さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

自然豊かな景勝地 「加太・淡島神社」の歴史と魅力

2020-11-29 14:21:28 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、海との触れ合いを楽しめる、サーフィンとシラスの街「磯ノ浦・本脇」エリアの魅力を取り上げた。
今週は更に進路を北西に進め「加太」エリアへと進みたい。


【写真】加太漁港

磯ノ浦・本脇から海岸線に沿って進み田倉崎を経て見えてくるのが加太漁港。
加太は万葉の時代から「潟見の浦(かたみのうら)」と呼ばれる景勝地。それが、加太の名の由来であるという。
西に開け紀淡海峡に面した漁港には数多くの漁船が停泊。紀淡海峡は関西で屈指の漁場とされ、なかでも鯛の一本釣りが有名。
鯛を使った料理を提供するホテルや民宿が建ち並び、豊かな自然と食材が調和した港町として親しまれている。

港の西端に位置する「淡島神社」は、全国的にもその名が知られる。
医薬の神様とされる「少彦名命(すくなひこなのみこと)」を祭神とし、婦人病や安全祈願など、女性のための神様として信仰を集める。

神社の歴史は深く、第14代天皇・仲哀天皇の皇后「神功皇后(じんぐうこうごう)」に縁があるとされる。
神功皇后が嵐に遭い沈みかけた船の中で神に祈りを捧げると、船の苫を海に投げその流れのままに船を進めるようお告げがあったという。
船を進め、辿り着いた島が沖合にある「友ヶ島」であるとされ、そこに宝物などを供えたことが神社の起こりといわれている。

その後、神功皇后の孫にあたる仁徳天皇が、友ヶ島にあった社を現在の地に移し社殿を設けたとされる。
現代では、雛流しの神事が有名となり、人形が並べられた拝殿は神秘的な空間となっている。

豊かな自然に恵まれ、霊験あらたかな加太の街を散策してみては。

(次田尚弘/和歌山市上空)



加太の街の風景



淡島神社





高台にある阿字ヶ峰・役行者堂と友ヶ島、加太港の風景



加太春日神社


情緒のある店舗(庄司酒店)


友ヶ島航路の船舶


加太駅に到着した「めでたい電車・さち」



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海との触れ合いを楽しめる サーフィンとシラスの街「磯ノ浦・本脇」

2020-11-22 20:56:31 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、地形が織りなす海の恵みと題し、紀の川河口の人気の釣り場を取り上げた。今週は進路を北西へ進め、磯ノ浦・本脇エリアへと進みたい。


【写真】磯の浦海水浴場と西脇漁港(写真中央)

「磯の浦海水浴場」は、前々号で紹介の河西緩衝緑地の西端に位置する。
空からは南に開けたビーチが見える。ビーチの長さは東西に1200mあり、浜から沖合100mの地点でも水深が1.5m程度と遠浅であることが特徴。
「大阪から一番近いサーフィンのメッカ」として知られ、年間を通しサーファーの来訪が絶えない。
夏季は海水浴客が多く訪れるため、サーフィンエリアと海水浴エリアに区切られ、双方が安心して利用できる。

現地ではサーフィンが初めての人から参加可能なスクールが開講されるなど、海と親しみ、思い出づくりができる機会が提供されている。
南海加太線の磯ノ浦駅からのアクセスの良さも魅力だ。

この海の沖合で行われるのがシラス漁。海水浴場に隣接した「西脇漁港」で水揚げされたシラスを仕入れ、釜揚げやちりめん、つくだ煮を製造し販売する店が建ち並ぶのが本脇エリア。

シラスはイワシ類の稚仔(ちし)魚で体長35mm以下のものを指す。
県内の漁獲量は約1500tで、全国シェアは約3.2%、都道府県順位は13位(平成30年・農水省公表値)。
ちなみに、漁獲量1位は兵庫県(約9400t)、次いで愛知県(約6800t)、静岡県(約5800t)となっている。
漁獲量を全国で見るとシェアは高くないが、紫蘇の葉と梅干しを絡めて食べる和歌山ならではのシラス丼は絶品で、他県の方々にもおすすめしたいもの。

海との触れ合いを楽しめる磯ノ浦・本脇。訪れてその魅力に触れてほしい。

(次田尚弘/和歌山市上空)



南海磯ノ浦駅と磯の浦海水浴場の写真です。


磯ノ浦駅に到着する「めでたい電車・かい」


磯ノ浦駅





磯ノ浦海水浴場 2018年5月撮影
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地形が織りなす海の恵み 人気の釣り場「紀の川河口」

2020-11-15 17:18:35 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、健康増進・学びの場として5つの公園で構成される「河西緩衝緑地」を取り上げた。この地域を広域で眺めると紀の川の河口付近にある長い防波堤が目につく。空からはわからないがこの防波堤で海釣りを楽しむ人も多い。


【写真】紀の川河口(和歌山北港~青岸)

このエリアで人気の海釣りのスポットは2箇所。ひとつは、青岸エネルギーセンターから西へ進んだ防波堤。もうひとつは、紀の川河口大橋の北詰から西へ進んだ先にある「海つり公園」。この公園は台風被害により長期休園となっているが、全長1kmに及ぶ防波堤が活用されている。

紀伊水道から流れ込む暖かい海水により、年間を通じてマダイやイシダイ、チヌ、グレ、ハマチなどの大物が狙える。
また、初心者でも気軽に釣ることができるアジ、サバ、イワシなど豊富な種類の魚が回遊し、幅広い層に親しまれる釣り場となっている。

この地域ならではの特徴としては、紀の川から流れてくる砂が堆積した砂地の地形であることから、ヒラメなどの魚が釣れるということ。
また、タチウオが釣れることでも知られ、夏の終わりから2月頃まで釣れるという。

筆者の知人から、仕事終わりや休日に気軽に釣りに出掛けるという話しをよく耳にする。
市街地から近くして大物から大衆魚まで幅広い釣りができるのは、この地域の地形が織りなす恵みといえよう。

気軽さが魅力であるが海釣りは危険を伴うもの。ライフジャケットの着用やマナーを守り、楽しく安全な釣り場であり続けることが、この地域に住む私たちの務め。
紀の川と海の恵みを感じながら、釣りを楽しんでみては。

(次田尚弘/和歌山市上空)



紀の川河口大橋北詰の堤防で釣りをする人々。



2018年5月撮影
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健康増進・学びの場として 5つの公園で構成「河西緩衝緑地」

2020-11-08 13:56:16 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、2つの橋が地域を結ぶ「紀の川河口大橋」と「青岸橋」を取り上げた。
進路を北に進めると、日本製鉄の高炉群が見えてくる。その中に帯状に延びる緑の緑地帯がある。今週は「河西緩衝緑地」を紹介したい。


【写真】上空から見た「河西緩衝緑地」

河西緩衝緑地は、湊・東松江・松江・西松江・河西の5つの地区に跨る。総面積は約52
5千㎡。緑地総延長は5400mに及び、湊緑地、東松江緑地、松江緑地、西松江緑地、河西公園の5つの緑地公園で構成される。

ソフトボール場やテニスコート、多目的運動広場、体育館、野球場、サッカー場、グラウンド広場のほか、アーチェリー場やプールを備えるなど広大な敷地を活かした充実した設備が多数。

園内に植えられた樹木や花も魅力のひとつで、河西公園内には約60種類、約1万本に及び、訪れた人を楽しませる。
児童の遊園設備も数多く存在することから子供から高齢者まで幅広い年代で楽しむことができる。
河西プールは夏季限定のオープンであるが、規模の大きい幼児プールに加え25mプールもあり、リーズナブルな料金で利用できることも魅力のひとつ。

これらの施設を利用したイベントも数多く開催され、フットサル大会や各種スポーツ教室、草木の育て方教室やワークショップなどがあり、健康増進に限らず学びの場としての意義も大きい。各種イベントの情報はウェブサイトから調べられる。

アクセスは自動車が便利だが、南海加太線の各駅からも徒歩圏内。河西プールは二里ヶ浜駅から徒歩約5分。
広大な敷地と設備が魅力の河西緩衝緑地。訪れて利用してみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市上空)



河西緩衝緑地湊緑地と河西公園の写真です。



河西緩衝緑地・湊緑地




河西緩衝緑地・河西公園


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2つの橋が地域を結ぶ 「紀の川河口大橋」と「青岸橋」

2020-11-01 13:43:53 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、人と物流の玄関口として国際拠点港湾に指定された「和歌山下津港」を取り上げた。
進路を北に進め、まもなく見えてくる「青岸」と地域を結ぶ橋を紹介したい。


【写真】紀の川河口に位置する「青岸」(写真中央)

青岸は紀の川の河口部に位置し、市のごみ処理施設などが存在する。
市は2つの焼却施設を設置。「青岸エネルギーセンター」は昭和61年に竣工。1日あたり400トンの焼却能力を持つ。

隣接する形で「青岸クリーンセンター」があり、平成10年に竣工。1日あたり320トンの焼却能力を持つ。いずれも、蒸気タービン式の発電機を備え、発電した電力を施設で使用し余剰電力は電力会社へ売電。熱は暖房や給湯に使用するなど有効利用が行われている。

これらの施設の竣工と時を近くして開通したのが「紀の川河口大橋」。
青岸から見て紀の川の北側を結ぶ橋で、紀の川の南側と青岸を結ぶ「青岸橋」と連結し、紀の川で南北に分かれた湊地域を結んでいる。
空から見ると、青岸から真っ直ぐに延びる紀の川河口大橋と、ループ橋と赤色のトラス橋が特徴的な青岸橋の存在がよくわかる。

紀の川河口大橋は平成4年に開通。通称・みなと大橋。延長700メートル、うち橋長は521メートルで、交通量が多い紀の川大橋や北島橋のバイパスとして市街地の交通緩和を目的とする。
有料道路事業として実施したため、通行は有料(普通車100円)であったが、平成22年8月から無料開放されている。

橋からは雄大な紀の川と瀬戸内海、和歌山城を含む市街地が一望できる風光明媚なスポット。ドライブして和歌山の良さを感じて欲しい。

(次田尚弘/和歌山市上空)



紀の川河口部に架かる紀の川河口大橋とループ橋と赤色のトラス橋が特徴的な青岸橋の写真です。

和歌山城天守閣からから紀の川河口部を望む


土入川大橋付近から撮影


紀の川河口大橋


青岸橋


紀の川にはたくさんの橋が架けられています。
手前から紀ノ川大橋(元・国道26号線バイパス)、河西橋(元・加太軽便鉄道紀ノ川橋梁)、北島橋(元・国道26号線)、南海紀ノ川橋梁、紀ノ国大橋(国道26号線)


紀の川河口大橋から上流を望む


和歌山市中心部を望む

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