さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

地域の魅力や歴史を伝承 「走る」廃線跡の観光資源

2013-02-24 17:25:14 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

前号では、オールシーズンを通し小さな旅を楽しめる、有田川町観光施設巡回バスを紹介した。

今回は「走る」で共通する、有田川町で人気を博す観光資源を取り上げる。

 

紀勢線藤並駅の東口に降り立つと綺麗に整備された遊歩道が見える。

紀勢線の線路に沿って北へ北へと延びる道。それが「ポッポみち」だ。

 

 

【写真】廃線跡を活用した「ポッポみち」(藤並駅東口)

 

2002年(平成14年)まで藤並駅と金屋口駅を結んでいた有田鉄道線廃線跡を自転車道と遊歩道に整備したもので、名称は公募で決められた。

 

全長約6キロメートルに及び、平坦で透水性に優れた舗装がされる道は、ジョギングやウォーキングコースとして人気が高く、来週(3月3日)に行われる「有田川駅伝大会」に向けトレーニングするランナーの姿が多く見受けられる。

県内外のランナーから支持されるコースで、ブログでの紹介数も多い。

旧田殿口・下津野・御霊駅跡は「ポケットパーク」と名付けられた憩いの場が設けられ、蜜柑畑をはじめ自然に触れられることも人気の理由だ。

 

ポッポみち」の終着点、旧金屋口駅には「有田川町鉄道公園」がある。

2010年(平成22年)に開園し、かつて同線で使用もしくは留置されていたり、県内の他の鉄道線で使用されていた車両が、動く形で保存されている。

地元の有志が協力し、定期的に試乗会を実施するなど、まさに「走る鉄道博物館」。

鉄道ファンに限らず、親子連れの観光スポットとして、新たな息吹をもたらしている。

 

思えば20年程前、筆者は車窓から見る自然豊かな風景を楽しんだことを記憶している。

人も汽車も「走る」という視点から、地域ならではの魅力や歴史がそのまま伝承されている。

地域の方々の創意工夫のまちづくりに触れ、心があたたかくなった。

 

(次田尚弘/和歌山)

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リピーターを期待できる 片道80分の観光巡回バスの魅力

2013-02-17 18:38:09 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

冬の和歌山に観光客をどう呼び込むか。夏には海水浴をはじめ家族連れの観光客で賑う和歌山だが、冬でも観光客を減らさない仕掛けは無いものか。

今回は紀勢線藤並駅を発着し有田川町内の公共施設や温泉を周遊する「有田川町観光施設巡回バス」を紹介したい。

 

有田川町は旧吉備町金屋町清水町が合併して誕生した人口約2万7千人の町。

蜜柑、山椒、なれずしが名産で、清水・二川・金屋などの温泉、日本の棚田百選の蘭島(あらぎじま)などが観光名所だ。

最近は有田鉄道の廃線跡を活用した鉄道公園や、漫画や電子書籍を楽しめる町地域交流センターが人気を博している。

 

これらの観光施設を巡回するバスが、土日・祝日を中心に運行されている。

藤並駅東口を出発し清水スポーツパークまで片道約80分の長距離を走る。

 

運賃は無料で1日2往復。バスの運行日時や停車場所は有田川町のウェブサイトから確認できる。

 

 

 

【写真】藤並駅に停車中の「せせらぎ号」

 

装飾を付けたレトロ風のマイクロバスは「せせらぎ号」と名付けられ、有田川沿いの経路を辿るにぴったりの名前だ。

乗車するには、藤並駅東口の観光案内所で乗車整理券を受け取る。

スタッフから目的地となる観光施設を尋ねられ、必要に応じてパンフレットや見所を教えてもらえる。

同駅を午前10時に発車する便には十数名の観光客が乗車。温泉、交流センター、鉄道公園など、乗客の目的地は様々。

 

観光施設を結ぶ巡回バスは全国にたくさんあるが、有田川町の場合は運行距離が長く、観光施設が旧3町に程よい距離で点在することから、数回訪れなければ周遊し切れず、かつシーズンに合った楽しみ方ができる点が魅力的。

例えば、春夏はスポーツパークで運動やバーベキューを楽しみ温泉で汗を流す。秋冬は棚田などの風景鑑賞やハイキング、読書、温泉を楽しむ。

四季にあわせて降車地を選べるという、地域の特性から生まれた、リピーターを期待できる観光まちづくりがここにある。

 

(次田尚弘/和歌山)

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旅行者の利便性が向上 交通系ICカードの相互利用

2013-02-10 13:10:12 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

ピッとかざすだけで鉄道やバスを利用できる交通系ICカード

来る323()より10種類が全国で相互利用できるようになる。

 

例えば、県外からの旅行者が出発地で普及しているカードを使用し、旅先で電車やバスの乗車、物品の購入に使用できる制度。

これまでのような複数のカードを所持、もしくは現金で切符などを購入する必要が無くなることで、旅行者の利便性が大幅に向上。スムーズな観光をアシストできる画期的な取り組みだ。

 

相互利用が可能になるのは「KitacaJR北海道)」「PASMO(パスモ)」「SuicaJR東日本)」「manaca(名古屋交通開発機構およびエムアイシー)」「TOICAJR東海)」「PiTaPa(スルッとKANSAI」「ICOCAJR西日本)」「はやかけん(福岡市交通局)」「nimoca(ニモカ)」「SUGOCAJR九州)」。

 

 

 

発行総数は約8千万枚。世界でも最大級の規模となり、全国4275の駅と21450台のバスで利用できるという。

また約20万の加盟店で電子マネーによるショッピングが可能(PiTaPaカードを除く)。

 

県内における交通系ICカードの利用は阪和線南海線の駅に限られるのが現状。

一定の利用者数を見込めない地域への導入は厳しいものがあるだろうが、観光地において観光協会や商工会などが主体となり、交通系ICカード電子マネー機能を活用し、土産品などの少額決済を促進することは可能かもしれない。

まもなく訪れるこの機会を、県の観光振興に活かしていきたい。

 

(次田尚弘/和歌山)

 

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和歌山と大阪をつなぐ学縁 「まち塾@まちライブラリー」で連携

2013-02-03 17:40:17 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

本コーナーは今回で第100号。読者の皆様に支えられ3年目に突入できたことに御礼を申し上げたい。

創刊した2010年1月より、わかやまニュースハーバーは、本紙やラジオ、ウェブサイトでの情報発信と同時に、実際に県内外の人々が集まり情報交換ができる場づくりを模索してきた。

この程、多くの皆様のご尽力によりその環境が整い今春から本格始動する。100号の記念としてご紹介したい。

 

時は2009年秋。竹中平蔵慶大教授から森ビル取締役(当時)の礒井純充さんを紹介された。

礒井さんは六本木ヒルズ49階にある「アカデミーヒルズ」を企画された、まちづくりのスペシャリスト。

この礒井さんが全国の街かどに小さなライブラリーをつくろうとされていると聞いた。

その名は「まち塾@まちライブラリー」。有志の人々が、自分の好きな本を持ち寄り語り合う場。

本が人と人の縁を結ぶ紙(神)になって欲しい」という礒井さんの熱い思いに感動し、筆者は実行委員に加わった。

 

即座に頭に浮かんだのが、当時、大阪ガス和歌山支配人の石田通夫さんが、ぶらくり丁商店街の「みんなの学校」の地下1階に開設された私設図書館ミルキーウェイ」との連携だった。

2010年1月。礒井さん、石田さん、和歌山市の担当者をお引き合わせし「和歌山まち塾@まちライブラリー」として連携することが決まった。

 

2年の充電期間を経て、さらに、この春、大阪府立大学が難波に新設するサテライトキャンパス(南海電鉄の新社屋内に入居)に作られる「まちライブラリーinなんば」との連携が決定。

 

2月1日、そのキックオフイベントが開かれ、2年ぶりに礒井さん、石田さん、筆者が和歌山で再会した。

 

 

【写真】右から、礒井さん、石田さん、筆者

 

和歌山市と大阪難波がつながるプロジェクト。

100号を迎えた本コーナーとも連動し、今後は「人と人、人と情報がつながる元気なまちづくり」という新たなステージに挑戦したい。

 

(次田尚弘/和歌山)

 

 

『まち塾@まちライブラリー』のWeb

http://www.mori-m-foundation.or.jp/machi/index.shtml

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