さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

「何かわからないけど凄い」 竹中平蔵氏 熊野を語る

2013-10-27 13:34:05 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

12()に開催された、プレ和歌山DCキャンペーン熊野に三度」イベント第一弾を前回に続き紹介したい。

 

前回紹介した、筝曲家・西陽子さんによるコンサート後、同日午後7時より新宮市職業訓練センターで竹中平蔵氏による講演会を開催。市民など約200名が集まった。

 

竹中氏は、「世界遺産」は歴史が浅いアメリカによる提唱が起源で、日本は世界で125番目に参加したことを紹介。

併せて、日本で歴史の道について調査が始まったのが1978年、史跡登録は1987年からと遅く、日本は歴史的遺産があまりに身近すぎ、その価値に目を向けてこなかった。

その中で、世界的にも珍しい「」がいち早く世界遺産登録されている熊野和歌山が世界に誇る遺産であることを再認識すべきと話した。

 

また、観光産業は世界最大であることを紹介。

日本で観光に従事する人の割合が67%であるのに比べ、アメリカは12%、ヨーロッパ各国も10%を超える。

日本政府が文化観光立国の方針を掲げたのが2002年で、日本において観光が重視されはじめてから日が浅く、発展の余地がある。

2020年のオリンピックは世界の7割の人が見る最大のコンテンツであり日本に注目が集まる。観光産業の発展にも有効なはず。

 

さらに、熊野の魅力は「何かわからないけど凄い」というものを感じること、南方熊楠の生涯のように自由でありながら自分の強い意志を貫く荒々しいものの中にあることではないかと持論を展開。

アクセスが悪いことを逆手にとり、1~2週間の長期滞在を促してはどうかなど、アイデアを提言した。

 

講演会の後半では、熊野三山協議会幹事の山本殖生と対談。

熊野詣の歴史に触れ、和歌山らしさを出した観光の取り組みを進めてはどうかなどと語り合った。

 

(次田尚弘/和歌山)

 

 

【写真】対談する竹中氏(右)と山本氏(左)

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「熊野に三度」第一弾 那智大社で筝曲コンサート

2013-10-20 20:40:15 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

9月14日から実施しているプレ和歌山デスティネーションキャンペーン(わかやまDC)の特別キャンペーンのひとつ「熊野に三度」イベントの第1弾が、12()那智勝浦町と新宮市で開催された。

 

熊野に三度」とは、世界遺産熊野三山」が有する幽玄・雄大な景観を舞台に実施するコンサートや舞台公演。

那智大社速玉大社本宮大社の三社、それぞれで催されるイベントで、わかやまDC推進協議会の主催。

 

今回は和歌山県を中心に文化振興を主な活動とするNPO法人和陽文化振興会が共催。

那智大社で和歌山市出身の筝曲家・西陽子さんによる筝曲コンサートが、新宮市職業訓練センターで同市出身で慶應義塾大学教授竹中平蔵さんの講演会が開催された。

 

西陽子筝曲コンサート」では西さんが講師を務める桐蔭高校筝曲部の生徒10名と同校OG3名との演奏や、アメリカ出身の打楽器奏者クリストファー・ハーディさんによるパーカッションなど、独創的で新しい筝曲の世界が、訪れたおよそ300名の観客らを魅了した。

西さんは「一昨年の台風12号で被災された方々にお見舞い申し上げます。

那智大社という素晴らしい場所で演奏できて感激」と話していた。

 

 

【写真】演奏する西さんと高校生(熊野那智大社)

 

筆者は同コンサートの企画に携わった。

西さんからは「和歌山で生まれ育った高校生や、和の趣を演出する打楽器奏者との共演で、那智大社でしかできない演奏がしたい」との思いを聞いていた。

その思いと、演奏中の風、周囲の音、匂いが融合し、その瞬間でしか味わえない五感で感じるプレミアムなコンサートであったと思う。「熊野」という神秘の空間と、演奏者の故郷・和歌山への思いが相まって、それを実現させたのだろう。

 

(次田尚弘/和歌山)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地球深部探査船「ちきゅう」 紀伊半島沖で南海トラフを調査

2013-10-13 20:50:10 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

9月下旬、串本町内の国道42号線を走行中、車窓から見慣れない船が見えた。

ひときわ巨大な船で、中央には大きな櫓やアームが装備されている。

 

 

 

【写真】調査する「ちきゅう」(串本町田並から撮影)

 

 

船の名は「ちきゅう」。独立行政法人海洋研究開発機構JAMSTEC)が所有する地球深部探査船で世界最高の掘削能力をもち、海底下7000メートルまで掘削可能。地球奥深くのマントルに達する程だ。

掘削用デリック(中央の大きな櫓)は高さ130メートルを誇り30階建てのビルに相当する高さ。

 

同機構によると「ちきゅう」が紀伊半島沖で活動している理由は、南海トラフによる巨大地震とそれによる津波発生のメカニズムを解明するため。

地震発生地帯とされる新宮市から南東に75キロの海域で来年1月までに海底下3600メートルまで岩盤を掘削。

巨大地震を繰り返し起こしていると考えられる断層の地質試料を採取・分析することで、地震発生現場の地質学的特徴を把握しようとしている。

 

これは、日米が主導国となり平成15年(2003年)10月から始動した多国間国際協力プロジェクトの一環で26カ国が参加。

平成19(2007)から「南海トラフ地震発生帯掘削計画」として取り組んでいる。

来年度以降は海底下5200メートルまで掘り進め、最終的には地震発生現場からリアルタイムでデータを取得できるようにする。

 

それにより南海トラフ地震で想定される震度や津波予測の精度が向上するという。

東日本大震災以来、津波による浸水が想定される国道42号線の道沿いに津波のマークと海抜が表示された標識が増え、私たち和歌山県民にも地震と津波への危機意識が強くなった。

願わないことだが、いつか来るかもしれない大地震による被害をできる限り最小限に留められるよう貢献してくれている「ちきゅう」の活躍を祈るばかりだ。

 

(次田尚弘/和歌山)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

真の「おもてなし」を追求 スターフライヤーの取り組み

2013-10-06 21:02:21 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

前号で紹介した関西空港発着の新路線、スターフライヤー関西=福岡線10月1日より運航を開始。

関西=福岡線就航PR大使を務める「くいだおれ太郎」も初フライトを楽しんだ。

 

 

【写真】満足気に空の旅を楽しむ「くいだおれ太郎」

 

くいだおれ太郎」が満足気に着席する機内は広々としたもの。

機内サービスの充実など同社が提供するこだわりの「おもてなし」は経済産業省の「おもてなし経営企業選」を受賞したほか、国内航空業界で4年連続の顧客満足度1位を記録。

 

同社広報IR部の岸上(きしがみ)さんは「効率のよい運用によりコストを抑えることと、スタッフのおもてなしの精神により、LCC(格安航空会社)に負けない運賃設定で、明らかなサービスの差異化が図れている。

お客様の期待を超えられるよう努めています」と話す。

 

設立以来、同社には「感動のあるエアライン」という企業理念がある。

顧客満足度調査は、顧客の満足、利用前の期待、利用時の品質、価格への納得、他者への推奨、継続的な利用、の計6種の指標から評価。同社の社員には「困っている人を見たら仕事という意識ではなく一人の人間として手を差し伸べる」「困っている人には笑顔になるまで世話をする」と心がけ、マニュアルにとらわれることなく、一人ひとりができる最大限のおもてなしをしようという姿勢がある。

顧客からの高い評価の獲得に貢献し、高いリピートを実現しているのだろう。

 

和歌山への来県についても、旅行者に「また来たい」と思わせる仕掛けが必要。

県が主謀する「おもてなし宣言」は個々人が自分にできるおもてなしの内容をあらかじめ設定し宣言するもの。

マニュアルにはない、その人ならではの手の差し伸べ方を結集することが、大きな顧客満足につながるという真のおもてなしの姿を見た。

 

(次田尚弘/和歌山)

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする