さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

和歌山県出身者で作る音楽ユニット 「KEY TRAD.」が六本木アートナイトで演奏

2022-09-25 16:37:00 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
9月19日(祝)東京都港区の六本木ヒルズで開催された「六本木アートナイト2022」に、和歌山県出身の演奏家で作る音楽ユニット「KEY TRAD.(キー・トラッド)」が招かれ、和楽器を中心とした演奏が披露された。


【写真】演奏する「KEY TRAD.」の5人

KEY TRAD.は「きのくに音楽祭2019」でチーフプロデューサーを務めた、筝曲家の西陽子さんが、同音楽祭のプログラムのひとつでユニットのメンバーと共に、演奏を行ったことがきっかけ。

メンバーは、西陽子さん(箏)、木之下真市さん(三味線)、辻本好美さん(尺八)、上野山英里さん(ピアノ)、大家一将(パーカッション)さんの5人。

演奏会の冒頭で、西さんは「和歌山県を意味する紀伊と、時代と邦楽の鍵になりたいという思いを合わせ、この度KEY TRAD.を結成しました」と挨拶。

オープニングは和歌山県ならではの楽曲「鞠と殿様」を現代風にアレンジし、勢いのあるテンポで5人のそれぞれの楽器で協奏。
伝統のある和楽器そのものの音色を楽しむコーナーを挟み「琴と打楽器のための練習曲ナンバーワン」「シンクロニシティ」「雷光」「キコーニア」「遭遇」「めぐり逢い」の7曲を披露した。

訪れた東京都荒川区在住の30代男性は「和洋楽器のコンビネーションから生まれる音色に圧倒された。息ぴったりの演奏に感動した」と話し、鳴りやまぬ拍手のなか終演を迎えた。

「昨年の国民文化祭のプログラムでも一緒に演奏した5人。いつか東京で演奏したいという夢が実現しました」と大家さん。
六本木アートナイトという大舞台で、和歌山県出身者で結成されたユニットが活躍し、和楽器を中心とした新しいモデルを提案する姿に、同じ和歌山県出身者としての誇りを感じると同時に、今後も広く活動し、邦楽の更なる振興に期待したい。

(次田尚弘/東京都)
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マンゴーのような食感 県内のみで栽培「つきあかり」

2022-09-18 13:57:31 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、全国3位の栽培面積を誇り、様々な味わい方が楽しめる「川中島白桃」を取り上げた。
今週は、和歌山県でのみ栽培されている希少品種「つきあかり」を紹介したい。


【写真】黄肉でとろける食感が特徴の「つきあかり」

つきあかりは、1991年に農水省果樹試験場で「まさひめ」と「あかつき」を交配し選抜育成された品種。果肉の色や形から、2008年につきあかりと命名され、2010年に品種登録された。

果実の重さは250g程度。果皮は黄色をしており赤い着色は少なく、黄桃ならではの良い香りが食欲をそそる。
果皮と同じく果肉も黄色で、食してみると、まるでマンゴーのようなとろける食感。糖度は平均で14%程度と甘味が先行し、酸味は少ない。

つきあかりのような黄肉の桃は、カロテンを多く含み、皮膚や粘膜を丈夫に保ち、視力の維持や癌の予防、免疫力の強化、アンチエイジングなど、健康を保つために有効とされる。

しかし、缶詰用に加工されるイメージが強く、国内での栽培は伸び悩んでいたという。
優れた品質を持つ新品種の育成が求められるなか登場したのがつきあかりである。
主に晩生の時期に多い黄肉の桃であるが、つきあかりの旬は7月下旬。同系統である「黄金桃」と比べ2週間程度収穫時期が早く、桃シーズンの早い時期から楽しめる品種となっている。

栽培適地は東北から九州まで栽培可能とされるが、平成30年の農水省統計によると、つきあかりの栽培地は和歌山県のみ。栽培面積は僅か5haで、県内においても極めて希少な品種といえる。

出荷時期が1週間程度と短く、栽培する農家も少ないつきあかり。来シーズン、店頭で見ることがあれば、ぜひ購入し、その味わいを確かめてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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全国3位の栽培面積 味わい方は様々「川中島白桃」

2022-09-11 13:30:41 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、バランスが取れた味わいが特徴で、西日本では珍しい「なつっこ」を取り上げた。
今週は、桃の全国の栽培面積で第3位を誇る「川中島白桃」を紹介したい。


【写真】濃い色付きが特徴の「川中島白桃」

川中島白桃は、長野市川中島町の農園で品種改良を行う過程で発見された桃で、昭和36年(1961年)に発見者の名前から「池田1号」と名付けられ、栽培が始まったとされる。
その後、発見者の池田氏は川中島地域の他の生産者にもこの品種を広め、昭和52年(1977年)、地名にちなんだ川中島白桃に名が変えられた。

果実の重さは250g~350gと大きく、果皮は色付きしやすく産毛が多い。
食してみると、果肉はやや硬めでしっかりとした食感がある。甘味が強く、酸味は少ないが、やや渋みが残る傾向で、果汁は少なめ。

硬めの食感が苦手な方は、果実をそのまま使い、レモンや砂糖で煮たコンポートにすることで柔らかくなり、タルトやケーキにして楽しめるほか、煮詰めてジャムに加工する方法もおすすめ。

農水省の統計によると、栽培面積の第1位が福島県(234ha)、第2位が長野県(222ha)、第3位が山梨県(214ha)、第4位が山形県(213ha)、第5位が和歌山県(84ha)となっている。
全国の総生産量は約1200haと桃全体の約1割を占め、桃の中では3番目に多い栽培面積となっている。

収穫時期は産地によるが、収穫は早いところで8月上旬頃から始まり、遅いところでは9月いっぱいまで続く。食べ頃は8月下旬から9月中旬。

和歌山県内でも栽培が盛んな川中島白桃。単に食するだけでなく加工品としての楽しみ方もできる品種。アレンジしてその美味しさを堪能してほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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バランスが取れた味わい 西日本では珍しい「なつっこ」

2022-09-04 15:18:06 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、100年以上の歴史を持ち、様々な桃の親品種として親しまれる「白桃」を取り上げた。
今週は白桃の孫にあたる品種「なつっこ」を紹介したい。

【写真】赤みがありなめらかな食感が特徴の「なつっこ」

なつっこは昭和62年(1987年)に長野県の果樹試験場で「川中島白桃」と「あかつき」を掛け合わせて育成された桃で、平成12年(2000年)に品種登録された。
果実の重さは300~350gと大きく、他の品種と比べ果皮の産毛が多くて赤みが強く、縫合線が浅いのが特徴。

食してみると、甘味が強めで酸味が少なく、なめらかな口当たり。味、食感ともに、親品種である川中島白桃とあかつきに似たところがあり、人気のある品種の掛け合わせにより、バランスが取れた味わいが楽しめる。
水分が多く、ビタミンC、食物繊維、カリウムなどが豊富に含まれるとされ、暑い季節の栄養補給にも適している。

比較的日持ちがする品種であるが、やわらかくなった場合はジャムに加工されることや、ジューサーにかけてピューレとして、また冷凍しシャーベットやスムージーとして食する方法がある。
いずれも、甘味が強く感じられ、苦みや渋みが無い品種ならではの加工品で、その旨味を余すことなく活用することができる。

農水省の統計によると、栽培面積の第1位は山梨県(230ha)、第2位が長野県(86ha)、第3位が新潟県(21ha)、第4位が和歌山県(18ha)、第5位が岐阜県(3ha)となっており、東日本での栽培が盛ん。
なかでも山梨県は全体の約63%のシェアがあり、地域特有の品種となっている。

旬は8月上旬から下旬にかけて。西日本では珍しい品種だが、県内で栽培され出回る品種。
今年の旬は過ぎているが、人気品種の掛け合わせからできたバランスの取れた味わいをぜひ楽しんでみてほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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