さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

総合公園化で交流人口拡大を 「スカイタウンつつじが丘」の取り組み

2020-12-27 13:30:24 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、地域性を活かした企業団地と題して「コスモパーク加太」を取り上げた。
今週は、コスモパーク加太に隣接し大規模な造成が行われた「スカイタウンつつじが丘」を紹介したい。


【写真】スカイタウンつつじが丘(写真中央)

スカイタウンつつじが丘は、和歌山市を事業主体とする分譲住宅地。開発面積は約65ha、計画戸数は約897戸、計画人口は約2780人で、697区画を分譲している。
近年は複数区画を同時に購入する場合、安い方の区画が最大50%割引となる制度の導入や、3世代で同居する場合もしくは市外からの転入者に対し1区画につき50万円の割引を行うなど、分譲を促進する施策が行われている。

以前、このコーナーでも紹介したが、国体を機に「市立つつじが丘テニスコート」がエリア内に整備された。屋内4面を含む、人工芝コート20面などの設備がある。

市はテニスコートを核に、ソフトボール場や中央公園等を含む区画を一体的に整備し、誰もがスポーツを通じて交流できる「(仮称)つつじが丘総合公園」としてのリニューアルを計画。大規模な大会や合宿等の誘致を行いスポーツツーリズムの拠点として、交流人口の拡大を目指しているという。

今年7月からは、総合公園としての整備と管理運営を実施する民間事業者の選定に際し、公募内容や選定条件を決めるために広く意見や提案を求める「サウンディング型市場調査」を始めるなど、広大な敷地を活かし魅力的な開発を行うための取り組みが進められている。

街のコンセプトとなっている「人とひかりがふれあうまち」にふさわしい、宅地とスポーツツーリズムの拠点が共存した魅力あるエリアになることを期待したい。

(次田尚弘/和歌山市上空)
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地域性を活かした企業団地に 誘致進める「コスモパーク加太」

2020-12-20 13:50:20 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、「体験型観光」と「鯛料理」の魅力と題し、深山の自然と加太ならではの食について取り上げた。
「休暇村紀州加太」の南東側に大きく開けた企業団地が見える。
今週は「コスモパーク加太」を紹介したい。


【写真】コスモパーク加太

コスモパーク加太は、県土地開発公社により開発された企業団地。
丘陵地を切り開き、採取した土砂を関西空港第一期工事の埋立地の造成に使用。約250haに及ぶ広大な用地が完成した。

企業誘致に苦しむ時期が続くも、平成15年に構造改革特区(新ふるさと創り特区)の指定を受け、土地開発公社造成地の賃貸が容認されたことを契機に、誘致が進んできた。

記憶に新しいのが、カゴメブランドの生鮮トマトを栽培する「加太菜園」の誘致。平成30年に上陸した台風による生産設備への甚大な被害により操業を停止、解散を余儀なくされたが、日照率のよい土地を活かした魅力ある事業が展開された。

太陽光発電所(メガソーラー)の建設も進み、総出力は21メガワットと大規模で、家庭の電力使用量に換算すると年間約5000世帯分に相当するという。

平成29年には県消防学校の新校舎が開校。国内初とされる「自然災害対応訓練施設」が設置され、浸水した車両や河川からの救助訓練、倒壊家屋からの救助を想定した訓練施設を備えるなど、地域性を考慮した訓練を実施。
広大な敷地を活かし、地域の防災力を高める人材育成が行われている。

市中心部や高速道路のインターからのアクセスは優れないが、更に企業誘致が進み、用地が積極的に活用されることを期待したい。

(次田尚弘/和歌山市上空)
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深山の自然、加太の食を満喫 「体験型観光」と「鯛料理」の魅力

2020-12-13 23:48:50 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、自然と歴史が共存する学びの場と題し「青少年国際交流センター」と「加太砲台跡」を取り上げた。
大阪湾の防衛を目的に紀淡海峡に設けられた「由良要塞」はこのエリアに点在。加太・深山地区の深山第一・第二砲台跡は、前号で紹介の加太砲台跡より港を超え更に北側、「休暇村紀州加太」の近くにある。
今週は砲台跡や自然を観光資源として活かした事例と、ご当地で獲れる鯛を使った数々の料理を紹介したい。


【写真】休暇村紀州加太(左下)と深山湾(右下)

深山(みやま)地区は大阪府との県境に位置するエリア。
その名のとおり深い山々に覆われ、山の頂上付近を切り開いた高台に、休暇村紀州加太が建つ。加太エリアで最大級の宿泊者数を誇り、キャンプ場、プール、テニスコート等を設けた大規模な施設。
自然の中を進み由良要塞の遺構に触れるウォーキングコースも整備され、通年を通して多くの観光客が訪れる。

自然を活かした参加型のプログラムとして、早朝の散歩やノルディックウォーキングの体験、夜には星空の観察会が開かれるなど、子供から高齢者まで幅広い年代が楽しめる工夫がされている。
施設の2階にあるレストランでは、和歌山市の食のイベント「食祭WAKAYAMA」でグランプリを獲得した「鯛ラーメン」や「鯛餃子」をはじめ、「鯛うどん」「鯛カツカレー」「鯛のあら炊き」など趣向を凝らした様々な鯛料理が提供され、ご当地の食の魅力に触れられる。

豊かな自然に恵まれた加太ならではの魅力あふれる施設。温泉、紀淡海峡の美しい景色も魅力のひとつ。訪れて、和歌山の自然を満喫してほしい。

(次田尚弘/和歌山市上空)
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自然と歴史が共存する学びの場 「青少年国際交流センター」と「加太砲台跡」

2020-12-06 14:17:53 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、自然豊かな景勝地と題し、加太・淡島神社の歴史と魅力を取り上げた。
今週は更に加太エリアの魅力を深掘りし、リニューアルオープンした「市立青少年国際交流センター」と「加太砲台跡」を紹介したい。


【写真】高台に建つ青少年国際交流センター

市立青少年国際交流センターは「少年自然の家」を建て替え、2018年12月にオープンした施設。
これまでは市内の小中学生の利用に限定されていたが、一定の基準を満たせば年齢や居住地域に関係なく利用でき、約130人が宿泊できる。
白を基調しガラス張りで開放的に生まれ変わった姿は空から見てもインパクトがある。

施設から地続きで存在する「加太砲台跡」は歴史的価値が高く、学習の教材としても重要なもの。
大阪湾の防衛を目的に紀淡海峡に設けられた「由良要塞(ゆらようさい)」のひとつで、淡路島の由良地区(洲本市)、友ヶ島地区、加太・深山地区、鳴門地区から構成される。
加太・深山地区では、明治22年から38年にかけ、深山第一、深山第二、男良谷、加太、田倉の5砲台が建設され、由良要塞では合計約150の大砲が配備されたという。

終戦と同時に米軍により撤去されたが、今も砲台跡が比較的綺麗な姿で残され、内部の砲床部には砲台を固定していたボルトが残るなど、かつての軍事施設としての役割を後世に伝えるものとなっている。他にも弾薬庫などの施設が現存する。

筆者が小学生の頃、加太合宿と題した学校行事で訪れた際も、これらの施設で砲台や戦争の歴史を講師の方から聞く機会があったと記憶している。
自然と歴史が共存する学びの場として今後もその役割を発揮することを願いたい。

(次田尚弘/和歌山市上空)
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