川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

400年間、人々を欺いてきたドードーの絵!

2016-05-22 20:33:25 | 日記

(写真は、生きたドードーを見て描いた可能性が高い、わずかばかりのスケッチ。つまり「欺いてない」やつ)

メルマガ「川端裕人の秘密基地からハッシン!」16号のドードー連載は、堂々めぐりしながら、螺旋状に進んでおります。

今回は、「出島ドードー」の震源地、ロンドン自然史博物館を訪ねるシリーズ。

旧来の絶滅鳥類の展示スペースのほかに、「ダーウィンセンター」と呼ばれるセクションにもドードーの新しい展示があって、そっちは最新のドードー研究の集積地という雰囲気です。

そして、この展示を企画して実現させたのが、ジュリアン・ヒュームさんで、彼が「出島ドードー」の発見者で、実は絵かきでもあり……といろいろな縁が彼のところでぴっとつながるわけです。

絵かき、それって大事なんです。

これまでのドードーの研究って、実物も標本もほとんどない中で、絵に描かれたドードーから研究されている部分が大きかったから、そこを批判的にみることができる、サイエンティストで絵かきのジュリアンは、まさに適任だったわけですね。

そして、彼は、400年間にわたって、ドードーのイメージを形作ってきた、一番有名なドードーの絵「エドワードのドードー」が、実は実物を見て描かれたものではないと看破します。

最初の復元をしたリチャード・オーウェンの間違いを誘発し、不思議の国のアリスのドードーの造形に影響し、400年間続いた古いドードー復元は、最近やっと、あちこちで修正されつつあって、日本の動物関係の絵かきさんも、そのへんは敏感に取り入れているみたいですね。

解剖学、特に美術解剖学を学んだ人なんかにしてみると、もともとおかしな復元だったのだそうです。

しっかし、「エドワードのドードー」の作者は、ルドルフ二世の宮廷画家だった人でもあって、そりゃあ、実物見ていたんじゃないかって思いますよね!