぜ合わせ、好みの梅酒カクテルを御賞味いただきたい。

(次田尚弘/大阪市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新しい梅酒の楽しみ方 「カクテル」の定義と語源

2019-06-23 13:38:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、世界一の梅酒まつりとして「異なる梅酒の最多展示数」のギネス世界記録に認定された、大阪天満宮の催しを取り上げた。
境内に並んだテントには行き違うのが困難なほどの参拝者でごった返し、なかでも「梅酒カクテル」のコーナーが最も人気で、午後の早い時間帯で完売となる状況。
昨今、注目を集める梅酒カクテルについて、カクテルが生まれた背景から紹介したい。


【写真】早々に完売となった「梅酒カクテル」(大阪天満宮)

カクテルとは、ミクスト・ドリンク(Mixed Drink)といわれ、氷や器具を使い飲料を冷やしながら他の酒と混合、もしくは、温かくした飲料に他の酒を混合するなどして作られたものをさす。

カクテルの名が記された最古の記録は1806年。アメリカニューヨーク州で発行された新聞で、選挙に出馬する者が「Cock tail」を飲み選挙戦を戦っているという記事が書かれ、その名が広まったとされる。

ではその語源は何か。諸説あるが、雄鶏の尻尾をさすスペイン語であるといわれる。
18世紀の初頭、メキシコの港町のとある酒場で、カウンターの少年が、皮を剥いだ綺麗な木の枝をマドラーのように使い、ミクスト・ドリンクを作っていた。
訪れていたイギリス船の船員が「それ(その飲み物)は何だ」と尋ねたが、少年は木の枝の名を尋ねられたと勘違いし「コーラ・デ・ガジョ(スペイン語で雄鶏の尻尾)」と答えたという。

英語に訳すと「テール・オブ・コック(Tail of cock)」。外国船の船員の間でその名が広まり、やがて「Cocktail」の名に変化。その名はお酒の新しい飲み方として海を通じて世界各地に伝わったとされる。

異なる飲料(お酒)を混ぜ合わせたものがカクテルの定義であるが、梅酒カクテルとはどのようなものか。その種類や魅力について紹介していきたい。

(次田尚弘/大阪市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「世界一の梅酒まつり」 ギネス認定、大阪天満宮の催し

2019-06-16 13:31:25 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では天満宮の祭神で、生涯「梅」を愛したとされる菅原道真の生い立ちと、梅を思いながら詠んだとされる歌を取り上げた。
天満宮のなかでも大阪天満宮(大阪市北区)では観賞して楽しむ梅に加え、飲んで楽しむ梅をテーマにした催しが行われている。
今週は、今年2月に開催された「天満天神梅酒大会」を紹介したい。


【写真】大勢の参拝者で賑わう梅酒大会

今年の天満天神梅酒大会は2月9日(土)から11日(祝)までの3日間、大阪天満宮の境内で開催。全国の酒造メーカーが造る様々な梅酒やリキュールが一堂に会し、その出来栄えを競うもので2007年からスタート。毎回数百種もの銘柄が並び、各地域の梅酒を堪能できる。

梅酒を試飲するために回数券形式のチケットを購入し、目当ての梅酒があるブースで小さなカップへ酒を注いでもらう形式。境内にはテントが並び、全国の梅酒295種類が勢ぞろい。

今年のテーマを「世界一の梅酒まつりに、なるかもしれない!」とし、「異なる梅酒の最多展示数」のギネス世界記録に挑戦。
初日の2月9日、ギネス公式認定員が会場を訪れ、世界記録であることを発表。掲げられたテーマのとおり「世界一の梅酒まつり」となった。

この催しの目的は、酒造メーカーや協賛企業などと連携し、数々の梅酒の存在を広めると同時に、知られていない地域性の高い魅力的な梅酒を発掘すること。
加えて、周辺の天満地域の盛り上げを図り、梅酒を通した地域文化の発展をめざしているという。

紀州街道の北端に位置する大阪天満宮は、地域が一体となり梅酒の魅力を伝える発信基地。日本最大の梅の産地・和歌山も、梅と一緒に地域の味を広めていきたい。

(次田尚弘/大阪市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

生涯「梅」を愛する 天満宮の祭神・菅原道真

2019-06-09 13:49:17 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
「梅の雨」と書いて梅雨(つゆ)。ジメジメとしたシーズンの到来を間近に、県内では梅の収穫が進む。
前号では、梅雨の名称の由来や、紀州街道の北端にあたる大阪天満宮に献梅された「紀州南部の南高梅」を取り上げた。


【写真】大阪天満宮(右に見えるのが南高梅)

「大宰府天満宮(福岡県)」をはじめ、「北野天満宮(京都府)」など、天満宮は梅の名所としても知られる。今週は、天満宮と梅の関係に迫りたい。

天満宮は、学問の神として知られる菅原道真(すがわらのみちざね)を祭神とする神社。
全国各地に存在する天満宮であるが、菅原道真が大宰府へ向かう途中に立ち寄ったとされる「和歌浦天満宮(和歌山市)」を、大宰府、北野に継ぐ日本三大天神という説もある。

菅原道真(845年-903年)は平安時代の貴族。学者であり、政治への影響力も強く要職を務めた。
梅との関わりは5歳の頃に詠んだとされる歌からうかがえる。
「美や、紅の色なる梅の花、あこが顔にも、つけたくぞある」。

「あこ」とは道真の幼名「阿呼(あこ)」で、「美しいな、紅色をした梅の花は、自分の頬にも付けたくなるよ」という意味。
梅を愛する心が色濃く出ているのが、京から大宰府へ向かう(左遷される)際の「飛梅(とびうめ)伝説」。

道真が自宅の梅の木を思い起こして詠んだ「東風吹かば 、にほひおこせよ、梅の花、主なしとて、春を忘るな」。
「春の風が吹けば、その香りを太宰府まで届けておくれ、梅の花よ、主の私がいないからと、春を忘れるのではないぞ」という意味。

その梅は一夜にして大宰府まで飛んできたといい、樹齢1000年を超える今も、太宰府天満宮の神木として「飛梅」の名で知られている。

道真の生涯通じた梅への思いがうかがえる。

(次田尚弘/大阪市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

紀州みなべの南高梅 紀州街道北端「大阪天満宮」で

2019-06-02 14:48:10 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
新元号に変わり1ヶ月が経ち、6月を迎えた。九州南部では梅雨入りが発表され、近畿地方にも梅雨前線がじわりじわりと近づいている。

この時期、和歌山では南高梅の収穫が始まる。数ヵ月に渡り、岸和田市における紀州街道にまつわる文化や歴史を取り上げてきたが、今週は紀州街道の北端(高麗橋)まで北上し、和歌山の「うめ」に関する話題を紹介したい。



和歌山県民が誇る特産品である「うめ」。最新の農林水産統計によると全国で収穫されるうめの約65%が県内で生産。昭和40年から54年連続で全国1位となっている。ちなみに2位は群馬県で全国の約5%。いかに和歌山が梅の名産地であるかがよくわかる。

そもそも「梅雨」という言葉の由来は中国から。諸説あるが、この時期の雨により梅の実が熟すことから梅雨という名がついた、あるいは、長雨により黴(カビ)が生えやすくなることから「黴梅(ばいう)」と書き、そこから派生した言葉であるとか。

日本においては「雨の露(つゆ)、湿気で食品が腐り潰れやすく梅の実も熟す季節であることから「潰ゆ(ついゆ)」などと言われ、やがて、梅雨と書き「つゆ」というものが一般的になったとされる。

紀州街道に話を戻し、紀州街道は大阪市中央区の「高麗橋」と和歌山市の「京橋」を結ぶ街道であることは御説明のとおり。
北端にあたる高麗橋(天満橋駅と北浜駅の中間辺り)から北北東へ約800mの位置に「大阪天満宮」がある。
大阪天満宮は日本三大祭のひとつとして知られる「天神祭」が行われる神社。

ここに、南部梅林と岩代大梅林から献梅され「紀州みなべの南高梅」の札が掲げられた梅の木を見つけた。天満宮と梅の関係に迫りたい。

(次田尚弘/大阪市)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする