さんぽみちプロジェクト

さんぽみちプロジェクトの記録。
和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

衛生感覚の見直し 試食の際、気をつけて!

2011-07-24 15:24:19 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
毎年3月中旬に和歌山近鉄百貨店で「全国美味(うま)いもの巡り」という催しが開催されます。
その名の通り日本全国から名産・名品が集まり人気のあるイベントです。
ことしは九州新幹線開通の時期と重なりましたが、その前日に東日本大震災が襲いました。
この催しのために来られた業者のお一人にお話を伺いました。

「和歌山の方に毎年たくさんお越しいただいてありがたいです。ただ試食をしていただこうと小さく切り分けた食材を提供しているのですが、せっかく爪楊枝をさしているのに、まだ爪楊枝をさしていないものを手でじかにつまんで召し上がる方がいて当惑します。 さらに中には…」

言いにくそうにされるのを無理にお聞きすると、和歌山人の意外な習性が。
「爪楊枝で召し上がった後、その爪楊枝を並んでいる食材に戻される方がいます。
これは他ではないことなので、先輩に聞きますと『和歌山の人は時々そうされる』 と…」

そう言ってから業者さんは慌ててこう付け加えました。
「いえ、他の地方では試食品を食べるだけで、なかなか買っていただけないところもあるのに、こちらではたくさんお買い求めいただけて、とてもうれしいです」

生肉による食中毒事件が世を騒がせた昨今、この機会に私たちの衛生感覚を見直してみたいものです。
あまりに過敏な潔癖性も、いかがなものかとは思いますが。

(宮本年起/和歌山)
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雑賀衆の精神が残る 島根県松江市雑賀町

2011-07-18 19:19:23 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

島根県松江市雑賀町(さいかまち)。ここは、和歌山に縁のある土地だ。

1585年、秀吉による紀州征伐で解体された雑賀衆だが、その残党が、松江城の築城に関わった堀尾吉晴により松江へ迎えられた。
堀尾吉晴は、秀吉の家来として信長や秀吉に仕えてきた。数々の戦いで雑賀衆鉄砲隊の威力を熟知していた吉晴は、松江城を守るべく、鉄砲隊の配備を思いついたという。

雑賀町にある雑賀小学校の正門前に「雑賀魂」と書かれた石碑がある。

     

観光案内所のスタッフによると、雑賀衆は鉄砲を扱うため算術などの知識を持ち合わせており、それを共有するために多くの寺子屋ができたという。

勉学に熱心な地域で、元総理大臣の若槻礼次郎(1866年-1949年)や、近代スポーツの父と慕われた岸清一(1867年-1933年)など、多数の偉人を輩出している。

雑賀魂」とは、「世のために学問に励み、日本一になれ」という精神で、今なお、児童らに受け継がれているという。

雑賀衆の認知度について尋ねてみた。雑賀衆は足軽として知られ「あしがる君」というキャラクターがあるほど。しかし、雑賀衆が、和歌山で生まれた集団であることを知る人は少ない。

雑賀衆孫市の会(森下幸生会長)の尽力により、和歌山市の観光資源として定着してきた。同会は松江市民を和歌山へ招く取り組みを行ったこともある。

私も、和歌山市観光発信人として、山陰の地で、和歌山との関係や魅力を発信していきたい。

(次田尚弘/広島)

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和歌山軌道線廃止から40年 現存する広島の路面電車の今

2011-07-04 22:08:34 | WAKAYAMA NEWS HARBOR

和歌山から広島へ移り住み3ヶ月が経ち、いくぶん広島の街に慣れてきた。通勤や営業のため、広島電鉄という路面電車を利用するのだが、これがたいへん便利である。

(写真)京都市交通局から移籍した1900形電車。今もなお、広島の街で活躍する。

(広島市中区東千田町で次田尚弘撮影)

同社は1912年(大正元年)開業、広島市中心部から広島駅、広島港、宮島方面へと多数の路線を有している。市内線は1乗車150円均一で、運行本数も多い。市民からは手軽な乗り物として親しまれ、中心市街地に人の流れ(人流)をもたらしている。

昭和40年頃からは、大阪、京都、神戸、福岡、北九州で不要となった路面電車を多数受け入れ、現在も運用されている。

和歌山軌道線(昭和46年廃止)と同様、広島においてもモータリゼーションの進展で路面電車の廃止が検討されたという。

しかし、関係者によるヨーロッパへの調査団派遣など、渋滞緩和策として活用される新しい路面電車のありように気づき、存続が決まったという。

現在は駅のバリアフリー化や、低床車両の導入など、LRT次世代型路面電車システム)化を推進。更なる進化を遂げている。

LRT化は国土交通省が導入支援を行い、現代における環境負荷の軽減や交通事情の円滑化、移動のバリアフリー化、都市内交通の利便性向上など、地域活性化に影響を与える施策。

広島は40年前にその必然性に気付き、現代まで路面電車による交通網を維持してきた、交通まちづくりの先駆けの都市といえる。

人口や街の構造、観光資源や社会的事情は異なるが、かつては路面電車が存在し、現在、中心市街地活性化が課題和歌山にとって、学ぶべき事例であることは確かだ。

(次田尚弘/広島)

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