さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

「地域学」を和歌山の学生にも 鳥取大学 地域学部の取り組みから

2011-09-26 20:50:38 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

鳥取県鳥取市。ここに「地域学」を教える大学がある。鳥取大学地域学部。地域政策・教育・文化・環境の4学科があり、各学科の学生数は約50名。

同学部は「地域学」を新しい学問と位置づけ、必修科目としている。地域の活動を通し、具体的に地域を知る。そして、自分で地域を調べ、理解を深める。フィールドワークの成果や外部のケーススタディを共有し、現実問題の解決に挑む。それが「地域学」だという。

地域環境学科を卒業し、大手保険会社に務める細川智世さん(24)は、同大学教授で、和歌山県立医科大学非常勤講師でもある松本健治教授の指導のもと、鳥取県における子供の発育に興味を持ち、他府県と比較した。

その中で、誤った情報を鵜呑みにした、望ましくないダイエットを行う子供が多く、発育に影響を与えているという問題に気づいたという。解決には、人との違いを受け入れる意識を子供に持たせる教育が有効であると仮説を立て、理科の教職免許を取得。熱心なフィールドワークを通し、人の生に興味を持った。それが基となり、現職に就いたという。

学生にとって、最も身近な題材である地域に着目し、自ら問題意識を持ったことへの研究を没頭させる「地域学」の存在は、自分が進むべき社会への道しるべとなっている。

筆者も故郷の和歌山市で取り組んだ活動から、通信で叶える地域活性化を自らの使命と感じ、現職に至っている。どの地域にも気づきの場があふれていると思う。

和歌山県出身の学生諸君。最も身近な地域の課題に目を向け、頭と体を動かすことで、自分なりの気づき、目的意識をもち、未来を切り開いて欲しい。

(次田尚弘/広島)

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いつも元気なふるさと 里帰りの皆様のためにも

2011-09-21 09:51:27 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
以前、住友金属和歌山工場で勤務して故郷の大分県に帰られ、30年ぶりに元の職場の用向きで来和された方を、お城の見えるホテルでマッサージさせていただきました。
青春の舞台である和歌山を懐かしんでおられるご様子がありありと見てとれます。

「久しぶりの和歌山の印象はいかがですか?」とお尋ねしました。
「少し元気がなくなっているように思います。もっとも私が勤務していたのは高度成長まっただ中の時代でしたから、無理もないのでしょうが。それにしても、特に南海和歌山市駅には昔のような活気を取り戻してほしい気がします」

大分といえば別府温泉で有名です。最近のにぎわいについて尋ねてみました。
「国内の観光客には飽きられてしまって、このところは中国・台湾や韓国からのお客様が頼りなのですが、それも東日本大震災以来、客足が激減しています。早く収束してもらいたいものです」

その後、和歌山におられた頃の思い出話に花が咲きました。
その中で、「和歌山の方には口では言い尽くせないほどお世話になりました。思いやりにあふれた親切な方ばかりでした」。
そうおっしゃるお客様の言葉に、和歌山人として面はゆいながらも、とてもうれしく感じました。

8月末、南海和歌山市駅前の広場では「市駅夏まつり」が行われ、大勢の市民が集まり大変なにぎわいでした。
雑賀孫市をベースに活動される地元商店街の皆さんの尽力で、活気を取り戻そうとしています。

かつて和歌山で過ごし、たまさかに「心のふるさと」へと里帰りなさる皆様のためにも「いつも元気いっぱいの和歌山」でありたいと、心から願ったものです。

(宮本年起/和歌山)
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国民栄誉賞記念品の「熊野筆」 誕生には紀州・熊野との関係も

2011-09-12 23:27:58 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

広島県安芸郡熊野町。ここに「熊野筆」という伝統工芸品がある。最近「熊野・化粧筆」の名を新聞で見たという方がいらっしゃるかもしれない。これは、なでしこジャパンで知られるサッカー日本女子代表が国民栄誉賞を受賞した際に贈られた記念品だ。

【写真】 熊野化粧筆、田中澄子氏所有(次田尚弘撮影)

この熊野筆。誕生の由来を紐解くと、和歌山県に関係することがある。熊野筆は約180年前に誕生した。当時、農閑期の生計を立てるため、熊野町から和歌山県の熊野地方や奈良県の吉野地方へ出稼ぎに出る方が多かった。帰路に就く際、筆や墨を購入し、行商をしながら熊野町へ帰郷したという。

筆や墨の行商として知られてきた頃、熊野町の住人が、紀州藩から広島藩へ転封した浅野家御用筆司(ごようふでし)から筆の作り方を教わり、町内で生産を始めたのが始まりだという。やがて「熊野筆」は、筆記具に留まらず、昭和40年代から化粧筆の生産を開始し、国内生産量の9割を占めるようになった。

出稼ぎ先として紀州の熊野を選び、元紀州藩から学び、生まれた「熊野筆」は、地域の文化として発展してきた。安芸の熊野の先人たちは、地域の魅力、活力につながる種を、暮らしや人とのつながりの中で見つけてきたのだ。

先日の台風12号で、紀州の熊野では大きな被害を受け、たくさんの方々から支援を受けている。お世話になる方々と共に復興の最善策を見いだし、一日も早く、魅力あふれる紀州の熊野に戻ってほしい。

(次田尚弘/広島)

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木のぬくもり、紀のあたたかみは和歌山の財産 関空展望ホールに紀州材を使用

2011-09-05 22:11:13 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

木のぬくもりから、和歌山県を思い出す機会があった。

場所は関西国際空港内にある空港見学施設「関空展望ホール Sky View」。

8月1日にリニューアル・オープンした同施設の4階にある「スカイデッキ」に和歌山県産のヒノキが敷き詰められている。そこでヒノキの香りやぬくもりを感じたとき、ふと私は中学校の課外授業で経験した林業体験を思い出した。

体験場所は紀南の山奥で、スギやヒノキの間伐を手伝った。

森林組合の方々からうかがった、森を守るために必要な間伐作業の意義と、後継者づくりへの熱い思いは今でも記憶に残っている。

今回、和歌山県産のヒノキが実用されている場に触れ、木のぬくもりを感じ、和歌山県(紀州)の方々のあたたかさを思い出したのだ。

関西の空の玄関口に、奇遇にも和歌山県を感じられる施設が出来たことは、県土の約8割を森林が占める和歌山県の魅力発信につなげられるはずだ。

県は、県内で採れる木を「紀州材」とし、ブランド化を図っている。「紀州備長炭」もそのひとつだ。

紀州備長炭」は炭の中で唯一、空輸できるものであることをご存知だろうか。

県木炭協会が発行する「紀州備長炭証」が貼られていることが条件。

平成12年、県の申し出により燃焼速度、自然発火の可能性が低いと認定されたのだ。適用は国内線に限るが、紀州材ブランドが全国、そして世界へ羽ばたき、いつまでも和歌山県の主力産業であるよう応援したい。 

(岸村敏充/大阪・次田尚弘/広島)

【写真】 リニューアルされた「関空展望ホール」

大阪府泉佐野市泉州空港北1(関西国際空港株式会社提供)

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